―大会当日 北陸エリア マスタードーナツ旧西区
「おはよ!あかね!」
「おはようだよ」
彼女は幼なじみの琉依。昔から特別仲が良かったわけではないが、良くつるむから結局なんだかんだ付き合いが続いている。このお店はわたしと琉依の行きつけの店で、何かイベントの前は結構ここで話すんだよね。
「うわ、あかね何そのピアス!カッコいーどこで買ったの?」
「貰い物だよ。(聖騎士からの)いいでしょ?」
「なかなかいーね。でも重そう。」
そう言って彼女はこの店の名物である、冷凍マンモスドーナツを齧っている。あなたのそれの方が重そうだよ。お腹に。いつも思うがこの店のメニューの半分ぐらいは奇っ怪なんだよね。そういうチャレンジ精神的な食べ物は大抵失敗する。ガジガジ君のナポリタン味なんか不味すぎて吐いた人が居るとか。
…その後40分程、どうでも良いこの店のメニューについて議論が交わされた。琉依は大会には来ない。別れ際に「出るなら優勝だぞ!」と言われた。るいありがとう。
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―北陸エリア 新世界開拓地域 私立天宮学園前
琉依とマスドでお茶したあとは学校に行く。私の通う私立天宮学園は生徒個人で出るような大会でも頼めば送迎ぐらいしてくれる、理解のある学校だ。本人が望めば全校集会での発表も出来る。
今回出向くストスマの大会には、わたし以外も本校から選手が出場する。同級生や先輩たちだね。放課後、休み時間はいつもストスマで集まっているから、非公式ではあるものの周囲もわたしたちの集まりは認知している。
校門の前に小型バスが止まっている。皆はもう大体揃っているようだ。選手の友達も付き添いとして含めると10人ぐらい。
「よお( ・ω・)ノ来たか。」
この人は神野 円(かんの まどか)。三年生。テニス部兼部。学業の成績が振るわない、ひたすらこのゲームをやり込んでいるバカ。この前魔法少女系統の趣味があるとみんなにバレてしまった。バカ。
「うちのエースのお出ましだ~」
このぽわんとした人は物部かふか(もののべ かふか)。二年生。抜群に可愛いのだが、付き合った人間は全員精神を病んで別れている。怖い。“お前ぴえんしか言うことないのか!”と怒鳴っていた教師は次の日から学校に来なかった。
「…ブツブツ…………あっ…あかねちゃん……。」
オタクの要素をこれでもかと詰め込んだ至高の逸品、蓮常寺 彰宏(れんじょうじ あきひろ)。一年生。案の定ちゃっかりいじめられていた。ストスマの皆と一緒に居ると学校に居る他クリーチャーからの攻撃を無効化する。
「ったく。おそいねん、ぼさっとしくさりおって」
弓道部兼部の二年、浅谷 夢都(あさや むと)。みんなのあだ名はムート。料理が上手で、仲良くなった人にはたこ焼きやクレープをつくってくれる。怖がられやすいけど実は優しい。ちょっとすき。
地方戦に出場するのはわたし含めこの5人だ。他にも居るには居るのだけれど、予選落ちしたから紹介は割愛。全員揃ったので会場へ向かうバスに乗り込む。遠足みたいでわくわくだね。
「みんな!俺についてこい!( ‘ᾥ’ )」
「向かう先は同じなのナノ」
「………ブツブツ…違う、そこで反転入力をして…」
「面子だけ見たらただの変人達やなぁ…」
わたしもそう思う。でも変な部分も良く考えれば個性だし、愉快な面子で一緒に居て退屈しない。楽しみだなあどこまでやれるのか。期待を胸にわたしたちは出発した。
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移動中 バス内
結構、皆思い思いに好きなことをしている。緊張とかないのかな。この人達。そう考えながら景色を眺めていると隣に居た物部かふかが突然めっちゃくっついてきた。
「聞いてよ~あかねちゃあん、また彼氏に捨てられたんだよぉお」
「かふかちゃん…また?何人目かなこれで。相手に求める要求が少々厳しいと思われます」
「え?なんで?かふかの恋人に選ばれたのなら四六時中私のこと考えるのなんて当然じゃない?他の女の子とかと連絡取ったり、返信返すの遅いとか論外だかラ」
「かふかはわがままだからなぁ;( ;´꒳`;):…痛っ」
円先輩がアクリルキーホルダーをぶつけられている。痛そう。絶対痛い。
「なんでなんで~。恋人の情報は全部調べ上げて覚えようと思ってるのに。お弁当とかお風呂とかカレの栄養管理とか全部私がやろうとしてるのに。こんなに尽くしてあげてるのになんでかな~」
「わたしがかふかちゃんと恋人だったら絶対離さないけどなぁ…。お風呂とか寝る時とかも一緒だし、守りたいし守られたい…あ、返信だけ遅くなるときがあると思う」
こういう愛が重すぎて理解を拒まれる人の扱いは、相手が満足するまで“好きだよ”と言い続けてきちんと面倒をみて相手することだ。相手の気持ちと同等かそれ以上であれば問題なく付き合えるわけで。この子は寂しがりだから。
「わぁああやっぱりあかねちゃんは私の恋人だったよぉ~」
ぎゅっと抱き締められる。あったかい。ホワホワする。わたしもすき。二人でくっつき合う。
「仲が良くてよいことだな( • ̀ω•́ )✧」
「お前らもう付き合えや」
「…ブツブツ……百合たまらん美しい…ハァハァ……スゥウゥゥ…ハァアアア…いい匂いイイ匂い」
各々の反応をする男子達。一人やばいのが居るけど。
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「―なぁ、せっかく同じ学校から大会出るんだから、俺達のチーム名を考えないか?_(•̀ω•́ 」∠)_ ₎」
そんな提案が円先輩から出た。わたしたちの団体に名前を付けようとのことだ。
「集まりしぴえん達ってどうかな」
「……魔界五聖天………」
「屋台民族軍団なんてどや」
「ゲームの騎士たち…かな」
「あーだめだめ、皆センスないなぁ( ‘ᾥ’ )俺のアイディアはストマギア。カッコいいだろ?(ノシ ‘ω’)ノシ バンバン」
全員が無視した。魔法要素ないし。
「もー。似たようなもんだよ~。もういいやそれ。チーム名とか子供かよ。あかねちゃん到着まで一緒に寝よ」
…チーム名を考えた時、あの老人の顔が浮かんだ。5人の騎士…いや、やっぱりそんなガラじゃないな。
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第参章 終
気が向いたらキャライラストも描いてみようかなと。ほんとにのーんびり投稿いたしますのでまったりお付き合いください