ただ走りたいだけ   作:リョウ77

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カツラギエース実装いぇーい!
石はハーフアニバのサポカにとっておこうかと思っましたが、一天井分残して引いてみましょうか・・・でも性能考えたら最近のチャンミは逃げが軒並み死んでるし・・・どうしたものか。


服の好みの違いってはっきり分かれるよね

「コントレイルおめでとー!」

「ありがとうございます、ハヤテ先輩」

 

私が湯治旅行から帰ってきた数日後、コントレイルが初めての重賞レースになるGⅢ東京スポーツ杯ジュニアステークスで見事1着をとった。しかも、レースレコードだ。

別にそこまで不安だったわけじゃないけど、それでもジュニア級レースとはいえレコードタイムを出すなんて、さすがコントレイルだ。

控室の中、レース直後で少し息が荒くなっているコントレイルの頭をなでなでしながら、私は須川さんの方に尋ねた。

 

「ここで勝てたってことは、次はG1の朝日杯かホープフルステークス?」

「少し気は早いが、今のところはホープフルステークスを予定している。1800mでこの調子なら、2000mでも十分通用するはずだ」

「そっかー」

 

つまりは、次のレースでクラシックでも実力が通用するかどうかがはっきりするってわけだ。

でも、そうなると・・・

 

「ひとまず、この話は後だ。今はウィニングライブに集中しよう」

「わかりました」

「あー、それもそうだね」

 

ちょっと興奮しちゃったけど、今日の主役はあくまでコントレイルだ。私がはしゃぎすぎるのも良くはない。

気になることはあるけど、須川さんもそのことについては考えているだろうし、今日のところはここまでにしておこう。

 

 

* * *

 

 

翌日。今日はレース明けってことでトレーニングはないけど、別の用事があるということでコントレイル共々須川さんに呼び出された。

 

「さて、昨日も言ったが、コントレイルが次に出るのはジュニア級G1のホープフルステークスだ。その出走に伴って、勝負服を用意する必要がある」

 

そうそう、私が昨日気になっていたのはまさにそれだ。

どんな勝負服になるのか気になるっていうのもあるけど、それ以上に聞いておきたいことがある。

 

「はい、質問」

「なんだ」

「間に合う?」

「・・・正直に言って、わりとギリギリだ。依頼は東スポ杯前にハヤテの時と同じところに頼んだが、それでもインタビューまでに間に合うかどうか、といったところだ」

 

けっこうやばいじゃん。

私が勝負服の準備を始めたのは皐月賞の3か月前だったからけっこう余裕があったけど、今回は1ヵ月しか猶予がない。

 

「とはいえ、早めに進めればどうにか間に合う期間ではある。ラフ画もいくつか届いているが、コントレイルから希望があるなら早めに言ってくれ」

 

そう言いながら、須川さんはタブレットを操作してコントレイルに手渡した。

私もどんなのがあるのか気になるから、コントレイルの後ろから画面を覗き込んでみる。

 

「ふむふむ・・・ドレスタイプと私服タイプの無難なやつが多めだね」

「さっきも言ったが、あまり時間に余裕がなかったからな。せめて東スポ杯の前に1回レースに出ていれば、もう少し余裕をもって作れたかもしれんが・・・言っても仕方のないことだ」

 

コントレイルの足は特別脆いわけじゃないけど、それでも丈夫とは言い難い。しかもデビュー戦の後に捻挫した分の治療もしてたから、須川さんの言う通り本当にこればっかりは仕方ないことだ。

でもまぁ、それはそれとして私もコントレイルの勝負服のデザイン選びは楽しませてもらおう。

 

「ドレスとかいいんじゃない?こういうの可愛いじゃん」

「たしかに可愛いと思いますけど、僕に似合うか不安というか・・・」

「んー、そうかなぁ」

 

コントレイルの顔だちは、どちらかと言えば中性寄りというか、女の子の可愛いというより男の子の可愛いに近い。

別に女ものの服が似合わないってわけじゃないし、制服だって普通に着こなしているけど、プライベートでそういうのを全面に出した服を恥ずかしがる傾向がある。

私はいいと思うんだけど、コントレイルの気が乗らないなら無理に押し付けるのは良くないか。

 

「じゃあ、この辺の私服系はどうだろ。これとか似合いそうだけど」

「・・・足とかお腹を出すのは落ち着かないです」

「・・・そっかぁ」

 

家柄というか、新興とはいえ名家だから、肌を出す服なんて着る機会はそうそうないのか。

夏の時も長ズボンを穿いてたし、そりゃあホットパンツとか落ち着かないに決まってるか。

でも、そうなると残るのはスーツタイプだけど、コントレイルに似合うかって言われると、う~ん・・・。

 

「ちなみに、コントレイルの要望って何かあるの?」

「・・・長袖とかがいいです」

「アバウトだなぁ」

 

ついでに言うと、その条件だと困ったことに参考になる勝負服がまぁまぁ少ない。

理由は私なりに2つある。

まず一つ、ウマ娘は暑さに弱い。

ウマ娘は基本的に暑さに弱い生き物で、夏に開催されるG1レースも極端に少ないほどだ。だからこそ、体が熱くなりやすいレース中のことを考えて、勝負服なんかは少なからず通気性が求められているし、その分スカートだったり足出し肩出しへそ出しの衣装が多くなる。

もう一つは、方向性の問題だ。

勝負服となると、当然のことながら見栄えも重要になってくる。そうなると、長袖っていうのはどうしても“可愛い”じゃなく“かっこいい”寄りのデザインになってくるし、それが何かと言われたら基本的に思い浮かぶのはスーツだ。

私が思いつくへそを出さない長袖長ズボンの勝負服の先輩はフジキセキ先輩とシリウスシンボリ先輩、あとはイクノディクタス先輩かな。

前の2人は屈指のバリバリイケメン枠だし、残りのイクノディクタス先輩はコントレイルとはまた違う生真面目な先輩・・・ってテイオー先輩から聞いたことがある気がする。

一応、勝負服を複数持っている中で条件に当てはまる勝負服を持ってる先輩もいるけど、だいたいはスーツか袴でコントレイルに似合うかと言われると何とも言えない。

一応、タマモ先輩のやつはズボンとジャケットならコントレイルの要望に合うけど、ジャケットの下はスポーツウェアで思い切りへそ出してるから、またここでコントレイルの要望から遠くなる。

いや、これマジで詰む一歩手前まできてない?

どうしたもんかなぁ・・・

 

「・・・そういえばさ、コントレイルの名前ってどういう意味だっけ?」

「意味ですか?」

「そうそう」

 

別にウマ娘に限った話じゃないけど、名前には基本的に相応の意味が込められている。

たとえば、グランアレグリアであればスペイン語で『大喝采』って意味らしいし、会長はシンボリの家名(前世だと冠名)に昔の皇帝だった『ルドルフ』を合わせたものだ。

だとしたら、コントレイルって名前にも何かしらの意味があるはず。

そう思って尋ねてみたら、その答えは須川さんからもたらされた。

 

「コントレイルってのは英語で『飛行機雲』って意味だ」

「なんで知ってるの?」

「そりゃあ、勝負服のラフ画を依頼するときに聞かれたことだからな。お前がいないときの話だから、知らないのは当然だ」

 

そういえば私の時もそんなことがあったような、なかったような・・・あー、うん、あった気がする。なんて言ったのかは覚えてないけど。

それにしても、飛行機雲ね。道理で空色と白色がベースのデザイン(絵に色はないけど、注釈がついてる)が多いわけだ。

まぁ、それがコントレイルのお気に召したかどうかは別問題だけど。

でも、なるほどねぇ。

飛行機雲か、飛行機雲・・・それに長袖長ズボン・・・

 

「・・・やっぱへそくらい出しても」

「嫌です」

「めっちゃ食い気味にくるじゃん」

 

へそか脚くらい出してもバチは当たらないと思うけどなぁ・・・涼しいし良いと思うんだけど。

 

「それじゃあ、こういうのはどう?」

 

コントレイルの後ろでうんうんと頭を悩ましていると、スマホをいじっていたイッカクが私たちの方に画面を見せてきた。

映っているのは、昔の飛行機乗り?かなんかの人が主役の映画だった。あーなるほど、“飛行機雲”繋がりでパイロットね。

いやでも、勝負服としてはどうなんだろ。この広告の画像でもそうだけど、昔のパイロットのスーツって防寒のためにめっちゃ厚着なんだよね。日本の冬でも北海道くらいでしかそんなの着ねぇぞってくらい。

そんなものをレースで着るなんて、到底まともとは・・・

 

「こういうのがいいです」

「・・・え、マジで?」

「はい」

 

正気か?いや、私が正気じゃないのか?

 

「えっ、めっちゃ暑そうだけど」

「それはまぁ、素材次第でどうにかなるだろ。ホープフルステークスも冬だし、どうにでもなるんじゃないか?それに、これなら他に似たようなデザインがある。コントレイルの要望も割となんとかなりそうだ」

「かっこいいとも可愛いともズレてるような・・・」

「むしろコントレイルにはそれくらいでちょうどいいんじゃない?」

「あー、うん、そっか・・・そうかな・・・?」

 

あれっ、難色を示してるの、もしかして私だけ?

思わず頭を抱えると、イッカクがボソッと呟いた。

 

「まぁ、ハヤテちゃんは普段から露出が多い方だし・・・」

「えっそうなの?」

「えっと、夏とか特に・・・冬も、わりと・・・」

 

コントレイルがちょっと申し訳そうにイッカクの言葉に頷いた。

え、うそ・・・私、露出多すぎ・・・?

いやまぁ、たしかに私服でもへそとか脚とか出してるの多いけど、別にそれは暑いからってだけで、そんな深い意味は・・・なくも、なくなく・・・えっと、はい。嘘です。気に入ってます。冬もホットパンツ履いてる程度には肌出しファッションしてます。

そっか・・・私、普段から露出が多い女って思われてたのか・・・

その事実を知った私は、部屋の隅で丸まっていじけることにした。

車椅子はとっくに必要なくなったとはいえ、まだサポーター付けて松葉杖ついてる状態だから、そこまで丸くなれるわけじゃないけども。

・・・それはともかく、そんな私を無視してさっさと新しい勝負服のデザインをまとめているあたり、コントレイルも強かになったね。こんな形で感じたくはなかったよ。

 

 

* * *

 

 

コントレイルの要望は、思ったよりすんなりと通った。

余り他にない試みということもあって、デザイナー魂に火が点いたらしい。

ホープフルステークスまで時間がないってのもあるんだろうけど、驚くほどスムーズかつスピーディに事が進んでいった。

そして、ホープフルステークスが開催まであと1週間となったところで、コントレイルの勝負服の実物が届いた。

ということで、今日はコントレイルの勝負服お披露目会だ。

 

「コントレイル~、手伝わなくても大丈夫~?」

「大丈夫です。もうすぐ終わります」

 

こっちはもうさっきからソワソワしっぱなしで待ちきれなくなってる。

・・・思えば、私の時のイッカクと須川さんも似たような感じだったんだろうか。いや、イッカクはともかく、須川さんのそういうところは想像できないかな。すでに慣れてそう。

 

「・・・着替え終わりました。入っても大丈夫です」

 

ようやく、コントレイルが勝負服に着替え終わったらしい。

ワクワクしながら、私はトレーナー室の扉を開けた。

 

「うおっほほー!めっちゃ似合ってるじゃーん!!」

「そ、そうですか・・・?」

「マジマジ!」

 

コントレイルが着ている勝負服は、まさにコントレイルの希望通りのようなものだった。

上は水色に赤の帯が入った丈の短いセーラー服の上に黒いフライジャケットを羽織っていて、頭にはパイロットゴーグルがついている。下は黒いミニスカートとニーソックスを穿いていて、チラッとだけ太ももが見えている状態だ。さらにセーラー服の下には水着のような黒いスポーツウェアを着ているから、スタイルは出ているけど肌色はほとんど出ていない。ジャケットの袖には赤いバンドが、二ーソックスと靴には赤と白のベルトとリボンが付けられていて、これが黒主体の勝負服のいいアクセントになっている。

コントレイルの要望で肌色がかなり少なくなっているけど、それが十分以上にコントレイルの魅力を引き出していた。やっぱあのデザイナーさん、センスがめちゃくちゃいいね。

 

「それにしても、コントレイルが勝負服か~・・・いつか、それを着て私と一緒に走れるといいね」

「!・・・はい!」

 

ウマ娘が勝負服を持つということは、一流のウマ娘に大幅に近づいたということでもある。

いつか、私の脚が治ったら、コントレイルと一緒にG1の舞台で走りたいものだ。

その景色はきっと、あの子たちにとってもかけがえのないものになるに違いないから。

 

「あ、そうだ。写真撮ろうよ、写真。須川さんおねがーい」

「へいへい。せっかくだし、イッカクもどうだ」

「いえ、私は後でいいです。最初はハヤテちゃんとコントレイルのツーショットがいいと思いますから」

「せっかくだし、私も勝負服・・・あー、サポーターまだ外れてないんだった」

「えっと、できれば、その初めてはレースで走る時がいいです」

「あーもう可愛いのう!」

「ちょっ、ハヤテ先輩、あまり抱きつかないで・・・」

「よーし、写真撮るぞー」

「はーい!」

「えっ、あっ、ちょっと待って・・・!」

 

パシャッ!




勝負服は『鳥海』様のイラストを参考にさせていただきました。
コンちゃん可愛いよコンちゃん。

胸がないんだから、その分へそと脚を強調してもいいと思うの。
ちなみに、そんな自分は胸があって惜しげなくへそを晒しているシービーが大好きです。
普段は貧乳派ですが、それがどうでもよくなるくらいシービーのスタイルが完成されすぎててやばい。

余談ですが、飛行機乗りの映画のところ、本当は永遠の〇って書こうかと思ったんですが、ウマ娘世界の戦争とか触れるの怖すぎてボツになりました。
あれは一応創作の範囲ですけど、それでも突っ込む気にはなれませんでしたね、はい。
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