東方竜人帳   作:G大佐

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2015年9月4日、大規模編集


リオと冥界の庭師

 人里のとある場所に、焼き鳥屋がある。その焼き鳥屋を営んでいるのは、火渡リオ。彼は「炎を操る程度の能力」を利用して、この店を営んでいるのだ。

 

「こんにちは」

 

 リオしか居ない店の中に、女の子の声が響いた。天狗の新聞を読んでいたリオは少し驚いたが、すぐに冷静になる。

 その女の子は、白い髪におかっぱのような髪型、そして何より、背中にある二本の剣と周りに浮いてる人魂が大きな特徴だった。

 

「開店は夕方からだぜ? まだ下準備しか出来てないんだが」

「申し訳ありませんが、今焼いてもらえませんか? 私のご主人がどうしても食べたいと言うので……」

「うわ、ご主人からの命令か。それはマズいな。それじゃあ、今回だけだぞ?」

「ありがとうございます!」

「火をおこすのに時間が掛かるかもしれないから、カウンターに腰掛けててくれ」

 

 頭に鉢巻を巻くと、すぐに火をおこす準備を始める。使う炭は、迷いの竹林に住んでるという藤原妹紅から仕入れてる代物だ。自分の能力でボッとやれば話が早いのだが、ここは飲食をする店。勢いが強すぎて灰などが飛んだら客にも迷惑が掛かる。じっくりと、弱火で火をおこす。

 

「(あれは……剣でしょうか?)」

 

 少女、魂魄妖夢は、カウンターからちらりと見えた剣が気になってしょうがなかった。何故、店の中に剣を飾っているのか?どこでその剣を手に入れたのか?様々な疑問が浮かんでくる。

 すると、剣から何かが溢れているような気がした。

 

「?」

 

 段々とその溢れてくる「もやのような物」は、上半身が女性の形になっていく。そして……

 

『ハァ~イ☆』

 

 ついに姿を現した。妖夢は分かってしまった。この下半身が無く半透明な女性は、幽霊なのだと。

 リオは妖夢が目を見開いているのを見ると、軟骨に塩を振りながら大きく溜め息をついた。

 

「レイア。お前、この子が冥界から来たと思って出てきやがったな?」

『うん。だって、私が見えるのはリオや霊夢のような一部の人だけだし~」

「え、えっと……この方が見えるんですか?」

 

 妖夢は、フヨフヨと浮かんでいる女性、レイアを指差しながらリオに尋ねる。

 

「近くに人魂が浮かんでるからもしやと思ったんだが、君は冥界かどこかに居るだろ?」

「は、はい。冥界にある白玉楼の庭師です」

「今君の前に浮かんでる女は、レイア。俺の妻だった女だ」

『よろしくね~」

「は、はぁ……」

 

 その後、リオは火の通り加減を確かめながら、剣に幽霊と化したレイアがとり憑いている理由を話した。ある世界で竜だったころ、レイアが密猟者に殺された事。それからしばらくして、レイアがリオの力になりたいと四季映姫に頼んで、剣に転生したこと。

 妖夢も幽々子から、閻魔のところに留まっている魂が居ると聞いていた。まさか彼女だとは思いもしなかった。

 

「さて、焼き終わったぜ」

「ありがとうございます。幽々子様のお願いも、これで何とかなります! えぇと、代金の方は……」

「おう。じゃあ、これとこれ、あとこれも合わせて……」

 

 リオは、焼き鳥代を計算する。開店前に訪れた事もあり、そこら辺はちゃっかりしているようだ。

 妖夢がその代金を支払うと、店を出ようとする。するとリオは、彼女を呼び止めた。

 

「待ってくれ」

「はい?」

「少しばかり頼みがあるんだが良いか?」

「えっと、話にもよりますが……」

「あぁ。いつでも良いから、俺に剣を教えてくれないか?」

「ほうほう成る程…………えぇっ!?」

「俺は剣で戦うことに慣れてなくてな。戦いつつ剣を持つという事に慣れておきたい」

「わ、私で良いんですか?」

 

 リオは真剣な表情で頷く。他人が見れば、大人が中学生くらいの女子に告白しているようにも見える。その真っ直ぐな青い瞳に、妖夢は少し驚いた。

 

「分かりました。戦いながらで良いんですね?」

「あぁ。俺は、剣術で特に決まった型は持っていない。そこだけは覚えていてほしい」

「では、時間を見つけ次第伺います。それでは……」

 

 妖夢が店を出ると、リオはレイアに向いた。

 

「レイア、ごめんな。下手したらお前に負荷が掛かってしまうのに」

『問題ないよ。私も協力する。強くなろう?」

「そうだな。護たちも毎日修行している。俺も強くならきゃな」

 

 それから数日後、人里に冥界の庭師が来る事が多くなった。そしてその日は決まって、ある焼き鳥屋の男が剣を片手に、彼女の弾幕を避けたり、斬っているという。

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