皇帝讃歌は鳴り止まない   作:靉靆 

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デジたんTのアマッカスがデジたんと一緒に喉が枯れ果てる程ウマ娘讃歌を謳う小説が読みたい今日この頃。誰か書いて(他力本願)





邂逅:運命の日

 

 

 

「───叔母様。私はこれより、己が“本能”のままに走ります」

 

 

何もかもが、心地良い。

芝生を踏む柔い感触。踏み出すごとに鳴る蹄鉄の金属音。己が心の臓腑の高鳴る鼓動。闘志あふれる若人たちの懸命さ──その総てが、シンボリルドルフという存在そのものを満たす。

 

 

「加減なく、呵責なく、容赦なく。

(あら)ゆる希望の芽を摘み取るつもりで全霊を尽くしましょう───それが、貴女から継承したシンボリの“矜持”であるが故に」

 

 

誰に聞かせるわけでもなく、柔軟を終えたルドルフは敬愛する叔母に心から言の葉に乗せ誓う。

あの日、己にとっての天啓を得た運命の日を微睡むようにして想起しながら。

閉じた瞳は開かれ、紫紺の双眸がこれより己の走る舞台を映す。

 

トレセン学園選抜レース。

疾駆すべきは距離2400m。

模された東京レース場と同じくコースは左回り、高低差2mの坂に新潟レース場に次ぐ長い直線。

奇しくもそれは、トゥインクルシリーズにおける日本ダービー、ジャパンCと同じフィールドであった。

 

選抜レース──春夏秋冬、年四度に渡ってトレセン学園にて開催されるウマ娘にとってある種の初陣。

新たな門出を迎えた幼駒たちは皆、自身の夢に伴うトレーナーを得るためのチャンスをものにせんと殺気だっている。

 

 

「あれがシンボリルドルフ……」

「流石あのシンボリ家の御令嬢。堂々としてるわね」

「今年の新入生1番の注目株だな」

 

 

外ラチの向こう側から己を見定めるトレーナーたちの小声をウマ娘としての優れた聴覚が捉えるが、当のシンボリルドルフ本人はそんな他者からの憶測による評価など気にせず、トレセン職員の指示に従いゲートへと入る。

 

 

『トレセン学園、選抜レース。各ウマ娘ゲートに入りました』

 

 

窮屈故の圧迫感に怖じることなく冷静を保ちながら、シンボリルドルフは神経を研ぎ澄まし“集中”する。

 

ゲートが開くその一瞬まで呼吸と鼓動を制御しろ。集中を乱すな。

 

それはルドルフ以外の同輩たちも例外ではない。並ぶライバルたちだけでなく、このレースを見定めるトレーナーたちも一言たりとも言葉を紡がない。

 

研ぎ澄ました神経が“集中力”を極限まで高めたその刹那───ゲートが開く。

 

 

『各ウマ娘、きれいなスタートを切りました!』

 

 

さぁ各々方、刮目せよ──これが、後に世界へとその真名を轟かせし皇帝の疾駆である。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

『第2コーナーを回った現在、先頭から最後尾までの間隔は約十バ身程! 注目のシンボリルドルフは前から3番目の位置でレースを進めて行きます!』

 

 

 

───素晴らしい、嗚呼なんと素晴らしき哉。

 

 

好位置につき順調にレースを進めていくルドルフの胸中には、同輩への感嘆に満ち溢れていた。

 

夢を見、夢を叶えんと己の全力を出し疾るウマ娘の煌めき。

レースを見れば、まだ未熟な者も多いだろう。

スタート時に集中を欠きコンマ数秒の遅れを出す者がいた。ペース配分を考慮しきれず“掛かった”者がいた。前を塞がれたことで行く末に躊躇が生まれた者がいた……規格外の神童(シンボリルドルフ)に比べれば、彼女たちは才能も、肉体の完成度もまるで足りていはない。

 

されど死に物狂いに疾駆し、未来(ユメ)に焦がれる幼駒の懸命さ……これを讃えずして何を礼賛すれば良いのだと、シンボリルドルフは歓喜し、感動し───無慈悲に“蹂躙”の準備を整える。

 

 

「ならば此方(こちら)も、全霊で征かねば無作法というもの」

 

 

瞬間、空気が変わる。

狂気は鳴りを潜め、視界は鮮明に晴れ、思考が澄み渡り───双眸より紫電が舞う。

 

よもや、よもやだ。シンボリルドルフは選抜レースというある種初陣の舞台で───領域(ゾーン)へと至る。

 

世界が流転する。

世界が変貌する。

世界が、塗り替わる。

 

何もかもが理解(わか)る、何もかもが把握(わか)る。

前後左右にて疾る同輩たちの呼吸音と鼓動の規則性、筋肉の動き、次瞬の行動。

研ぎ澄まされた“感覚”が即座にそれらを捉え活性化された脳細胞が網膜より取り入れた情報と共に解析し、その全てが手にとるように理解できた。

 

 

もはや、このレースはシンボリルドルフの手中であった。

 

 

本来ならば領域(ゾーン)を使用せずともルドルフならば圧勝を以ってこの勝負を締め括ることも可能だろう。

 

だが、しかし──幼少の頃に降り立ったスピードシンボリからの赦しと天啓が、さらには己が胸中にてのたうち回る”渇望“が、彼女を“本気”の闘走へと(いざな)う。

 

 

『シンボリルドルフ!第3コーナーを回って今年一番の注目株がここで動き出した! 先頭までの差を驚くべきペースで詰めていきます!!』

 

 

「──汝、■■の神威を見よ」

 

「ひ…っ!」

 

 

醸しだされる神威と殺気に慄き、微かに上げられた幼駒の悲鳴を拾いながらも、ルドルフは全霊を緩めることなく発揮する。

加減も容赦も呵責もなく、ただ只管(ひたすら)に“本気”の疾駆を繰り広げた。

 

 

『ここでシンボリルドルフが先頭に代わった! すごい脚! 二バ身、三バ身───まだ開く!まだ衰えない! むしろ()()()()()()()! 六バ身、七バ身! 何という末脚、とんでもないウマ娘が現れました!!』

 

 

駆動する両脚は熱を帯び、吐き出す呼吸が大気を震わせる。

もはや誰の目から見ても圧倒的な、蹂躙と言っても差し支えない十バ身の大差をつけながらシンボリルドルフはゴール版を駆け抜けた。

 

 

「嗚呼、よき闘走であった」

 

 

感動を胸に抑え込み、()()()()()()()()()()()()()()へ礼賛を叫ぶ。息を切らさず至極平常とも言えるルドルフに対し、レースを駆けた同輩は呼吸すらままならず肩で息をする始末であった。

 

 

「ば、化け物……っ!」

 

「然り、存分に識っているよ。己の悍ましさなど」

 

 

その瞳は、幾度もシンボリルドルフが受けてきた蔑如。

幼きあの日。お前のような怪物にはついて行けないと罵倒を投げかけてきた友たちと同じ、嫉妬に身を焦がす身内(シリウス)の憤慨の籠った眼差しと同じ既知感を感じながら、ルドルフは臆し逃げることなく侮蔑を受けとめる───それが、()()()()()であるが故に。

 

恐怖の伝播は、ルドルフとレースを駆けたもの以外も例外ではなかった。

レースの行く末を見定めていたトレーナーたちは皆規格外の鬼才の登場に騒めき、ある種畏れていた。唯一違いがあるとすれば、その瞳に畏れとはまた別の希望が灯っていたことだろう。

 

いち早く彼女をスカウトせねば。

 

彼女の担当となれば己のキャリアに箔がつく。

 

特に、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と感じるベテランや功績を急ぐ中堅ほどその欲望の火種は大きかった。

 

誰よりも何よりも早くシンボリルドルフをスカウトせねばと、トレーナーたちが動き出そうとした──その時。

 

 

 

「私が求めるのは───“勝利”だ」

 

 

凛とした透き通る声が、空気を震わせ鼓膜に届いた。

 

生き急ぐ諸人に、ルドルフは妖美とも思えるほどに麗しい所作で眼差しを向ける。

 

その圧と高貴さに、誰も……何も言葉を紡げない。

 

勝利を求める。それはウマ娘としてなら至極当たり前な競争動機であるが、ルドルフのそれは他の有象無象と一線を画していた。

 

 

「私は()()()()()()()を戴冠せんが為に“勝利”を求め研鑽する」

 

 

 ()()()()()

その言葉を聞き、皆が一瞬にして眼前の少女が求めしその栄誉を察する。

 

 

皐月賞 東京優駿(ダービー) 菊花賞

  ──即ち、クラシック三冠

 

大阪杯 天皇賞(春) 宝塚記念

  ──即ち、春シニア三冠

 

天皇賞(秋) ジャパンC 有馬記念

  ──即ち、秋シニア三冠

 

 

それは、前人未到の大偉業。

時代の変化による差異があるとはいえ、彼の“神駿”たる伝説の五冠ウマ娘神讃(シンザン)の威光など知ったことかと言わんばかりに傲岸(ごうがん)不遜(ふそん)な大言壮語。

 

未だメイクデビューの舞台すら終えていない幼駒が、なぜこのような口にするのも恐れ多い偉業を言葉として衆前にて紡げるのか。

 

それは彼女が厚顔無恥な愚者故にか? 

 

それとも現実を知らぬ夢見る小娘故にか? 

 

それとも真逆(まさか)、もしやこの少女が──自身の力量を“絶対”のものであると()()()()()()が故にか?

 

本来なら問答無用にくだらぬ冗句と一蹴すべきその言葉を聞きながらも、しかしながら皆一様にして確信していた。

 

──このウマ娘は本気で、未踏の戴冠を成そうとしているのだと。

 

言葉だけではなく、本格化も未だ初期の段階とも言えるその(からだ)から迸る覇気が、闘気が、気迫が、なによりも雄弁に先の宣誓に偽りなど微塵もありはしないと語っている。

 

 

「どこまでも“勝利”に妄執を抱くこの宿痾(しゅくあ)を傲慢と蔑むか、無謀と嘲るか、夢みがちな幼駒(ようく)の虚妄と一笑に付すか。

それは貴殿らの自由だ───しかし」

 

 

 

言葉を区切り、衆人に視線を向ける。

基本原則として眉目秀麗な顔立ちばかりとも言えるウマ娘の中でも一際美しく、中等部に上がりたてということで未だ幼さとあどけなさを感じるその美貌であるが、浮かべる表情は断じてそれに似合う愛らしいモノではなかった。

 

紫紺の双眸は焔が如く燃え盛り、まるで得物を狙う肉食獣らしく獰猛な笑みを浮かべ、それは見る者全てに一筋の狂気を感じさせる。

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

常勝不敗、蓋世不抜(がいせいふばつ)

 私と共に“完全なる勝利”を掴むと気炎万丈(きえんばんじょう)の信念を口にできる者のみ、この手を取れ」

 

 

未来ある幼駒の放つ雄々しき宣誓に、誰も声をあげることができなかった。

そしてこの場にいる新人、中堅、ベテラントレーナーの区別なく全員が理解したのだ───()()()()()()()()()()()()()()()()にあるのだと。

 

 

「ふむ、候補なし……か。

 是非もなし。メイクデビューの時期まで時間はまだある、貴殿らも心の構えができれば───」

 

「───その責務(つとめ)、俺が請け負おう」

 

 

己の野望について来れぬ人の弱さに一瞬の嘆きを見せ、言葉を紡ごうとしたその時───無敗を謳うルドルフの宣誓に慄く人の群れから、一人の男が抜け出し近づく。

 

若い、男だった。歳の程は二十代前半。その若さから見るにトレーナー過程を修めたばかりの若輩であることは想像に難くなく、されどその若輩者は周囲の者たちと違い臆することも畏れることもなく悠々とルドルフの前に立った。

 

 

「名を、聞かせてほしい」

 

 

目の前に立つ希望者に動じることなく、ルドルフは男の名を尋ねる。

 

 

「──桐生院、駿(すぐる)

 

 

周囲の騒めきが一層大きくなる。

 

───桐生院。

 

この世界においてその名が示す意味はただ一つであり、とても重い家名となる。ウマ娘育成における名家、桐生院家。

その一人と思しき青年の登場に、さしものルドルフも眉を顰めるのみではあるが反応を示す。

 

「では次に──キミは、何を求める?」

 

名前の次は志望動機。まるで職務における適性を図る面接かのように、ルドルフは淡々と問いを続ける。

 

「栄誉か、地位か、富か、諸人からの礼賛か───キミは、()()()()()()()?」

 

「何を…か。それは先程、貴女が言ってただろう」

 

まるでくだらない質問だと言わんばかりに一笑し、“桐生院”はルドルフ同様好戦的な笑みを浮かべ宣誓を成す。

 

 

「───“勝利”だ」

 

 

ゾクリと、ルドルフの背筋を“なにか”が襲った。

スピードシンボリからの教え以来何者にも畏れも抱かぬほどの胆力を持つはずのルドルフが、天啓以来初めて“他者の言葉”に心を動かされる。

 

 

「ただの一度も敗北はなく、完全な“勝利”を。

 一筋の傷もない九つの王冠、(ほまれ)あるグランプリの称号、そして───我らが追いし凱旋門賞(ユメ)

 

「───!!」

 

 

それは、日本の歴史が抱きし悲願(ユメ)

 

それは、世界のウマ娘が焦がれる遥か遠き理想(ユメ)

 

それは、偉大なる先駆者(スピードシンボリ)が開拓せし新たな可能性(ユメ)

 

 

「シンボリルドルフ、皇帝の名を持つ優駿よ。

 偉大なる凱旋と共に世界は、麗しき貴女の名を歴史に刻むだろう」

 

 

仕立ての良いスラックスが荒れたバ場の芝と泥に汚れることすら気にせず、男はまるで忠誠を誓う臣下が如く(ひざまず)く。

 

 

「故に、故にどうか、俺にキミを支えさせてほしい。

桐生院(きりゅういん)駿(すぐる)、キミにそう名乗った者の全てに懸けて」

 

 

懇願にさえ等しい男の言葉。

されど、されど未来の皇帝に膝をつく臣下(トレーナー)というその光景は諸人の瞳に美しく鮮明に映る。

 

 

 

「───くは」

 

 

無言の空気に、嗤いが響く。

 

 

「くく、くは、クハハハハッ!!」

 

 

収まらぬ狂笑。

シンボリルドルフは、普段ならありえないほどに己の感情を吐き出す。

 

 

「素晴らしい!」

 

 

────礼賛が、天にまで轟く。

 

 

「嗚呼そうか、そうだな、そうであろう!!

まったく、先程までの己を殴り倒してしまいたいよ。

そうだ、私は未だ───()()()()()()()()()!」

 

 

ルドルフの驚くべき言葉に周囲のトレーナー、ウマ娘全員が目を剥く。

先程の“九冠宣言”ですら傲慢の極地とも言える発言だというのに、このウマ娘はまだ最果て(うえ)を目指そうというのだ。

これで驚天するなという方が無理がある───目の前の桐生院(トレーナー)を除いて。

 

「世界……世界ときたか! 

いや、今にして思えば理解できる。詰まるところ“あの人”が私に期待したのは───あぁ、失敬。つい()()()()()()()()()

 

理性を取り戻したルドルフは、先程のように冷静な振る舞いをするが───その瞳には、未だ(うつく)しい狂気が渦巻いている。

 

 

「認めよう、桐生院駿。貴殿こそ、我がトレーナーに相応しい」

 

 

その狂気に酔いしれたまま未来の皇帝(シンボリルドルフ)は、眼前にて跪く男を臣下(トレーナー)として認めた。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

ある日、気がついた時から不快だった。

 

 

 

駿(すぐる)──(オレ)の夢をお前が叶えろ。お前はそのために存在する』

 

 

父と呼ぶのも反吐が出る血縁の的外れな期待が、どうしようも無く不快で気持ち悪かった。

俺が幼少の頃より友との関わりをも放棄し、勉学に身を浸してきたのは断じて貴様の野望のためではない──ただ単に、俺がウマ娘という存在を愛するが故にだ。

 

 

『俺はトレーナー時代、()()()()()()()()()()()()()()()()()。だから…だから弟である奴なんぞの後塵を拝せねばならなかったのだ……故にお前が、俺に代わって桐生院家の頂点に立て』

 

 

(きさま)の夢? 知るかよそんなもの。己の虚無を埋めるための栄誉を息子(オレ)に求めるな。

あぁ反吐が出る。己が父とはいえこのような愚昧を輩出するなど、桐生院の教えとはそれほどまでに堕落したのか?

もはや我が父として、叔父様の兄としての面目すらこの男には存在しない──ただの、醜い妄執の化身だ。

 

 

『将来有望なウマ娘はこちらでいくらか調査した。誰よりも先んじてスカウトしろ。数年後トレセン学園に来る()()()よりも早く、より良い功績を立てろ』

 

 

気に入らない。気に入らない。気に入らない。

 

俺だけならまだしも(ひた)()きに夢を追うウマ娘たちまでもを愚弄するその発言が、性根が、何もかもが気に食わん。

 

道理で貴様が叔父様に勝てないわけだ。道理で当主の座を奪われるわけだ───巡り合わせ云々など関係なくつまる所貴様は、その魂が元より腐っているだけだろう。

 

見かけだけは尊大に造らされた机の上に置かれた書類には、部下により調査されたウマ娘の名と何処から手に入れたのか入手経路の不明な盗撮と思われる写真と非合法に調べられた経歴。

やはり、この男はトレーナーとしての心構えがそも欠けている。ウマ娘を敬愛する機能がないのだ。

 

己の中にふつふつと燃え上がる憎悪と反骨心。

表面上はそれを隠し、仮面を被りながら愚父の部屋を退出する。

 

───この男()の言葉になど、従ってなるものか。

 

ウマ娘の担当トレーナーとしての道は諦めよう。己が関わっては、あの蒙昧によって俺が担当するウマ娘に厄害が及びかねない。

幸いにも担当トレーナーとしてではなくとも、ベテラントレーナーの下でサブトレーナーとしての活動でもウマ娘たちを支えられる。

 

桐生院の厄ごとにあの尊い煌めきを穢されずに済むのだから、そうならぬために己の夢など疾く捨ててしまおう。

 

 

 

そう、思っていたはずなのに。

 

 

『私が求めるのは───“勝利”だ』

 

 

光を、見た。

目が焼き焦がれるような(まばゆ)神威(ヒカリ)。何人にも穢されぬ至高の天。

 

 

『私は()()()()()()()を戴冠せんが為に“勝利”を求め研鑽する』

 

 

脳が震えるような、声がした。

甘く美しく快美な音声(おんじょう)からは想像もつかぬような傲岸不遜に発せられる未到の戴冠への宣誓。

 

 

『私と共に“完全なる勝利”を掴むと気炎万丈(きえんばんじょう)の信念を口にできる者のみ、この手を取れ』

 

 

気がついた時にはもう、俺は既に彼女の前に立っていた。

引き返そうとすら思わなかった。あれ程ウマ娘の幸福にためと己の夢を諦めていたはずなのに、あの最美なる幼駒の前で、その思考すら四散してしまう。もしも彼女の邪魔をするのなら、()()()()()()()()()()

 

彼女の行く末を見守りたい。

彼女の征く覇道の景色を共に見たい。

彼女と共に“完全なる勝利”をこの手に掴みたい。

 

 

『認めよう、桐生院駿。貴殿こそ、我がトレーナーに相応しい』

 

 

甘き夢が訪れる──苦々しい過去すらもはやどうでも良い。

“桐生院”ではなく、ただ一人の臣下(トレーナー)として貴女に(つか)えたい。

 

シンボリルドルフ、未来ある優駿よ。私は貴女に焦がれてしまった。

 

 

───どうか貴女に跪かせてほしい、赤き大輪よ。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

・皇帝ルドルフ

選抜レースから既に領域展開しちゃってるヤベー奴。

目指せ凱旋門賞いっちゃ〜〜く。

 

 

 

「───“勝つ”のは私だ」

 

 

 

・桐生院 駿

ウマ娘大好きヒューマン。ウマ娘ちゃんのためならば例え火の中水の中。只今絶賛反抗期中。鋼の意思(従妹)もトレーナー志望らしい

ちなみにあと数年生まれるのが遅かったらデジたんのトレーナーやってウマ娘讃歌を喉が枯れ果てる程に謳ってたかタキオンのトレーナーで七色に光りながらウマ娘の可能性を説いてた。

 

「万歳、万歳。おおォォッ、万歳ァィ!」

 

なお皇帝との出会いで光に眼を灼かれ脳が破壊されたもよう。

 

 

皇帝ルドルフからトレーナーへの反応。

・ふっ、おもしれー男。

 

 

トレーナーから皇帝ルドルフへの感情について。

・友情×

・恋×

・信仰◎

 

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