白くて、何故かウマ娘のオッスに転生してしまった俺の話 作:沼りぴょい
五歳になりました俺、ホワイトドンナーである。
ホワイトドンナー。それが俺の名前なのだが、当然俺は全くこの名前に聞き覚えは無い。まぁ別にそれはいいだろう。俺、前世でよく架空馬の二次創作とか読んでたし、その世界線なんだろうなぁと思えば不安はない。いや、まぁ少しくらいはあるんですけど……。
脱線したな。基本、ウマ娘とはその名の通り、『娘』なので性別的に言うと女の子しか生まれないはずなのだ。だって俺の母さんウマ娘だし。もちろん、騒ぎなったのかどうかを聞いた。当然の質問だろう、だって男で耳とか尻尾生えているの俺しかいないんだもん。
返答は「もちろん大騒ぎよ」とのことだった。連日家には記者が押し寄せ、時間帯なんてお構いなしに来ていたやつがいたらしい。まぁ基本はウマ娘に優しい世界線なので、なんか当然のように受け入れられた。だから近所のおばちゃんたちはそこまで騒いでいなかったのか……!
とまぁ俺の身の上話はこれくらいでいいだろう。一言でいうなら、俺は普通になんか受け入れられてる。それが事実だ。
「兄さま、兄さま」
「お?」
俺が部屋で瞑想をしていると、いつの間にか俺の膝には可愛らしい女の子────まぁウマ娘なのだが。ぴょこぴょこと耳を動かしており、尻尾がふぁさふぁさ揺れる。
この子の名前はアーモンドアイ。そう、あのアーモンドアイである。
通算成績は15戦11勝。そのうちG1を9勝と、走っていたころは正しく現役最強場と言われた鹿毛の女王である。主にマイルや中距離で活躍し、海外のドバイターフでも活躍した名馬である。そんなアーモンドアイことアイちゃんが俺の2歳下の幼馴染である。そんなアーモンドアイがウマ娘になったら、茶色の髪に黒色の瞳を持つ美幼女へとなっていた。
うん、なぜ? 本当になんで?
いや、慕ってくれるのは嬉しいし、アーモンドアイは可愛い。でも、競馬ファンとしてはどっちかというと恐れ多いという気持ちが強くて……。
「どうした?」
「もっと撫でてください」
「お、おう……」
アーモンドアイは大人しい性格だが、勝負強いところもあったのでここぞというところでは強気で来る。だからってそんな頭を撫でなかっただけですごまないで。
ぴょこぴょこと上機嫌に揺れる耳の合間を撫でながら、俺のことについて考える。ウマ娘は別世界のつながりとか、色々と大事にしてる。そのことから俺とアーモンドアイは、幼馴染という関係から競走馬時代はかなり深い関係といえるだろう。例えば、同じトレセン出身とか厩舎が同じとか。年齢……はあまりあてにはできないな。だってキタサンとサトイモ同じ年齢だったし。
……う~ん知りたい! 俺の競走馬時代のことが知りたい! なんで神様は一回競走馬時代を挟んでくれなかったんだ!
「兄さま!」
「あで」
アーモンドアイの尻尾がぺちんと顔に当たった。
7歳になった。
7歳にもなれば小学校に通うことになるのは必然。そしたら当然アーモンドアイがごねるのは目に見えていて……。
「いやです兄さま! 私を一人にしないでください!」
と、いった感じで入学式に着ていく服がアーモンドアイの涙で濡れた。うん、まぁ可愛いかったので許す。頑張ってなんとか泣くアーモンドアイを説得して俺は小学校に向かった。
良かった。本当に良かった。アーモンドアイ「私も小学校に通います!」とか言い出さなくて本当に良かった。あの子ならマジあり得るからな。
そうそう、7歳にもなれば顔の造形もハッキリしてくるのだが、俺は自分の顔を見てドン引きした。
何にって? あまりのカッコよさにだよ。
いや、悪いけど全く俺に自慢の意思は一ミリもない。昔から「ドンナー君は将来かっこよくなるわね~」と母さんに言われ続けていたが、あまりにも完璧なイケメン過ぎて引いた。なんなら母さんもちょっと引いてた。
アーモンドアイは「兄さまはカッコよくて素敵です!」なんて言っていたが、前世は完璧モブ顔の俺氏。逆に戸惑う。あと、視線を集めるのが非常にうっとおしい。昔から人目に付くのが嫌いだったので、こうなるのならもう普通にTS転生させて欲しかった。
まぁ色々愚痴ったが折角もらった第二の人生。この顔も含めて楽しんでいきた────
「私、キタサンブラックです!」
「サトノダイヤモンドです。よろしくお願いします、ホワイトドンナーさん」
「……」
Oh……really?
競走馬 ホワイトドンナー
父:???
母:ホワイトインラブ(架)
母父:メジロマックイーン
主な勝鞍:16'日本ダービー(G1)
絶対これ母父でピンとくる人いるな。