少女漫画みたいな世界に転生したけど転生友達ができたからOKです   作:キャニッジ

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少女漫画みたいな世界に転生したけど転生友達ができたからOKです

 少女漫画みたいな世界に転生した。

 前世に比べ全体的に目が大きくて全体的にキラキラしてる。男は手足がスラッとしてて高身長で、高校にはみんなにモテる優しい王子様とかオラついて「おもしれー女」とか言っちゃう奴がいるし、女は主人公をいじめてそうな悪役令嬢とかいじめっ子とその取り巻き、やたらとスクールカースト上位に好かれる薄幸の美少女やおもしれー女などがいる。

 「少女漫画みたい」というのは特に少女漫画を読んでいない自分には確信が持てなかったし、転生したこの世界に未だに馴染めない理由を探していたからかもしれない。

 

 前世で男だった私は美少女に生まれ変わった。

 

 小学生の頃までは良かった。まだ男女の性差が少なく、好きな子をいじめたくなる男の子から大人しい幼馴染を守るナイト気取りで立ち回っていたから、男っぽくても荒波が立たなかった。

 幼馴染が引っ越してしまった後、中学生になってからはきつかった。親しい友人がいなくなり、他に話し相手を求めたが精神が男であるため、女子とは話が合わず疎遠になり、男子と話が合って距離が近くなった。美貌が災いしてある男子から告白されてしまい(断ったが)その男子のことが好きな女子から嫉妬心をぶつけられ、グループから嫌がらせを受けることもあった。結果、男女からの評判が悪くなり、「成績優秀スポーツ万能男子の心を弄び最後にフるいけすかない悪美少女」になってしまった。

 あまり人と関わることも無くなったので自分の思う理想の女子になるよう自分を磨いた。鏡を見て自分の美しさに惚れ惚れとしていると弟にキモいと言われたので蹴り飛ばした。

 

 

 そして時を経て現在四月、高校生活を中学の二の舞にならぬよう「成績優秀スポーツ万能無口で近寄り難い男に興味ない美少女」として静かな高校デビューした私は2年目に突入したのだった…!

 

 

 

 

 

 四月、この高校では新たな人間関係がクラス替えによって生まれる。仲の良い元クラスメイトとまたクラスメイトになり喜ぶ者。気になるあの子と同じクラスになれたことを喜ぶ者。新しいクラスで交友関係を広げようとする者。それぞれ逆の立場の人もいるだろうが俺にはきっと関わりがないだろう。

 「亮介殿、亮介殿。自己紹介ぐらい聞いた方がいいと思いまするぞ」

 「多田野くん、春休みに大河ドラマでも一気見した?どうせ向こうも俺なんか覚えないから聞かなくて良いよ」

 小声で話しかけてきた席が前の友人多田野くんに、仲良くなってから聞けばいいじゃん。とボヤくが、真顔でただ覚えられないだけでは?と返された。ぐぅ。

 「亮介、覚える努力ぐらいしようぜー。このクラス、かわいい子も多いし聞いといて損はないと思うけどなぁ」

 「その代わり女子にモテモテのイケメン達も多いじゃない。益々縁が遠いよ。大体、多田野殿だって今は聞いておられますまい?」

 「フッ、拙者は女の子にしか興味がないのでなあ。亮介殿も女子には興味がないわけではなかろう?」

 「そりゃあ人並みにはあるんだろうけど」

 調子を合わせ多田野くんと話していると、丁度綺麗な女子の自己紹介が始まった。綺麗な黒い長髪、スラリとした手足、整った顔立ちの女子だ。

 「江崎咲也です。よろしく」

 そう言って彼女はすぐ座ってしまった。綺麗だがコミュニケーションに難がありそうな彼女は、女の子にしか興味がないという彼にはどう見えたのだろうか。

 「えらく短い自己紹介だったな。多田野くん、彼女はどうなん?」

 「…いやぁ去年見かけた時ナンパしたんだけどね、丁重にお断りされまして」

 「行動力の高さは見習いたいね」

 「彼女は悪い子じゃないと思うぜ、でもなんか悪い噂も流れてるんだ。男を誑かす悪女だとか何とか。友達もあんまいないみたいだし、嫉妬とかなのかな」

 「ふーん」

 あんな綺麗な子、前ならきっとすごいドギマギしながら見てたんだろうなぁと思いながら次の王子様みたいな雰囲気を出してる男子の自己紹介を聞き流す。

 俺には親しい人があまりいない。多田野くんは去年のクラスから席が近く、グイグイくるタイプだったため仲良くなった。でも自分から他に交友関係を築こうとはしていない。

 かわいい子を見れば良いと思うし、エロい子を見ればムッと感じる。趣味があう人がいれば語りたいと思う。けど結局思うだけだ。この青春真っ只中の彼ら彼女らに関わるのは何かズルをした気分になるから。

 「多田野です!テニス部所属で趣味はドラマ鑑賞!彼女募集中!よろしくぅ!」

 いつの間にか多田野くんの自己紹介が終わり拍手がまばらに聞こえる中で自分の番であることに気づいた。席を立って自己紹介を始める。

 

 「橘亮介です。帰宅部で趣味は絵を描くこと」

 この少女漫画みたいな世界に転生した子供の皮を被った大人です。

 「よろしくお願いします」

 

 

 

 この世界は前世と陸続きではないようだ。前世で好きだった作品などは類似品があるか、そもそも存在しないということが多い。特に女子が興味ない分野の作品がない。特撮とか。

 「亮介は相変わらず絵が上手いなー。美術部には入らないのか?」

 「別に、石膏のデッサン描いて狂いを指摘されたいとか油絵で色彩センスの無さに絶望するとか、粘土で変なオブジェ作りたいわけじゃないし」

 「やけに具体的だな…」

 昼食も食べ終わり、趣味のイラストを描きながら多田野くんと会話する。前世で美術部に所属してたことあったしな。と心の中で呟いた。それに今世で描いてるのは美術部の活動とあまり関係のないイラストだ。前世で好きだったものを忘れないために女々しくも絵を描くことを続けている。

 「今回の絵は見たことない奴だな。また新しいキャラ?」

 「そうだね、自己紹介のときに思い出し、思いついたんだ」

 変に思われないよう言葉を訂正する。彼女がサクヤで、俺がタチバナか。

 「『なぜ見てるんです』ってか」

 懐かしみながら呟く。

 「ん?江崎さん?」

 「え?」

 振り返ると、そこには俺の絵をガン見する江崎さんがいた。

 「えっと…何か用事?」

 「これ、あなたが描いたの?」

 「そ、そうだけど」

 それからジッとこちらを眺める江崎さんを見ていると、彼女は何か確信を持った目で口を開いた。

 「橘さん、なぜ見てるんです」

 「!」

 そ、それは…まさか!?なるべく滑舌を悪くなるよう意識してこちらも口を開く。

 「オ、オンドゥルルラギッタンディスカ!」

 「は?」

 多田野くんがこいつ大丈夫かと言いたげ目で見てきているが今は関係ない。しばらくの沈黙の後、彼女は右手をこちらに差し出してこう言った。

 「あなたと私は、仲間じゃなかったようですね」

 困惑する多田野くんと周りのクラスメイトを置き去りにして、俺たちは握手をした。




 江崎咲也 主人公① 元男の女 精神は男 美少女の皮を被ったナルシスト これからおもしれー女…されたり嫉妬した女子にトイレで上から水ぶっかけられたりする すぐにドアを蹴破って反撃する 新しい友達ができた

 橘亮介 主人公② 元男の男 精神も男 隠キャ 多田野くんが割と救い 勝手に孤独を感じてたら同郷の友達ができてウッキウキ これからおもしれー女…した奴から嫉妬されたりする 

 多田野くん 良い奴 告白もナンパも良い人なんだけどね…と言われて断られる 席が前後ろだったので橘と良くつるむようになった 橘がギャルゲ主人公なら好感度教えてくれるやつ 橘の頭がおかしくなったと思ったら江崎さんの頭もおかしくなった

 タチバナサクヤ 仮面ラ○ダーに出てくるキャラクター ネットで空耳が有名な特撮作品に出演
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