虹ヶ咲 彼氏彼女の事情   作:ワサオーロラ

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中須かすみ 保健室にて…

俺はコンコン,とある部室をノックした。

 

そこには、スクールアイドル同好会と書いてある。なぜワンダーフォーゲル部の俺が全く接点がなさそうなこの部室に来たのか…

 

それは一人のスクールアイドルに用があったからだ。

 

??「はーい」

 

中から声がして,ドアが開く。

 

侑「あ,敏樹くん。いらっしゃい、かすみちゃんだね?」

 

敏樹「侑さん,ご無沙汰してます。中須さん今,何してますか?」

 

侑「そんな改っちゃってどうしたの?今はね…個人で振りの確認してるよ。」

 

敏樹「そうですか、じゃあ,終わったら教室に来るように伝えといてくれませんか?」

 

侑「中で見ていったら?今朱衣くんと敏樹くん以外中にいるけど。」

 

敏樹「そうなんですか?朱衣さんは,いつも通りですか。」

 

侑「いつも通り部活の助っ人だってよ。でどうするの?」

 

敏樹「誘っていただいてありがとうございます。でも今日はやらなきゃいけないことがあるので,遠慮しときます。」

 

侑「そう?ここでやってけばいいのに〜」

 

敏樹「すいません、やらなきゃいけないこともあるし,何より中須さん見てると、みることに集中しちゃって,何も手につかない気がするので、今日はちょっと…時間があったら,また来ます。」

 

侑「あはは、そっか。じゃあ、かすみちゃんに伝えとくね」

 

敏樹「ありがとうございます。」

 

そう言うと,侑さんは中へ戻っていった。そして自分もやることがあるので、教室へ戻った。

 

 

 

かすみside

悠雅「おーい、侑誰だった?」

 

悠雅先輩が誰か聞いていた。

 

(まあ〜,かすみんからしたら誰でもいいんですけどね〜)

 

そんなことを考えながら,あっちの話に耳を傾ける。

 

侑「あー、敏樹くんだったよ」

 

悠雅「なんだ,敏樹か」

 

かすみ「え!?!?」

 

愛「うわ,びっくりした〜どうしたの?かすかす」

 

かすみ「かすかすじゃないです!かすみんです!それで,侑先輩,敏男何か言ってなかったですか?」

 

侑「言ってたよー、部活終わったら教室に来てってさ」

 

かすみ「え,それだけですか?」

 

侑「うん。そうだけど…?」

 

かすみ「そう,ですか…」

 

璃奈「でも確かに敏樹くん最近あんまり顔出さないよね。璃奈ちゃんボード:しょんぼり」

 

蓮「なんで璃奈がしょんぼりしてんだよ。まあ〜,今日はやることあるっぽいし,こないんじゃないの?」

 

最近は大会が近いからか,練習が長引いたり,早く終わっても、疲れたからと言って先に帰ってしまったりしていて,一緒に帰ることもまともにしていない。

 

そして久しぶりに彼が来たと聞いた時は内心嬉しかった。けど来たのは部室前までで,伝言が終わったら教室に来てだけ。毎回教室に待ち合わせして一緒に帰っているからこれが一緒に帰ろうという誘いだと言うこと把握するのは造作もなかった。

 

(久しぶりに一緒に帰れるのか〜何話そうかな〜)

 

彼女は一緒に帰れることを嬉しがっていた。しかし何を話そうか考えれば考えるほど,いままで会えなかった不満ばかりが頭をよぎる。彼にあったら,この気持ちを彼にぶつけてしまう気がした。

 

栞子「はい。ワンダーフォーゲル部の何かがあるとかで」

 

乃亜「それ言ったら、朱衣くんもあんまりこないよね。」

 

快斗「たしかにな。かすみちゃんは,明らかに落ち込んでるけど,愛さんはなんかないの?」

 

愛「え?私?ん〜特にないかな〜ほら,私たちってさ、部活の助っ人してるじゃん?それをお互い理解してるから,少し話したり,一緒にいたりできれば,今は十分かなって」

 

果林「今は,ってことは?」

 

愛「やめてよ。もう〜」

 

彼方「愛ちゃん、顔真っ赤でかっわいい〜」

 

かすみ「すごいですね。愛先輩。かすみんだったら絶対無理ですよ,そんなの」

 

悠雅「まあ〜,恋の形なんてそれぞれだしね」

 

凪「それより,雑談で時間なくなるけどいいの?」

 

みんな「あーーー!!!」

 

そして各々自分の定位置に戻っていった。その時ボーっとしていた私はそれに気づかなかった。

 

かすみ「ひゃう!!」

 

侑「かすみちゃん?!」

 

麗真「思いっきり頭から行ったけど,大丈夫?」

 

しずく「ラジカセのコードにつまずいたみたいです。」

 

果林「大丈夫なわけないでしょ!かすみちゃん!」

 

(あ,ラジカセのコードがあったんだ。だんだんみんなの声遠くなってきたな。こんなときにも敏男はいてくれないんだな…)

 

歩夢「かすみちゃん!かすみちゃん!」

 

かすみ「……… と…しお……」

 

それを口にした途端、私の意識は途切れた。

 

せつ菜「そんな…かすみさん!かすみさん!」

 

エマ「嫌だよ,かすみちゃん……」

 

輝弥「エマさんもせつ菜ちゃんも落ち着いて,気を失ってるだけだから。」

 

エマ「ほんと?」

 

輝弥「うん。だから、大丈夫だよ。とりあえずかすみちゃん保健室に運ぶよ。快斗くん,教室にいる敏樹くんに保健室に来るように言ってきてくれないかな。」

 

快斗「分かりました。」

 

輝弥「他の子は,ここにいてみんなのこと見てて」

 

乃亜「了解です。」

 

輝弥「じゃあ、エマさんとせつ菜ちゃんよろしくね。」

 

そう言うと,輝弥はかすみを抱えて保健室に,快斗は教室へ向かった。

 

 

 

敏樹side

 

静かな空気の中それを壊すように廊下を駆ける足音,それは俺がいる教室に近づいていた。その時勢いよく扉が開いた

 

快斗「はぁ…はぁ…やっと見つけた。」

 

それは快斗だった。快斗は,一つ上の先輩であり,俺のいとこである。

 

敏樹「どうした?そんなに走って」

 

快斗「敏樹大変なんだよ,一大事なんだよ」

 

敏樹「なんだよ一大事って、どうせいつものように、なんかいいキャラでも当たったのかよ」

 

快斗「ちげーよ。かすみちゃんが…」

 

敏樹「かすみちゃん?なんでそこで中須さんが出てくるんだよ?中須さんに10連してもらったとか?」

 

ドアの前で息を整えていた快斗は中に入ってきた。それは,鬼の形相で俺に近づいてきて、俺の机を叩いた。

 

敏樹「!!って,なんだよ,急に」

 

快斗「だから,かすみちゃんが一大事なんだよ!!」

 

敏樹「かすみちゃんが…?中須さんに何かあったのか?!」

 

快斗「そう言ってるだろ!!」

 

敏樹「何があったんだよ!」

 

俺は机から勢いよく立ち上がり、快斗の肩を掴んだ。

 

快斗「落ち着け。」

 

敏樹「落ち着けるわけないだろ。彼女の一大事だぞ?!」

 

快斗「だったら早く保健室行けよ。内容は行けばわかる。ここで話してるの自体が時間の無駄だ」

 

敏樹「わかった。ありがとな」

 

俺はそう言って廊下を急いで走った。

 

 

 

敏樹「中須さん!!」

 

俺は息を切らしながら,勢いよくドアを開けた。

 

侑「あ,敏樹くん!来てくれたんだ。」

 

輝弥「遅いよ。敏樹くん」

 

敏樹「はぁ,はぁ,中須さんは?」

 

侑「ラジカセのコードに足引っかけちゃったみたいで,そのまま頭から行っちゃって…今は寝かせてる。」

 

敏樹「そうですか…すいません。お騒がせして。自分がいなかったばっかりに…」

 

俺はそう言って唇を噛んだ

 

輝弥「全然大丈夫だけどさ,俺らも,見てたのに何も出来なかった。」

 

敏樹「いえ,輝弥さんは中須さんをここまで運んでくれたじゃないですか。それだけで十分です。少し中須さんと二人にしてくれませんか…?」

 

侑「でも…」

 

輝弥「わかった。目を覚ましたら,呼びに来てくれ」

 

敏樹「ありがとうございます………」

 

そうして二人は出ていった。俺は自分の泣きそうな顔を隠すように深くお辞儀をした。

 

侑「ほんとのよかったの?」

 

輝弥「大丈夫でしょ。かすみちゃん今日敏樹くんが来てからずっと何か引きずってる顔してたから。」

 

侑「そうだったの?部長なのに気づけなかった…」

 

輝弥「微細のことだったからね。それに目を覚ましたときに1番最初に見るには,彼氏の顔がいいでしょ。」

 

二人がいなくなってから,俺はベットの近くの椅子に座って,かすみちゃんの手を握って泣いていた。

 

「ごめんかすみちゃん……」

 

そんなことを言っても返してくれる人は誰もいない。この静かな空間で俺はそう囁き、自分を責めることしかできなかった。

 

するとかすみちゃんの指がピクッと動いた。

 

「!!かすみちゃん!」

 

「んん…敏…男…?」

 

「そうだよ」

 

「かすみんのために来てくれたんだ」

 

「うん。来たよ。倒れたときにいてあげなくてごめんね」

 

「いいよ。かすみん優しいから,許してあげる。でも…」

 

起きたてだからか,彼女の声は弱々しかった。こんなかすみちゃんを俺は見たことがなかった。

 

「でも?」

 

「これからは,もっとかすみんと一緒にいて欲しいかなって//」

 

そんなことを言って恥ずかしかったのか,彼女は,布団で鼻から下を隠した。

 

「うん。俺はもうかすみちゃんから目を離さないよ」

 

「ありがとう,敏男。あ,あと1つだけ」

 

「なに?」

 

「……中須さんじゃなくて、かすみちゃんって呼んで…欲しい//」

 

「わかったよ。まだ万全じゃないんだから,もう一睡ぐらいしな」

 

「そうする。かすみんの寝顔見たからって,襲わないでよ?」

 

「可愛い寝顔はみるけど,襲いはしないよ。」

 

「…なんか寝顔見せるのも恥ずかしくなったので,寝顔も見せない!」

 

そう言ってかすみちゃんは布団で顔を覆った。少しずついつも通りに戻ってきた彼女を見て,俺は安心したからか,布団の上から彼女の頭を撫でた。

 

「そっか〜それは残念。おやすみ,かすみちゃん」

 

「……おやすみ…敏男」

 

そして彼女は,動かなくなった。俺はそっと布団をずらして,かすみちゃんの寝顔を見た。それは可愛いの一言だった。寝たことを確認した俺は,保健室を後にし,部室へと向かった。

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