-時は2035年、ここ日本では訪れる皆既日食で人々が賑わっていた。
数年に一度の一大イベントを楽しむ為、大学三年の山路素夫(やまじもとお)は大学をサボり、隠れ天体スポットとして近所で有名な白馬神社へ向かった。
ベストスポットを確保する為早々に神社を訪れた山路であったが、神社への階段を登っているうちに気を失ってしまう。
これはあり得たかもしれない闘いの記憶の一つである。-
「…急いで玉座へ向かえ。」
「いや意味分かんねえよ!」
言い争う声で目が覚めた俺は眼前にそびえ立つ異様な城に驚愕した。
「あっ大丈夫ですか?」
心配そうな顔でこちらを見る彼女は確か…
「白馬神社の巫女を務めてます白馬弥那と申します。」
あぁそうだ、名前は初めて聞いたが神社でよく見かけるかわいい巫女さんだ。
お互いに自己紹介をしつつ今起こっている状況を説明してもらった。
「つまり俺らは運悪く異変に巻き込まれてしまったと?」
「はい、信じられないかもしれませんが。」
信じたくない。心の底からこれはドッキリなのだと思いたいが、あの城の嫌な雰囲気を肌で感じてしまうと信じざるを得ない。
大学サボったツケなのかこれは?もうやだ猛烈に帰りたい。
「あっ、蒼真くん。これからどうするの…?」
「アイツが城の玉座に向かえって言うから取り敢えずそこ目標かな。」
目覚めた時から思っていたが何だコイツは、俺と同じ人間だと言うのか?顔の造形が段違いすぎるだろ、ハーフか?
「なんだよ人の顔ジロジロ見て…」
「いや、申し訳ない。とんでもないイケメンが目の前に現れたからつい見惚れてしまって。」
「は?イケメンって、俺の顔普通だろ?」
おい全人類に喧嘩売ってんぞコイツ。
「あの城に向かうって言っていたね、見た所中学生、高校生だが大丈夫なのか?」
「おい流すなよ…
城の探索については問題ないと思う。さっきも何とか一匹倒せたし。
あっそうだ、城門の外に居れば安全だって有角の奴が言ってたぜ。危なそうだし弥那とアンタはここに居れば良いんじゃないか?」
一匹倒せた?動物でも襲ってきたのか?
ここに居れば安全らしいが、人外じみたイケメンとは言え歳下一人で探索に向かわせるのは申し訳無さ過ぎる。
「俺も付いていくよ。」
「え?良いのか?」
「俺だけのうのうと安全地帯で待機するのも申し訳無いしね。
体力にはそこそこ自信あるし大丈夫さ。」
危険な猛獣も居そうだし二人で探索した方が安全だからね。
自己紹介し終わった俺と人外イケメンこと来須蒼真は、不気味な城の攻略へと向かう。
「え!?山路さん大学生なんですか!?
す、すみません同い年かと思ってつい…」
「え、いいよタメ口で、すんごい鳥肌立つし」
「鳥肌立つって酷くないか?」
意気揚々と城内に入っていったのは良いが、獰猛な動物どころか得たいの知れない怪物が跋扈していた。
「ゑ?何これ?お化け屋敷か何かで?」
「大丈夫か…?今からでも戻る?」
確かに不気味で怖いが、女の子の前であれだけ気恥かしいセリフを吐いておいて即安全地帯に戻る方が精神的に死ねるので大丈夫だ。問題ない。
「…もう入っちゃったしいいよ、あれくらいなら俺でも何とかなりそうだし。蒼真は平気なのか?」
「ちょっと怖いけど一人じゃないし大丈夫さ。」
顔だけじゃなく心までイケメンとはたまげる。そんな事言われたら尚更帰れなくなるわ。
「それじゃあ段取り通りに頼むよ。」
「おう、任せろ!」
段取りとはこうだ。俺が前衛で後ろを蒼真に任せると言うものだ。
イケメンこと蒼真は、何故か知らんが念じればどこからでも槍を出せると言う謎技能を持っているので、その槍を借り怪物をタコ殴りにするプランだ。
一応有角?さんからナイフを貰っているらしいが、あんな短い得物で前に出して俺はほぼ何もしないのもどうかと思ったので、俺の方からお願いしてこのプランにしてもらった。
「なぁ山路。」
「何だい蒼真?」
「…俺の力にツッコミを入れないのか?」
「イケメンならそういうこともあるでしょ知らんけど。」
この時の蒼真の顔はイケメンらしからぬ顔をしていて傑作だったので即写真に収めておいた。正直こんな異常事態にそんなもん追求してもしょうが無いからね、興味無いし。
水路で水浸しになりながら城の奥に進んだ俺たちは巨大な骸骨と対峙していた。
これ何だっけな、がしゃどくろって奴か?
「洋風の城なのに思いっきし和風の妖怪が出てきたぞおい」
「それは俺も思った、来るぞ!」
がしゃどくろが手に持った大骨を振り上げ、俺に向かって叩きつけようとしてきたので横にズレ回避した。
当たったら確実に昇天しそうな予感がし背に冷や汗が滴り落ちる。
「山路大丈夫か!?」
「お、おう大丈夫だ、蒼真も気を付けろよ!」
道中拾ったショートソードでヤケクソに斬りかかるも反応が全く無く効いているのか効いていないのかよく分からない。
蒼真も槍を投げ援護してくれているが手応えが無さすぎて不安になる。
「蒼真これ効いているのか!?」
「分からない!とにかく叩くしかないぞ!」
何回か潰されかけたが、最後は奴の頭骨に槍が刺さり崩壊していった。
崩壊したがしゃどくろから何か玉のような物が飛び出し蒼真に吸い込まれていく。イケメンだしそういう事もあるわなうん。
「…死ぬかと思ったぞ」
「…さっきのにもツッコミを入れないのか?」
「こんなクレイジーなお化け屋敷があるんだし、さっきのもまあ…アリなんじゃないか?」
なんだよそれって顔されてもツッコまんぞ俺は。
こういうのは考えちゃうと怖くなっちゃうから考えないのが一番なんだって死んだばっちゃが言ってた。
妙に優しい目でこっちを見てくるんだけど絶対ツッコまねぇからな俺は!
To Be Continued
-何故この城の階段は一々ジャンプせにゃならんのだ!欠陥住宅過ぎるだろキレるぞ。
荒城回廊にて、がしゃどくろを討伐したイケメンと凡人の二人は悪魔城を突き進む。
凡人が攻撃を受けたら即死亡と言っても過言ではないしょうもない状況下の中、二人はどうするのか。
凡人お前お荷物ではなかろうか。
凡人が前に出ているせいで余計難易度上がっていないか。
\ソウマッ!/\ヤマジ!/\ソウマッ!/\ヤマジ!/\ソウマッ!/\ヤマジ!/
ちなみに凡人が死ぬと精神的なダメージでイケメンが大変な事になるぞ!
果たして二人は無事に城を脱出出来るのだろうか?
次回、'シンダライオン'-
-来須蒼真-
イケメン。
白髪美顔に白いロングコートを身に着けた、HP400くらいありそうなごく普通の男子高校生で18歳。
感性は割と普通だったので怪物を見ると嫌悪感は湧いたし、血を見ると吐きそうになっていたけどすぐ慣れた。フシギダネ。
自身の答えにくい所や余計な事を聞かず、率先して前衛を担当してくれた凡人にほぼ心を開きかけている。
自分の顔はフツメンだと思っているので、面と向かってイケメンと言われたのは普通に嬉しい。
支配の力については、山路に攻撃が通らないようにしているので後ろからバンバン攻撃しても大丈夫。安心安全。
ボンジン、マモラナキャ…(使命感)
-山路素夫(やまじもとお)-
凡人。
21歳、身長171cm、黒髪黒目でHP1しかないフツメンなごく普通の男子大学生。
ばっちゃの教えに従い、何も考えない事にしているので怪物やら血やらを見てもまあ大丈夫。かんがえちゃうとこわくなっちゃうからね。
イケメンなら超能力だろうが何だろうがやってもおかしくないし、う○こもしないと思うようにしているので余計な質問は一切しない。
せっかく大学サボって楽しもうとしてたのに変なイベントに巻き込まれた可哀想な人。
歳下が頑張ってるのに俺が頑張らないでどうするのよぉ!(ヤケクソ)
なお剣術の類は一切やっていない模様。んなもん我流でいいのよ我流で。(ヤケクソ)
-白馬弥那-
巫女さん。
来須蒼真の幼馴染みで白馬神社の巫女を務めている。
幼馴染みの事を心配しているが、それ以上にそこら辺で野垂れ死んでそうな凡人の身を案じている。
-有角某-
何か一般人紛れ込んでね?
-J某-
……………ドゥエッ!