フミダイ・リサイクル ~ヘンダーソン氏の福音を 二次創作~ 作:舞 麻浦
ヘンダーソンスケール1.5=『PCの意図による全滅』
ただの実地研修でしかなかったはずの監査にて、本当に潜んでいた異端者をツェツィーリアは見つけてしまう。
※『腐れ』異端魔導師:R-TYPEの『腐れPOWアーマー』の『腐れ』と同じニュアンスです。
※2 概ねギャグ時空です。「そうはならんやろ」 「なっとるやろがい!」の精神でご覧ください。
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※ AIさん(DALL・E-3)に出力してもらった挿絵あり
「ようこそいらっしゃいました、我がアトリエへ」
歓迎しますよ。
店主の金髪碧眼の優男は、そう言って尼僧の少女とその護衛、そして老年の人狼僧侶の3名を歓迎した。
どうにか無難に監査をやり過ごしたい異端者 VS. ベテラン元聖堂騎士(+好奇心旺盛お嬢様)、開幕である!
奥の応接室にて店主のマックス何某が、人狼の老神官ラドゥ律師からのインタヴュー(穏当な方)を受けている頃。
尼僧ツェツィーリアは己の好奇心に負けて……げふん、ラドゥ律師とは手分けして店内を見回っていた。*1
ツェツィーリア嬢が抜け出したことに、ベテランのラドゥ律師の相手をすることに集中していたマックス何某は全く気付けなかったようだ。
染料や顔料の入った瓶や、色鮮やかな反物が並べられた店内。
護衛の女騎士メヒティルト女史を連れたツェツィーリアがぐるりと見回す。*2
ツェツィーリアは不思議と研ぎ澄まされた直感に従って、壁に掛けられた絵画──── の形をした端末に向かい合った。
“キノコのお店” の窓口端末だ。絵画の中には、キノコをモチーフにした店員が描かれており、しかもリアルタイムで動いている。
今日はどうやら、テングダケモチーフの店員が店番をしているようである。
『………あの………お客様?』
「遠隔接客の魔導具、でしょうか。でも確か、こういった絵画や魔導具は、秘密の隠し場所と相場が決まっていると習いました。
……ちょっと失礼しますね」
ツェツィーリアがおもむろに額縁を触る。
直感と好奇心の合わせ技の賜物である。
「あの、ツェツィーリア様。そうあちこち触るのはどうかと……」
『あっあっあっ、お、お客様、お触りはご遠慮ください……。あっ!?』
「いえ、この額縁に秘密があるのかと思いまして。あ、ここの窪みに何か……」
『困ります! お客様!! やっ♡ 困ります!! あーっ!! お客様!! あーっ!! あんっ、お客様!! お、おやめになってください!!』
ところどころ艶めかしく悲鳴を上げて額縁を震わせるマイコニドシリーズの店員に構わず、好奇心が爆発したツェツィーリアは、己の直感に従って、探り当てた額縁の幾つかの窪みを素早く押した。*3
それは偶然にも秘密の隠しコマンドに合致し、一時的に購買制限が解除されてしまった。
「あれ、間違ったでしょうか?」
『ガガッ、ピー! お、おきゃ、きゃky、ようこそ、いら、いららっしゃい、ましたたたたたtt』
お付きの護衛騎士メヒティルト女史が天を仰いでいる。これ壊してしまったのでは? 弁償ものでは?
ま、まあそのうち元に戻るはず。たぶん。きっと。おそらく。
「………私、やっちゃいました?」
「お嬢様……」
『お客様、とってもVIP! オデ、なんでも、ウリます! ピーッ!』
冷や汗を流したツェツィーリア嬢は、「ええいままよ」とあとでしこたま頭下げるべきと割り切って、いまは監査実習ということでヒアリングと異端の兆しがないかを探ることにした。
「ええと、何か、私にお勧めのものがあれば……」*4
『ハイおすすめは~~~、こちらっ!』
『失名神祭祀韋編、その解説付き写本でございます』
「ラドゥ律師!! こんなものが!!」
人狼のベテラン審問官であるラドゥ律師から穏やかなインタヴューを受けていたマックス何某のところに、息せき切ってやってきたのは尼僧ツェツィーリア嬢。
「セス。そんなに急ぐとはしたないです、よ……────」
「そうですよ、どうですこちらで一杯お茶でも……────」
窘めるような言葉を口にしつつ応接間の扉の方を見た人狼のラドゥ律師と、店主のマックス何某の動きがびしりと固まる。
視線の先には、ツェツィーリアが掲げた、いかにも邪悪な書物が。
「な、なぜそれを貴女が!?」
「セス! 直ぐに
「きゃっ」
禍々しい邪神の息吹を感じたラドゥ律師が、日々積み重ねた祈りと功徳を捧げ、即座に封印祭祀を実行。
完全ではないものの、無害化を施し、ツェツィーリア嬢の手から叩き落す。
「………ハシシ=ミュンヒハウゼン卿。これなるは如何なる仕儀か。なぜこのような邪悪な書物がここに?」
「あー。わたくし、急用を思い出しました。それに邪気に
適当な言い訳をしつつこの場から転移で逃げようとするマックス何某。
魔導の反応が迸るが、それを逃がすようでは聖堂の異端監査は勤まらない。
「逃がさぬ! しっかりと吐いてもらうぞ! さあ、セスも魔導消去を請願せよ」
「は、はいラドゥ律師!」
「いえいえいえ、そんな恐れ多い。この場は仕切り直してまた後日ということで、どうか……!」*6
逃げ腰のマックス何某。
しかしそこに、夜陰の神の寵愛篤き乙女の祈りが、奇跡を引き起こす!
「逃がしません!」
「ば、バカな!! 転移魔導が掻き消される……! がはっ!?」
その場から逃げようとしたマックス何某の転移魔導が、魔導消去対策魔法ごと掻き消され、その反動で彼は「ドッギャァーーーz____ンッ!!!」と吹き飛ばされた!
次元の狭間を潜り抜けようとしたところを妨害されたため、手足の一、二本が吹き飛んでしまっている。
吹き飛ばされたマックス何某を、人狼ラドゥ律師が素早く取り押さえた。
相手が四肢欠損の重症であろうとお構いなしだ。
「逃げようとするということは、
「ま、待て、話せばわかる!」
「問答無用! 妙なことはするなよ」
「ぐ、ぐぅ……!」
「吹き飛んだ手足が再生しようとしている……まだ肉体再生や身体強化の魔導を纏っておるか……それも引っぺがさなければな。セス、他にも店全体にもまだ仕掛けがあるかもしれない。広域魔導消去で無害化する」
「はい、ラドゥ律師!」
「や、やめろ……! どうなっても知らんぞ!!」*7
夜陰の神の加護により、抵抗力を奪うための魔導消去の奇跡がマックス何某本人と、アトリエ全体を覆う!
その効力は何の因果か最大の効果を発揮し、本来消してはならないものまで消してしまった。
具体的には、マックス何某の体内に巣食う、『冬虫夏草の使徒』の制御抑制をしていた術式まで消し飛ばしてしまったのだ!
同時にマックス何某の内蔵魔導炉の隠蔽術式や管制術式も破綻。
強大な魔力が溢れ出し、
急激に力を取り戻した異教の神の使徒の神威が溢れ出る……!
湿った森のような、腐朽菌の匂いが満ちる。恐ろしき腐敗が解き放たれようとしているのだ。
「ぐぅ、まさか35重の抑制制御術式を消し飛ばし、さらに魔導炉の管制術式まで吹き飛ばすとは……! 冬虫夏草の使徒を、抑えきれない……!!」
「ハシシ=ミュンヒハウゼン卿マックス、まさか先ほどの異端書以上のものをその身の内に飼っていたとは……!!」
「はわわわわ……」
「もはやこれまで……! 貴兄らも直ぐに逃げると良い! じきに帝都は腐海に沈むぞ!!」
──── サ ヨ ナ ラ ! !
マックス何某のその言葉を最後に、彼の身体は真っ白な菌糸の塊となり、それが縦横無尽に膨れ上がり、爆発するように成長した!*8
帝都の貴族街に現れたのは、天を衝くほどの巨体で屹立するキノコ。そしてそこから広がる胞子の汚染。石すら腐らせる、恐るべき腐海の使者である。
その後マックス何某の他の同位体が駆け付けるなどして駆除封じ込めに尽力したため被害は帝都全域には及ばず貴族街の一角が朽ちる程度で済んだため、その功罪相半ばする形でマックス何某は処刑こそは免れたが、流石に無血帝マルティンⅠ世の寵愛篤いと言えども無罪放免とはいかず、聖堂からの追及もあり、彼は帝国の公職からは追放されることと相成った。
これが腐れ異端魔導師マックス・ロタール・フォン・ハシシ=ミュンヒハウゼンの追放に至る顛末である。
セス嬢PL「あっ、クリティカルですね」
GM「……ではベテランの審問官を相手に集中していたマックス何某は、セス嬢が居なくなったことに全く気付けなかったということで」
:目星判定66 クリティカル!
セス嬢PL「あっ、またクリティカルですね。今日はラッキーかもしれません」
GM「連続ですか。大したものですね。セス嬢はキノコの少女が描かれた怪しげな絵画に気づきます。どうやら額縁が気になる様子。クリティカルなので、ついでに適当に触っていると隠しコマンドを偶然に入力してしまったということで」
GM「あーっ、お客様、困りますお客様ァー!!」
マイコニドシリーズちゃん『ガガッ、ピー!!』
セス嬢PL「マイコニドちゃん、こわれちゃった! 大丈夫なんですか?」
GM「マイコニドちゃんは一時的に錯乱してるだけだからすぐに元に戻るよ。じゃあ何が手に入るか2D6で振ってくださいな」(さすがに3連続で6ゾロは出んやろ(慢心))
【戦利品 2D6】
2:「何の成果もっ、得られませんでしたあああ!」
3~5:一般魔導師向けラインナップ(異端の疑い↓)
6~8:落日派魔導師向け、キメラ解体新書(異端の疑い↑)
9~11:虚空の箱庭ベストセラー、『金の髪の冒険』シリーズ
12:異端の書物『失名神祭祀韋編』
セス嬢PC「ダイスロールしま~す。 あっ」 66
GM「6ゾロ、だと……!?」 熱 烈 歓 迎 !!
GM「ま、まだコレクションの一端だと言い訳すれば……」
セス嬢PL「お店のラインナップにあった売り物なのにコレクションと言い張るのは無理でしょ」
GM「ですよね~。まあとりあえず “フレに呼ばれたので抜けますね” っと」
セス嬢PL「じゃあその転移を妨害しますね (*^-^*) 」
GM「マックス何某は魔法チート持ちなので発動は自動成功です」
セス嬢PL「でもこっちがクリったら妨害できますよね? 振るだけ振ってみます」
GM「さすがに4連続で6ゾロは出ないでしょ……」
6 6 デデドン!!
GM「なん、だと……?!」
セス嬢PL「自分で出しておいて何ですけど、これグラ賽じゃないですよね?」
GM「ま、まだです。人狼律師ラドゥの方の妨害判定も振ってもらいます。何せマックスくんは魔法チートですからね、転移魔法の外殻に魔導消去対応用のデコイを被せていたのです。隙を生じぬ二段構え!」
セス嬢PL「振りますね~」
6 6 デデドン!!
GM「 \(^o^)/ 」
GM「はい、『言いくるめ』判定がピンゾロだったGMです。これ詰んだわ。私はただ茶飲み話でセス嬢に金髪の動向をマックス何某経由で伝えたかっただけなのに……!」
セス嬢PL「どうなっても知らんぞ、とか言ってますけど、どうなるんです?」
GM「あー、ほら、マックスくんって、体内に “腐朽の神” の使徒だった『冬虫夏草の使徒』を飼ってるじゃん? あれの抑制を魔導使ってやってるから……」
セス嬢PL「あっ(察し)」
GM「常駐式の魔導まで魔導消去を喰らうと、ネ?」
・魔導消去への抵抗判定 1 1 ファンブル! 魔導消去は最大の効果を発揮した! 常駐魔導が消去された!
・冬虫夏草の使徒の暴走抑制判定 1 1 ファンブル! 冬虫夏草の使徒は暴走した!
・マックス何某の再封印魔導行使判定 自動成功! 冬虫夏草の使徒の再封印に成功!
・広域魔導消去が発動中。魔導消去への抵抗判定 1 1 ファンブル! 魔導消去は最大の効果を発揮した! 再封印が解除された!
(……以下、個別の常駐魔導に対して魔導消去への抵抗判定。残念ながらファンブル! 次々と常駐魔導が消去されてしまう)
GM「コイントスじゃねーんだぞ、1ゾロと6ゾロしか今日出てねーじゃん!」
セス嬢PL「でも “ダイスは” ~?」
GM「“ぜったーい”! ちきしょう、もうどうにでもなれだ!! こうなったら行き着くとこまで行ってやる!」
無血帝マルティンⅠ世「まあ、不幸な事故だったということで。……いうてもまたすぐ功績上げるだろうから、そのときはタイミングを逃さずに逆コースに乗せて復帰させよーっと」
流石に貴族街を腐海に沈めた上に、失名神祭祀韋編の所持・研究・複製がバレると政府系の役職は解かれます。残当! なお当セッションのダイスの出目の平均値は7だったみたいですよ(1ゾロと6ゾロが同じ数だけ出た)。
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◆ダイマ重点!
原作小説9巻下、特典付きの予約が始まってます!
今回の特典は、アグリッピナ女史のアクリル クロック(ランサネ先生描き下ろし)!
時計なんてなんぼあっても良いですからね。皆さん予約しましょう!
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