「異世界冒険征記~二人の夢魔の幼き王子と煌めきの飛竜~」 作:Γケイジ
白光球は三人の周りの空をぐるぐると回りそして遂に地に脚をついた。光球から少しだけはみ出した身体の一部は翼だ。巨大な翼だ。白い鱗と空と同じ色をした爪が生えている。その翼で大きく羽ばたくようにすると猛烈な風が起き、砂地が舞い三人を覆う。
「目がっ!目がっ!痛いよ~。えーん!りるむー何とかしてー」
「くっ、なんて力なの・・・。後で洗ってあげるから!お姉ちゃん!どうする!?」
「そんなもの・・・倒すに決まっているじゃない!」
「ええっ!リリアさん死んじゃうよぉ~!逃げようよ~!」
「あらあら泣き言はよしななさい?なんたってお姉ちゃん強いから大丈夫!ね?リルムちゃん?」
「やるしかないかー!行くぞー!」
「えー!何で逃げないのー!」
そうこうしていると砂嵐が去る。そこに有ったのは竜の姿であった。20メートルはあろう巨大なワイバーンだ。だが、特徴はそこにない。全身が筋肉質で白亜と空色の堅殻と厚鱗に覆わており、身体には至る所に凶器と成り得る空色の結晶化した棘や爪が有った。瞳は赤い尾を引いている。正直言って柔らかそうな部位は存在しない。そしてなによりも神々しい蒼白光を纏っていた。
「行くわよ!リルムちゃん!」
「言われなくたって!」
「頑張れ!頑張れ!チャチャチャ!」
リリアはワイバーンに近づき・・・。
「喰らいなさい!お姉ちゃんパンチ!」
リルムは遠距離から・・・
「喰らえ!炎の魔法!」
結論から言うと倒せなさそうだ。炎はかの竜の纏う光によってかき消され、腹部を狙って放ったパンチも堅殻と厚鱗の前には無力であった。
「諦めるな!チャチャチャ!頑張れチャチャチャ!」
星彦丸は戦えないので踊りで二人を鼓舞している。はっきり言って意味がない。
「私の炎が完全にかき消されているっ!?」
「あらとっても固いのね貴方。」
しかしここで折れる乙女ではない。二人は強いのだ。
「今度はあんまり得意じゃないけど・・・闇よ!」
「パンチが駄目ならキックにしましょうか!」
闇は少しだけ纏った光を弱め、蹴りは頭部に当たった。
星彦丸は遠くからかの竜を分析する。
「駄目だ、全然効いていない。あの様子じゃ普通の武器や魔法じゃ歯が立たない。仕留めなくても何とかする方法を・・・そうだ!」
星彦丸は叫ぶ。
「リルムー!目を攻撃するんだ!目なら守られていない筈!」
「分かった!ニードルファイア!」炎の棘弾が飛んで行き見事に目に突き刺さる。竜は思わず怯み頭部の位置が地表付近まで下がる。
「チャンス!AP(アーマーピアス)パンチ!」
砲弾の如き威力の拳が命中し、竜がそのエネルギーに依って傾斜するが・・・。竜は雄たけびを上げ体勢を立て直し、そして天を仰ぎ大きく咆哮する!