■【
「あれ? 思ったより簡単だったな」
俺はマスター専門の暗殺者だ。恨みを持つ奴から依頼を受けて殺している。ティアンを殺すのは流石に避けている。ゲームとはいえ消えるのは勿体ないからな。
「さて、今回の報酬は高かったからな。今日は奮発して──
俺は全力で走った。自分でも何から逃げてるのか分からない。ほとんど本能で走っていた。そして、一部冷静な脳がとあることを思い出す。
(そう言えば死体
「こんなもので死ぬと思われるのは心外だ」
「はぁ!?」
心臓を二回刺したんだぞ? 即死すべきだろうが! そもそもどうして見た目からして非戦闘職の奴が、AGI特化のステータスの俺に追い付けるんだよ!
そこには殺したはずのマスターが立っていた。立派な白衣を着ているが胸から流れる血で汚れてしまっている。
「非戦闘職を馬鹿にするのは愚かだぞ? 何かを極めた者は他の分野においてもある程度は出来るものだし、
そんな事を言っている目の前のマスターは次の瞬間腕を巨人のごとき腕に変化させた。
「《喚起》──神の鉄槌でもいかがかな?
──《
その腕に莫大な電気を帯びる。その威力は明らかに非戦闘職が簡単に出せるものではなく──MPに還元すれは五万に匹敵する威力を誇った鉄槌が振り落とされた。
■【
「え? 皇国を離れる?」
目の前に居る親友に言われたことに驚いていると彼は
「ああ、この国のジョブは一通りやり尽くしたからな。他の国のジョブもめぐってみようかと。後はここに居ては《超級》に至れないと思うからだ。借りてる一室だが金は払うから借りたまんまで良いか? 流石に荷物が多過ぎて持ち運べない」
「……はー。さっきAR・I・CAも脱退するって言って出ていっちゃったのよ。私そんなに人望無い?」
「人でなしなのは自分でも認めているだろう?」
「そーだけどねー」
「まあ、これやるから元気出せ」
そう言って彼はカプセルを取り出して投げてくる
「【TYPE:狂化・A】……良いの? これ一つ作るのにレベルかなり持っていかれ──「言うな利益でわざわざ取引するような仲ではないだろう?」……はー。金は要らないから部屋は貸しっぱなしで良いわ」
「ありがとう。君のような
そう言って彼は出ていった。
「……レベル五百失ってやっと生成することの出来るAランクを渡して来るとはねー。適当に混ぜるだけで戦場をひっくり返す【狂剣士】が生まれる代物じゃないか」
そう言って私は設計を考えて笑っていた。
■【 】レン・クローズ
「我が頼もしき隣人よ。今ここにひと時の肉体を持ち空を駆け抜ける大空の覇者と化せ──《精霊召喚》」
《精霊召喚》によって召喚した精霊を《》で作った器に憑依させる。この方が時間制限があるが高い戦闘能力と飛行能力を得られる。
「よろしくお願いいたします」
精霊──今は大鷲の姿だが──にあいさつをする。
「マスター。アルター王国が目的地なんですよね? 着いたら騎士を見に行きましょう。皇国ではあまり見られなかったので気になるんですよ」
「……死体は転がってねぇからな?」
「えー」
「殺伐過ぎるだろうが」
私に物騒なことを言ってくるのは私のエンブリオのフラン。TYPE:メイデンと言う人型の姿を持つエンブリオの系列を持っている。今は私の一部になっているがミイラ美女だ。まあ死体を見ると目を輝かせる変態だがな
「マスター。今、失礼なこと考えましたか?」
「何のことでしょう」
そうして、わたしは皇国から出て行った。
■◆◇□
□【近衛騎士本拠地──応接間】
「どうした? あなたが弱音を──似合わない」
目の前の男は突然そんな事を言い出す。目の前の男の名前はラングレイ・グランドリア。騎士系統聖騎士派生超級職【天騎士】を持つ近衛騎士団長だ。
そんな彼とはこの街にやって来てから世話になっている。騎士になった時に【聖騎士】への推薦状を書いてくれたのも彼だ。
「……妻が逝ってしまってから思ったのだ。わたしはいつ死ぬのだろうかと」
「……」
「死ぬのが怖い訳では無い。国のために死ねるのなら本望だ」
「それは私に対する嫌味か?」
その言葉に対する嫌悪を見せると彼は苦笑して
「いや済まない。そのような意味ではない。自分の命を軽んじているわけではない。わたしは──」
「団長!!」
「どうした!」
「例の貴族の屋敷からUBMが発生! 至急応援と要請が!
「訓練場にさぼっている馬鹿どもを連れてこい。私が行く」
「なあ、その貴族って依頼していたところのか?」
「すまない」
「謝るな。討伐に私も参加しましょう。対価は──
「そんなもので良いのなら喜んで差し出そう。少し調査があるだろうがそれでもいいだろうか?」
「構わない」
そう言って私は精霊を使って大鷲を召喚する。
「俺ら二人で先に突っ込む。それで良いな」
言い終わる前に乗っているのを見て少しため息をつくと私達は飛び立った。
「お前ら! 生きてるか!」
「団長! まだ突撃してないので負傷者は居ません! 中堅以上の者達で小隊を組んでおきました」
「よし、先に私達が行く後から入ってこい」
「「は!」」
そうして、俺らは屋敷に突撃した。影?から真っ黒い槍が飛び出て殺しに来るがそれぞれの対処法で進む。二階まで軽く見て理解した。
「本体が居ないだと?」
「ああ。【呪術師】や【暗黒騎士】を修めておいたからな。大体分かる。呪いによるオートカウンターだ。そして、攻撃してくる影は時々影の法則を無視してくる。恐らく媒体は影ではない。なら屋敷中にある可能性があるのは」
「ああ、そう言うことか」
そう言って彼は窓を開けて庭に全力の《グランドクロス》を放つ。
「……最後まで聞けよ」
窓から庭を見ると
「「
そうして二人は庭に飛び降りた。
ラングレイと主人公はかなり仲がいいです。よく酒を一緒に飲んでいます。因みに主人公はこの時点で超級職を持っています。
え?空白?何の事でしょう?