白くて、何故かウマ娘のオッスに転生してしまった俺の話 作:沼りぴょい
「雷鳴だ雷鳴だ! ターフの雲を切り裂いて後方一気! 白毛の馬体が雷響かせやってきた!」
ロンシャン競馬場、2400m。2017年の10月1日。
その馬は、伝説となった。
「残り距離は200m! 天才ジョッキー岳の夢と! 日本の悲願を背負って今! 先頭へと踊りでる! その差は一馬身、二馬身と開き始める!」
その馬が走ったレースは、『凱旋門賞』。
幾多の馬が、その門に阻まれ、涙を呑んだそのレースに、一筋の雷が、その門をこじ開けた。
「征け! 征け! ホワイトドンナー!」
その馬の名は『ホワイトドンナー』
「見たかフランスよ! 世界よ! これぞ────これぞ雷鳴の輝き! これが日本の誇りである!! 今! 三馬身の差を付けてゴールイン!」
「…………何だこの夢」
ぱちくりと目が覚めた。だがしかし、俺はもう一度夢の内容を思い出そうと目を閉じた。
内容は、俺がウマ息子ではなく、馬としてどこかの競馬場を一着で駆ける夢。
鞍上には、なんかどこかですっごい見た事のある顔。思い出そうとしたが、モヤがかかって分からなかった。
だがしかし、分かることはひとつ。俺や、その鞍上はこのレースでどうしても勝ちたいという事だった。
「…………わっかんねぇな」
しばらく思い返していたが、やはり自身の名『ホワイトドンナー』という名前には聞き覚えがない。いや、前世で探せばいるのだろうが、G1とか、そういう重賞レースでこの名前は聞いたことがない。
こんな夢を見たのも、あのレースを見た事が原因なのかもなぁ……。
先日の有馬記念。三度の骨折から奇跡の復活を果たし、見事ビワハヤヒデを下して一着となったトウカイテイオー。
あれは泣いた。アニメを見て泣いたし、なんならその後調べてようつべで見たリアル競馬でも泣いた。それほど感動する内容だった。
……良かったなぁユメヲカケル。泣いたわ。
……あぁそうそう。有馬記念終わったならもうそろそろだな、トレセン学園への入学は。
今日は12月31日。俺達も六年生となり、遂にトレセン学園への入学が視野に入り始めた。
さらに言うと、キタサンとダイヤが物凄く成長した。どことは言わないが物凄く成長した。大事なことなので二回言いました。
いやぁ、いくら成長期だからってあれはやべぇよ。俺も今グングン身長伸びてるけどあれはやべぇ。もはや凶器にまで達している。
今までは抱きつかれても大人の対応(笑)してたけど、あんな立派なもの押し付けられると考えるとさすがにやばいかもなぁ。
「……はぁ、走るか」
これ以上考えるとなんかダメになりそうな気がしたので、ゆっくりとベッドから下りてパジャマから着替える。有馬記念を見ていこう、体が疼いて疼いて仕方がないのだ。
こういう日は、走るに限る。
THE・LEGEND
遠い遠い海の先、天高く聳える一つの門が存在する。スピードシンボリから始まり、幾多の夢が阻まれたその門を一つの雷鳴が切り裂いた。
最後の直線後方一気。全てを撫で切りにし、その末脚はまさに雷の一閃。その馬の名は――――
ホワイトドンナー
「雷鳴だ!雷鳴だ!ターフの雲を切り裂いて後方一気!白毛の馬体が雷響かせやってきた!」
その雷鳴は、世界に余すことなく響き渡る。
次の伝説を見よ、凱旋門賞
こんなんばっかり思い浮かぶんですよ。ストーリーの展開は全然思いつかないのに