「ひさしぶり~、えりち!にこっち!」
なんて少し遅れてきた親友が挨拶をする。
「ちょおっと!この天下のアイドルにこにーを待たせるなんて、いい度胸ね希」
「いやぁ、ごめんごめん、大学長引いてまって」
希もにこも、高校の同級生で共にスクールアイドルをしてきた大事な仲間だ。
私たちは元三年生組として、それぞれの道に進んでも定期的に会って話をしている。大体いつも焼肉だけど。
「しょうがないわよ、希の大学遠いんだから。それより、注文取りましょ」
そういって、にこをなだめながらもお腹空いてたし、話を進める。
にこも本気で怒ってるわけじゃないし、いつものこのテンポ感が心地いい。
だいたいいつものメニューで定番化しつつある流れで始まる同期会。
「んで、最近どうなのよ」
家庭のお父さんみたいなテンションで聞いてくるにこ。
にこは大学へは行かず、アイドルを続ける道を選んだ。そんな彼女は大学というものに関心が強いみたいだ。
「どうって、いつも通りよ」
「え~?えりち、なんか最近雰囲気、変わってない?」
「そうそう、にこもそう思ってたのよ」
変わったこと?大学内で変わったことと言えば、月華と出会ったことかしら。
「そうね、友達ができたわ」
「友達って、あんたね…」
「ふーん、友達ね。ちょっと興味あるなぁ。えりちの言うお友達」
「たしかに、どんな子なのよ?」
「どんな子、かぁ。フランスから来たお人形さんみたいな子よ。無表情にみえて、好きなものの前ではすっごくかわいくて!この間なんてね…」
「わかった!わかったから!急に変なスイッチいれるなぁ!」
どんな子か聞いてきたのは、2人なのに。気づかないうちにヒートアップしてたらしい。
あの子のことを考えてると、ついこの間のことを思い出してしまった。顔がだんだん熱くなってきたわ。
「えりちにそんな友達できたんやねぇ、ていうかなんでそんな顔真っ赤にしてるん?」
「なに?やらしいことでもあんの?」
なぜか照れてしまっている私に変な想像をしたのか、二人はニヤニヤしながら聞いてくる。
「違うわ。ただ、あの子はすごいの、会ってみればわかるのよ…」
少し頭を抱えるふりをしながら二人に言う。容姿については何とでもいえるけど、あれは言葉で表せられるものではない。
「へぇ~、そこまで言うなら会ってみたいかも」
「今度連れてきてみてや」
μ’sで他のメンバーよりもお姉さん組として一緒に活動してきた二人だけど、なんだかあの子に会わせることに抵抗を感じた。
大学でいい友人に巡り合えた、だからと紹介すればいいのだが、なぜか二人には会わせたくないみたいだ。
「うん、まぁ聞いているわ」
多分あの子に聞くことはないと思う。海未は会っているけれど、ほかのメンバーに会うことは避けたい、とこの間のあんじゅさんの件で学習した。
無自覚人たらしの彼女をメンバーに会わせてはいけない、会わせたくないと思うようになってしまった。
閲覧ありがとうございました。
矢澤さんはアイドルを続けていてほしい。東條さんは神学系の学部とか?巫女さんとは??
次回もよろしくお願いします。