東方竜人帳   作:G大佐

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2015年7月20日、大規模編集


日常:早苗とデート

 それは、何気ない日のことだった。

 

「あー、そのぉ……。お前、これから予定とかあるか?」

「ふぇ?」

「この間お前を心配させちゃったし、そのお詫びにと思ってな。どうだ?」

「だ、大丈夫ですよ! すぐに準備します!」

「そうか! じゃあ、鳥居の下で待ってるよ」

 

 早苗は急いで洗濯物を干す。愛しの人と、少しでも一緒の時間を過ごせるように。

 

 

 

 

「お待たせしました!」

「じゃあ、行こうか」

 

 守矢神社の鳥居の下から、二人は一緒に歩き始めた。本当は飛んで行った方が早いのだが、それだと勿体無いような気がしたからだ。

 護はふと、山の木々を見てみる。幻想入りした頃は桜色があったのに、今はすっかり緑色だ。

 

「そうだ、歩きながらでいいから、早苗が幻想郷に来た頃のことを教えてくれよ」

「そうですねぇ。私たちが来た頃は……」

 

 異変解決に関わったことや、自分達が異変を引き起こしたことなどを早苗は話す。護は異変を起こしたことに呆れながらも、早苗もこの世界で頑張っていることを知ることが出来た。

 そうこうしているうちに、人里へ着いた。すると、人ごみの中に目立つ格好をした少女を見かけた。

 

「おーっす、護! 早苗!」

「よう、魔理沙!」

 

 すっかり馴染みとなった魔理沙が話しかける。彼女はどうやら、実験に使う道具を買いに来たらしい。

 魔理沙は早苗と護を見て、ニヤニヤとした笑みを浮かべた。

 

「なんだよ、今日は二人でデートか?」

「「なっ!?」」

「おーおー、二人して真っ赤になってるということは図星だな?」

「魔理沙テメェ……!」

「おっと、私はここら辺で失礼するぜ。文に盗撮されないようになー!」

 

 そう言ってそそくさと逃げて行った。護は舌打ちし、早苗は顔を赤くしたまま放心状態になっている。

 護は、恥ずかしさを紛らわす為に話題を変えようとする。すると、近くに餡蜜屋の看板を見かけた。

 

「よ、よし! 餡蜜でも食べるか!」

「そ、そうですね! そうしましょう!」

 

 周りから暖かい視線を受けながら、二人は急いで餡蜜屋へと向かった。

 

 

 

 

 護と早苗は餡蜜屋の中に入る。結構人気な店なのか、老人から子連れまで幅広い人・妖怪がいた。

 

「いらっしゃいませー! 何名様ですか?」

「二人だ」

「かしこまりました、こちらへどうぞー」

 

 店員に案内された場所は、言ってしまえばカップル用の席だった。しかも竹製の仕切りで客席から離して、「二人っきり」という空間を作り出している。

 

「(あの店員、顔がニヤニヤしてたのはこの席に座らせたかったからなのか?)」

「(あう~……。絶対にバレてますよぉ……。デートになっている事が……)」

 

 二人して顔を赤らめたまま、黙って席に座る。

 このとき護は、恥ずかしがっている早苗に目を奪われた。

 

「えっと、何にしますか?」

「…………」

「護さん?」

「あっ!? ご、ゴメン……。ちょっとボーっとしてた(早苗のこと考えてたなんて言えねぇよ!)」

「餡蜜、色々サイズがあるみたいですけど、どうしますか?」

「そうだn「お待たせしましたー!」……え?」

 

 護が何にしようか考えてるところに、店員が大盛りの餡蜜を持って来た。それはもう凄くデカイ。とてもじゃないが、一人では食べきれない量だ。

 そう。これはカップル用である。

 

「当店からのサービスです! それではごゆっくりー!」

「あっ、ちょっと!」

「元気な店員さんでしたね」

「ハァ……。とりあえず、食べようか?」

「あれ? スプーンが一つしかないですね?」

 

 もう一本スプーンを頼もうとしたが、いつの間にか店は客でいっぱいだ。店員もさっきの元気な顔はどこへやら、必死な顔で厨房と客席とを行き来している。

 

「「…………」」

「あの、護さん?」

「え?」

「あ、あーん……」

「(えぇ!? それはさすがに―――ああもう! 期待した目で見るな!)あむ、ムグムグ・・・」

「どうですか?」

「うん、美味いよ(だぁぁ! 凄く恥ずかしい! でも、悪くは無いかな?)」

 

 すると護は何も言わずに早苗からスプーンを取る。そして一口サイズの蜜柑を乗せて、早苗の口へ運ぶ。

 

「ほ、ほら。さっきのお返しだ」

「はい! あーん(護さんもそんな顔するんだ……。意外です♪)」

 

 少しだけ顔を背けながらも、遠まわしに「あーん」をしてくる護に、早苗は少しギャップを感じた。

 そうして、時々「あーん」をしながらも完食した二人は、気付かぬうちに手を繋いで帰っていった。

 ちなみにこの光景を……

 

「あやや~、中々甘い空気じゃないですか~。これは良い写真が撮れそうですよ!」

 

 烏天狗こと、射命丸文が盗さt……もとい、撮影をしていた。

 翌日、彼女が発行する新聞によって二人のデートがばれてしまい、護が恥ずかしさで天狗の里に殴りこんできたのは、また別の話である。

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