愉快な吸血鬼っ娘は可愛い眷属たちとイチャつきたい 作:エヘ狂信者の猫
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「――うぉぉお……気持ちわりぃ……」
そんなオッサンみたいな声出さないでください。
……二日酔いですか? 我が主……。
「うぅ……そう……呑みすぎたあ……」
げっそりとした表情で宿屋から這い出る我が主。
アクリ・テオラを旅立ち、ヴェルニースに到着したのがつい昨日のこと。
何を思ったのか、我が主は真っ先に酒場へと殴り込みに行った。
「……いやあ、完全に大人を分からされたね……」
……我が主、その言い方では語弊がありますよ。
「ふぇっ?」
……変な所でウブな御主人のことは放っておいて……。
「えっ、ウブってなんだ!? 我それなりに――」
――はい、お口チャックですよ我が主。
えー、皆様に誤解の無いように言うと、我が主は酒場で散々イキり散らした挙げ句冒険者や荒くれ者たちの見事な大人の対応で撃沈。イキりキッズな我が主は、本当の大人というものを思い知ったのであった。
……そして、その後は酒場で女好き談義が過熱、荒くれ者たちと酒の力もあって仲良くなり、最終的には泥酔と……。
「……そ、それは正直ちょっとハメ外しすぎちゃったと我も思うというか……って、誰に向かって説明してるんだお前」
なんのことでしょうか。よく分からないです。
……そんなことより、この街の宿屋は独特ですね。
宿泊は無料、食事は有料。だが、比較的少額で食べ放題。……何故これで経営が成り立ってるのか、正直疑問に感じざるを得ません。
「まあ良いじゃないか。おかげで我は暖かいベッドにありつけたのだからな……!」
そこまで連れて行ったのは誰だと思ってるのですか……。
「ぬぅっ……」
酒場で酔い潰れかけてる我が主を叩き起こし、フラフラ千鳥足な我が主を何とか先導し、ベッドにそのまま飛び込み寝に入った我が主にどうにかシーツを被せ……。
昨夜の私の気苦労を、少しは理解して欲しいものです。
あからさまな溜息をついてみれば、我が主はバツの悪そうな表情で目を泳がす。
「あーあー……むぅう、……悪かったよ、次からは気をつける」
はい、そうしてくださいな。
世の中、良い人ばかりって訳でもないですし……ハメを外し過ぎて何かあっては困ります。
「むう……? そ、そうか……何だかよく分からんが気をつける。……あっそうだ、所で我はあの者たちから耳寄りな情報を聞いたのだが!」
ふむ? 私はその話を聞いていないので、きっと我が主が酒を呑み始めた後のことなのでしょう。
私まで酔ってしまっては困るので、その辺りは我が主と分離してましたし。
……それにしても、荒くれ者たちからの情報ですか……ちょっと眉唾ですね。
「まあまあ、そう疑わずにひとまず聞けって。なんとなんと、とあることをするだけで、何でも願いが叶えられるなんて夢見たいな裏技があるらしいんだ!」
キラキラと目を輝かせるピュアな我が主。
……深い溜息が出てしまったのは、仕方の無いことだろう。
「さては貴様疑ってるなあ? おいおい、ベテラン冒険者様の言うことは信じないといけないぞ〜?」
シンプルにウザい表情で、何もない宙に向かってぐりぐりと肘うちする。
ひとまず、我が主は人を疑う事を知ってください……。
「もういい! 今から実践してやるから、よぉく見ておけよ!?」
ぷんすかぷんと怒りながら、我が主は井戸の方へと向かう。……二日酔い中なんですから、あんまり危ないことはしないでくださいね?
井戸を覗き込んでそのまま真逆まな高貴な吸血鬼など見たくは無いです。
「流石の我でもそんな馬鹿な真似はせんよ!? 失礼しちゃうなあ!? いちいち茶々入れんで黙って見てろ!」
そういうと我が主は、おもむろに井戸の水を汲み出す。
……え……? この水を飲む気ですか……!?
「当然そうだが? なんだ、何か不都合でもあるのか?」
……いや、不都合というか……その水かなり汚染されてて身体に悪いですよ……?
この土地の水は相当に汚染されている……というか、一部を除きほぼ大体の土地の水が汚染されているのだが。
ひとまず、マトモな飲料水がかなりの貴重品とされている上、殆どが非売品であることを考えれば、そこらの街にある井戸が飲み水に適してると思える訳が無かった。
「ははは、心配性だなあ我が眷属よ。考えてもみろ、我高貴で最強の吸血鬼ぞ? 汚染された水程度にやられる訳無いだろう! それに、この井戸の水だからこその利点もある訳だからな!」
……それが、先程の荒くれ者たちから聞いた、何でも願いを叶えられる裏技と?
「その通り! 何でも、井戸の水や噴水の水をがぶ飲みしてると、唐突に声が聞こえてきて、その声の主が願いを叶えてくれるらしいのだ!」
……それ、酒場の者たちにからかわれてるだけですよ。そうじゃなかったら、汚染水で意識が混濁した末のモノか……。
「いやいや、これがマジなんだって! 実際に冒険者の先輩の友人も、これで億万長者になれたんだってよ! もうこれはやるっきゃないじゃん!?」
信憑性ゼロじゃないですか!? せめて当人からの話を聞いてください!
……この主、いつか絶対変な詐欺に引っ掛かって痛い目に遭う……私がしっかりしなければ……。
「ふーん、信じないんだぁ? 主の言うこと信じないんだぁ?」
いや、普通に考えてありえないでしょう……。
その上、出典不明の冒険者どもの呑み話ですよ?
絶対ありえないですって!
「言い切るんだ? 我のこと信じないでそこまで言い切るんだぁ? じゃあ、もしその願いの話がホントで、我がこの井戸水飲んで願い叶えたらどうするんよ。空中土下座でもするか? んん?」
良いでしょう良いでしょう、空中土下座でも水中土下座でも地中土下座でも何でもござれです。
さあ、飲んでくださいよ。そこまで言うなら飲んで証明して見せてくださいよ。
「はーい、言ったなあ? やっぱ無しは駄目だぞ馬鹿眷属ぅ! ほら飲むぞほら飲むぞほら飲むぞ!?」
売り言葉に買い言葉。激しい言い合いの末に我が主は井戸の水をグイっと飲み干した。
馬鹿みたいな良き飲みっぷりを発揮した我が主。……だがしかし、その身体に変化は無く……。
「…………な、何も起きな……い、いや! 必ず起きるとは言ってなかったし、それに一度飲んだくらいで分かる訳無いだろう!?」
……ふーん。それなら、満足するまで飲めば良いじゃないですか?
「言ってくれるな眷属のクセに! ええい、やけだこの井戸水全部飲み干してやるぅ!!」
そう言って我が主は、何度も何度も井戸水をがぶ飲みした。
……その結果は――。
「…………ゲホッゲホゲホ!? ガァっ……がっペッペッ……ぐぇっ」
――壮大にむせた。
「い、いやこれチガ……げほっ……の、喉がイタ……」
喉を抑え、違和感を主張する我が主。心なしか、我が主の声も掠れて聴こえる。
……はい、我が主。喉あーってしてください。
今から分離してちょっと診ますから。
「……あーーー」
私がそう言うと、渋々といった風に口を上に開け喉を見せる我が主。
……うん、なんか腫れてる……気がする。いえ、私は医者では無いので分かりませんが。
「……もう良いか? あう、どうしてこんなことに……まさか、毒でも入ってて……!?」
……きっとこれは、変異のせいですね。
井戸の汚染水には、身体を様々に変異させることが稀にあると聞いた。ただの毒や酸程度ならすぐに再生できますが、違和感的に恐らく永続的な変異でしょう。
「ふぇっ、これずっと続くの?」
ええ、そうですね。端的に言えば、[変異]あなたの喉はかれてる。です。
魅力が下がります。
「くっ……! 我の美声がこんな井戸水程度に!」
だから言ったじゃないですか、汚染された水だと。この地で長く暮らす者たちならともなく、我が主は温室育ちの箱入り馬鹿娘なんですから。
「辛辣だな!? というか、願いとか全然叶えられなかったし、アイツら我をガキだと思って適当言いやがったなあ……!?」
八つ当たりのように天に向かってうがーと呻る我が主。騙される方が悪いです。
……というか、そもそも何でも願いを叶えてくれる存在なんて、それこそ神かそれに類する者ではないですか。神聖アレルギーな我が主にはそもそも縁の無い話じゃないんですか?
「……むっ、確かに……何でも願いを叶えられるなんて、そんな超常的で理不尽な力を持つのは大っキライなあの神連中かもしくは大悪魔くらいだな……」
そう言って、途端に難しい顔をしだす我が主。
我が主ウルチヤ様は、大の神聖嫌いである。
吸血鬼として、神聖な物は受け入れられる訳が無いらしい。……別に、弱点とかそういう訳ではなくただ嫌いなだけなのだが、下手に神聖な物に触れてしまえば途端にパニックになってしまうので、まあアレルギーというか食わず嫌いというか……。
「……おい、そんなワガママな子供みたいな言い方するのは止めろ。失礼だぞ?」
大体同じですよ。
そう伝えると、我が主はあからさまに顔を赤くして頬を膨らませた。子供か。
「コイツは失礼だし辛辣だし! もっと優しくてカワイイ眷属ちゃんが欲しいっ!」
その為にも、まずは強くならないといけませんよ。……というか、そんな井戸の汚染水をがぶ飲みしてまで何を叶えたかったんですか?
「……うーん、カワイイ眷属が欲しいとか?」
支配の杖か魔法書か、あるいはモンスターボールが降ってくるのがオチですよ。
「それはそれで欲しいなあ……まあ、願いが神どもの仕業だったら、それも使えないんだが……うーん、酒場の奴らの話では、その正体は誰にも分からないらしいが……」
胡散臭いですね、やっぱり神の仕業ですよ。
そういうよく分からない奇跡とか、専売特許でしょ?
「うーーん、そうなんだが……うーーん……? なんか、なんか……既視感があるというか、どっかで聞いたことある気がするんだよなあ……」
どうにも腑に落ちなさそうな我が主。そんな既視感って……何でも願いを叶えてくれて、正体が誰にも分からない、実在するかも分からない奇跡のような現象など滅多にある筈が……。
「…………いや、そうか……! そういうことだったのか!? 分かった、分かったぞ眷属よ!!」
突然、天啓でも舞い降りてきたかの表情でまくし立てる我が主。
落ち着いてください、何が分かったって言うんですか。
「ニッブいなあ!? 願いの主の正体だよ!」
はい? いや、さっきの一瞬で何が分かったって言うんですか。そもそも、多くの冒険者がいて誰にも正体が分からない者。というかそもそも、実在すら微妙なんですよ?
興奮した様子の我が主に、ピシャリと冷たく放つ。
「ふっふっふ、この我の吸血鬼的天才頭脳をナメるでないわぁ! IQ1万億の我を持ってすれば、誰にも掴めなかったあやつの正体など、秒で解明できるのさ!」
吸血鬼的天才頭脳など初めて聞きましたし、IQとか測ったことも無いでしょう我が主。あと、1万億という数字はありません。
……まあ、一応聞くだけ聞いておきましょうか。街の人に言い触らして恥かく前に止めてあげます。
「ふふん、気になるか気になるか♪ しっかたないなあ♪ それじゃあ、答えてやろう……何でも願いを叶えてくれる謎の声の持ち主……奇跡のような力を持ち、誰にも正体が分からず、実在するかも分からない、神もしくは大悪魔のような存在――」
目をつぶりこめかみを何度も叩きながら、まるで推理するかのように言葉を列挙する我が主。
そして、勿体ぶるような長い溜めの後、我が主はその衝撃の名を告げた――。
「――そう、願いの主の正体は…………サンタさんだ!!」
………………。
見事なドヤ顔を決める我が主から、静かに黙って抜け出す。
「…………えっ、なになに、何で無言で我から出ていくの?」
……ひとまず、我が主の身体から抜け出したのは、思考を読まれるのはちょっと不味い話題になりそうだったからだ。
「……きゅぃー?」
この人は、本気で言っているのだろうか。
どんな発想をしたらサンタが出てくるのだ。
「いいか、よく聞けよ? サンタさんは、例えどんな場所に居たとしても、世界中の子供たちの元に赴いて、何でも一つ願いを叶えてくれる凄い存在だ」
「きぃ……」
「今まで多くの子供たちがその恩恵を授かってきたが、その正体は未だ不明。かくいうこの我も、一度もその正体を確かめられたことは無かった……!」
……心底悔しそうに語る我が主。……そういえば、あの手この手で毎年聖夜は、サンタの正体を掴もうと躍起になってたなあ……。
「それでもって、サンタさんは、聖なる者として語り継がれている。神、あるいはそれに類する者としてな……だがしかし、それでは神聖嫌いの我の所に来る訳が無い。……そうつまりは、サンタさんは本当は大悪魔なのだよ!」
「きいぃ……」
何がそうつまりは、なのだろうか。というか、それが願いと何の関係があるのだろうか。
「神もしくは、大悪魔じゃないと説明が付かない、そういう話だったろう? つまりは、そのどちらかかもしれないサンタさんと一緒という訳だ! これは有力だろう! ……あっ、我は勿論大悪魔だと信じてるぞ♪」
ガバガバ推理すぎる。誰かこの迷探偵を早く降板させてくれ……。
そう言いたくなるが、自慢気かつ楽しそうな我が主の顔を見ると、何も言えなくなってしまう……。
なんか、やるせない……。
「ふふんふふん、完璧だよな? これはもう、願いはサンタさんで確定だよな?」
「きぃきぃ……」
あー、もうはいはい。
良いですよ、それで。多分きっとそうですよ。願いの主は大悪魔サンタさんです。
「えへへ、流石は名探偵ウルチヤ様だな♪ この世の謎の一つをいとも容易く解き明かしてしまったぞ!」
……まあ、仮に本当に願いの主がサンタであった所で、我が主はサンタの正体を知らないので謎なままなのは変わらないのですが……。
というより、我が主はいつまで、父上であるあの御方の『サンタは大悪魔サタンの血塗られた化身である』という言葉を信じているのでしょうか……?
もう本人から確かめる術は無いとは言え、流石にそろそろ気付いていい年齢であるでしょうに……。
……まあ、気付いていないのならそれを告げるのも藪蛇でしょうしこうして思考を読まれないよう分離したのですが。
「……そういえば、サンタさんといえば、酒場の連中に馬鹿なこと言われたんだよなあ? まだサンタさんを信じてるのかガキだな! って」
……ええ……?
「……何でも、サンタの正体は親だって。……まったく、コイツら馬鹿だよなあ? この我のあの偉大なるお父様の告げた言葉が嘘だと言うんだぞ」
……まあ、その偉大なる御父上の虚言ですからねそれ……。
「ホント、アイツらは人の家庭環境知らないから適当言えるんだよ! あのお父様の厳しさ! 娘を娘だと思わないような苛烈さ! もうほんっと、メッチャクチャ厳しく偉大なる吸血鬼たれと叩き込まれたんだからな!? そんなお父様が、娘の為にサンタさんに扮してプレゼントを用意する訳無いだろう!!」
滅茶苦茶な早口でまくし立てる我が主。
……実の所はその御父上の仕業なのですが。不器用な先代当主の為にも、ここは黙っておきます。
あと、まだまだ子供な我が主の夢を壊さない為にも。
「もー! ほんっと、好き勝手言いやがってー! ……あっ、そうだ今年は何貰おっかなあ? 去年はおっきい熊のぬいぐるみにしてもらったし〜」
……次の聖夜、かあ……。はてさて、我が主にはどうやって納得させようか……。
もう来る筈の無い『サンタさん』。その事実をどのように告げれば良いか、これは、12月までの私の宿題ですね……。
「あっ! そういえば眷属よ! 冒険者たちの話によると、12月の聖夜にはノイエルという雪国で聖夜祭をやるそうだぞ? 何でも、神々の祭だそうが我には関係ないな! 何なら我が乗っ取ってやろうかなあ〜?」
ノイエルの聖夜祭。確か、癒しのジュアの祭でしたか。色々出店が来るらしいので、賑やかになりそうですね。
「きゅいっ」
「ふふん、そうだろう? 楽しみだろ♪ 眷属よ、12月になったら一緒に楽しもうなっ♪」
我が主ウルチヤ様の、とても純粋でキラキラと眩しい笑顔に、私はそっと近付き頬擦りをするのであった。
◇
結局、あの後ヴェルニースにあるもう一つの井戸も飽きる程飲んでみたが、願いなどという物は出現しなかった。
……くっそう、やっぱりアイツら適当言いやがったなあ……! 表示上の確率は0%だが、実際には小数点以下が云々とかいう、何だかそれっぽいこと言ってる頭良さそうなのも居たから、本当のことだと思ったのに……!
……まあ、そいつはそいつで周りの冒険者から白い目で見られてた気はするが……。
「……水ッ……! 飲まずにはいられないッ……!」
……なんか歩いていたら、やけにうるさい声で井戸水をがぶ飲みする冒険者と出くわした。
……ああ、可哀想に……我と同じように、呑兵衛どもに騙されてあんな汚染水をがぶ飲みして……。
「ゲホッ……ゲホッ……負けねェ……オレは絶対これで一攫千金狙ってやるんだッ……!」
汚染水に身体を蝕まれながらも、必死になって井戸水を飲み続ける異様な冒険者。
……何だろ……何とも言えない憐れみを感じざるを得ない……。眷属から見た我も、あんな感じだったのだろうか……。
もうそこまでにしとけ、と我には珍しい100%の善意を元にその冒険者の元へと歩を進めようとして――。
【願いは?】
「!!??!?」
突如として、辺りに誰とも分からない謎の声が響き渡る。周りの街の人間たちも、おお……遂にやりやがったな……みたいな顔で件の冒険者を見やった。
……って、えっ!? いやいや、えっ!?
これホントのホントに願いってやつ!? うっそでしょ、ホントに願いはあったんだ!?
「…………やったァ!! やったぞ!? オレはやったんだァッ!!」
力強くあの冒険者は手を高く掲げ、全身で喜びを表現する。
……そして、意を決した表情で……冒険者は、高らかに宣言した――。
「――ギャルのパンティーをおくれぇ!!」
冒険者の元に、ギャルのパンティーが降ってきた。
「いヨッシャァ!! 遂に手に入れたぞぉ!!」
若い女物の下着を握り締め、心からの叫びを上げる冒険者。歓声を上げる街の住民たち。後方でサムズアップをするベテラン冒険者たち。
そのような、とても奇跡的で暖かな光景を目の当たりにし、我は、何というか……こう、何というか、あの、……うん……。
…………帰ろ。
◇
――それから数刻後、我が眷属コウモリは、見事な3形態土下座を見せつけ伝説を作った。
だがそれでも、何とも言えなくなったこの我の気持ちが晴れることは無かったのであった……。