東方竜人帳   作:G大佐

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2017年11月26日 大規模編集


決戦!ミラボレアス(2)

 巨大な隕石が部屋に落ち、辺りは閃光に包まれた。ボレアスは、半壊した部屋を見下ろしながら勝利を感じていた。

 

「ふっ、これを放つのは数千年ぶりだったが、いささか威力が強すぎたかな?」

 

 余裕の笑みを浮かべながら独り言を呟くボレアス。しかし、すぐにその表情は驚愕に変わった。

 

「何ぃっ!?」

「これで終わりだと……思わないことね」

 

 なんと、ボロボロになりながらも霊夢たちは生きていた。

 なぜ? 確かに命中したはずだ。衝撃波だけでもこの部屋が半壊するほどの威力なのに、何故生きていられる!?

 

 見ると、霊夢と早苗の手には札があり、魔理沙の足元には魔法陣が光っている。ボレアスの頭にある答えが浮かんだ。

 

「・・・・結界か!」

「ご名答。私の結界に、早苗の結界や魔理沙の魔法による結界を重ねがけしたって訳」

「く、くそっ!」

 

 霊夢の結界に、魔理沙と早苗の結界を上乗せして強度を上げていたのだ。すぐにその行動に移せた3人の度胸は相当のものだろう。

 ボレアスは悔しそうに舌打ちすると、爪を尖らせて急降下する。狙いは霊夢だ。

 

「こんな小娘ごときにぃぃ!」

「『封魔陣』!」

 

 辺りが赤い光に包まれた。いくつもの札と光弾がボレアスに襲い掛かる。しかし、あまりにも大規模な攻撃によって……

 

「うおわぁぁ!?」

「霊夢! 俺たちまで巻き添えに……うわ、危ね!」

「あ、ゴメン」

 

 当然、護たちにも被害が来た。魔理沙やリオが悲鳴を上げて、それを霊夢が軽く謝る。

 その光景に、ボレアスはギリギリと歯軋りをした。明らかにイラついている。

 

「貴様ら……我を舐めるなぁぁぁ!」

 

 腕で振り払うと、弾幕がかき消された。スペカを突破された霊夢は「げっ」と冷や汗を掻く。

 そして襲い掛かる炎の弾幕! 霊夢たちは急いでその場から離れた。

 

「おおぉぉ! この程度の熱さ、どうという事は無い!」

「くっ、貴様ぁぁぁ!」

 

 全身を鎧化させた護が炎の海の中を走り、殴りつける。さらに、雷を纏った白斗が飛び掛った。

 

「俺はただ叫んでばかりだと思うなよ? 痺れやがれ、このダボがぁぁぁ!」

「ぐぬぅ!? ディオレックスの電気攻撃か!」

「ちっ! あまり効果が……うおぉ!?」

 

 雷を纏った爪でボレアスを引き裂く白斗。しかし硬い甲殻には余り効果が無かったのか、胸倉を掴まれる。そして床に叩きつけられた。

 

「白斗! くそぉ! 『マスタースパーク』!」

「魔理沙さん、駄目です!」

「今、そのスペカを放ったら……!」

 

 早苗と霊夢が止めるが、魔理沙は気にせずにマスタースパークを放つ。極太の光線がボレアスを包み込む!……が、しばらくすると魔理沙の身体が吹き飛んだ。慌てて霊夢が受け止める。

 

「がはっ…………!?」

 

 光線の中から、石のようなものが飛び出して来たのだ。それによって魔理沙は、肺の中にある空気を一気にたたき出されたかのような感覚がした。どうやらマスタースパークを耐え、土煙の中から石を投げつけたようだ

 そこへボレアスの声が聞こえてきた。

 

「中々の威力だ。だが、倒れるほどではない」

「ならこれで!」

 

 早苗が光弾を放つ。ボレアスは『倒れるほどではない』と言っているだけで、『死なない』とは言っていない。つまり、しつこいぐらいに攻撃すればいつかは倒せるはずだ。僅かな希望を信じ、スペカを唱える。

 

「もう一回! 『グレイソーマタージ』!」

「さっきの言葉が聞こえなかったのか、小娘ぇぇぇ!」

「がはっ……!?」

「ボレアスぅぅぅぅぅぅ!!」

 

 早苗が床に叩きつけられる。それと同時に正面から、キレた護が顔面を殴りつける。一発だけではなく機関銃のようにとにかく殴る!

 護はキレていた。共に戦ってきた仲間がどんどん倒れていく。その光景に耐えられなかった。

 

「てめぇが! 死ぬまで! 殴るのを止めない!」

「がっ! ぐっ! ぶげぇっ!?」

 

 そして最大の一撃をおみまいしてやろうかと腕を振り下ろした瞬間、護が大きく宙へ舞った。

 

「がっ……!?」

「小僧ぉ……! 貴様も大概にしろよぉ!?」

 

 ボレアスが蹴り上げたようだ。いきなり飛ばされた護は、なす術もなく床へ叩きつけられた。

 しかし護は、睨みつけながら立ち上がろうとする。その光景に、早苗は悲痛な声を上げた。

 

「護さん、もう立たないで!これ以上戦ったら、あなたが死んじゃう!」

「止めるな。こう見えても俺は……ゲホッ! 怒ってるんだ……。少しでもあいつに傷をつけないとゲホッ! 倒せ……ないんだよ!」

 

 片足を引きずりながら、咳き込みながらもボレアスへと近づく護。しかし、ボレアスは容赦なく殴り飛ばした。

 

「愚かな者だ」

「くそ・・・くそ・・・」

「護さん」

 

 それでも立ち上がろうとする護に声をかけたのは、影夜だった。目は紅く光っていて、腕にはいつものブレードが出ていた。しかし、執事服はボロボロだ。

 

「影夜。肩を貸してくれ。あいつを殴り飛ばさないと……」

 

 

「すいませんっ!」

 

 

「がっ!?」

 

 影夜は、護の鳩尾にパンチを入れる。護は驚きながら、静かに気を失った。そんな彼を影夜は早苗のところへ連れて行く。

 

「少し休ませてあげてください。私はあまり傷付いていないので、リオさんや霊夢さんと共に奴と戦います」

 

 そう言うと、ボレアスの元へ走って行った。

 

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