あんた、夫としてやりきったかい?   作:スタプレ

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完全に短編ばっかりでこっちのことで本編忘れていましたm(_ _)m


10話

 

あれから何年が経ったのだろうか?

 

俺は普通の大学を出てそこそこの会社に就職した。そしてそこから数年が経った。歳はもう30歳、そろそろおっさんという分類に入るのだろう。

 

ここまでの間、周りの環境が色々変化している。

一番驚いたのが、自分の母校……花咲学園が女子高校となったことだ。都の教育委員会が公立高校同士の合併を行ったため、花咲学園は廃校に。その跡地に学校法人が買い取って私立の花咲女子学園が誕生だと。

俺たち卒業生は合併された方ではなく、新しい女子学園のほうの卒業生らしく、女子高校のOBというパワーワードが誕生したのだ。

 

「今日も働いたな〜」

 

背伸びして空を見上げる。冬の満ちている月が綺麗だ。

なんの変哲もない帰り道。左手の薬指にはめている指輪が月光に反射して輝いている。

 

「さてさて早く帰って飯の用意でもしないとな。」

 

自分の家には電気が着いていた。

 

「ただいま〜」

 

「あ、おかえり。」

 

「詩船こそ。仕事はもう終わったの?」

 

「収録が早く終わったから。」

 

最愛の妻……詩船がキッチンから出てくる。

 

そう、詩船と俺は見事ゴールインしましたぁ!!!

あの告白の時にOKをもらい、大学は別々だがよく会ってはデートをしていた。お互い働き初め、落ち着いてからプロポーズして式を挙げた。

そして今年で結婚5年目だ。

 

「テレビ局の収録って早く終わることあるの?」

 

「今日はレコーディング。一発でOK出たから。テレビは明後日だったと思う。」

 

詩船は大学に入るのと同時に音楽事務所に入り、プロとして活動している。もちろんミラキュラススカーレットでだ。

 

「今から飯作るから待っていて。」

 

「もうあたしが作ったから大丈夫。早く食べよ?」

 

「助かるよ〜ありがとう!」

 

家事は基本的分担作業。特に仕事を割り振っているわけでなく、家にいる人が基本やるというルールに。ある程度のマニュアルは決めておいて、料理の献立や洗濯洗剤の種類などはやる人の自由。そして基本文句はつけないのが鉄則だ。

最初は上手くいかないことだらけだったけど、今は安定している。

子供はいないし、一緒に入れる日は少ないが幸せな結婚生活を満喫している。

 

「そうだ、節郎に大事な話があるんだった。」

 

「大事な話?」

 

「ご飯食べながら話すから、先に準備しよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えぇー!!!!ミラキュラススカーレット解散する!?」

 

「ちょっとあんた。近所迷惑だろうが!」

 

「いやいやいや!驚くなって言うほうが酷だろ!!」

 

何なら俺以上に驚く人も出てくるだろう。

 

「この情報まだ未公開だから誰にも言わないでよ。」

 

「怖くて言えないよ!それでどうしたの突然?」

 

「絶交でもしたの?」と聞くと、詩船が首を横に振って否定する。

 

「あくまでもプロだからそんなことで解散なんてできんよ。」

 

どうやらメンバーの1人が妊娠したらしく、これを機に引退すると。他のメンバーも諸事情によりバンド活動が難しくなることからもう解散したほうがいいと。

 

「そうなんだ。まぁ俺がどうこう言える権利はないけど。」

 

「節郎には先に言ったほうがいいかと。」

 

「それで詩船はどうするの?ソロ活動やサポートギターでもやるの?」

 

「いや、あたしも引退するさ。」

 

「じゃあ就職か専業主婦?」

 

「いや、あたしライブハウスを開くことにした。」

 

「ライブハウスを開くぅ!!!?」

 

「ちょっと近所迷惑!」

 

「あ、ごめん…」

 

これも驚くなって言うほうが(ry

 

「なんでまたライブハウス?」

 

「あたしガールズバンドの聖地を作りたいって思ってんるんだよ。」

 

「なるほど。でも普通のライブハウスでよくない?」

 

「ライブハウスって、怖いイメージが強すぎる。」

 

確かに不良のたまり場だと思われても仕方ない。薄暗い雰囲気、派手な格好なバンドマン。俺も初めて行った時は戸惑ったぐらいだ。普通の女の子が行くには勇気を振り絞る必要がある。

 

「そのイメージを払拭させるライブハウスを開くと。」

 

「例えば照明を明るくしたり、窓をつけるだけで全然違う。そこは業者と話し合えばいいさ。」

 

「だけど場所はどうするんだ?都心の土地なんて高いぞ…」

 

「BEATが閉めるからそこを安く売ってもらう。」

 

俺や詩船がお世話になったライブハウス『BEAT』。

店長が年で続けるのが難しくなることから今月いっぱいでシャッターをおろすことに。

そこで詩船が自分の計画を話して、物件を売ってもらうよう交渉したところ、店長は特別に破格で売ってもらうことに。

店長も詩船の計画に大賛成で、「他のガールズバンドも見てみたいなぁ〜。まぁミラキュラススカーレットにはかなわないだろうけど。」

と言っていたそうだ。

 

「それならステージはそのままで、エントランスなどをリフォームするだけでいいってことか。」

 

「出来ればすぐに始めたいからな。」

 

「それで節郎にもお願いがある。」

 

「搬入の手伝いしろってか?そんなことお安い御用さ…「仕事やめて副オーナーになってくれ。」…………。」

 

俺の嫁今なんて?

 

「えーっと……もう1回聞いていい?」

 

「だから副オーナーになって。」

 

「えーーーー!!!!」

 

ワンチャン口の中にあったご飯粒どっか彼方に飛んでいったかも。

 

「近所迷惑だって言ってるだろうが!!」

 

だからこれも驚(ry

 

「俺が副オーナーやる必要ないだろ!?そりゃ手伝いとかはやるけど……」

 

「他の人を店長とかはあまり乗る気がない。それに随時男手や、あたしの代わりがいると助かるから。」

 

「俺貯金あまりないけど……」

 

「あたしが持っているから安心しろ。数年は赤字でも何とかなる。」

 

そういやミラキュラススカーレットは音楽界の中では売れているほうだったな。

国民的アーティストまではいかないものの、一定のファンはいて、ライブをやればチケット完売。アルバムを出せばオリコンランキングに入るほど人気だった。それに紅白にも何回か出場していているから知名度もそこそこ高い。

 

「節郎が今の仕事をやめたくないって言うなら無理には言わん。」

 

やりがいがないわけではないが、一生続けたいかと聞かれてもうんとは言えない。

それに詩船との時間がもっと増えるからそれはそれでアリなのではないか?

正直詩船の性格から怖いオーナーだとビビられる可能性も少しある。(本人に言ったら怒られる。)そのフォローとしてやったほうがいいかもしれない。

 

「わかった。俺副オーナーやるよ。」

 

「節郎ならそう言うと思ったよ。ありがと。」

 

こうして突然始まったセカンドライフ。

この話の翌日に退職願を提出し、詩船と2人で準備をして春にガールズバンドの拠点地という新しいコンセプトを持ったライブハウス『SPACE』をオープンさせた。




次からやっと本題に入ります。そうですやっと本題なのです。今までは序章に過ぎません。大丈夫か作者……
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