片翼の撃墜王 外伝集   作:DX鶏がらスープ

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なお、ここからの視点は、基本的にはすべてマーベラスのものになります。

みんなもいっぱいマーベラス☆していってね★



頑張れ!マーベラス!!  マーベラス大作戦~マヤノ編~

~マーベラスサンデーside~

 

 

「じゃあ、マベちん!

マヤのわかっ・・・ちゃう講座開幕だよ!!テイクオーフ♪」

 

「マーベラス☆」

 

そう言って2人で片手を空に掲げると、さっそくマーベラス達は最初のお題に取りかかる。

 

そう、まずアタシはマヤちんの力を借りることにした。

なぜなら…

 

「マヤね、大体のことはわかっ・・・ちゃうから、あんまり勉強とかで苦労したことないし、お友達が困ってても、その原因がすぐにわかっ・・・ちゃうから、パパッと助けてあげられるんだ!!」

 

「おー!それはマーベラスだね☆」

 

だからこそ、そんなマヤちんの「わかっ」ちゃったを教えてもらえば、マーベラスも皆に頼られるようなウマ娘になれるはず!マーベラス☆

 

と言うわけで

 

「よろしくね☆マヤちん★」

 

とアタシが頭を下げると

 

「ふふん!マヤにまかせといて!!」

 

そう言ってマヤちんは胸を張る。

その顔は自信まんまんで、いつかけたのか、賢さトレーニング(レベル5)の時のメガネもバッチリ装備。実に頼もしい。

いつもより、3割り増し位かっこ良く見える。

 

それを見てアタシは安心する。

流石はマヤちんだ!

 

いつもトレセンの先生と、遅刻か否かのギリギリのチキンレースをしてるから忘れがちだけど、

やっぱりこういう時のマヤちんは頼りになるよね!

 

「それで、マヤちん。まずは何をやるの?」

 

そう言うわけで、最初からアタシは期待が持てそうな展開に内心ワクワクしてるんだけど、アタシ達の周りには、自分達が座っている椅子と机以外は特に何もない。

一応筆記用具だけ持ってきてって言われたから、筆箱は持ってきたんだけど…

 

「ふっふっふ…」

 

すると、マヤちんは笑いだす。

マベちんの疑問なんてわかっ・・・てるよって、顔でマヤちんは続ける。

 

「マヤね、いつも思ってることがあるんだ!

…ねぇ、マベちん?

そもそも「わかる」って、マベちんはどう言うことだと思う?」

 

そう聞いてくるから…

 

「え?「わかる」?…う~ん?」

 

とマーベラスは困ってしまう。

だって、「わかる」って「わかる」ことでしょ?

それ以外にどう言えば良いの?

そう悩んでいたアタシにマヤちんはニッコリと微笑んで解説してくれる。

 

「あのね、マベちん。

マヤ思うんだけど、「わかる」ってことは、単に理解するってことじゃないの。

自分の中で明確にそれを言葉に出来るようにすることだって思うんだ」

 

「言葉に?」

 

そう言うとマヤちんは頷く。

 

「そう、言葉に。

自分が見たもの聞いたもの、それらを全部自分の中で納得できるような言葉にするのが、わかるって事だってマヤは思うんだ」

 

例えばね、とマヤちんは続ける

 

「マベちんは例えば、りんごって言葉を知らない人に、りんごをどうやって説明する?」

 

そう突然言われてアタシは考える

 

「え、えっと…赤くて、丸くて、美味しい果物!!」

 

「それってさ、さくらんぼじゃダメなの?」

 

「え?」

 

い、言われてみれば…

確かに、さくらんぼも赤くて、丸くて、美味しい果物だ。でも…

 

「で、でもでも!さくらんぼは2つセットだし!りんごとは違うよ!!」

 

「そうだね。じゃあマベちん、それはライチじゃダメなの?

赤くて、丸くて、美味しいよね?」

 

「えぇ!?」

 

言葉につまるアタシにマヤちんは更に畳み掛けてくる。

 

「他にも柘榴もそうだよね。

マンゴーも角度によっては赤っぽいかな。

そうだ、クランベリーなんかはどう?」

 

そう次々とアタシの意見に対して別の果物をあげていくから…

 

「も、もう!マヤちん!!

マヤちんは一体何が言いたいの!?」

 

ちょっと涙目でマヤちんにそう訪ねると、マヤちんは苦笑する

 

「いじわる言ってごめんね、マベちん。

でも、これでりんごっていう言葉を知らない人に、りんごっていう意味を言葉だけで教えるのがどれだけ難しいか分かったよね?」

 

「ま、まぁ…」

 

そう言われてうつ向くアタシにマヤちんは説明する。

 

「でも、逆にりんごって言葉を知っている人になら、りんごって言うだけでマヤ達が言いたいことはすぐ伝わる。

じゃあこのふたつの違いってなんだと思う?

…答えは簡単、りんごって言葉を知ってるかどうかなんだよ。

…つまりね」

 

そこでマヤちんは言葉を一旦切ると、アタシにニッコリと笑いかける。

 

「わかるってことは、理解すること。そして、理解するってことは、自分の中でちゃんと言葉に出来るってこと。

 

つまり、マヤのいう「わかる」ってことは、自分が見たもの聞いたものを、自分の中で自分に分かるような言葉に出来るってこと。

 

…きっとマヤのわか・・るも、その延長線上にあるんだと思うんだ!」

 

「おぉ~」

 

そう言われてアタシはちょっと感動する。

なるほど、確かに言われてみればそんな感じがする。なら…

 

「...もしかして、自分の中の言葉を増やせれば、マヤちんのわか・・るも…再現できる?」

 

そう聞くとマヤちんは嬉しそうにピンポンピンポン~とアタシに微笑みかける。

 

「そう!そうなんだよ、マベちん!!

だから、今回のこの講座もそれが目的!自分の中の言葉を増やすために、今からマヤと一緒にこの講座をするんだよ!!」

 

それを聞いてアタシが思ったのは…

 

(やっぱりマヤちんはすごい!)

 

…実を言うと、最初はほんのちょっぴりマヤちんを疑ってたのが綺麗に晴れた。

なるほど、確かにマヤちんの言う通りにすれば、本当にアタシもマヤちんのわか・・るが習得できるような気がしてきた!

だからこそ…

 

「よろしくお願いします!マヤちん先生!!」

 

そう改めて姿勢を正してマヤちんに向き直ると、

 

「うん!マヤにおまかせ!!

マベちん君を、立派にわか・・るようにして見せるから!!」

 

そう頼もしいことを言ってくれる。

 

あぁ、これならアタシもなんとかなりそうだ!!

 

そう輝く未来を夢想した瞬間だった

 

「それじゃあ、マベちん!まずはこれ全部読んでね?」

 

 

 

ズンッ!

 

 

 

そんなアタシの目の前がいきなり見えなくなる。

 

「………え?」

 

電気が消えた?いや、別に消えてない。

目が見えなくなった?隣を向くと笑顔のマヤちんがいる。

 

それなら…?

 

アタシは青ざめながら、目の前の視界を遮るものに目を向ける。

すると…

 

 

「…本?」

 

 

目の前に山と積まれているのは確かに本で…そして、ちょっと背表紙を見る限り、その中には明らかに昔の古典や難しい漢字がいっぱいの小説、そして挙げ句の果てには絶対日本語じゃないタイトルの本がたくさんあって…

 

「…マヤちん?…これは?」

 

震えるアタシにマヤちんは自信まんまんに答える

 

「マヤおすすめの世界の名著1000冊だよ!マベちんにはこれを全部読んでもらって、感想文を書いてもらいます!!」

 

そんな地獄みたいなことを言うから

 

「マ、マヤちん!流石にこれは無理だよ!!明らかに日本語じゃないのも混じってるし!!」

 

そうアタシは絶叫するけど、マヤちんは特に何でもないことのように答える。

 

「大丈夫大丈夫!

出来るだけおもしろいの選んどいたから!

それに、やっぱり話せる言葉が多ければ多いほど、理解って深まると思うんだ!色んな言語の角度から、物事を理解できるからね!!

だから…」

 

 

 

ズンッ!!

 

 

 

物理的な圧力さえ伴う本の山の上に、マヤちんはまた別の本の山を置く。

それらには例えば『英語入門』『よくわかる中国語』『初級ロシア語』『一週間でわかるフランス語』なんて言葉が書いてあって…

 

「読書感想文を書きながら、外国語も学んでいこ♡

とりあえずは、トレセンでも習ってる英語から始めて、中国語にロシア語、フランス語っていうふうに、まずは国際連合の公用語を使えるようになっていこっか☆

…まぁ、本当はちょっとマイナーな言語も含めて20か国語位やって欲しいんだけど…最低でも5か6くらい使えれば、かなり色々わかるようになると思うから!!」

 

そう言って、善意100%の笑顔でマヤちんは笑って

 

「さっ、マベちん!頑張ろっか!!

まずは夢野〇作の『ドグラ・〇グラ』あたりから、一緒にやってこ♡」

 

なんて迫ってくるから…

 

「ご、ごめんなさ~い!!」

 

アタシは全力で身を翻して逃げる。

 

「あっ、ちょっと待ってよマベちーん!!」

 

それを見てマヤちんが慌てて追いかけてくるけど…

 

(流石にあんなの無理だよー!!)

 

読書感想文だけでも大変なのに、それを1000冊分、それも外国語の本とか含めてとか絶対無理!

頭がパンクしちゃう!!

 

だからアタシは逃げる。それはもう全力で!

後ろからマヤちんが「なんでー!?」とか言いながら追いかけてくるけど…

 

「ごめんマヤちん!でもあれは無理ー!!」

 

と悲鳴を上げながらアタシは逃げる。

 

 

 

…結局アタシ達の鬼ごっこはしばらくの間続き、最終的に二人まとめてエアグルーヴさんにお説教されるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マーベラス存在感アップ計画 

マヤノトップガン編

 

失敗

 

 




…なお、マヤちゃんはこう言っていますが、
恐らくこの方法でマヤちゃんのわか・・るを再現することは、多分不可能だと思います。

なぜなら、公式でも直感力と明言している通り、
完全にその理解は理屈を超越しているからです。

ただ、それでも考えた結果、
これなら疑似的ではあっても自分のわか・・るを再現できるのではないかと、
そう考えたからこそ、マヤちゃんはマーベラスにこの方法を実践しようとしたのです。

…ちなみに、これは作者の勝手な妄想ですが、
確かにマヤちゃんは勉強は苦手ですが、
だからと言って読書まで嫌いなわけではないと思っています。

『勉めるように強いる』からこそ勉強が苦手なのであって、
自分の好きなペースで読める読書なら、
マヤちゃんはむしろ喜んで読むのではないでしょうか。

また、マヤちゃんのパパは航空機のパイロットのようですが、
そうであるならば、マヤちゃんはパパの仕事の都合で外国に行ったことがある可能性は高いと思いますし、
パパの知り合いの外国の方と触れ合う機会も多かったのではないかと思います。

そして、そうであれば、マヤちゃんのことだから、
外国語の一つや二つはペラペラしゃべれても不思議ではないと思います。


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