アニメのさよひなのあのシーン好きな人あつまれ〜
「それでさ〜」
「そうなんだ〜」
詩船が同じクラスになってからはや1ヶ月。最初編入を発表する時はざわついたものの、今はすっかり女子たちと打ち解けて仲良く話をしている。
それはいいんだよ。いいんだけど……
「なんかモヤモヤするな〜」
自分の提案とはいえ、詩船を受け入れてくれるかどうか正直不安だった。
女子たちは普通の女の子だと知ると、すぐ馴染んだのだが、男子たちは未だに恐れられているのが現実だ。
「つーづき!」
「うわぁ!」
急にクラスの奴らに肩を叩かられる。寿命縮ませるつもりか!
「なんだボーッとして!」
「いやいやしてないよ!」
「ボーッと生きてんじゃねーよ!!」
なんで俺クラスメイトに怒られているんだ?
「鶴見さんのことが気になるか?」
「ブー!」
「お?これは図星かな〜」
なんでこうも見抜かれているかな俺…
「なんで分かるかって思ってるな。」
「さりげなく心読むのやめて貰える?」
「まぁ俺はさとりの能力を持っているから。」
ホントかよ…
「まぁ嘘だけど。」
「嘘かよ。」
「そもそも隠しているつもりかもしれないけど、クラス…いや学校全体が知ってると思うぞ。」
「な、なんのことだよ…」
「まーだ認めないのか〜あんたが鶴見さんのことが好きだってこと。」
ちょっと待て!?なんでそんなこと広まっているの?
「あの現場を見た人は他にもいるってこと忘れてない?」
「あの現場って……あれ?」
きっと渋谷さんを殴ったことだよね?確かに他の生徒も普通に出歩いているからあんな騒ぎいやでも気づくわな。
「いや〜あの都築がグーパンねぇ〜」
「あの都築ってどういう意味だよ!てかちょっと待て!」
「なに?」
「なにじゃねーよ!俺が殴る現場を仮に大衆に見られたとして、どうして詩船が好きに繋がるんだよ!?」
「そりゃ一部始終聞いてた人もいるからだろ。多分そっから。」
「だからって他学年にも…」
「それに放課後2人でいるという目撃談もある。」
そいつ曰く、男子界隈ではあの鶴見嬢と仲良くすることができた勇者として崇められているだとか。ここまで来ると、詩船が昔なにやらかしたのかが気になってきた。
「だけど安心しろ!」
「なにを?」
「鶴見さんを狙っているやつはお前だけしかいない!」
「そんなことないだろ…」
「あの鶴見さんだぜ?男子だと都築だけ親しいのにどうやって奪えっていう話だぞ。」
「そうなんだ。」
「だから焦る必要はない!」
「あ、そう。」
別にアドバイスは求めてないけどな。まぁありがたく聞いとくか。
「だけどな。」
「なんだよ?」
「女子相手にすら妬くんだったらさっさと告ったほうがいいぜ。」
急にマジメなトーンで話す。冗談ではない。それぐらい真剣ってことか。
「正直今の都築はみっともない。自信がないとか、どーせ振られるだとか思っているんだろ?」
「ま、まぁ間違ってはない。」
「そんなんじゃあ何年何十年も経ってもこのままだ。」
「けどあっちからって可能性も。」
「なんだわかっているじゃん!」
そして顔をキスできるところまで近づいて言う。
「告らない理由はあくまでも言い訳にすぎないと。」
「ウッ!」
「それにあっちは待っているんだよ。」
「確かにもうとっくの昔に告られていてもおかしくないな。」
「だろ?当たって砕けろだよ!まぁ都築なら砕けはしないと思うけど。」
「そっか。なんか勇気が湧いてきたかも。今日告ってみる!」
「お、おぉ今日なんだな……まぁ早いことに越したことはないしいいか。じゃあ席についているぜ。」
気づけば休み時間はもうわずかだ。他の人たちも次々と席に戻っている。
詩船も名残り惜しそうな表情で教科書を用意していた。
「いやー節郎には感謝してもしきれないな!」
「な、なんだよ急に。」
いつも通り放課後ギター練習やってから詩船と帰路についている。
「節郎が先生にクラス変えてくれとお願いしてくれたから学校生活が楽しくて仕方ないさ!」
「そっか。それはよかった。」
「そういえばあんた今日変だぞ?」
「そ、そう?そうでもないけど!?」
「ふーん。」
言えるわけない。いつ好きですと言おうかソワソワしているなんて…
「じゃあまた明日な。」
「あ、あぁ……」
今日じゃなくてもいい。きっと明日も会えるからその時でもいい。けどそれだと悪循環が生まれるだけだ。
呼びとめないと!
「詩船!!」
「ん?どしたの?」
言わなきゃ……今ここで!
「大事な話があるんだ!」
「なんだよそんなあらたまって。」
「いつからかは分からないし、具体的な理由も言える自信がない。」
けど、と小さく言って俺は続ける。
「俺は、都築節郎は……1人の女子として、あなたが好きです!!!」