椛の後をついて行くと、辿り着いたのは家だった。靴を脱いで、囲炉裏を挟むように向かい合った。それと同時に手錠も外してくれた。
「まず最初に……護さんは、この妖怪の山で倒れていました。それも一直線の焼け跡を残して。そこまでは良いですか?」
「あぁ。恐竜のようなやつらに襲われて咄嗟にやったんだが、あそこまでとは思わなかった」
「あの生き物を私達は『モンスター』と呼んでいるのですが、奴らは妖怪であろうと人間であろうと襲いかかります。そんな生き物を焼き殺していたので、我々は……そのぉ……」
「捕獲した、か?」
「……はい。貴方が目を覚まし次第、私がこの『幻想郷』について説明することになっているんです」
「だったら、この世界について教えてくれないか? 妖怪やら天狗やら、オカルトみたいな単語がポンポン出てくるんだからな」
「え? 良いのですか? 先ほどまで手錠をつなげていたのに……」
「まぁ、モンスターに食い殺されるよりはマシだからな。さぁ、早く説明してくれ」
そこから、椛が知ってる限りで、幻想郷の説明が始まった。
なんでもここは、幻となったものが自然とやってくる土地らしい。天狗や妖怪と言ったものも、護の世界では幻の存在となっている。護にとっては、妖怪などが実在する事に驚きを隠せなかった。
そこで護は納得した。自分はごく少数の者にしか話しかけられたことがない。殆どの人間が自分を無視したりすることが多かった。いわゆる「居てもいなくても良い存在」だったのだ。もしかしたら、あのボロ神社に立ち寄ったのは、偶然ではなく幻想郷に招かれていたのかもしれない。そしてその老人は、幻想入りする手助けをしてくれたのだろう。
驚く事もあったが、護は幻想郷の説明について納得できた。しかし、ここである問題が発生した。それは……住む場所だ。天狗の里だと、いきなり人間が来たことによってスクープにする天狗がいるらしい。
「そうなると、色々と面倒なんです! 特に私が!」
「お、おう……」
「そこで一度、守谷神社へ行って相談すればいいと思います」
「守矢神社? まさかとは思うが……神様がいるのか?」
「はい! なんでも、護さんと同じく外の世界からやって来たのだとか……。きっと、相談に乗ってくれますよ」
「へぇ? それじゃあ、行こうかな」
「私が案内するので、安心してください!」
こうして、護は守矢神社へ行くことになった。
天狗の里を出てから数十分後。護と椛は・・・
「嫌ぁぁぁぁぁ!」
「逃ぃげるんだよぉぉぉぉぉ!」
モンスターに追いかけられて、第二部に登場する波紋戦士のように逃げていた。椛は飛ぶことができるのだが、護はまだ飛ぶことができない。こうして歩くしかなかったのだ。
その途中でモンスターと出くわしてしまい、今に至る。
モンスターは、護が戦ったジャギィを率いる群れのリーダー、ドスジャギィ。取り巻きの数が少なければ良かったのだが、今回はあまりにも多すぎる。その数15匹。この群れを相手にするのは難しい。
二人はそれを知っていて、逃げているのだ。
「(ほ、本当に神社に辿りつけるのか!?)」
護は、少し不安になった。