今回の話は、ちょっとだけエロいと思われる描写があります。それが駄目という方は、今のうちにブラウザバックすることをお勧めします!
大丈夫かなぁ。R-18のレベルではないとは思うけど……。と、とりあえずどうぞ!
守矢神社の巫女である早苗は、台所に立っていた。昼食の準備をするためである。
「今日は……人里で貰った干魚を使ってお出汁でも取ってみましょうか」
だとするとうどんが良いだろうかなどと考えながら、支度にとりかかる。すると、後ろから足音が聞こえた。
「あ、旦那さま! おかえりなさい!」
「ははは、ただいま」
振り返れば、、愛しの夫……護の姿があった。嬉しくなって笑顔でおかえりなさいと言えば、彼も笑いながら返してくれる。そんな毎日だった。
護は、自らを鍛えるという目的も兼ねて、何でも屋を承っていた。妖怪だけでなくモンスター退治、荷物運びや壊れた建物の修復等を手伝っている。今日は天狗の里に築かれている防壁の修復作業のため、朝早くから出ていたのだ。
「今日は……うどんか?」
「はい。ちょうど、干魚もあるので、これを使ってみようかと」
「……はじけイワシか。モンスターの世界の魚だな」
「はい。イワシは海の魚ですけど、最近は、川とか湖とかでも見られるらしいです」
「……幻想郷の崩壊は防げた。だが結局は、ボレアスの狙い通りになってしまったな」
「旦那さま……」
幻想郷の人間・妖怪を滅ぼし、モンスターの世界を作ろうとしたミラボレアス。彼を倒したことで崩壊は免れた。
しかし幻想郷では、モンスターの世界の植物や生き物が繁栄するようになり、生態系が変わってしまった。その影響によるものなのか、かつては弱かった雑魚妖怪が強くなったり、育てていた野菜が巨大化したといった事もあった。当然、ジャギィやランポスといったモンスター達も生きている。今となってはその生活に慣れつつあるが、中には護たちのことを恨む者もいる。「モンスター能力者がいなければ」と……。
しかし、そのような者はごく少数である。中には感謝する者もいる。小型モンスターの退治を生業にし始めた者もいれば、人里をモンスターから守る自警団に入った者もいた。そのほとんどが、かつては浮浪者だったという。これにより、人里の浮浪者の数が減ったとも言われた。
だが、やはり生態系を変えてしまったという罪悪感もあるのだろう。護の心境は複雑のようだ。
「ですが、最悪の事態を防ぐことが出来たんです。誇っても良いと思いますよ」
「早苗……」
「美味しいものでも食べて、元気になりましょう! もうちょっと待っててくださいね」
そう言って調理を再開する早苗。邪魔しちゃいけないと思ったのか、護は居間の方へ行ったようだ。
だが、しばらくして……
「…………」
「旦那さま? どうしました? あとは茹でるだけ……!?」
突然、護にキスされた。驚きのあまり動きが止まってしまうが、護の方は止まらない。抱きしめるように背中に手をまわし、片手で早苗の後頭部を撫でる。
「ぷはっ、旦那さま、どうし………んむぅ!」
「んむっ、ちゅっ、早苗……早苗……」
護の様子がおかしい。早苗はすぐに気がついた。やけに息が荒く、頬は赤い。声もどこか色っぽく、瞳の中にハートマークが浮かんでいるような気もする。
「だ、旦那さま、まだ昼間ですよ!? いくら何でも気が早すぎます……く、首にキスは駄目ですぅ!」
「早苗……俺はもう……」
「旦那さま!」
「っ!?」
大声で叫ぶと、護はハッと驚き動きが止まる。それと同時に正気に戻ったのか、彼の顔は気まずそうなものになる。
「……すまない」
「い、いえ……」
「……少し、頭冷やしてくる」
「あ……」
その後、外で風を浴びてきた護と共に食事をしたが、どこか気まずい雰囲気だった。
あの出来事から数日経ったが、護の、早苗に対してのボディタッチの頻度は多くなっていった。時々熱っぽい視線で早苗を見ることもあれば、仕事に行く前にハグをしてきたりといった行動が目立つようになった。
早苗としては、積極的になってくれることは嬉しい。しかし、なぜ急にそのような態度をし始めたのか。それが謎だった。
「まさか、モンスター能力が関係してるのでしょうか……」
能力が自身に影響を及ぼすという話は、よくあることだ。護も、能力の副作用というものが起こっているのかもしれない。
「……で、僕のところに来たって訳かぁ」
「はい。ナナシさんなら詳しいと思いまして……」
場所は変わって、地底のモンスター研究所。モンスターの研究はもちろん、その世界の動植物の研究も行っている施設に、早苗はやって来た。
椅子に座っている白衣の青年、ナナシ。彼がここの所長だ。かつて戦っていた時とは異なり、伊達メガネをかけている。
そんな彼は早苗の相談である、護の態度の急変を聞いた。顎に手を当てて考え始める。
「いきなりの積極的な態度……。護がそういう事をするようなイメージは無いけど、結婚すれば性格が変わるって話はあるみたいだしな……」
「私としては嬉しいんですけどその……。時間と場所を選んでほしいと言いますか……」
「……あぁ、成る程ね。そういう事か」
「何か分かったんですか!?」
身を乗り出すように、ズイッと顔を近づける早苗。ナナシは落ち着くように諭すと、咳払いをして答えた。
「原因はズバリ……繁殖期だよ」
「繁殖期……ですか?」
「そう。自らの子孫を残そうと、繁殖行為を行い始める時期のことさ」
「自らの子孫……!」
早苗の顔が赤くなる。それに対して苦笑しつつも、ナナシは続ける。
「モンスター能力は、その名の通りモンスターの攻撃手段などが使える能力だ。だが、弱点や身体能力もモンスターと同じものになる」
「はい。それはずっと前に教えてもらいました」
「だけど、それだけじゃない。異性に対して『子供を残したい』という思いを抱く……いわば発情って言うのかな? そういう本能みたいな面の影響も出るみたいだね」
早苗の予想は当たっていた。やはり、能力によるものだった。愛しい夫は、性的な本能に飲まれつつあるのだ。
「何か、解決方法はあるのでしょうか……」
「うーん、怒りとかによる本能の暴走だったら、ボコボコにして気絶させるという手段とかがあるよ? でも今回の場合は、ひたすら護に我慢させてほとぼりが冷めるのを待つか、いっそのこと護に抱かれるとかだねぇ」
「旦那さまに……抱かれる……」
拒否感は無かった。初めての夜を過ごしたこともあったし、その後も抱かれるという事はあった。
しかし今回は、能力によって発情しているのだ。もし元の態度に戻ったしても、「無理やりやってしまった」という罪悪感で、護が苦しむことになる。それだけは避けたかった。
「僕からは、アドバイスくらいしか出来ない。どうするかは早苗次第さ」
「……分かりました。ありがとうございます」
礼を言うと、地底を後にした。
「旦那さまとの……子供……」
何度も、その言葉を口にしながら。
その日の夜。護は、手桶に溜めたお湯を頭から勢いよくかぶる。これで少しは気が紛れるかと思ったが、駄目だった。
「……早苗」
妻の名前を呟く。ここ最近、早苗に対して欲情することが多かった。あの可愛らしい顔をイヤらしい顔にさせたいと思うこともあった。
「だが……それだと早苗が……」
早苗が壊れてしまう。自分はモンスター能力者だ。その性欲も、精力も、普通の人間より上をいく。もし本能のままに欲望をぶつけたら、いくら霊力による強い体を持つ彼女でも壊れてしまうだろう。確証はない、だが、その恐怖感が、護を踏み止まらせていた。
「……上がろう。そしてもう寝よう」
風呂から上がり、寝間着に着替える。そして自室へと向かうが……
「旦那さま……」
「っ!? さ、早苗!?」
布団の上に、妻がいた。月明かりに照らされるその姿は、どこか神秘的だ。
だが、護は何とか口を開く。
「お、お前、どうして……。今の俺の状態が分からないのか!?」
「いいえ、十分に分かっていますよ。だからこそ、なんです」
「答えになってな……んぐっ!」
その口を、早苗は唇で塞いだ。ここのところは護からする事が多かったので、早苗からキスするのは珍しかった。
「ん……ぷはぁ。旦那さま。もっと素直になってください……」
「いや、そう言われても……もしお前が……」
「……もう!」
「うおっ!?」
手を引かれ、布団のところまで来させられる。そして瞬く間に、早苗に押し倒されるような形になった。だが彼女の顔は、頬を膨らませて少し怒っている。
「旦那さまは我慢しすぎです! 私のことを気遣ってくれるのも嬉しいです。でも……たまには欲望に忠実になっても、罰は当たりません!」
「お前……」
「それに……私もその……旦那さまとの子供を産みたいですし……」
早苗は想像した。愛しい人との間に産まれた子供との生活を。いったいどれだけ幸せな事だろうか。
「だから……旦那さま……」
「……満足するまで、俺は止まらんぞ?」
「きゃっ!」
今度は護が早苗を押し倒す形となった。そして…………。
ここから先は、想像にお任せしよう。
ちょいと激しいキスシーンだけだから、大丈夫ですよね? 大丈夫だと良いなぁ……。
今回も読んでくださり、ありがとうございました! 感想等、お待ちしております!