何が起こるか分からない世の中です。皆さんも唐突に虫の能力を手に入れたり裏格闘技団体に出たり鬼になったりするかもしれませんよ。
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夢の中で、老人にあった。ぼろぼろの鎧と、刃こぼれした剣。生傷の絶えない肌。
しかし、そこにたたずむのは負傷者の老人とは思えない程の気迫があった。
(んあ?誰だこのおじいさん……しかも死にかけだし。取り敢えず放置でいいか)
「ワシが呼んだ。もうじきワシの存在は消えてなくなる。名前をガレリア・スヴェルトセラフという。良いかね、大事なことだけ伝えるぞ。お主にある人物、というよりは人外を倒してもらいたい。あやつは…」
ちょっと待って欲しい。人外とはなんなのか。どうしろっていうんだよ。そんなワケわかんない存在には構ってられない
「すまないとは思っている。だが、この老骨の知識と能力はお主の目的の為にも役にたつだろう。自身の能力の無料追加コンテンツと思えば良い。お得じゃろ。」
…話だけは聞いてあげよう
「うむ。前の世界で奴は誰が見ても分かるような悪魔の姿をしておったのだが、流石にこの世界でそんな外見はしてないだろう。だがワシの力を受けとれば人間とそうでないものの判別はつく。何の因果かお主のやっているゲームを奴も相当やり込んでいる。本来の目的も忘れて大会に出場するぐらいにはな。会場でそいつを見つけたら隙を見て聖剣技で殺せ。」
それ大丈夫?わたし、大会失格になるんじゃないのかな。大体、あなたもその悪魔に殺られてそんなことになっているんだとしたらまともに戦っても勝てないってことなんじゃないんですか?
「うっ……… …悪魔は精神的な存在で常人に知覚出来たりはせん。恐らくは奴を葬ったところで大会に支障は出ないだろう。後半の質問についてはその通りだ。すまない。」
まー、面白そうだし、良いかな。まず普通の人間なら断るだろう。ただわたしには、転がり込んできたファンタジーの世界に加わらないという選択肢が理解できない。うん。やってみるよ。
「助かる。ワシの今ある力を託す。目が覚めればお主は超人じゃ。気を付けろ。相手の悪魔は数十の世界を渡り歩いてことごとく壊滅させている……む、そろそろか。では、ワシはここまでじゃ。異界最強の聖騎士の力、その身で体感するがよい。」
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―目が覚めた。なんだったんだろう、あのおじいさん、やっぱり現実なわけないよね。見るからに怪しいもんね。きっとどっかの落武者だろう。妖怪時計のキャラクターの方がまだ強そうだ。
ベッドから起きて、着替え始める。シャワーを浴びよう。寝起きの朝の、わたしの日課だ。考えてもしょうがないことは置いておいて気持ち良くなろう。クラスのオナーヌ山之内もそう言っていた。ただプレゼントされた謎に気持ち悪い振動する物体は使用用途が分からなくて困っているんだけど。
ふと、着替えの途中で見知らぬ小物が目につく。
「…なんだろうこれ」
聖剣を象ったピアスだ。わたしにつけろって?学校側に色々言われそうで面倒だな。まぁつけるけど。これ多分夢のあの人のプレゼントでしょ。はめ方わかんないな…
こうかな
“ぱちっ”
必殺【聖剣技】の知識を手に入れた
特性【すごいめだま】を手に入れた
特性【超人の脳】を手に入れた
というコマンドを頭に浮かべた。後ろ二つはわたしが勝手に名付けた。凄い。単純な視力強化にこの思考速度、おじいさんの使いどころの限定的すぎる、つよつよの剣さばき。どれも強力だから普段は使わないでおこう。というか、ゲームで使えそうなのは実質後の二つだと思う。
…ほんとに困った時に使おう。わたし、もともと事故ってから劇的にゲーム強くなったから余程のことがない限りだいじょうぶだいじょうぶ(影おくり並感)。
朝ご飯はパンにしよう。せっかくだから咥えて走ってみたら誰かにぶつかって運命的な出会いをするかも。…いや、大会前にそんなことしてる場合じゃないな。
第弐章 終
ゲームの騎士ちゃん2話目でした。
おじいさんは映えなさそうなので退場させました。本題はゲームなので霊であるガレリアの出番はないのです(´・ω・)