東方竜人帳   作:G大佐

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2017年11月17日 大規模編集


地底に響く、炎の怒り

 エンプレスは、ギラついた目でナナシに襲い掛かる。

 

「死ねぇ!」

「断る!」

 

 爪での攻撃を、ナナシは剣になった腕で受け止める。ナナシはすぐにスペルカード『包囲陣』を唱えて、背後を狙った。

 

「『包囲陣・水流ノ型』!」

 

「がぁぁっ!? ぐっ……まだまだぁ!!」

 

 エンプレスは口から炎を吐き出した。火炎放射のような渦を描いて、ナナシの顔面に襲い掛かる!

 しかしナナシは、能力で兜を出現させ顔面を覆った。油断していたエンプレスは動揺し、そこをナナシは叩き込む!

 

「……私としたことが、慢心していたわね」

「出来れば、このままやられてくれるとありがたいかなぁ~、なんて」

「それは無理ね。私はね、どうしても貴方を殺さないと気が済まないの」

「ですよね……っと!」

 

 両腕を剣に変えて、双剣の状態となる。刃からは龍属性エネルギーが溢れ、少し不気味な雰囲気を出していた。

 ナナシはその剣で一気に斬りかかる!

 

「そらそらそらぁぁっ!」

「甘いわ!そんな斬撃、効くわけが……あぁぁ!?」

 

 腕を青い甲殻で覆い攻撃を防ぐエンプレスだったが、龍属性攻撃が効いたのか苦痛の声を上げた。

 怯んだ隙を見て、さらに斬撃が襲い掛かる!

 

「まだまだ行くよ!『鬼人化』!」

 

 両腕を頭上で素早く交差させ、全身から赤いオーラを放つ。ナナシの目も血走ったものとなり、攻撃が激しくなった。

 

「うおおおおおおおおお!」

「がっ! ぐっ! あああ!」

 

 あらゆる方向からの斬撃。ナナシは自分に、さらに力がみなぎってくるのを感じた。

 

「鬼人強化! からの……『双剣・乱舞』!」

 

 ザシュザシュザシュザシュ!

 

 赤いオーラが更に濃くなり、斬りつける攻撃はやがて神楽舞のように美しく、そして激しくなる。

 しかしエンプレスはナナシの脇腹に蹴りを入れて、少し距離を取る。そして青い翼を羽ばたかせた。

 

「『粉塵爆発』!」

「っ!!」

 

 辺りが爆音と土煙に包まれた。さらに熱風も襲い掛かる。

 ナナシは腕を元に戻して熱風を吸い込まないように口を覆いながら、目を凝らす。だが、爆発によって生じた土煙で、視界は悪くなっていた。

 

「(しまった、見失った! どこにいる!?)」

「今度こそ終わりよぉぉぉぉ!!」

「しまっ……!」

 

 尖った爪で、エンプレスはナナシに迫る! しかし!

 

 

「『夢想封印』!!」

「『飛竜炎斬』!!」

 

 

 カラフルな光弾と炎の斬撃波がエンプレスに命中した。大きく吹き飛んだエンプレスは、攻撃のした方向を睨む。

 

「何よ! 邪魔するんじゃないわよ!」

 

「襲われてるのを見過ごすわけにはいかないでしょ?」

「それにお前、凄い力と殺気を感じるんだ。お前はモンスターだろ? それも古龍クラスの……!」

 

 ナナシの目の前にいるのはリオと霊夢だ。二人はガブラスの群れを振り払い、勘でエンプレスの場所を探り当てたのだ。

 

「リオ、霊夢。こいつは『あのお方』の使いだ。かなり強いよ」

「ほう? だったら、やるっきゃないよなぁ。なぁ霊夢!」

「そうね。幻想郷の異変解決は、博麗の巫女の仕事だもの。アンタは私たちが退治させてもらうわ」

「人間如きが……大口叩くなぁぁぁぁ!!」

 

 エンプレスの目が赤く輝き、角が現れる。それと共に陽炎がゆれ始めた。

 ジリジリと炙られるような熱さが、3人を襲う。

 

「熱いわね。あいつには熱を操る力でもあるわけ?」

「さあな。だが、前の騒動の時と同じことが起こってるのは確かだな」

「喋っていられるなんて、随分と余裕ね!『粉塵爆発』!」

 

 辺りに赤い粉がばら撒かれる。翼を羽ばたかせている隙に、リオが間合いを詰めて斬りかかった。

 

「その場から動かないお前も、随分と余裕だな」

「そうかしら?」

 

 その瞬間、エンプレスの周りを爆風が包み込んだ。リオのあらゆる方向から衝撃が襲い掛かる!

 

「ぐおおお!?」

「リオ!? このぉぉぉ!」

 

 リオが吹き飛ばされたことに驚きながらも、霊夢は光弾を発射する。

 しかし霊夢は気がつかなかった。エンプレスが不敵な笑みを浮かべていることに。

 

「っ、まずい! 霊夢! その場から離れて!」

「え!?」

「消し炭となりなさいな」

 

 霊夢は、灼熱の炎に飲み込まれた………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あらかた片付いたな」

 

「そうですね。うぅ……巫女服がボロボロです……」

 

 旧都から離れた場所では、護と早苗がガブラスの群れを討伐し終えたところだった。

 二人の状態は、お世辞にも良いとは言えない。早苗は牙で噛み付かれそうになったり、尻尾で服を少し破られてボロボロだった。

 護は弾幕よりも接近戦が多かったため、至るところに返り血が付いている。よほど激しい戦いだったのか肩で息をしていた。

 

「リオさんと霊夢さんは、龍を見つけられたでしょうか?」

「霊夢とリオ、2人の勘は鋭い。たぶん見つけられるだろう。俺たちも急いで行かないとな」

 

 

 バゴォォォォン!!

 

 

 二人は遠くから聞こえる爆音に驚く。あそこは旧都の近くだ。そして、霊夢たちが飛んでいった方向でもある。

 嫌な予感が、二人を急がせる新たなきっかけとなった。

 

「早苗、行くぞ!二人が負けるとは思えないが……嫌な予感がする!」

「了解です!行きましょう!」

 

 疲れてる身体に鞭を打つ気持ちで、二人は全速力で飛んだ

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