「よう節郎、次の土曜ツラ貸せや。」
「はい?」
ある日、教室の中、詩船さんに、脅迫された!?
僕悪いことしましたか?
「この前のお礼がしたい。」
「……お礼?」
「だから空いていればいいなって…」
「……………誘いかた間違っているよそれ。」
「え?」
いくらコミュニケーションが疎かになっていたからといってもある程度の常識があるでしょ?
「いやバンドのやつらが誘うならこう言えと。」
わかったあんた結構いじられキャラだろ?
「お礼なんてジュース1本でよかったのに。」
「ダメだそんなのじゃ。とりあえず空いてるの?空いてないの?」
「あ、空いてますけど…」
「じゃあ土曜日の9時に駅前な!」
なんか不安。
「はぁ…」
路面電車の終点である花咲川駅で1人ため息つく。
一番の不安はどこに連れていかれるか。駅に集合なので、そこそこの遠出をすると予想する。
「それにしてもこの服は俺に似合ってないよな。」
いつも通りの私服で行く予定だったが、明日出かけると母に言うと、「あんた女の子と行くのか?」ってエスパーかと思わせる発言をしてきたのだ。嘘を言う意味がないのでそうだと言ったら、「こんな服じゃ振られるわ!」と言えば渋谷に強制連行され、最新のファッション服を半ば強制的に着せられ買って貰ってのだ。
「やっと息子に春が来た!」と浮いている母に見送られて今に至る。
いやいや詩船を好きになる?ないないきっと。
…………ないよね?
それに多分あっちから拒絶されるからね。あまり期待しちゃダメだよお母さん。
「待たせたな。」
「いやいやそんなことないよ…えっ」
詩船は白をベースとしたワンピースに、学校では付けてない髪飾りまでセットだ。
「な、なんか言えよ!」
「えっと革ジャンじゃないんだね。」
「あたしをなんだと思ってるの!?」
いかんいかん、つい思ってしまったことを言ってしまった。
「その……に、似合っているよ。」
「そ、そっか、ありがとう。」
なぜか気まづい。なんか話題振らないと…
そうだ行き先聞かないと!
「今日はどこに行くんだ?」
「近くの遊園地なんだかどうだ?」
おっと意外なところがきたな!
俺も嫌じゃないけど、それって…
「お礼に入るのか?」
「い、いいじゃねぇか!チケット代出すし。」
「ホントは自分が行きたいんじゃないの?」
「そ、そんなことはないし…」
「行く相手がちょうどいたから誘った…はさすがにないか。」
「それだけは絶対ない!!」
最後だけなんか否定感が強かったするけど、まぁいっか。
ちなみにチケット代は本当に出して貰った。最初は断ったんだけど、詩船の「気が済まない!」に負けてしまって奢られることに。
なんかデートで男が出してもらうなんて恥ずかしいなぁ。あ、デートじゃないか…
「それで最初はなに乗るの?」
「うーん……飯食べたい!」
「早くない!?」
まだ10時まわったばっかりだけど…
「でも昼時は混むでしょ?だったら今のうちかと。」
「それは一理あるな。」
「じゃああたし買ってくる!」
「お、おい!」
颯爽と売店に走り去った詩船。俺は仕方ないから近くの席に座って待っている。
「おまたせ!」
「………それ全部食うのか?」
「あったりまえじゃん!」
と言いながら、彼女の手には、フライドポテト、唐揚げ、ポップコーン、チュロス、焼きそばなどほぼ大盛りのものばかりだった。自分でもさすがにそこまで食べれる自信がない。
「節郎も買ってきていいよ。」
「あまり腹減ってないからジュースだけでいいや。」
「そう?じゃあいただきます!」
15分後…
「お腹いっぱい…」
予想を裏切らない展開ありがとうございました!全部食べきったものもあれば、半分は残っているものもある。
「どうしようこれ…」
「いいよ俺が食べるから。」
「でも腹減ってないんじゃ?」
「ちょっとすいてきたから大丈夫。」
「……優しんだな。」
何とか全部食べきったのでよかった。
「さぁ何乗る?」
「ジェットコースター!」
「今食べたばかりだよ?」
「大丈夫、大丈夫!」
この遊園地はそこそこ高いジェットコースターが1つしかない。普通なら特になんとも思わないアトラクションだけど…
(さすがに食後はちょっと気持ち悪い…)
出口を出た第一感想はそれです。
詩船は大丈夫なのか…
「うぅ…気持ち悪い……」
大丈夫ではありませんでした。
「顔青いぞ?救護室行くか?」
「吐きそ…トイレ!」
「あ、おい!」
この光景本日2回目です。仕方ないから、自販機で水を買ってベンチで待っている。
しばらくすれば、文字通りグロッキー状態の詩船が帰ってくる。
「ほら水!」
「あ、ありがとう…」
ゴキュッゴキュッと美味そうに飲む。ただの水なんだけどね。
「よしもう大丈夫だ!」
「え、もう?」
「次はあれに乗ろう!」
終始詩船に引っ張られるかたちで次々アトラクションに乗る。
ただ乗るたびに詩船はダウンして毎回休んでいる。
「もう無理…」
「もしかして絶叫系苦手なんじゃ…」
「だって!節郎にかっこ悪いところ見せられないじゃん!」
だから最後の見栄を張っているように感じたのか。
「ぷッ…あはははは!」
「な、なにがおかしいのよ!」
「だって、普段クールな詩船にこんな可愛いところがあったなんて。」
「か、可愛い……」
「じゃあそろそろ帰ろっかってあれ?」
昼は晴れていたのに、キユに雨が降ってきた。それも結構な土砂降りで。
「マジかよ〜」
「はい折り畳み傘。」
「準備万端なんだな。」
「いいから入れ。」
「え、いいの?」
これって相合い傘…
「ほらもっと寄れ!」
「ちょっと近い近い!」
あの……いい匂いがするのですが。
「じゃあ帰ろっか!」
「そ、そうですね…」
しかし駅に着くと衝撃の事実が判明する。
「う、うそだろ!?」
「終日運休?」
2人で顔を見合わせ、これが現実だってことを確認する。
「「電車止まっている!?」」
僕の報告見てない方は出来れば1度目を通して欲しいです。
書いているうちに思ったのですが、オーナーのキャラ崩壊が始まっているような気がします。タグ追加タグ追加。
それでは皆さま次回でお会いしましょう。