二次創作内でいちゃいちゃしようと思います。
「…ぅうん…、ん…?」
起き抜けのあまり頭が回らない頭で今の状況を整理してみる。
お腹が空いて、そのあと月華がきて一緒にご飯を食べて、眠くなって。
今わたしは自分の部屋のベットに寝ている。
「……ん、…」
ん?ベットに誰かが運んでくれたのはわかる。
でも、この腕の中にいる温かい生き物はいったい何だろう。
そう思いながらも、少しだけ腕を動かしてみると、
「…んん、…ぅん…」
身体がこちらへと向き直り、顔が確認できた。この顔は何回も見てきた。
「…どういう状況なの??」
今のこの状態がなかなか理解できずにふと声に出してしまった。
ご飯を食べてからの記憶があいまいで、どうして一緒に寝ているのかもわからない。
(それにしても綺麗な顔立ちね…)
すやすやと眠っている月華の顔を近距離で眺める。シングルのベットに二人、かなり距離が近い。
この距離でも、だからこそ、いつもと違ってゆっくりと観察できる。
近距離でも毛穴一つ目立たないきめ細やかな白い肌、筋の通った鼻、ほんのりと色づいた頬に長いまつげ。
どれもこれも女の子ならばあこがれてしまうそれぞれのパーツ。
その完璧な配置に、極めつけは、
(綺麗でぷっくりとした赤い唇…)
腕の中ですやすやと眠る彼女は、その名の通り白雪姫のようだ。
毒を飲まされ永遠の眠りにつくお姫様。
(…だったら、おこすためには…)
童話の通りなら王子様のキスで目覚める。彼女の王子様ではないけれど、そう考えているうちにだんだんと顔が近づいていく。
白雪のような肌に映えた赤い唇。自然と吸い込まれていくように、
「…んん、えりぃ…?」
彼女が目を覚ました。近づいていた顔もすぐに元に戻して腕の中にいるお姫様になんともないようにふるまう。
「おはよう。ごめんなさい、迷惑かけたわね」
「…ううん、大丈夫。絵里こそ具合はどう?」
「ご飯をたべて眠ったおかげかしら、すごく良くなったわ」
「ほんと?」
「…えぇ、本当よ」
彼女は私の腕を枕にしている態勢のために、少し私を見上げるようになっている。
具合なんてとっくによくなっている。そんなことより、寝起きの彼女の方が危うい。
「絵里、腕いたくない?」
「それも大丈夫だから、もう向こうの部屋に…」
具合も腕もどうでもいい、これだけ近くで彼女がいることに自分の心臓が脅かされている気がする。
亜里沙にも見られただろうか。どうして起こしてくれなかったの。
「そうね…はぁああ~…」
私の言葉に同意した彼女が大きなあくびをしながら、こちらを見てくる。なんだろうか。
「絵里、そろそろ手、放してくれる?」
「え?」
指摘された先に目を向けると、腕枕をしている逆の手で彼女の腰をつかんでいることに気付く。
「あぁ!ごめんなさい、暑かったわよね」
さらに自分の体温が上がっていくことが分かる。そんなことを考えながらも、両方の腕を開放して彼女から離れる。
というか離れてもらわないと困る。
「結構寝ちゃったわ、亜里沙どうしてるのかしら」
きっとあの子のことだから、私たちに気をつかって寝かせておいてくれたのだろう。今頃隣の部屋で勉強でもしているだろうか。
私たち、μ’sがいなくなった後もアイドル活動を続けたいと言ったあの子たちだから、何か作業をしているのかもしれない。
「夜も近いし、そろそろ帰らなきゃじゃない?」
「良ければ夜ご飯も作っていくわ、心配だし」
「そう?じゃあお任せしてもいいかしら、もちろん月華もたべていってね」
そういって、私の部屋からリビングの方へ移動するのだった。
◇◇◇
「あれ、もう起きちゃったの?」
絵里の部屋からリビングへ行くと亜里沙がパソコンを見て何かしていた。
「えぇ、おはよう、ごめんなさい途中で寝ちゃって」
「いいよ~、お姉ちゃんはいつも頑張りすぎなくらいなんだから」
そんな姉妹の温かい会話を聞いていると
「それに月華さんも気持ちよさそうだったし…」
いたずらっ子のような笑みを浮かべた亜里沙がこちらに視線を向けてきた。
「捕まってしまったのよ、仕方ないわ」
正直、亜里沙が部屋に入ってきたのが寝ているときで良かった。
絵里は覚えてないかもしれないけど、いろいろ危ういことをされてしまった気がする。
「夕食まで作らせてもらうことになったわ。亜里沙、また手伝ってくれる?」
「ほんと?!お手伝いします!」
すごく意気込んでくれている。ほんとに妹ができたみたいで私まで嬉しくなる。
絵里ももう大丈夫そうだし、結構重めにご飯を作ってもよさそうだ。
「ご飯何がいいかしら」
「ハンバーグ!が食べたいです…」
好きなのかしら、絵里が食べられそうならいいけれど。
「絵里は大丈夫そう?」
「もうすっかりよくなったから、なんでも食べられるわ」
「やったー、じゃあ準備するね」
そういって、お昼のように亜里沙は私の抱き着きながらも夕食づくりの準備をしている。
「そういえば、さっきまでなにをみてたの?」
「ん?あ、お姉ちゃんたちだよ。月華さんはμ’s知らなかったんだよね」
「えぇ、申し訳ないけど。そういったことには疎くて」
「じゃあ、一緒に見ようよ。ご飯ちょっと早いし」
「まって、亜里沙。別に見せなくてもいいじゃない、それも私がいる前で」
「えぇ、特にこの時のお姉ちゃんなんて、特に注目されてて…」
「やめてやめて!なんか恥ずかしいから!」
「恥ずかしがることなんてないよ~!こんなにかっこよくてかわいいのに!」
なんだか姉妹喧嘩(?)が始まってしまったけど、私はそんな二人を他所に流れている映像を見る。
今となりにいる絵里とは全く違った雰囲気の彼女が歌って踊っている。絵里だけじゃない、海未だってその他の子だってみんなパソコンの中、ステージの中で輝いている。
なんとなく、まぶしいなと思う。私にはないもの。そんなものを彼女たちはもっているのだろう。
「月華もそんなに見なくていいから!」
「きゃっ」
突然目を覆われて驚いてしまった。思っていたよりも集中してしまっていたかもしれない。
私がモデルとして活動していた時を彼女たちやあんじゅたち、何が違うのだろう。
フランスでも、その何かを持っている人たちに囲まれて苦しくなって逃げてきたのだ。
「ねぇ、絵里」
「ん?」
「楽しかった?」
「何が?スクールアイドル?」
「えぇ」
疑問を口にせずにはいられなかった。私にはないもの。それが何なのか、どうしたら私もなれるのか。それが知りたい。
「そうね、楽しかったわよ。でもそれだけじゃない」
楽しいだけではないのは知っている。あんじゅの近くで彼女たちを見てきているのだ。
「苦しいことも、辛いこともたくさんあった。けど、やっぱりそれ以上に」
その苦しさや辛さを乗り越えられるもの。
「応援してくれる人がいるから。私たちを求めてくれる人たちがすぐそこにいた。それがあるから続けていられたの」
「亜里沙もお姉ちゃんたちの大ファンだよ、卒業した後もそれは変わらないの」
『期待』『応援』そういった感情を私は活動の中で気にしてきたのだろうか。なんとなく褒められて母の影響で。
誰かのために、そういう気持ちはあったのだろうか。
「もう、昔の話はこの辺にしといて。月華、今日の講義の資料もらえる?」
そうだった。お見舞いもそうだけど、大学のものも届けに来たんだった。
「はい、これ。じゃあ、絵里が勉強している間に、亜里沙と夜ご飯の準備しておくから」
「ありがとう」
そういって、先ほどまで考えていたことなど別に、亜里沙と作業を始めるのだった。
◇◇◇
「じゃあ、明日はまた大学で」
「えぇ、今日もちゃんと温かくして寝るのよ」
ご飯も食べ終わった私たちは、あまり遅くならないうちに家に帰るのだった。
「じゃあね、気を付けてね」
「月華さん、また来てね!」
「今度は亜里沙に会いに来るわ」
もう!なんていって怒っている絵里を他所に、亜里沙に手を振りながら家路につくのだった。
閲覧ありがとうございました。
次から新章突入です、急です、すみません。
ヒロインもどう動いてくるのか…