東方竜人帳   作:G大佐

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2015年7月26日、大規模編集


止まない嵐

 その日、幻想郷に嵐が襲い掛かった。雷が鳴り響き、風は吹き荒れ、細い木の枝なんかはたちまち吹き飛ばされてしまう。

 その様子を窓から眺めていた白斗は驚いていた。

 

「凄い嵐だな……」

「さすがに、こんな日に外出する物好きは居ないだろうな」

 

 窓から嵐の様子を見て呟く白斗に答えたのは、霧雨魔理沙。住むところが無く途方に暮れていた時に「助手になる」という条件のもとで、彼女の家に住んでいるのだ。

 

「今日は実験とかもやらないんだろ? だったら、今日は本棚を整理だ」

「えぇ~! ついこの間も実験室とかを掃除したばかりだろ!?」

「うるせぇ! 俺が来なければ、この家は腐海の一部になってたのを忘れたのか!?」

「ふ、腐海? 凄い嫌な響きなんだけど?」

「漫画にある、カビやらキノコやらが生い茂る森のことだ」

「私の家は、魔法の森と同じ感じなのかよ!?」

 

 ぎゃあぎゃあと叫ぶ魔理沙をよそに、白斗はまた窓に目をやる。すると何かが見えた。

 

「……人?」

「ん? どうしたんだよ?」

「いや、人が空を飛んでた気がしてな……」

「見間違いだろ? それよりも、私の家はそんなに汚いのか!?」

「あーはいはい。そう言われたくなかったら掃除をしましょうねー(棒)」

「ムキーーーーーーー!!」

 

 

 

 

 場所は変わって、人里にあるリオの焼き鳥屋。風の音を聞きながら、リオは難しい顔をしていた。

 

「何なんだ? この嫌な感じは……」

 

 ピシャァン!と雷が鳴る。すると、リオは雨合羽を着始めた。恐らくこれは異変だと悟ったのだが……

 

「この嵐はヤバイって感じがする。多分、俺一人では無理だな」

 

 こうなれば誰かと組むしかない。すると、ある少女の顔が思い浮かんだ。異変解決のスペシャリストの少女の顔を。

 

「霊夢に頼んでみるか」

 

 リオは戸を開けて外に出ると、風に飛ばされないように姿勢を低くして、博麗神社へと走っていった。

 

 

 

 

 場所はまた変わり、守矢神社。全身びしょ濡れの護が神社の中に入ってきた。

 

「ただいま……戻りました」

「神社の補強、ありがとうございます」

「ご苦労だったな、護」

 

 護がびしょ濡れだったのは、神社を補強していたからだ。守矢神社はボロくないが、万が一のことも考えて柱や扉などを補強していたのだ。

 早苗からタオルを受け取り身体を拭く護。しかし、吹いている途中、護は何かを思い出すように、手の動きを止めた。

 

「…………」

「どうかしましたか?」

「いや、補強をしている最中のことなんだがな?」

 

 護は、補強中に起こった事を話す。

 

~回想~

「くっそ! なんつー嵐だよ! 能力を足に発動してなかったら吹き飛んでるかもしれないな!」

 

 風が吹き荒れる中、護は足だけ鎧化させた状態で、板に釘を打っていた。嵐に向かって文句を吐きながらも作業を続けていた………その時!

 

「オオォォォォォォォォォォォォォォォン!」

「っ!?」

 

 空へ視線を移すが、見えるのは暗雲だけ。護は首を傾げるしかなかった。

 

「何だ? あの声は……」

~回想終了~

 

「――――と、言うわけさ」

「謎の鳴き声ですか?」

「あぁ。風による聞き間違いだといいんだが……」

 

 護は、締め切った雨戸の向こうを、不安げに見つめていた。

 

 

 

 

 翌日。嵐はおさまるどころか、ますます強くなっていた。この事態に、早苗と護は驚くしかない。

 

「はぁ!?」

「幾らなんでもありえません!」

 

 このままでは洪水だけでなく、川に生息する菌の病気など、考えたくも無い事態が起きてしまう。さらに、作物の収穫量が激減すれば、それによる飢餓の発生も考えられる。

 二人がどうしようか考えてると、神奈子が居間に来るように呼んできた。二人は急いで居間へと向かった。

 

「護、早苗。話があるんだ」

 

 口を開いた神奈子の表情は真剣だ。当然、諏訪子もだ。話す内容は、恐らくこの嵐のことだろう。

 

「ついさっきのことなんだが、空の方から『強い力』を感じた」

「『強い力』?」

「こんなに大きな嵐……。神じゃないと起こせない現象の筈。だが、神力を感じないのだ」

「神でないと起こせない現象なのに……ですか?」

「そうなんだよ。下手すれば神と同レベルの『何か』がいることになる」

「もし放っておけば、この幻想郷に住む者たちは危機にさらされる。そうなると我々への信仰が薄れる事も考えられる。そこで二人に頼みたい」

 

 神奈子は、早苗と護の二人にあることを依頼した。

 

「この異変の黒幕を調べて来てもらえないだろうか?」

 

 二人は、迷うことなく頷いた。

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