セリオス(綾音)「遺体はコールドスリープしてある?」
カエデ「ええ、大丈夫です。表面の損傷も修復済みですので、魂が戻り次第すぐに蘇生可能です。」
静まり返った管制室に、重い沈黙が落ちる。
無数のモニターが起動し、遠く離れたファルムス王国上空へと視界が切り替わった。
巨大な魔導モニターが王都の空に投下される。
逃げ惑う兵士と、騒然とする王城。
セリオス(綾音)「私は、そちらから宣戦布告前に攻撃を受けたクデュック国国王、リムル・セリオスだ。」
セリオス(綾音)「これより、こちらから正式に宣戦布告する。」
カエデ「貴国は我が国への侵攻を行った。これは明確な侵略行為です。我々は断固たる意思をもって対抗する。」
セリオス(綾音)「これ以上の攻撃を続けるなら、貴国は火の海となる。」
セリオス(綾音)「返答次第では、宣戦布告なしでの殲滅も辞さない。速やかに回答せよ。」
ファルム王「ふ、ふざけるな!! この国は俺様の国だ!!」
ファルム兵1「そうだそうだ!」
ファルム兵2「やっちまえー!!」
セリオス(綾音)「交渉決裂、か。」
次の瞬間、王城中庭の噴水が白光に貫かれ、蒸発した。
轟音とともに石材が溶け落ち、熱波が城内を包む。
ファルム王「ひぃいい!?」
ファルム兵3「陛下、お逃げください!」
王は側近を引き連れ、我先にと城を捨てて逃走する。
だが、その背に冷たい声が重なる。
セリオス(綾音)「最終警告です。宣戦布告しますか?」
ファルム王「くそっくらえだ!!」
セリオス(綾音)「……そうですか。残念です。」
セリオス(綾音)「では、あなた達には消えてもらいます。」
管制音声「衛星レーザー、発射準備完了。」
セリオス(綾音)「皆さん、ご覧ください。これが我々の科学力です。」
カエデ「すごいですね……。あの出力なら、戦争そのものが一瞬で終わります。」
セリオス(綾音)「ええ。だからこそ、滅多に使えない力です。」
セリオス(綾音)「それでは……さようなら。」
白光が大地を薙ぎ払い、続けて多弾頭の魔力弾ミサイルが侵攻部隊を飲み込む。
その瞬間、世界が軋み、セリオス(綾音)の存在が一段階上へと押し上げられた。
セリオス(綾音)「あばよ、クソ野郎ども。」
意識が闇に沈み、魔王化の代償と報酬が同時に刻まれる。
任意人数の復活。
大賢者のミカエル化。
全能力の底上げ。
そして、なぜか付き従う悪魔たち。
セリオス(綾音)「……よし。これで復活だ。」
こうしてファルムス王国は、歴史から姿を消した。
だが国そのものは消えず、指導者を失った後、指定された新王の下でクデュックの同盟国として再編される。
クデュック国民「綾音さん、ありがとうございます。」
セリオス(綾音)「どういたしまして。」
カエデ「綾音さんは……本当に凄すぎます。」
セリオス(綾音)「そうかな。」
カエデ「はい。私も、もっと綾音さんの役に立ちたいです。」
セリオス(綾音)「カエデが側にいてくれるだけで、私は救われているよ。」
カエデ「そう言ってもらえると、嬉しいです。」
セリオス(綾音)「これからも、よろしく頼む。」
カエデ「はい。一生ついて行きます。」
物的被害は奇跡的に軽微で、都市は急速に再建された。
あまりにも頑丈すぎる復興だった。
セリオス(綾音)「みんな、よく聞いて。」
セリオス(綾音)「これからこの国は変わる。皆が幸せになれる国を作る。」
セリオス(綾音)「大国になればなるほど、宣戦布告してくる国は増えていく。」
セリオス(綾音)「だからこそ、団結が必要なんだ。どうか、私についてきてほしい。」
セリオス(綾音)「君たちなら、必ず出来ると信じている。」
カエデ「綾音さん、私は綾音さんを信じています。」
セリオス(綾音)「時には、大量破壊兵器を使い、人や多種族を殺さなければ国を守れない状況も来るかもしれない。」
セリオス(綾音)「でも、それは決して人殺しを肯定するという意味じゃない。」
セリオス(綾音)「私はただ、国のため、国民の平和のために戦っているだけなんだ。」