■【 】レン・クローズ
□クローズ邸・就寝室
「二日酔いしている気分だ」
「マズダァ。影響がこっちまで来るってなんだよー」
今話しかけてきたのは俺のエンブリオ【フランケンシュタイン】だ。TYPE:メイデンという人型の姿を持つエンブリオだ。
因みに万年仮装少女で簡単に言えばミイラ少女だ。様々なところに継ぎ接ぎの後がありどこか消えてしまいそうな美しさを持つ少女だ。しかし、包帯で大事な場所は隠してるとは言え格好が際どいので普段は特製の可愛い外套やパーカー(モチーフは幽霊)を着させている。無駄に高性能なスキルの《内臓エアコン》で涼しくしているのでよく着ている。
「やめろ。こっちは普通の骨折もあるんだ。ベッドの上で動くんじゃねぇ」
俺は自分の屋敷で横になっていた。理由は簡単で《天罰の柱》の代償である。
「最大HPは二割も削れてるし【骨折】は呪いで治せねぇし。散々だ」
カプセルに保存してある特典素材からごめんねと謝られた気がする。
「クロー。居るかー」
「何でしょうか? マスター。掃除の続きをしたいのでさっさと要件喋ってください」
「相変わらず口悪いな」
綺麗な黒髪に真っ赤な目が特徴の美人が立っていた。こいつは【元試作品キメラ王シリーズNo.1 クロ】だ。フルネームは明らかにおかしいのでクロと言っている。
「あー。確か預けたアイテムボックスの中にエアコン装置あっただろ。地下室改装して研究所にしやすいようにとあとキメラは暑いの苦手だろうからエアコンの設置よろしく」
「分かりました」
「あっ王シリーズ達の就寝室と子供部屋以外は好き勝手にして良いから──」
「分かりました」
「……嬉しそうで何よりです」
もし漫画ならルンルンと言う表現が付けられそうな動きで去っていく。顔に感情が出ないのがあいつの欠点だな。
「はー。設計図でも書くか【書記】のスキルレベルも上がったしいつもより早く終わらせたいな」
まずは付ける名前を──あれ? あいつらの名前どうするべきだ? ……【アンファンロズ】? それでも良いが面白みが無い。
まあとりあえず、書いとくか。
案1
【キメラ王シリーズNo.2 アンファンロズ】
っと。
この名前にするとあいつ等に怒られそうだから後で変えるけど
そうして、いくつか案を書き続けた。
■クローズ邸・死体安置所
数日経った。
「さて、二十八人分か」
二十八体の子供の死体が保管されていた。
一部土にかえっている部分もあるが残らずキメラの材料にする。適合性はやはり高い方がやりやすいからな。
「血は鉄に。肉は黄金へ。《錬金術》」
死体一つ一つを丁寧に合成していく。より強い器を作るために。筋肉の繊維を一つ一つほぐしそれらを合わせ圧縮してゆく。
「さて、こっちも平行するか。手伝えフラン」
『えー。クロ姉のお菓子食べている最中なんだけど』
「半分まで終わったら俺の分もやるから」
『よっしゃ』
ドタドタ音を立てて走ってそのまま俺にダイブしてくるがぶつかる前に俺と合体する。
エンブリオの形は紋章そのものがエンブリオだ。本当は背中一面に大きな世界樹のような印が描かれるが今回は手の紋章で十分。
『セットジョブ確認。条件オールクリア』
「生命の大いなる流れよ。その一端を今ここに御貸しください」
『TYPE:【暗殺者】【短剣士】【兇手】の摘出準備完了』
「生命の根源へ──《
紋章の中心を浄化して綺麗にしたナイフで貫く。血が試験管にポタポタと落ちて行く。
「あー。レベルが持っていかれるー」
『別に上級職までSに上げなければ良いじゃないですか』
「作るなら最高傑作を作ってやろうではないかとね?」
『……』(嘘ではないけど本心ではないな)
今やっているのはジョブの摘出と言うデンドロのシステムへの介入である。
ジョブはいわゆる器だ。その器をいくつ持てるかでこの世界でおいての人としての最大レベルと才能が決まる。そして、キメラはモンスター扱いなのでジョブを持つことは無い。モンスターの場合は限界突破と言う形で進化することで強くなる(レベル百を越えること)だがキメラに人の死体を使った時どうなるだろうか? もちろんジョブを獲得は出来ない。だが器を持つ腕を持つことになる。しかし、分類上は人ではないのでジョブのシステムから器を獲得出来ない。だが例外としてこのエンブリオはそれを可能とする。
私のジョブの器をアイテム化させるのだ。
条件は以下の通り
①アイテム化させるジョブのレベルが最大
②アイテム化させる時にランクに応じたレベルを消費する。
ランク→E・F・B・A・Sの順番
E→そのジョブの最大×四分の一
F→省略×二分の一
B→省略×1
A→省略×五
S→省略×十
(例 上級職×10=五百=ランクS
デメリットは以下の通り
①即席で作ることが出来ない。低ランクならやりようがあるがB以上は三分以上かかる。
②Aランク以上のアイテム化はそのジョブをエラーが発生してしばらく再就職出来ない。(デンドロ時間で一年くらい)
だがこれを差し引いても十分だ。このジョブの源と純竜クラスの肉片や特典素材を合わせれば《超級》レベルに匹敵するものを作れる。
更に数日かけて材料を作り出した。
「……貧血気味だなぁ」
『一気に作ろうとするからですよ。レベル3500も持っていかれているじゃないですか』
「仕方がないだろ。与えられるものを全て与えたい。家族なんだから」
『あ! やっと本音出しましたね』
「クロとかに言うなよ。あいつ真面目だから面倒になる」
さて、材料の確認だ。
・【TYPE:暗殺者・S】
・【TYPE:兇手・S】
・【TYPE:短剣士・S】
・【TYPE:隠密・S】
・【TYPE:影・S】
・【完全遺物 アンファンロズ】
+毒や状態異常を持つ純竜の肉片
(合計消費レベル3500)
「あー。名前か……花なら文句はでないだろ」
設計図【キメラ王シリーズNo.2 ブルースター】
エンブリオ紹介
【人造神人 フランケンシュタイン】
モチーフ:イギリスの小説家「メアリー・シェリー」の作品の『フランケンシュタイン』より
TYPE:メイデンwithアドバンス・ルール・フォートレス
特性:シソース生成・合成+分離
・スキル
《生命の時系列》
ジョブをセット(最大セット数は四つ)しそのジョブのレベル上げを行う。ただしジョブをセットしている間はそのジョブのスキルを使用不可能となる。
またレベル上げもスキルのレベルアップと通常のレベルアップの二つがあり、スキルの場合超級職の【レベルEX】まで上げることや一定以上の経験値で超級職のスキルにすることも出来る(奥義や最終奥義は無理だけど)
またスキルのレベルアップに条件があったとしても無視する。
しかし【~神】系統はその特性上獲得出来ない。
また自身のジョブを素材としてアイテム化できる。
《怪物の伴侶》(必殺スキル)
キメラの適合率やキメラに関連するものの適合を上げる。例えばキメラを作る時に失敗する組み合わせを無理矢理成立させたりマスターとキメラを合成することが出来る。キメラそのものを作るのではなくあくまでも補助的なスキル
また分離を行うことも出来る。
説明
『どんな敵でも時間をかければ打倒しえる』と言う格上殺しのTYPE:メイデン。リソースを時間の限り生成し続けジョブと言う器に流し込み続ける。