雷樹邸で久々の家族全員で食事をしている静達は久々に会う二人の子供達と会話に弾み、そして二人が寝ると静は茂の部屋に行くと戦況報告をしに向かった
「・・・と言うわけで現在の戦況は圧倒的に我が軍の優勢です」
「ああ、逐一報告は聞いている。連合軍は現在平壌近郊で一旦進軍を停止させている。だが、北朝鮮軍は威興市近郊でゲリラ行為を行なっている。まるでベトナム戦争の様相を呈しているらしい」
「威興市と言うと・・・海軍ですか?」
「ああ、彼らは艦隊の出撃準備を行なっているらしい。最も、出港するには時間がかかるらしいがな」
「攻略には時間がかかると言うことですか・・・」
「ああ、現在、第九艦隊が威興市にて艦隊出撃準備を確認した。本来なら直ぐにでも攻撃をしたい所だが・・・」
そう言いながら茂は懐から一枚の写真を出した
「これは・・・?」
「本郷少佐から送られた写真だ。同盟軍は威興市近郊にこのYJー8対艦ミサイルを多数配備している。接近すればこのミサイルが第九艦隊を壊滅させる可能性が高い」
「厄介ですね」
「だが、出航してしまえば問題ない・・・だが、問題は艦隊が沿岸沿いを航行してそのままウラジオストクに
「それは・・・」
「あり得ない話ではないだろう。昔から両国とロシアは密接な関係があった。あの社会主義国の後継国だ。我々を裏切る可能性もなくはない」
「・・・もしそうなれば米国と露国の大国間戦争になりますよ」
「できれば考えたくない事案だな」
二人は地図に書き込んだ戦況を見ながら呟く。現在の戦況は平壌からほぼ横一列にかけて伸びた戦線を見た
「取り敢えず、私は休暇を取っているけど。いつ動くかわかりませんね」
「ああ、もし第九艦隊との海戦となれば日本としては日露戦争以来の海戦になる」
「それに、あの時とは違いミサイルが飛び交う見えない距離での戦闘となります」
「見えない距離での戦闘・・・結果がどうなっているかは目視で見れないと言うことだな」
茂が小さく唸ると静も同様に今後の戦争と推移を考えていた
10月10日 午後19:00
休日2日目の今日。静は久々に家族で団欒をしていると静の携帯に緊急連絡が入った
ピリリリリリ!
「はいもしもし・・・何ですって!?」
静は電話を切ると急いで東京海上空港に向かった
キキィィィィーー!!
「おい、そんなに急ぐなよ」
「そんなこと言ってる場合じゃないわ!」
車で高速を猛スピードで空港に向かっている静と輝は事情を説明した
「爆装した閃電が3機千歳空港から南下中よ。後20分で東京上空に到着するわ」
「何だと!?」
輝は驚愕した様子を浮かべた
「ええ、急ぐわよ」
そして静はさらに車の速度を上げ、空港へ道に入った
同時刻、東京海上空港地下軍事管制室(以後東京管制室と呼ぶ)では職員がレーダーに釘付けとなっていた
ピーッ!
「SIF照合。北部方面隊所属308飛行隊。閃電改3機。コールサイン、ワイバーン。応答ありません」
「エリアホテル数キロワン。ヘディング190、高度3万2000、速度720ノット。なお南下中」
「千歳はどうだ。繋がったか?」
『北部SOCはじめ各飛行隊とも応答ありません』
「ダイレクトラインで基地の指令を呼び出せ、出るまで続けろ!」
副司令官がマイク越しに命令をすると司令官にある疑念を言う
「まさか、千歳が・・・叛乱?」
「馬鹿、そんな事あるわけないだろう」
『要撃機上がりました』
管制員の言葉と共にレーダーに二種類のマークのついた映像が映る。
『東京101よりウィザード03、佐渡島303よりプリースト21。会敵予想時刻ネクスト04、およびネクスト10』
迎撃に上がったのは現在、日本各地の空港や飛行場に配備されている『鷲』(現実世界のF15に相当)が迎撃に上がった。パイロットは英語で管制官に通信を入れる
『トレボー、こちらウィザード03。現在、高度3万2000』
『ウィザード03、こちらトレボー、これより誘導を開始します。同高度にて方位040へ』
『了解』
通信から入る東京管制室からの通信にパイロットは鷲を右に旋回させる。その様子を東京管制室では逐一レーダーで観測し、逐一管制官が報告を入れた
『ワイバーン、尚も南下中。応答ありません』
『追尾SS37よりSS 27へハンドオーバー。ウィザード会敵予想時刻調整、ネクスト05』
管制官の報告はすぐさま要撃機隊にも届けられた
『ウィザード03、同方位030、距離90ノーチカルマイル、高度3万2000』
パイロットは管制官の誘導に従い航路を変更させた
管制室では今後の話がなされていた
「指令、もし会敵しても応答がなかった場合は?」
そう問いかけるも次にブザー音が聞こえた
『北空SOC、繋がりました』
そして指令は電話の受話器を取った
ガチャ
「こちら中空SOC、どう言う事なんだ。南下している閃電をすぐに引き返させろ」
しかし返答は驚きのものだった
「・・・何、上がっていない!?」
『少なくとも千歳空港からは発進を確認していません。308飛行隊の所有機を確認していますが、回線が普通、ダイレクトラインも不通を起こしています』
「北空の飛行隊を全て確認しろ。最優先だ」
『了解』
そして司令は受話器を置くと深刻な表情になった
「指令・・・」
「SIFコードは確実に変更されているし、外部からの侵入は不可能なはずだ・・・システムエラーか?」
「自己診断プログラムが常時走っているんです。エラーのまま遂行する事はあり得ません」
司令の懸念に副司令が否定した。司令は現状の把握を開始した
「・・・ウィザード、コンタクトはまだか?」
『目標、正面、距離25ノーチカルマイル。レーダー探知どうか』
『コンタクトできない。目標高度の指示をこう』
だが、依然として爆走中の閃電改型を発見できていなかった
「目標は後どのくらいで首都圏に入る?」
「約10分ほどかと・・・」
副司令の報告を聞いた司令はある命令準備を発した
「・・・入間の高射群に発令。直ちに・・・迎撃体制に入れ。それと・・・長官に緊急連絡だ」
「え!?」
司令の言葉に副司令は驚いた表情で司令を見た。
その頃空中では鷲が索敵を行っていたが、依然として閃電改を発見出来ていなかった
『トレボー、こちらウィザード03、レーダーに反応なし。再度目標の確認をこう』
『目標正面、距離15ノーチカルマイル、方位190、高度3万2000、速度マッハ1.2、ウィザード減速せよ!』
『補足できない!レーダーに反応なし!』
『繰り返す、補足できない!目標はどこだ!』
パイロットの声は東京管制室に響き渡った
「危険です。一度退避させて、再度・・・」
「時間がない、奴が進路を変えればプリーストのアプローチが遅れるかもしれん」
『警戒、同位置、高度差なし』
『警戒せよ、ザザッ!ウィザード、警k・・・ザザザザザーーッ!!』
突如、通信に雑音が雑音は入り始め、最後に
『警告!退避して下さい!』
すると次の瞬間、レーダーからワイバーンの反応がロストした。これには司令も思わず椅子から勢いよく立ち上がってしまった
「レーダーアウト・・・撃墜された・・・?」
「まさか・・・」
『目標、転身します!方位210、降下しつつ増速中!』
『プリースト接近。距離20マイル』
「上の管制塔に緊急連絡だ!」
管制官がそう叫ぶとすぐさま管制塔に連絡が入った
同じ頃、東京海上空港の民間管制塔では管制員達がレーダーに集まっていた
「何だこれは?」
「こっちに来るぞ」
「これが軍から連絡のあったやつか、無茶しやがる・・・」
「まさか、二度目のRATs事件が?」
「冗談じゃないぜ・・・全く」
管制塔では管制官が各々文句などを言いながらそれぞれ指示を入れ始めた
「アプローチに入った便を除いて着陸待ちは空中待機だ!高度に注意しろ!」
「台湾、樺太線を全て和歌山に回せ、急げ!」
そして東京海上空港の電光掲示板から台湾、樺太行きの電光掲示板が一気に暗くなり、通信が入った
『お客さまにご連絡いたします。ただいま上空の天候が不安定のため、一時航空機の離着陸を停止させて頂きます。ご迷惑をお掛け致しますが。今しばらくお待ちください』
そして成田に建設されている貨物空港では上空を飛ぶジェット機の姿が確認された
『成田上空を通過。東京へ向かっています!60秒後に首都圏に到達します!』
『プリースト、レーダーコンタクト。ワイバーンを補足しました』
「・・・武器の使用を許可する」
司令は武器使用許可を発令した。あとはワイバーンを撃墜するのみである
「しかし・・・」
「人口密集地に入る前に堕とせ」
その司令は上空に飛ぶプリーストにも通達された
『こちらトレボー、武器の使用を許可する。ワイバーンを撃墜せよ』
管制官の命令にパイロットは耳を疑った。
『トレボー、もう一度言ってくれ』
『繰り返す、ワイバーンを撃墜せよ!』
命令を受けたプリーストは旋回した。そしてパイロットは深呼吸をして返事を行った
『・・・了解、ワイバーンを撃墜する』
そしてプリーストがロックオンしたその時、突如レーダーから閃電改3機が消え、代わりに撃墜されたはずのウィザード2機が映った。ウィザードは雑音混じりに通信を入れた
『ザザッ。こちらウィザード、指示をこう・・・こちらウィザード03・・・』
通信を聞いた副司令は直ちに攻撃をやめさせた
「プリースト21待て」
管制官はウィザードに通信を入れた
『ウィザード、こちらトレボー。無事ですか?』
『トレボー、こちらウィザード。強力な電波妨害にあった模様。現在位置を見失った。繰り返す、指示をこう。繰り返す、指示をこう』
そして東京海上空港のレーダーがウィザード03の反応をとらえた
『ウィザード03、確認しました。周辺空域にストレンジャー無し』
「プリースト、攻撃を中止せよ」
「攻撃中止、了解」
司令は表情が固まってしまった。
「ワイバーンが、消えた・・・」
そして力無く椅子にへたり込んだ。
『FIが指示を求めています』
その言葉に副司令もハッと我に帰り指示を出した
「警報解除。プリースト、帰投せよ。ウィザードも帰投させろ」
管制室ではホッとした雰囲気となった。
日本政府この一件を同盟軍によるサイバー攻撃と判断し、急遽調査を始める事となった。
静の士官学校時代は必要か否か
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読みたい!!
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要らない