激励の言葉も、厳しい意見も受け止めるつもりなので、よろしければ感想、お待ちしております。
モチベになります。
あんじゅからなぜかすごく怒られたこの間のお出かけから、大学でたまに海未と行動することも増えた。
かといって学年自体は違うので、空きコマや食事くらいだろうか。今日は午前の講義をみんなで終えて、学食で一緒に食事をしていた。
「やっと、空きだしたわね」
入学式から新入生であふれていた学食も時間がたてば興味が逸れるようで、以前来たように人であふれている様子はない。逆に、空席が目立っているみたい。
「はじめてきました、私は基本お弁当を持参しているので」
「私もはじめて。前に絵里と来たときは入れなかったから」
「そうねぇ。そういえば海未は私たちと一緒でいいの?」
確かに学年が違う海未は同じ学年の友達といる方がいいのではないかと考える。
「いえ、特に私にそのような友人は…」
「…そう。海未、辛かったらいつでも相談してね?」
私が言うのもなんだが、学年に友達がいないのか。常識人の海未は、交友関係も特に問題のないのではと勝手に思っていた。
「いえ、そうではなくて。大学内で友人がいないわけではなくて。サークルにもはいてますし」
「あぁ、なんとなくわかるわ」
(…?)
絵里と海未は何か通じることがあるのかもしれない。二人はなにか分かり合っている様子だ。
「友達がいるならいいじゃない?たくさんいて損はないのでしょう?私は絵里と海未しか知らないけど」
「そこまで割り切れる貴方はすごいわ」
「月華さんは本当に変わった方ですね」
私は変わっているんだろうか。正直、学部でも絵里がいて、後輩として海未がいる。これだけで十分だと思う。
「私は二人のこと気に入っているわ。一緒にいて心地がいいわ」
本心だ。友達なんて生活していて特に必要だとは思わなかった。でもこの二人は別なの
かもしれない。あとあんじゅも。
「貴方のそういう素直なところが私たちも助かっている面があるんですよ」
「そうね少し大学にいずらかったけれど、それもなくなったし。ありがとう月華」
「お礼を言いたいのは私の方よ。一人でも大丈夫だけど、いろいろ助けてもらったし」
編入手続きのときや、講義の時には絵里にすごく助けられたわ。
海未も最近であったけれど、意外と話が合うようで一緒にいて楽しい。ただ、たまに言う『破廉恥です』はなんだろうか。
「海未。そういえば呼び捨てで呼んでほしいんだけど、だめ?」
そういって私は顔をかしげながら海未をのぞき込む。
「うっ!」
どうしてか胸をおさえて、下を向く。
「…ずるいです。そうせざる負えないじゃないですか」
「どこかで見たことあるわねぇ、この光景。懐かしいわ」
なんて悶える海未を他に、絵里はこちらをみて微笑んでいる。
「ほら、海未。名前呼んでみて」
「…か…」
「ん?もう一回」
「…つきか」
「ごめんなさい。聞こえないわ」
ほんとは聞こえている。海未の反応を見るのが楽しい。
「勘弁してください、月華」
「はぁい」
もう少し、海未で遊んでいたかったけれどかわいそうになっているのでこの辺にしてみる。
「…でたわね、小悪魔月華」
絵里が何か言っているけど、気にしないふりをしてワンコインで買える食事に手をつけた。
◇◆◇
「やっぱりあの3人並ぶと絵になるわぁ」
「μ’sの二人はともかく、あんな子この大学にいたんだ」
「この前、A-RISEの人と会ってるの見たかも」
大学内を歩いているとどこからともなく、声が聞こえてくる。
あんじゅと話してから、二人の高校での活動を詳しく聞いた。それでこの反応なのかと、今さら納得した。
「目立つわね、私たち」
「えぇ、やはり月華のせいでしょうか」
「え、わたしなの?」
「このあいだ、あんじゅさんが来たことで貴方もかなり有名になったわ」
あれは、派手に登場してきたあんじゅが悪い。自分が今を誇る人気のアイドルであることを自覚してほしい。
やっぱり今度文句でも言っておくべきかもしれない。
「その件を抜いても話題にはなってましたよ、絵里も月華も」
「「え?」」
「ずっと一人で行動してた絵里が突然現れた謎の美女を引き連れていては噂にもなります」
「噂って何よ」
「絵里がまた芸能活動を始めるのだとか、月華はどこかの芸能人の娘なんだとか」
「何よその噂、芸能界に入るつもりはないわ」
「いいえ、でも私の場合は合っているわ」
絵里が芸能界に入るかどうかは、私にはわからないが私が芸能人、モデル兼デザイナーの娘であることに変わりはないわ。昔や海外でやっていた活動を誰か知っていたのだろうか。
「え?どういうこと?」
「絵里はともかく、私のことは事実よ。実際にモデルとして活動してた時もあるし」
「えっ!?いつのことよ!見せなさい!」
なぜか妙に食いつきのいい絵里。モデル活動をしている私なんてみても面白いものなんてないのに。
「ないわ」
「うそよ!何て名前で活動してたの?日本?フランス?」
「絵里、そこまでにしてください。少し声が大きすぎます。それに月華も困っているでしょう」
思った以上に食いついてきた絵里に驚いていると、そんな絵里を海未が止めてくれた。
それに周りに目を向けると、たくさんの人が私たちのことを見て何か話していた。
「うそ!!」
「キマシタワー!!」
周りの指摘通り、問い詰めてきた絵里の顔はもう目の前で、あと少し動けば唇が触れそうだ。
「わわっ!」
指摘されてから気づいたのか、絵里は顔を真っ赤にしながらすごい勢いで後ずさった。自分から近づいてきたのに…
「まぁ、話したいことは色々あるでしょうが、私はここで。この後サークルがありますので」
なんて言って、海未はそそくさと去っていった。さすがだ、無駄のない動き…
「…私たちも行きましょう」
「そうね」
すごく挙動不審な絵里は少し焦りながら大学を出ていこうとして、私はそれについていった。
急に綺麗な顔が目の前に迫ってきたことには驚いたが、別に不快感はなかった。絵里は何をそんなに焦っていたのだろう。
◇◇◇
びっくりした。彼女がモデル活動をしていることにも、お母さまが芸能関係者であることにも驚いた。
これだけ綺麗な子を芸能界が放っておくわけがないと思ったが、本当に活動していたなんて。
それも、フランスだなんてファッション界の本場である。そこで活躍する有名なモデルだったのだろうか。
それを知った時は、もっと彼女のことを知りたいという強い衝動に駆られた。
私の知らない顔、仕事をする彼女はどんなものだったのか。外国での彼女は、今の彼女と違ったのだろうか。
私はそれを確認せざるを得なかった。知らなければならないような気がした。
彼女がこの大学に編入し、私と出会ってからも何か物足りないというような顔をする時がある。
彼女が求めるものは何なのか、私は一緒に探したいと思う。μ’sのみんなに出会う前の迷子だった私と同じように。
彼女の隣で一番に彼女の変化を見守りたい、今はそれだけで満足なはずだ。
閲覧ありがとうございました。
私は、書き溜めができないようなので、不定期な更新になると思いますが、どうぞよろしくお願いします。