ちなみに???と猫のやり取り
・自身を梵我一如と化すことにより、
世界の構成要素である限り、
相手は発動者の攻撃を避けることが出来なくなる奥義
→固有〇界っぽいものを発動。
自身を世界と隔離することにより回避
・猫を攻撃するという結果を先に確定させることにより、
逆説的にすべての因果をその結末に収束させる秘技
→結末が定まっているなら、
そこに至るまでの過程を極限まで伸ばせばよいと、
自身のいる空間座標と時間座標までの到達距離、到達時間を大幅に拡張。
100万光年の距離を一億年の時間をかけて踏破することができれば自身をモフることができ、逆にそれ以外の方法でモフることは不可能とし、
相手の結末の確定を逆手にとって回避
う~ん、この親にしてこの子ありというか…(白目)
…というか猫強すぎません?
どっかのイアイアしてる神話体系から迷い込んでません?
…幼い頃、わたしが憧れた英雄譚。
大事な半身を失っても、それでもなお誇り高く歩き続けた、そんな片翼の撃墜王の物語
何度も何度も、今思えば自分でも不思議な位に、大好きなおばぁちゃんにせがんで話してもらったその物語の主人公は、あの頃のわたしにとってはヒーローそのもので
「わたしも!いつかゲキツイオーさんみたいな、スゴいウマムスメになるんだ!!」
そう無邪気にはしゃぐわたしが、
トレセン学園を目指すようになったのは、考えてみれば当たり前のこと
わたしもあの人のようになりたい、
自分の周りの人みんなをキラキラさせられるような、そんな強くてカッコいいウマ娘になりたい、って
そんな思いを抱いてトレセン学園の門を叩くのは、とても順当なことで
だからこそ…
ザァーーー…
降りしきる雨の中、
わたしは一人、ターフに座り込む
周りには誰もいない。
当然だ。
何故ならもう、今日ここで行われるイベントは、とっくに終わっている。それなら、わざわざこんなところにとどまる意味などない。
それに…
ザァーーー…
「…」
降りしきる雨が、体を濡らす。
冷たく、重い雨が、まるでわたしをなじるように吹き付ける。
午後から突如として振りだした豪雨は、
いまだ止まるところを知らない。
それこそ、傘を持っていなければ即座にずぶ濡れになるだろう。
そんな状況下で、好んで外に出る人間など基本はいない。
故にレースが終わると共に、選手も観客も、皆蜘蛛の子を散らしたように逃げ出した。
突然の雨から逃れるために、それから守ってくれる屋根の下で、一息つくために。
だからこそ、今ここにいるのはわたし一人で…
ザァーーー…
動かないわたしに、
そんなことなどお構いなしに、
横殴りの雨が叩きつけられる
それはまるで、
レースに負け、それでもいまだにここに残り続けるわたしの姿を、
嘲笑するようで…
(…寒い)
寒くて寒くて仕方がない。
泥だらけの体操服は、降り注ぐ雨を存分に吸い込み、重く、冷たくわたしにのし掛かる。
そして、そんなことを考えている間にも、雨はますます勢いを増し、わたしの体温を奪っていく。
その姿は、我ながら滑稽で、だからこそ悔しくて、悲しくて、情けなくて…
やまない雨の中、泥だらけの体操服で見上げる空は、決して晴れることのない陰鬱な曇り空だった…
........................
.................
.........
「いや~、でもありがとね?
ホントに助かったよ!」
松葉杖を動かし、わたしの前を歩くそのウマ娘の言葉にわたしは、
恐縮する
「い、いえいえ!
もとはと言えば、わたしがマヤノトップガンさんを突き飛ばしちゃったのが悪いんですし、このぐらいは…」
そう答えると、
前を歩くウマ娘…マヤノトップガンさんは、
一度立ち止まると、くるりとこちらをふり向く。
その顔は、なぜか膨れっ面で
「だ~か~ら!マヤのことは、マヤノで良いって言ってるでしょ!!」
なんて言ってくる
「で、でも…」
「それと敬語も!マヤはもう許したって言ったでしょ!?
それに…」
そう言いながら、松葉杖を突きながらわたしの方に戻ってきたマヤノトップガンさんは
「…例えキミのいた未来ではマヤの方がおばぁちゃんでも、今のマヤはキミと同じくらいでしょ?
それなら固いことは言いっこなしだよ!」
そんな風にしっかりとわたしの目を見ながら言ってくるものだから…
「…わかりまし…わかったよ、マヤノ
…これで良い?」
そう返すと、
「うんうん♪
せっかくお友達になったんだもん!やっぱりお互いに遠慮してちゃダメだからね♪」
途端に花が咲くような笑顔を浮かべると、マヤノトップガ…マヤノはまたくるりと振り返り、上機嫌に歩き出す。
それを見ながらわたしが考えるのは…
(…う~ん、明るくて人当たりの良い人だったとは聞いてたけど…)
見ず知らずの、しかもタイムトラベルしてきたとか叫び出す、怪しすぎるウマ娘に対してまで、ここまでフレンドリーな人だとは思わなかった。
だからこそ
(…なんか、本当に恐縮だな~…)
憧れの人に、敬語で話さなくても良い、愛称で呼べと言われたのは、とても嬉しい反面、少しだけ恐れ多い。
本当に自分なんかがそんなことをしても良いんだろうか、と少しだけ戸惑ってしまう。
でも、それも含めて
(…なんだか)
…夢みたいだな~
なんて考えていた、わたしの考えを読んだのだろうか?
「にゃん♪」
歩くのがめんどくさくなったのか、
わたしの頭の上で丸くなっていた件の猫も、それに同意するかのように可愛らしい鳴き声をあげる。
そんな、自分からのスキンシップは結構してくるくせに、絶対にモフることだけはさせてくれない、意地悪な我がライバルの体重と暖かさを頭上に感じながら、わたしは歩く。
すると、しばらく歩いたところで小さなお寺が見えてきて
「あ!あそこだよ!!」
なんて、前を歩くマヤノが言うから、改めてわたしは預かったリュックと花束を持ち直す。
(…まぁ、例えウマ娘でなくとも、このくらいなら別になんともないんだけど…)
それでも、人から預かったものだからと、念のためもう一度花束を持ち直す。
すると、その時僅かに散った花びらが、だだっ広い田園風景の彼方に消えていく。大きな建物が周囲にないせいか、空もまた遠くどこまでも広がっているこの場所において、もうそれらを再び見つけることは不可能だろう。
それを見ながら思うのは…
(…でもマヤノは一体こんな田舎に、何の用があるのかな?)
という純粋な疑問だ
…そう、わたしは今マヤノのお出かけ先に同行している状態だ。
あの後、混乱するわたしをなだめ、事情を聞いたマヤノは、
取り敢えず自分に付いてこないかと提案してくれた。
…まぁ、自分が生まれてすらない時代に、誰か他に頼れる人なんているはずもない。だから、ほとんど選択肢自体がなかったんだけど、おばぁちゃんの言葉が本当なら、この人はおばちゃんの友達だ。
それならきっと、この人は悪い人じゃないはずだし、一緒にいれば最悪、この時代で確実に信頼できるだろうおばぁちゃんその人に会うこともできるだろう。
それに、何だかんだ言ってもこの人はわたしにとっては憧れの人。
そんな人に、一緒に来ないかと言われて、嬉しくないはずがなく…
「…?どうしたの?」
少しの間呆けていたわたしを、
マヤノが不思議そうな顔をして見つめてくる。だから
「…ううん、何でもない」
そう首を振る。
…と
「…ん?
おぉ、マヤノトップガン殿!お久しぶりですな!!」
お寺の中から誰かが出てきて、
マヤノに声をかける
それは、袈裟を着た60代くらいのお坊さんで
「あ!和尚さん!!
お久しぶりです!!」
声をかけられたマヤノも、
その言葉に反応し、
二人は話し始める
「いや、それにしてもこの間のレースもまた見事でしたな!流石は撃墜王殿です!!」
「いえいえ!それほどでもないですよ!!
それに結局、あの時のレースで無理しちゃったせいで、このざまですし…」
「まぁまぁ、それでも素晴らしいレースだったのは確かですよ!
胸を張りなされ、マヤノトップガン殿!!」
そのやり取りを聞いていると、
この二人はそれなりに親交があることは分かるのだけど…
(…本当一体どういう繋がりなんだろう?)
とわたしは内心首を捻る
…そう、実はわたし、マヤノが正確には何のために今出歩いているのか、それについてまだ具体的なことを何も知らなかったりする。
ただ一言、「大切な人に会いに行く」としか、わたしはマヤノから聞いていないのだ。
だからこそ、わたしは首をかしげる。
…マヤノ本人が言っていた以上、恐らくここが今回の目的地であることは間違いない。そして、仲良くお喋りしているあたり、このお坊さんもまた、その関係者なのは間違いないだろう。
だが、それでも今ここに至ってもなお、わたしは彼女の言う大切な人の正体が掴めない。
そもそも…
(基本的には、都会で暮らしているだろうマヤノが…)
怪我をしている状態でも、わざわざこんなところに訪れるほどに、仲が良い人なんて、果たしていただろうか?
かつて読んだマヤノの伝記を思い出しながら、首を捻っていた時だった。
「…おや?そう言えばそちらの方は?」
今までマヤノと話し込んでいたお坊さんが、ようやくわたしの存在に気付いたみたいで、不思議そうな顔でこちらを見る。だから
「…あ!そうだった!!
紹介します、和尚さん!この子はマヤの新しい友達の――…」
そう言ってマヤノがわたしを紹介し、慌ててわたしも頭を下げる。
「は、はじめまして!」
「おやおや、これはご丁寧に。
こちらこそはじめまして」
そして、そんなわたしにニコニコと、優しそうな笑みを浮かべるお坊さんは、しかし
「…それにしても、あなたがまさか誰かをここに連れてくるとは、驚きましたよ」
と不思議なことを言い
「あはは…まぁ、正直マヤも、本来なら誰かをここに連れてくるつもりはまったくなかったんですけどね」
と苦笑しながらマヤノもお坊さんに返す
ただ…
「…だから、今回に関してはもう本当に成り行きですね。
色々あって、この子を連れていかざるを得なかった、と言うのが理由の8割位です。
…まぁ、そのお陰で随分楽をさせてもらったので、その点は感謝してますけどね。
それに…」
そうやって困ったように笑うこの時の彼女は
「…どうしてでしょう?何故かこの子は、マヤにとって他人のようには思えなくて…」
なぜかその幼い容姿に反して、人生の酸いも甘いも噛み分けた、そんな成熟した大人のような雰囲気がしたから…
「…ふむ」
それを聞いたお坊さんは、そう呟いくと、
「…まぁ、あなたがそう言うのなら良いのです。
どのみちこの件に関して、わたしがとやかく言う道理はありませんしね」
そう言って頷く
「…であれば、マヤノ殿にその友人殿。
どうぞお入りください。
彼が待っていますよ」
そうして脇にそれて、道を開けてくれたお坊さんに
「…ありがとうございます。和尚さん」
そう静かに微笑みながら、松葉杖をついて先に進むマヤノの後を、わたしは慌てて追う
…そうして
「…それじゃあ紹介するね」
進むマヤノの後についていった先にあったのは…
「ここが、今日のマヤの目的地。
そして…」
そこで一旦マヤノは言葉を切ると、
彼女は振り返る
「…この人がマヤの、世界で一番大切な人…」
そして、マヤノは呆然とするわたしに静かに微笑む
「…マヤの、元トレーナーちゃんだよ」
…何も言わない墓石は、
それでもなお、
静かにそこに立ち尽くしているのだった。
本編の頃から思ってたことですが、
マヤちゃんみたいなキャラクターが敬語使ってると、
違和感バリバリ…
でもまぁ、URAファイナルズの時点で最低3年は経過してますし、
彼女達だって敬語使うべき場面はきっと普通に使ってますよね?
…でもやっぱり違和感ががが…