トレセン学園のトレーナーとウマ娘のささやかな日常   作:中司春菜

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かつて空の上にも猫がいた。
うみへび座とポンプ座の間にねこ座と呼ばれる星々があった。
今の88星座には猫の姿はいない。
ただうみへび座の恒星HD 85951の固有名としてFelisがあるのみである。

そして猫は数多のウマ娘にとってよき友である。




猫とネイチャとトレーナーさん

 トレセン学園には多数のチームがある。レースに出るにはトレーナーの承認と手続きが必要で、トレーナーが指導できる人数のことを考えればチームの数が多いのは当然である。そしてそのチーム名はウマ娘たちが輝くことを期待してか星の名前を使うことが慣習になっている。『リギル』『スピカ』『カノープス』と名の知れたトレーナーやウマ娘の所属するチームは1等星の星の名を名乗っている。その中には何代ものトレーナーに引き継がれているチームもある。

 

 しかし1等星の輝きを持つ星はわずか21しかなく、そのような輝きを持つチームもそう多いわけではない。そんなごく普通のチームのひとつに『フェーリス』があった。『フェーリス』はそんなに歴史の長いわけではない、今のトレーナーが創設した出来立てに近いチームである。そもそも星の『Felis』自体が地味な星で、うみへび座の5等星に過ぎない。ちなみに『Felis』とは猫のことである。正確には『ネコ科の標準属』のことだが。トレーナーがその名を採用したのは本人が大の猫好きであったこともあるが、猫とウマ娘の相性がいいこともあった。猫を相棒として各地を転戦し、猫が行方不明になったときは数時間探し続けたウマ娘など猫とウマ娘のエピソードには事欠かない。お互い良いパートナーでありたいという思いを込めてトレーナーはその名をつけたのだが。

 

この話はそんな『チームフェーリス』のとある日の日常。

 

 

 

 日差しも穏やかな放課後、ナイスネイチャは、自分の所属する『チームフェーリス』の部室を訪れたのだが、

 

「こ、これは天国かもしれない」

ネイチャは部室に勝手に増設されてるウッドデッキ(ゴルゴル工務店施工)を見てそうつぶやいた。ネイチャの目前にはウッドデッキで転がって寝ている数匹の猫、そして猫に混じるように寝ているセイウンスカイ、そしてネイチャほどボリューミーではないが同じ髪型をした小柄な彼女の担当トレーナーの寝姿があった。

 

「そしてモフらずにいられない」

何しろ大の猫好きで猫カフェと商店街のお風呂屋さんが最大の癒しのネイチャである。眺めてるだけで満足できるわけがない。

「三毛にするか、トラにするかスカイにするか。お、思い切ってトレーナーさんを」

誰をモフルか悩むネイチャ、ある意味至福の時間であろう。

 

しかし、

「トレーナーっ!今日もゴルゴル温泉掘りに行くぞぉ!」

ドアを蹴破るかのように現れて、瞬時にトレーナーを担いで去って行ったゴールドシップによって、ナイスネイチャの至福の時間は突然に断ち切られるのでした。

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