次回軽いあらすじを書きますので、苦手な方は飛ばすことをオススメします!
「やっと来たね。」
F組に来たら、早速1人の女子が話しかけてきた。
「渋谷さん?」
「覚えてくれたんだ〜嬉しい!」
渋谷さんは小学校からの同級生だ。過去に数回同じクラスになったことがあるただ会話をするぐらいで特別仲良しというわけではない。
フツーの女子って感じの雰囲気だが、どこかグループの頂点にたっている感じが苦手で、自分からなるべく避けてきたのだ。
「ちょうど都築くんに話があったんだ〜」
「ごめん後にしてくれないかな。その用事が済んでから聞くよ。」
「ふ〜ん。それで誰に用だっけ?」
「そうそう。鶴見さんっている?」
『鶴見さん』そう口にすると、渋谷さんからホンワカとした空気が消えた。
「なんであんな女の方がいいの?」
聞いたこともない。しかし想像通りの冷たい声が教室に響く。
「どういう意味だ?」
「なんで男みたいな女がいいわけ?都築くんとお似合いなのは、この私だと思うけど?」
正直意味が分からない。気持ち悪くてしょうがないが、彼女は続ける。
「私都築くんのことが好きなんだ。小学生のころから、ずば抜けて運動や勉強ができるわけではないし、特別イケメンではない。けど私は都築くんが好きなんだ。一目惚れって言うと思うの。」
「ひと…目惚れ?」
「失礼だけど、都築くんモテなかったから正直楽だったと思ったんだ。そろそろかなという時に邪魔が入ったけど、それもなんとかなった。」
「それで何が言いたい?」
「私と付き合ってよ。あんなゴリラよりも私の方が魅力的よ?周りもあなたに属する!将来も安定よ!」
確証はないが、今詩船に大変なことが起きているのでは…
渋谷さんの取り巻きらしき人が付き合えムードを出している。けどそんなの俺には関係ない。
「なぁ、はいかいいえを言う前に1つ聞きたいことがある。」
「いいわよ、なに?」
「詩船は今日学校に来ているのか?」
「またあの女?まぁいいわ、あの女は今日学校来てないよ。今日どころかここ最近は来ていない。」
……やっぱり!
「ちょっと教室入るぞ!」
「ちょ、ちょっと!」
詩船の机は知らないが、何も置いていないところがきっとそうだろう。その場所に行ってみると…
「っ!」
落書きされた机とイスがあった。ただの落書きじゃない、直視できないほど酷い言葉がいっぱい埋め尽くされている。
「………出てこい。」
「え?」
「これを書いたやつ出てこいと言ってんだよ!!!」
きっと人生で一番怒鳴ったと思う。もう怒りで制御できないのは自分でもわかる。
「な、なによ!ただの落書きじゃない!」
「やっぱり主犯はてめぇか渋谷!!」
「そ、そんなにキレなくても…」
「やったかやってないかを聞いてんだよ!!」
「そ、そうよ!私がやったわ!けど他も…」
もうこいつの言葉は聞きたくない。
気づいたら奥の壁まで吹っ飛ばされた渋谷さんがいた。
「や、やべー!」
「誰か先生呼んで!!」
あ、そうか。俺殴ったのか今。もうどうでもいいや。とりあえずこのクズどもをボコボコにしたい。
「他にも誰がやったんだ?」
「「「「………」」」」
「出てこいや!!文字を見ればわかるんだよ!」
誰も俺には近づかない。それどころか殴られた渋谷さんですら誰も寄り添ってあげてない、あの取り巻きすら。
「ふーん……じゃあこのクラス全員黒ってことかな?」
「「「「………」」」」
「それなら誰にでもしていいよね!!!」ガンッ!
「おいこいつ机持って暴れ始めたぞ!」
「これは逃げねーと死ぬぞ!」
「逃げんじゃね〜よクズどもがよ!!」ボコッ!
「ゴフッ!」
「まぁどーせあんたの指図だよな渋谷?」
「ヒッ!こ、ない…で!」
「まだ謝罪すらしてないクズは成敗しても問題ないよなぁ?」
「ちょ、ちょっと助けなさいよ誰か!」
「うるせぇくたばれ!!」
「それであんなことしたの?」
「………はい。」
頭が冷えた時はもう大惨事だった。机、イスがあれ放題。本当に自分1人で暴れたのか疑問に思うぐらい。
そして俺が正気に戻ったのは生徒指導の先生に腕を掴まれた時だ。目の前には怯えている渋谷さん。イスで殴りかかろうとしてたらしい。
今は生徒指導室に連行されて事情聴取をされている状況だ。渋谷さんは他の先生の車で病院へ、その他怪我した生徒は保健室で治療を受けている。
「さて君の処遇だが……」
「………あんだけのことをしました。退学の覚悟はできています。」
「そうか。本当なら退学処分だが、特別に停学1週間だ。」
「な、なんで?」
「俺も見ちまったんだよ……あの机をな。」
その後俺の予想通り、渋谷さんを中心としたイジメが数ヶ月前から横行していた。ちょうど初めて渋谷さんに会ったころだった。最初は無視や物を隠す、だんだんエスカレートして遊園地に行った頃から落書きや物を壊されたなど典型的なイジメだった。
「そして肝心の担任もイジメを主観、加担していたんだ。」
「そうですよね。普通は止めますから。」
詩船の不登校は察していたものの、面倒事だから出欠表はサボりにしていたらしい。実際心配して家庭訪問や電話をしたことはないって。
「君はそんな状況を見て感情が爆発してしまった。そうでしょ?」
「はい。」
「あまり褒められることではないが、君が怒ってくれたおかげでイジメが発覚したんだ。」
養護教諭や生徒指導、教頭や校長などは不審に思ってはいたものの、やはり確証がつくことがなかった。だからありがとうって。
「今日はもう帰りなさい。君も心の整理がしたいだろ?」
「そうですね。色々と疲れてしまったので。」
「担任がもうすぐカバンを持ってきてくれるからな。停学は明日から1週間、次の月曜日に登校できる形だから。」
「ありがとうございます。ところでF組はどうなるのでしょう?」
「主犯の渋谷は自習退学か、停学6ヶ月…つまり留年だね。他のものは反省文だ。」
「いえ、詩船です。いくら渋谷さんがいなくなったからといっても怖くて登校できないと思いますので。」
「確かにその通りだな。」
「あの、僕からのお願いいいですか?」
「あ〜暇だな。」
一度家に帰り、着替えて街を散歩している。停学は一応形だけで、自宅謹慎とかの罰はない。
「心の整理といっても、俺はなんとも思ってないんだよね。」
ぶっちゃけスカッとしているし、俺に悪い部分はあるけどF組の連中に謝るつもりは一切ない。あるならイジメに気づけなかった詩船への申し訳なさだ。
これからどうしよっか。
「あれ〜?詩船ちゃんの彼氏さんじゃん!」
イジメはいつになってもなくなりませんね。たまに聞くイジメ関連のニュースに心を痛めます。
僕も過去いじめられたことがあります。あの時は先生方のおかげで和解する形で解決しました。そう考えると僕は幸せだなと思います。
もしそんな状況に陥っている人は、学校から逃げるなりサボるなりしましょう。してもいいですからね?間違っても命を絶とうしたり、暴力沙汰なんてしてはいけませんから。
重くなってすみません。そろそろ高校編が終了すると思います。後半はみんな知ってるあのオーナーにするつもりです。
それでは次回もお楽しみに