片翼の撃墜王 外伝集   作:DX鶏がらスープ

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※注意

ここから始まる一連の短編では、作者が全力ではっちゃけます。

具体的に言うと、
ネタバレ上等、パロディ多用、メタい会話の連発など、
完全にギャグ時空の話です。

時系列などは完全に無視しますし、
そもそも作者ですら、これいつの話?と言いたくなるような話です。

それでも私は一向にかまわんっ!!
という剛の者だけ先にお進みください。




頑張れ!マーベラス!!  作戦始動!

サー…

 

車軸を流すような雨の中、東京某所、とある室内に三人の人物が集まっている。

 

ゴロゴロゴロゴロ…

 

室内の照明は全て落とされいる。そのため、あたりは闇の帷に飲み込まれている。

それだけではなく、終始そのメンバーが無言で喋らないため、室内には重苦しい沈黙が満ちている。

聞こえるのは、降りしきる雨の音と、遠くから聞こえてくる遠雷の音のみ。

 

…と

 

カッ!!

 

落雷に照らされ、照明の落ちた部屋に一瞬の光が走る。

 

その僅かな一瞬であらわになる彼ら、いや彼女達の姿は、とても奇妙なものだ。

 

まず彼女らには、通常の人間の耳があるべきところに耳がない。髪型や髪の長さで誤魔化しているが、よくよく観察すればそれは明白だ。

では彼女達には耳がないのかと言われると、決してそんなことはない。それは形が違うだけで、確かに存在する。むしろ、人間よりも分かりやすい位置、すなわち頭の上にそれがある。その明らかに人間のものとは異なる耳、それこそがまず一つ目の奇妙な点。

 

そして、もう一つは彼女達の臀部にある。

通常人間の臀部には特に何かが不足しているということはない。

これが、もうなん世代か前の生物種なら、そこには立派な尻尾が生えていたであろう。

だが、現行人類にはそのような器官はない。正確には退化してしまった。未だに彼らの臀部には尾てい骨というその時の名残りはあれども、基本的にそこに何かあるということはない。

だが、彼女達は違う。

そこには一般にいう尻尾という器官が付属している。本来人類種にはないはずの器官が、彼女達にはある、これが2点目。

 

そんな異形の少女達が、暗闇の中でただ黙ってじっと座っているのだ。一種異様な光景といえよう。

 

では、そもそも彼女達は一体なんだろうか?答えは簡単。彼女達は人ではない。

 

そう、見た目こそ見目麗しいが、彼女達は明らかに人外の類い。

人という存在を何らかの形で超越した存在であることには違いない。

 

故にこそ、彼女達は待ちわびている。その人を越えし力を存分に振るう日を、今か今かと待ちわびているのだ。

 

そして、その時は早々にやってくる。

 

ぎぃっという扉が開く音と共に、暗闇の中でじっとしていた彼女達は一斉に目を向ける。

 

そして

 

「…みんな、今回は集まってくれて感謝するよ」

 

一人の少女が入ってくる。

彼女もまた、室内の異形の少女達と同じく、人ならざる耳と、謎の尻尾を持っている。

一見して彼女は元から部屋にいた彼女達と同じ存在に見えるが

 

「…!」

 

元から部屋にいた少女達はざわめき始める。そう、それは自明の理。彼女達は、これをこそ今まで待ち望んでいたのだ。それならば是非もなし。彼女達の注目が、一気に後から入ってきた少女に集う。そして…

 

「…待たせたね、じゃあこれより議題を発表するよ」

 

そう言い、彼女はホワイトボードに議題を書き始める。

かつかつと、そのペンが文字を書く音だけが沈黙に満ちた空間に響く。

そして、その度毎に、暗闇の中の三人の目は輝いていく。戦乱の始まりの予感を感じ、彼女達の中の高揚が高まっていく。

 

そして、後から入ってきた少女の板書の音が止まる。

ついに、彼女は書き終わったのだ。

 

それを見て、三人は笑う。

これで、やっと自分達の力を存分に震える、そう歓喜しながら、彼女達はホワイトボードを見据える。

果たして、そこに書いてあったものとは…

 

 

 

 

 

 

「はい!じゃあ今この時をもって、マーベラスの存在感アップ計画を始めるよ!!マーベラス☆」

 

 

 

 

 

 

カチッ

 

 

その言葉と共にアタシは部屋の電気を付ける。

 

それに伴ってテイオーとマヤノがその場でぐでっと弛緩する。

 

それを見たマーベラスが慌ててアタシに詰め寄る

 

「ちょ、ちょっと!なんで電気付けちゃうのネイチャ!!」

 

「い、いやマーベラス…」

 

そう言いながらアタシは脇でだらだらしている二人をさして言う。

 

「…流石に強キャラ漫才のノリはもうこの二人には限界だよ…

それに、暗いところでモノを書いたりしてると、目が悪くなるよ?」

 

そう言ってアタシは、足元にあった嵐の夜の音源のカセットテープを止める(途中のフラッシュはイメージです)。

 

そう、ここはトレセン学園のアタシとマーベラスの部屋。

アタシ達はある日マーベラスに呼ばれてここに集まったんだけど、集まるなりなんか部屋の電気を消して、どこから持ってきたのか、ご丁寧にもわざわざ嵐の夜の音源テープまで流して、雰囲気たっぷりの状態でもう一回最初から始めると言われたのだ。

 

「うーっ、そうだけど!そうだけど!」

 

とマーベラスは騒ぐが…

 

「もうマヤ疲れたよ…」

 

「ボ、ボクも…」

 

とベッドに横たわり、まるでぐ○たまのようになっている二人を見れば、さもありなん。

 

実はこれ18回目のリテイクである。

 

曰く、強キャラ感が足りない!とか、もっと悪そうな雰囲気で!とか、とにかくマーベラス監督の指示は厳しかったのだ。

 

お陰で最初は興味津々だったマヤノとテイオーも、本来は比較的じっと座っていることが苦手な性格のため、すっかり疲れきってしまったというわけなのだ。

 

「…と言うわけで、強キャラごっこはもうお仕舞い!十分遊んだでしょ?」

 

とアタシが言うと、流石に思うところはあったのか、マーベラスも渋々頷く。だから

 

「じゃあ、早速今日集まった目的について話し会おっか。

二人もそれで良いよね?」

 

とアタシが覇気を失ってベッドでゴロゴロしている二人にもそう問いかけ、本題に移る。

 

そう、そもそも今日アタシ達がここに集まった最大の理由は…

 

 

 

 

「マーベラスの陰が薄すぎるの!

皆なんとか協力して!!」

 

 

 

 

 

…そう、つまりこれである。

 

「え?

でもマーベラスって本来、そんなに陰が薄いキャラクターじゃないよね」

 

と早速テイオーが問いかけるので、アタシも便乗する。

 

「そうだよね?むしろ逆に陰が濃すぎるというか…」

 

そう、元々マーベラスサンデーというキャラは、ウマ娘というコンテンツにおいてはわりと存在感のあるキャラクターのはずだ。

 

いつでもどこでもマーベラス☆

常に謎のノリと勢いで周囲を翻弄する、元気なお騒がせキャラ。

登場シーンもそれなりに恵まれていて、アタシの個別ストーリーでもそうだけど、賢さサポカとしても優秀な方なので、比較的ゲームの中では会いやすい方なウマ娘だとアタシも思う。

 

だからこそ、今回そんなマーベラスからは、もっともかけはなれた企画を彼女が持ってきたことに対して、純粋にアタシは疑問だったんだけど…

 

「…確かにテイオーとネイチャの言うことはあってるよ。

マーベラスは本来そこまで陰が薄いキャラクターじゃない。

…でもね」

 

そう言ってマーベラスはホワイトボードを叩く

 

「そ れ は ゲ ー ム の 話 !

この小説だとマーベラスとっても陰が薄いんだよ!!」

 

そう言われてアタシ達は、あぁ、と納得する。

 

…確かに、マーベラスはこの小説においては結構陰が薄い。

マヤノがクローズアップされるのは、まぁ主人公だから当然としても、

アタシは主な視点人物兼サブ主人公。

テイオーも第二部におけるアタシのライバル役兼事態を動かすボケ担当。

 

そう考えると、そう言った特別な役割を持たない彼女の存在感は、アタシ達に比べて結構薄い。

一応アタシのルームメイトだし、マヤノとの絡みが原作でもあるから、仲が良い設定でちょいちょい出番はあるんだけど、いまいちキャラがたっていない。

大体その場にいるだけのことが多く、扱いがフレーバーっぽいと言われると否定できない。おまけに…

 

「マーベラスの最大の特徴ってマーベラス☆っていう語尾だよね!?

なのに本編がどシリアス過ぎて、言うタイミングも全然ないの!!」

 

そう、これがマーベラスのキャラが立たない最大の理由。

この小説は基本的にどシリアスな為、コミカルなシーンが非常に少ない。

そして、マーベラスサンデーというウマ娘の魅力が最大に輝くのは、ギャグシーンや日常シーン。

致命的に相性が悪いのである。

だからこそ…

 

 

「お願いみんな!この小説でもマーベラスの存在感が出るように協力してぇ!!」

 

 

とマーベラスは涙目で頼み始める。

 

そう、作者はこのマーベラスというキャラクターの魅力を最大限に活かしきれていない。

本当は結構活躍させるつもりだったのに、気がつけば空気っぽいキャラクターにしてしまったのだ(ごめんなさい by作者)。

 

それを聞いて、アタシ達は唸る。

確かにマーベラスの言うことはもっともなのだ。

 

「…だって実際、多分マーベラスよりも登場シーン少なかったのに、ネイチャのトレーナーさんとかの方がキャラ立ってたよね?」

 

そうテイオーが言うと

 

「シンボリルドルフ会長なんて、ちょろっと出てきて良い感じのこと言っただけなのに、見事にいつもの会長って感じだったしね~」

 

とマヤノも言う

 

そうなのだ、マーベラスは別に登場回数が極端に少ないわけではない。

第一部ではずっとアタシ達といたし、第三部でも一応マヤノと一緒に走っている。第四部でも冒頭ちょろっと出てきてたし、何ならこの短編集の前の話でも出てきている。

 

マヤノやアタシみたいな主要登場人物ほどではないけど、それでもちょくちょく出番はあるのだ。

 

なのに、キャラが立たない。

存在感で、もっと出番が少ないキャラクターに確実に負けているのだ。だからこそ…

 

「う~ん、じゃあマベちん。マヤ達と一緒に存在感を上げるためにはどうすれば良いか考えてみよっか!」

 

そうマヤノが提案する。

 

「良いの?マヤちん?」

 

それにマーベラスが顔を上げると

 

「当然だよ!

そもそもマヤだって、本編の都合上、本来の明るい性格をほとんど出せなかったんだよ!

(重ね重ね申し訳(ry)

だから、マベちんのこと手伝ってあげる!!」

 

そう言うと

 

「二人も良いよね?」

 

と聞いてくるので

 

「あったりまえでしょ!ボクだってマーベラスの友達なんだ!喜んで手伝わせてもらうよ!!」

 

とテイオーが返す。

だからアタシも

 

「まぁ、友達の頼みだからね。

良いよマーベラス。手伝ってあげる」

 

そう返すと

 

「み、皆ありがとう!マーベラス頑張るね!マーベラス☆」

 

と言ってマーベラスは嬉しそうに跳び跳ね始めた。

 

 

 

 

 

かくして!マーベラスの存在感を上げるための修行は始まった!!

 

果たして彼女は修行の果てに!念願の存在感を手に入れることはできるのか!?

 

つづく!!

 

 




…いや本当ごめんなさい、マベちん。

作者の当初の予定では、テイオーと一緒にバカやって、
ネイチャに怒られるって感じのキャラを想定してたのに、
気が付いたらマジでフレーバー的な扱いになっててね…(白目)

というわけで、
今回はそんなマベちんが頑張るお話です。

果たして、彼女は無事に念願の存在感を手に入れられるのか!?
それは作者にもわからない!!(おい)


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