東方竜人帳   作:G大佐

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2015年12月13日、大規模編集


現れる強豪(白斗編)

 幻想郷は、少々肌寒い秋となっていた。それでも時々暖かい日がやってくることがあり、白斗と魔理沙はそんな天気の中をゆったりと歩いていた。というのも、キノコ採集したりする魔理沙と、片づけをした庭で畑作業をしている白斗は、デートする機会が少ない。せっかく恋人になれたというのにこれでは勿体無い。

 そこで白斗が勇気を振り絞って、魔理沙を誘ったのだ。

 

「今日さ……デートに行かないか?」

 

 そして今は広い平原に来ている。草は薄茶色となり、風が吹くたびに乾燥した草がサワサワと爽やかな音を立てていた。

 二人はそこに小さなシートを敷いて、バスケットに入っていたサンドイッチを頬張っていた。

 

「やっぱ、外で食べる料理は最高だな!」

「白斗って、外で食べるの好きだよな~。確かに美味いけどさ」

 

 魔理沙は、眩しい笑顔でサンドイッチを頬張る白斗を見つめていた。

 

「(こんなに良い笑顔をするなんてな)……)」

 

 ずっと前に、白斗はポツリと自分の過去を呟いてくれた。

 気付いたら持っていたというモンスターの能力。彼の母親は白斗を化け物扱いをし、息子に対して話すらもしなかったという。周りからも放置され荒れる日々に手を差し伸べてくれたのが、護だったのだ。

 

「(力を持ってるからって避けるなんて、それでも親かよ……)」

 

 魔理沙は、普段の白斗は優しい人間だということを知っている。笑うこともあるし、自分が恐怖で足が竦みそうになった時は励ましてくれた。それを知っているからこそ、白斗の親に対して良い感情を持っていなかった。

 ずっと前にその事を話したら、苦笑しながら「もう良いんだ」とは言っていたが。

 

「ん? どうした?」

「え? いや、なんでもないぜ!」

「そうか。早くお前も食えよ。全部食っちまうぜ?」

「おいおい、それは駄目だぜ!」

 

 慌てて残りのサンドイッチに手を伸ばす。もう、さっきの嫌な感情は消えて無くなっていた。

 

 

 

 

「ふい~、食った食った」

「よく食べるよなぁ、白斗って」

「そうか?」

 

 白斗は首を傾げているが、実はかなり食欲が増えている。これは、能力による副作用かもしれない。

 能力の元となっているティガレックスやディオレックスは、とても獰猛な性格だ。能力を使うということは、モンスターの力を借りているようなもの。本能みたいなのが白斗自身に影響してるのだろう。

 魔理沙はあまり自覚が無いように見える白斗に苦笑してたが、白斗は気にせずに空を眺めていた。

 ……魔理沙の膝枕で。

 

「なぁ。膝枕しなくても良いんじゃないか?」

「いや、全然違う。好きな人の膝ならなおさら、な」

 

 チュッ♡

 

「んぅ!?」

 

 白斗は魔理沙の顔を引き寄せて、軽くキスをする。突然のことに一瞬固まったが、すぐに顔を赤くした。

 

「ちょ、いきなりすぎるぜ!」

「最近はこうやってイチャイチャしてないし、別にいいだろ?」

 

 少しだけ欲情したような笑みを浮かべて、魔理沙を見つめる。その表情に、魔理沙も顔が熱くなる。

 だが、やがてその表情は消え、周囲を警戒し始めた。

 

「白斗?」

「……何か来てる。魔理沙、戦いの準備しとけ」

 

 モンスターの本能が告げている。ヤバイ奴が近づいていると。すると、地響きのような音が聞こえてきた。それも段々大きくなってくる。

 

「これは……下だ! 飛べ、魔理沙!」

 

 魔理沙が箒で飛び、白斗はバックステップで離れる。

 すると、そこから何かが凄まじい音を立てて飛び出してきた。その影が着地すると、土煙が晴れてきてその姿があらわになってきた。

 乱入者の招待は、なんと女性だった。黒い髪をしており、サラシのような布で胸を隠していて、ホットパンツを履いていた。そして……角とハンマーのような尻尾が生えていた。

 

「ちっ! あともう少しだったのによぉ」

「……何モンだ、てめぇ」

 

 さっきまでの雰囲気とは一変、白斗は少しばかり殺気を出していた。地面を拳一つで穴を開けたのだ。モンスターである可能性が高い。

 目の前の女は前髪をかき上げると、ニヤリと笑みを浮かべた。

 

「アタシの名前はディアロ。といっても、『あの方』から授かった名だけどね」

「『あの方』……?」

「デート中のところ申し訳ないが、アタシらの計画の為にも死んでもらうよ! 轟白斗ぉ!」

 

 ディアロは前へ屈むと、猛スピードで突進してきた。そのスピードは、例えるならばダンプカー。もし当たったならばその角で串刺しにされるだろう。

 だが、白斗は動かないっ! 一体どうしたというのか?

 

「白斗! 何で動かないんだよ!? いつもだったら避けるだろ!」

「安心しろよ魔理沙。俺だって伊達に喧嘩してきたわけじゃないんだぜ?」

 

 その瞬間、ディアロの動きが止められた! 魔理沙は、白斗が避けずに腕を伸ばしている理由がすぐに分かった。

 

「なっ……!?」

「お前みたいな突進してる奴の動きは、俺はもう何度も見てるんだよぉっ!」

「つ、角を掴んでる! その判断力も凄いが、あのスピードを完全に停止させてるなんて! 白斗の能力であるモンスターはどれだけ怪力なんだ!?」

 

 何と、白斗はディアロの角を掴んで完全停止させていたのだ! そのまま彼女の腹に蹴りを入れて距離を離す。すぐに体勢を立て直して睨むディアロだったが、白斗は首を鳴らしながらゆっくりと近づく。

 

「せっかくのデートを邪魔されて、俺は今最高に機嫌が悪いんだよ。というわけで……俺の八つ当たりに付き合ってくれよな?」

 

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