「暑いんですけど…。」
「ほんとね。これじゃ焼けちゃうじゃない。」
俺とキングは初めての夏合宿に来ていた。キングは初めての合宿で少し気分がいいらしい。さっきまでハルウララやスペシャルウィークと話していた。俺は今日のトレーニングを確認する。
「ちょっと、あなた。今日は休みにしない?」
「どうして?菊花賞があるんだぞ?」
「菊花賞って言われてもね。去年セイウンスカイさんが1着を取ってたじゃない。それに、私は日本ダービー5着だったの忘れたとは言わせないわよ?」
「そう言われても…菊花賞を外すのは無理かなぁ…?」
「なら、こうしましょう。今日は休んで明日からトレーニングするのはどうかしら? 」
「それなら…うーん。いいと思うが…?」
「はっきりしないのね!早く決めなさい!」
「初めてトレーナーだからなぁ…。」
「ほら、行くわよ!」
「どこに!?」
「海の家よ!」
キングは俺の手を持って海の家へ走り出す。俺は引っ張れるように後について行く。海の家ではゴールドシップが焼きそばを焼いており、砂浜では今葉先輩らが競走していたりしていた。俺はそれを見ながら山盛り焼きそばをキングと食べる。
「相変わらず…松風先輩は人間かわからなくなる…。」
「ええ…そうね。あの人…さっき海泳いでたのよ?なんか『ガチャの出が良くなかった』からとか言ってね。」
「何それ…普通に引くんだけど。」
「一応先輩だから敬意を表しなさい…。」
「それもそうか…。」
砂浜での、出来事を見ながら山盛り焼きそばを食べきり夕焼けに染まる海を見て合宿一日目が終わると思っていた。俺は自室で明日のトレーニング方法を考えているとドアからキングが入ってきた。
「キング?どうした?」
「ちょっと聞いてくれる?」
「なんなりと。」
「さっき、ウララさんと話していたら…『森の方で炎が見えた』って言うのよ。それで…この先は言わなくても察しなさい!」
「はいはい。怖いんだな?それなら俺のベット使って寝ていいから。」
「べ…別に怖いわけじゃないわよ。あなたが寂しいかもしれないと思ってた来てあげたのよ。」
「んで?ウララは?」
「ぐっすりよ。神経だけは図太いのよあの子。」
キングが俺の自室にあるベット座る。少し驚いて「意外と柔らかいベットね。」と呟く。俺はトレーニング方法を組み立てるためにパソコンとにらめっこをする。キングは持ってきていた携帯を触って時間を潰していた。少しして、俺がベットの方を見るとキングが静かに寝息を立てて寝ていた。
「プライド高くても…寝顔だけはプライドも関係なしに可愛いんだけどなぁ。俺の担当は…。」
1人呟きながら、寝ているキングに風邪を引かないように布団を掛ける。そして、俺は気分を変えるために外の空気を吸いに行く。
何気に海と山が近いから星が綺麗に見える。俺は空を見て「おー。」と感心していると後ろから話しかけられた。
「やぁ、トレーナーくん。君も星を見に来たのかな?」
「あなたは…シンボリルドルフ会長!こんな時間までお疲れ様です!」
「いや、生徒のためにも生徒会がしっかりしないといけないからね。」
「しっかりしてますね。」
「ふふっ。私よりもしっかりしてるトレーナーは居るだろう?」
「いえ、居ませんよ?」
「そうだな。例えば今葉トレーナーとかはどうだろうか?」
「今葉…先輩ですか?」
「ん?その感じから知っているようだね?後輩かな?」
「はい。今葉先輩の後輩です。」
「それはそれは…。君から見た今葉トレーナーはどう見える?」
「しっかりして、俺の目標です!」
「ふむ。いい答えだ。さて、私は寝るよ。早めに寝ることをおすすめするよ。」
「はい!このあと部屋に戻る予定です。」
シンボリルドルフ会長はそう言って校舎に消えていった。俺は1人また空を見る。
「あれが…デネブ?アルタイル?ベガ?いや?ベガのところがデネブ?どこだったっけ?」
俺は1人で星を観測するが分からない。何せ、天体の授業をしたのは中学生以来で覚えているわけないからだ。俺は考えながら星を見ていると…。
「夏の大三角で1番上がベガ。そして、左側の星がデネブ。反対側の星がアルタイルよへっぽこトレーナー。」
俺は聞こえてきた方を見ると寝巻きで外に出てきたキングが立っていた。
「誰がへっぽこだ。」
「あなたじゃない。まあ、いいじゃない?こんな時間に天体観測。私は結構好きだけど? 」
「望遠鏡担ぐべきだったか?」
「どこに持っていくのよ…。」
「踏切かな?」
「踏切で天体観測は危ないわよ…。」
「ちゃんとラジオで雨が降らないか確認してだな。」
「待ちなさい。それ『天体観測』よね?関係ないわよ!」
「そのツッコミを待ってました!」
「このキングをツッコミに使ったことを後悔させてあげるわ!」
「やれるもんならやってみな?」
そう言って俺は走って自室に戻った。キングも俺を追いかけるように自室に入り「私がベットで寝るからあなたは下で寝なさい!」とベットに入りながらそう言われる。俺は「仕方ない」と思い、床で寝ようとした。すると、キングかベットから俺のことを見て、話してきた。
「無理矢理でもベットに入ろうとはしないのね。」
「押し倒しかぁ?キングにしても楽しく無さそうだから遠慮しとく。」
「あら?やってみたらいいじゃない?」
「キングがそう言うのなら。」
俺はキングをベットに押し倒す。
「ふ…ふーん。意外とその勇気はあるのね。」
「キング声が震えてるぞ…。」
「なっ…なにを言ってるのかしら…おほほほ…」
キングは嘘笑いをするが静かな時間にその声は消え、顔を手のひらで隠す。俺はその赤面キングから降り、パソコンをカタカタと打つ。キングは赤面して動かない。俺はそのキングを横目に俺はまだパソコンとにらめっこし続ける。その間キングはやっと座り直し、顔を手で隠しながら俺の事を見る。
「……おばか…。」
キングは小さく呟く。俺はキングの方を見て「なんだって?」と聞く。キングは言葉に詰まりながら「なっ…な…何も無いわよ。」と小さい声で言う。俺は立ち上がり、部屋を出ていく。キングは顔から手を動かして寂しそうな顔で目線は俺の事を追いかけていた。
俺は部屋に出て自販機に来た。あんまり夜の買い食いは宜しくないがキングを落ち着かせるために「午前の紅茶」を買う。自販機から「ガダン!」と音を鳴らし、「午前の紅茶」が出てきたので取る。俺は自室に戻る。部屋に戻るとキングはベットの布団にくるまって寝っ転がっていた。
「キング?大丈夫か?」
「……何よ。」
「落ち着いたか?」
「……おばか/////」
「そっか。これ飲み物飲んでて。」
「ありがとう…。」
俺はキングを部屋に置いて、ある人に会いに行った。
少し歩いて、ある人の部屋のドアをノックする。
「はい?どうぞ?」
俺は「失礼します」と言って部屋の中に入る。そこの部屋の持ち主は『たづなさん』だった。
「お疲れ様です。どうされました?」
「すいません!デートの仕方を教えてください!」
「えっと…佐渡トレーナー?急にどうされました?」
「キングと夏祭り行こうと思うんですが…どうしたらいいですか?」
「そう言われましても…今葉トレーナーに聞くのはどうですか?グラスワンダーさんと婚約しているので、わかっていると思いますが…?」
「そうですか?でも…なかなか会えなくて…。」
「あっ、今葉トレーナーは明後日には札幌に行ってますね…。」
「明日…んー。」
俺は考えて、自分の考えで何とかしようと思いたづなさんの部屋を出ていく。自室に戻るとキングが眠っており静かに床に寝っ転がって眠りにつく。
翌朝、何故か暑いので目を覚ますとキングと一緒に床に寝ていた。
「んぁぁ!?」
俺は飛び起き、頬を引っ張る。夢でなくしっかりと痛覚がある。俺は頬を撫でながら状況を飲み込む。
「…夜中に入ってきた?ぐらいしかないか。」
俺はだいたい理解し、キングを起こさないように顔を洗いに行く。共同洗面所に聞くと松風先輩がいた。
「やぁ、佐渡くん。おやぁ?頬が赤いね?担当の子と何かあったかな?」
「松風先輩…会いたくなかったです…。」
「はっはっは!何か嫌われることしたかな?」
「噂で嫌いです。」
「ふぅん。噂か…困ったね。」
松風先輩はそう言って共同洗面所から出ていった。俺は歯を磨き、顔に水を掛けた。自室に戻るとキングが起きていて、目を擦っていた。
「どうして…トレーナーがここに居るのかしら?それに…どうして床に?」
キングは不思議そうに俺を見て、頭が活性していきキングは昨日の自分の行動を思い出し俯く。
「待って!トレーナーと私一緒に寝てた?」
「それは知らん。俺が起きた時には横にいたな。」
「なっ!?/////」
キングは立ち上がり「ウララさんが心配だから…も…戻るわ。トレーナーも用意しときなさいよ!」と言って俺の自室から出ていった。俺は3秒間絶句していた。
「えっと…なんだったんだ?」
ども不定期投稿する綾凪ですぅ〜。
今回多分…題名あれですよね。「横に寄り添う青き炎」から取った題名です。
「夏だ!海だ!合宿だ!」は合宿の時に使えるやつなのでこれからも使っていこうかなと思いつつ、題名ケチってすいませんでしたッッ!!
とりあえず、今回はイチャラブ…系?になってたらいいですねぇ〜。
私久しぶりに小説出すんで…。とりあえず、説明することもないのであとがきを締めさせて貰います。絞めませんからね?締めますね。
お疲れ様でした。次回も不定期ですが…だいたい1ヶ月後の予定です!予定(強調)です!
大事なことなので2回書かせていただきました。
それでは次回もよろしくお願いします。