武蔵が浦賀水道に到達するまであと20分となった、その頃武御雷では
「まもなく、第一次攻撃隊が武蔵と接触します!」
「了解した」
「星鵬からの情報はどうだ?」
「陸軍の方にも情報を渡せ!!」
と言ってあちらこちらに乗員が走り回っていた
「星鵬からの情報によると晴風は現在、武蔵の足を鈍らせるために近づいて魚雷攻撃をする模様です・・」
「しかし、それでは晴風の退路が武蔵の砲弾で塞がれてしまうおそれが・・」
「司令!」
CICで現場の報告を聞いていると一人の隊員が報告をした
「何事だ!」
「はっ!現在、前衛遊撃艦隊が特別混成艦隊と合流しました!」
「そうか、それであっちの艦隊の編成は?」
「はっ!編成は舞風、浜風、比叡、アドミラルシュペー、てんじんです」
「本当に寄せ集めた感じの艦隊だな・・」
前衛遊撃艦隊と合流する前の編成を聞いて香織は寄せ集めとの感想を述べた
「合流した後の編成は?」
そんな香織の感想を横目に静は合流した後の編成を聞いた
「はっ!編成は虎狼、海虎、海狼、比叡、アドミラルシュペー、舞風、浜風、神風、太刀風、響風、旗風、てんじんです。」
「凄い編成になったな」
合流した艦艇を聞いて思わず香織は凄い、という感想を述べた、すると
「萩野より通信!」
「繋いでくれ」
と言うと萩野からの通信があった
「こちら第一航空隊隊長萩野。ただいま武蔵と接敵。これより攻撃を開始する!」
と言って機体についているカメラから対艦噴進弾が放たれたのを確認した
前衛遊撃艦隊と武蔵攻撃艦隊と合流した頃、晴風では
「これより武蔵に接近する、総員衝撃に備えよ!」
「「了解!」」
「右魚雷戦、目標武蔵艦尾、全門発射!」
「っ撃!」
と言うと晴風の魚雷発射管から魚雷が発射され、5インチ砲からも砲弾が飛んでいった、5インチ砲も着弾するが大きなダメージは出ず、魚雷は全部当たり速度が落ちた
「魚雷全部当たったよー!」
「だめだ、全然ダメージが入っていない・・・」
「武蔵速力低下!」
と野間が言った途端、生き残っている2・3番主砲から武蔵の砲撃が降り注いだ
「っは!総員衝撃に備えて!!」
と言った瞬間近くに武蔵の砲弾が着弾し船体が浮き上がった衝撃で被害が出た
「後部発煙機使用不能」
「爆雷投射機損傷」
「第五運用科倉庫火災発生、現在消化中」
「無線機使用不能」
「たった一撃でこんなにも被害が・・・」
知床は武蔵の破壊力に改めて恐ろしく感じた、その間も武蔵の砲弾は降り注ぎ晴風の船体が大きく揺れ、そのうちの一発が甲板に向かっていった
『まずい、当たる!』
と思って真白は思わず目を瞑ったが、代わりに聞こえたのは爆発音と聞いた事ないくらい甲高い音に加えものすごい速さで晴風の横を通り過ぎていった何かだった
「なんだあれは!」
真白が思わず窓を見上げるとそこには見た事もない形をし、とてつもないスピードで旋回している何かだった、すると武蔵の回りに無数の水柱が立った
「今度はなんだ!」
と言って後ろを向くと、霧の中から大量の艦艇が出てきた
「識別信号を確認、比叡、浜風、舞風、アドミラルシュペー、てんじんと・・・大量の不明艦です!」
「不明艦だって!」
と言って艦橋にいた全員が後ろの方を見た、そして上空にいる見た事ない飛行物体を見た
「何あれー!」
「凄い・・・早い・・・」
「あんなの見たことありませんよ!」
流石の立石も上空にいる飛行物体には驚きを隠せていなかった、そして謎の飛行物体の去って言った方を見ると2枚の板が張り出たような見た事のない船が多数の駆逐艦と巡洋艦に守られて向かってきていた
その頃てんじんに乗っている古庄は
「よかった、間に合って・・・しかし、まさかね幻の艦隊をこの目で見るとはね・・・」と言って隣にいる虎狼を見た
その頃虎狼に乗艦していた前衛遊撃打撃艦隊司令の本田一誠は
「長官、本当に良かったのでしょうか・・」
「いや、司令長官の考えておる事もわからんでもない」
「どう言う事ですか?」
副官の言葉に本田は
「いいか、この艦隊の所有者は誰だ?」
「それは勿論、今上天皇ですよ・・・・・ああ、そう言う事ですか!」
と言って副官は納得した
「そうだ、2000年にもわたってこの国を保ち続けてきた皇族にそう簡単に手出しは出来んわけだ、それに司令長官は欧州では英雄となっている。もし英雄を汚すこととなれば欧州の国民が黙っていない。」
「なるほど・・・長官もよく考えておられる」
「本当だ・・・あの人は私の想像を超えてくる事もあるからな・・」
「全くです・・・」
と言って武蔵に砲撃準備と晴風に向けて発光信号をした
「不明艦より発光信号!」
「なんと言っている」
「読み上げます、『遅れてしまって申し訳ない、これより援護を行う。菊花艦隊司令長官大石 静』っ!!」
「「静さんが!!」」
艦橋にいた全員は驚いた、まさか静が来ているなんて思ってもいなかったのである
『静さんの帰還命令ってこの事だったんだ・・』
明乃は静が帰還していった理由が分かり納得していた
「野間さん!てんじんと静さんのところに無線機が使えないことを教えて!」
「了解!」
と言って野間はマストに上がり手旗信号をした
「晴風は現在無線機の使用不能・・と。了解した。通信長!晴風との通信には発光信号で伝えよ!」
「了解」
「司令、第一次攻撃隊が攻撃を開始しました!」
「了解した」
と言うと武蔵の速射砲群が閃電から発射された噴進弾によってボロボロになるまで破壊された
「凄いな・・」
そんな様子をシュペーからテアとミーナが見ていた
「日本はこんな技術を持っていたのか・・・」
と言って上空を飛んでいる閃電を見た
晴風では増援が来てくれたことでやる気に満ち溢れ武蔵への突入を決めた
「晴風はこれから武蔵に突入します、援護をお願いします!」
晴風からの要請を受けた古庄は
「了解した、これより我艦隊は晴風の武蔵乗艦作戦の援護を行います。突撃準備をせよ!目標・・武蔵!」
「全艦突撃せよ!」
古庄の号令と共に混成艦隊全てから砲弾が繰り出され、駆逐艦からは魚雷が多数放出された。砲弾と魚雷はそのまま武蔵へと向かい着弾した。武蔵も負けじと生き残っている砲塔を全て動かし撃ち返した、撃たれた艦は怯まずそのまま砲撃を続行した
「晴風に砲弾を寄せ付けるな!弾薬庫が空になるまで撃ち続けろ!」
と本田が言って武蔵に砲撃を続け三番砲塔を破壊したた
その頃静たちは被弾したブルーマーメイド艦隊の救援を行なっていた
「武蔵の様子は?」
「今、前衛遊撃艦隊が武蔵と交戦、航空部隊は第二次攻撃隊も出す必要はありませんね。武蔵の武装は2・3番砲塔のみです。」
静は報告を聞いて頷いていた
「そうか・・・ブルーマーメイド艦は如何だ?」
ときいて今の救援状況を聞いた
「今ブルーマーメイド艦は全艦曳航完了しました」
「了解した、もし負傷者がいたら佐渡先生に渡してくれ・・・」
「はっ!」
武御雷に助けられた平賀たちはデッキに出て休憩をしていた
「ねえ、ちょっとのりりん」
と言って平賀が福内をつついた
「なんですか?」
「あの旗を見て・・」
と言って武御雷のマストを指さした
「あれって、まさか・・・」
「ええ、間違い無いわね・・」
と言ってマストに上がっている白い旗を見た
「「あれは菊花紋章旗だ!!」」
と言って旗の名前を言った
「ってことはあれは今上天皇の所有物なの!」
「凄いわね・・」
福内はその船の所有者を知って皇族の力を思い知った
その頃武御雷CICでは静が菊花師団に連絡を取ろうとしていた
「熊谷さんに連絡できる?」
「はい、こちらを」
と言って輝が受話器を渡した。静は受話器を受け取った
「こちら、雷。目標は間も無く制圧完了、虎たちは巣に戻られたし」
と言うと返事があった
「こちら虎、了解したこれより巣に帰る」
と言って通信が切れた
「総員よくきけ!」
熊谷が言うと作業していた隊員が一斉に熊谷に向いた
「作戦はほぼ完了だ、これより基地に帰還する。直ちに撤収せよ!」
と言うと今まで展開していた戦車や噴進弾搭載車が徐々に奥多摩の基地に戻っていった
戻る途中熊谷は聞いた
「梅輪はどうだ?」
「は!今のところ海兵隊員を乗せて武蔵に向かっているところです」
「了解した、海兵隊には着いた時に極力害を与えんよう言っておいてくれ」
[は!」
「師団長!晴風が今武蔵に突入を開始したようです!」
「それは本当か!」
「はい、ただいま武蔵と接触を図る為近づいている模様・・」
と言ってつまみを回して無線を聞いていた
その頃晴風は武蔵に突入するために90度回頭し武蔵に突撃していった
「なんとか隙を作らないと・・・」
と明乃が言っていると
「艦長、これ使えないですかね・・」
と言って煙幕用の噴進弾を見せた
「もしもの時にって明石が載せてくれたんです」
と納沙がなぜここ噴進弾があるのかを言った
「メイちゃん、タマちゃん」
「「ん?」」
と言って噴進弾で何をするのかを言った
「分かった!よし、タマ行くよ!」
「うぃ」
と言って艦尾方向に二人は向かった
「鈴ちゃん!」
「は、はい!」
すると明乃は知床の方を向いて
「晴風を武蔵の前に出して!」
と、突拍子もない発言をした
「え!武蔵の前・・ですか!」
と言って迷ったが
「知床さん・・・前進、武蔵の前へ!」
真白が後ろから支えるように言った
「りょ、了解」
と言って速度を上げた
「武蔵の前に出るのか!」
その様子をミーナは見ていた
「晴風を撃たせるな!全てこちらに引きつけろ!」
と言って砲塔が武蔵に向いて注意を引きつけた
艦尾に走った西崎たちは布に包まれた噴進弾を取り出し
「タマ、時間がないからいそぐよ!」
と言って急いで噴進弾の準備をした、その間も武蔵は混成艦隊に砲撃をし駆逐艦はジグザグ航行をしながら避けていった
「噴進弾いつでもいけるよ!」
西崎の報告に明乃は
「前進いっぱーい、面舵いっぱーい、艦尾を武蔵に向けて!」
「前進いっぱーい、面舵いっぱーい」
と言って武蔵の前に行った
「タマちゃん、発射準備!」
と言ってタイミングを見計らった
「タマ、魂で撃て!」
西崎の言葉に立石は武蔵が後ろに来るまで待った
「この弾でチャンスを掴む・・」
と言って発射ボタンを押された噴進弾はレールを伝って勢いよく武蔵に飛んでいった、そして武蔵を完全に煙幕で覆い被さった
「げほっげほっ」
発射した煙幕にむせてしまった西崎は
「艦長、今だー!」
と言って武蔵への体当たりを敢行させた
「鈴ちゃん、面舵一杯!武蔵の右舷へ!」
「面舵一杯!」
と言って知床は勢いよく舵輪を回したが
「だ、舵輪が回りません!」
「え!?」
先程の武蔵の衝撃で梶が損傷してしまっていたのだ、如何しようと考えていると
「・・・は!パラシュートあったよね!」
と言ってパラシュートの有無を確認した
「え、ええ・・・」
と真白が力無く言うと
「姫ちゃん、ももちゃんパラシュート用意!」
と言ってパラシュートを準備させた
「パラシュート用意したっすけど、如何すんすか?」
と青木が聞くと
「それを右舷後方に投げて!」
「「へ?」」
「急いで!」
「「はい〜!」」
と言ってパラシュートを海に投げ込んだ、投げ込まれたパラシュートは水中で開き大きな力を生み船体が大きく動き煙幕の中に突入した
「武蔵見えた!」
「パラシュート切り離して!」
「えい!」
と言ってこれ以上必要のないパラシュートを斧で切り離した、そしてそのままの勢いで武蔵に体当たりをしていった
「激突するぞ!」
「衝撃に備えて!」
と明乃が言うと各部署は衝撃に耐えられるよう何かに捕まっていた、そして
どぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!
と大きな金属音がぶつかった音が響き煙幕からは武蔵に体当たりした晴風が出てきた
「万里小路さん!」
「出来てますわ」
「へ?」
武蔵とぶつかった晴風は直ちに突入部隊の編成をしようとしたが既に編成はできており万里小路が薙刀を持って武蔵に突入していった。その時頭上から3機の大型回転翼機が近づいて武蔵の後ろ甲板に着陸し中から大勢の海軍の隊員が出て来た。
「あれは海軍の・・・」
真白はあの海軍の人達はきっと自分の母が呼んだものだろうと推測し、明乃を見た。するとやはり親友に会いたいのかそわそわした雰囲気で武蔵を見ていた
「艦長」
「ふぇ!」
いきなり声をかけられた明乃はびっくりした様子で真白を見た
「行って来てください」
「え?」
「武蔵の艦長のところに」
言葉の意味を理解した明乃は「ありがとう、シロちゃん!」と言って武蔵に行った、そしていつの間にか先程飛んでいた謎の飛行船がいなくなっていることに真白は気付いた
明乃は急いで外階段を使って武蔵の環境に登っていった。そして艦橋に到着するとドアを叩いた、しばらく叩いていると突如内側からドアが開き中からもえかが出てきた
「モカちゃん!」
「ミケちゃん!よかった無事で・・・」
と言ってお互いに抱き合って喜んでいた
しばらくし、武蔵艦内の制圧が終わり、晴風の乗員は休憩をしていると
「ねえ、なにあれ」
と若狭の指さした先にいたのは見たこともない大きさの艦に平べったい甲板を持ち、砲がない形をした緑色の不思議な艦艇が徐々に晴風に近付いていた・・・
梅輪
大型の兵員輸送用の回転翼機。イメージはチヌーク
静の士官学校時代は必要か否か
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読みたい!!
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要らない