フミダイ・リサイクル ~ヘンダーソン氏の福音を 二次創作~   作:舞 麻浦

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◆前話
煉瓦とモルタルの代わりに目玉と肉を捏ね上げて冒涜的な要塞を作ればこうなるだろうという『邪視の魔宮』へと突入するマックス何某一行。また一方で、西方辺境マルスハイムが誇る英雄級の冒険者である聖者フィデリオ率いる一行も、同じく『邪視の魔宮』へとやって来たのだった。
なお両チームとも、動機は食道楽なメンバーが魔宮の大目玉を食べたがったせいだったりするのだが、来てみれば思った以上にヤバい案件だったので、異次元からの侵略者を征伐するために本気になったというところ。
(まあしょーもない発端で請けた案件が、実は世界の危機に繋がるシナリオだったというのは、TRPG的にはよくあることですし)


===

※ AIさん(DALL・E-3)に出力してもらった挿絵あり(マス)
 


33/n すりるじゃんきー -4(『外宇宙からの尖兵』 プローブ フロム アウター・スペース)☆AI挿絵あり

 

「流石に奥に進めば進むほどに邪視の力が強まっているね」

 

 それに対抗するために、守りの力を強める必要があるか。

 そう思い、私ことマックス・ロタール・フォン・ハシシ・ミュンヒハウゼン魔導副伯にして隧道方伯は、己の権能(まほうチート)の補助を受けて術式を行使した。

 

 

 邪視対抗術式(なァにみてんだコラァ!?)

 

 

 まるでセメント代わりに肉と目玉を使って捏ね上げたかのような生体要塞型の魔宮の内部。

 異次元の裂け目からのものと思しき悍ましい()()()がする方へと進んで行けば、潰すよりも多くの目玉が通路の壁に床に天井にと次々に現れ、カッと見開いてはその呪いに満ちた視線を投げてくる。

 もはや物理的な圧力すら感じんばかりのその『邪視』の視線は、並の一党であれば即座に屈服し、感染し、魔宮の素材たちと同じ肉と目玉の塊に変じさせられてしまうほどに強力なもの。

 

 (たち)が悪いのは、どうにも奥へ奥へと向かえば向かうほどに、通常の基底現実の法則が通用しなくなっているらしいこと。

 そのため私はルゥルアさん、ターニャ、セバスティアンヌに対して、保護のための対抗術式を付与したというわけだ。

 そうでなければ、心臓の鼓動ひとつとってもままならなくなってしまうだろう。

 

「恐らくは敵の本体が近いのでしょうね。この邪視については、こちらの世界に由来しない異界からのモノのようですし、世界の裂け目でもあるのかしら。

 ………マリヤム姉さんを今からでも呼び出してもらうべきでしょうか」

 

 真珠甲殻の伏蠍人/蠍背人(ギルタブルル)ルゥルアさんが、肩後ろの背から生えたサソリの触肢(ハサミ)をカチ…カチ…カチ…と鳴らす。

 簡素な動作だが、人間で言えば柏手(かしわで)のようなものだ。簡易的なものとはいえ神への祈りの儀式であるため、それを以て奇跡を請願する対価にすることは可能。

 彼女が現在進行形で行使している奇跡は、いわゆる “虫の知らせ”──── 第六感的な直観力の自己強化であり、神託を受ける白子の巫女としてのルゥルアさんの特性を強化するものだ。彼女自身への適合性が高い奇跡であるために、柏手代わりに触肢(ハサミ)を打ち鳴らす程度の代価で、効果時間の延長が叶っているらしい。

 それほどに彼女が蠍の神(※帝国の聖堂によって再定義されたところによる “螫蝎神(せきかつしん)”)に愛されているという証左でもある。

 

 ルゥルアさんの虫の知らせによる予知によれば、この魔宮の最奥には、異界に通じる裂け目がある可能性が高いのだという。

 

 きっとその裂け目から、異界の何か強力な力を持つ化け物がこちらの世界を覗き込んできているのだ。

 裂け目ができたのは偶然で、それに向こう側の化け物が気づいたのもおそらくは偶然なのだろう。

 

 だが、奴は見ている。

 

 こちらの世界を見ている。

 

 

 その視線が。邪視が。

 それこそが、こちらの世界を侵蝕し、法則を書き換え、()の視界に入った大地や空気を、目玉と肉の要塞へと変じさせたのだろう。

 

 なぜ目玉なのか。

 

 それはきっと、その異次元からの視線の主が、こちら側を探るための探針(プローブ)を欲したがゆえに。

 

 もっとよく、こちらの世界を見るために。

 そのために目玉を作った。そうに違いない。

 

 視線ひとつで世界を変える。

 神代には珍しくなかった程度の化け物だろうが、神々の干渉が控えられるようになった今の世では致命的なほどの大物だ。

 

 

 ルゥルアさんのその強化された直観力による “虫の知らせ” がもたらした予知によれば、やはり解決までに相当の困難を要するだろうとのこと。

 そのため伏蠍人/蠍背人(ギルタブルル)の天才戦士たる “雙尾蠍(そうびかつ)” のマリヤム義姉さんの召喚など、戦力の増強を視野に入れ始めたルゥルアさんだが、残念ながらメンバーの再編成をやっている時間はなさそうだ。

 そもそもの呼び寄せの転移魔法自体も、敵の体内ともいえるこの魔宮の中からでは、可能かどうか。可能だとしても相当の労力を要するだろう。

 

 

 

「主殿、奥方殿。周りの雰囲気が変わった。何らかの魔物か……あるいは、魔宮の壁そのものが襲い掛かってくるやもしれん」

 

 近侍護衛である巨蟹鬼(クレープス・オーガ)セバスティアンヌが警告を発した。

 歴戦の巨鬼であった彼女の戦勘は信用できる。

 であれば、何かが来るのだろう。私たちは瞬時に警戒態勢をとった。

 

 

 

 果たしてセバスティアンヌの警告が早いか、私たちの目の前に異形の化け物が現れた。

 

「なっ」

「いつの間に!?」

 

 何の気配もなく、唐突に。

 まるでシーンが切り替わったかのように。

 

 現れたそれは、巨大な浮遊する目玉から幾つもの触手を生やした姿をしていた。

 胴体あるいは頭部であると思われるひときわ大きな大目玉の表面にも、複数の目玉が浮かび上がっている。

 それはあまりに既存の生命の構造から外れていた。しかしそこには一定の秩序もあるようにも感じられ、それが尚更に、この世界のものではない存在であると強く訴えている。

 

 ありうべからざる異次元の法則の体現者に対して、私たちは戦慄と悍ましさを覚え………。

 そして私に限って言えば、非常に強い知的好奇心を掻き立てられていた。なんと不可思議な存在と現象か!

 だがしかし、この魔宮の尖兵であろうと思われる存在は────

 

「こいつはまさかビホルd……いや違うか。うん、何でもない。

 それよりも、実体なのにノイズが走っている……? 妙だな……」

 

 ──── それそのものが不安定であることを示すかのように、はたまた、まるで映像にノイズが入るかのように、存在が揺らいでいるようだった。

 それどころか、瞬間瞬間にまるで掻き消えるかのように認識できなくなるときすらもある。

 

「これは……幻視の一種か……? いや、逆なのか………?」

 

 そこにないものを脳が見るのが幻視であれば、これはおそらくその逆。

 

 脳が認識上に造り上げた妄想の幻像を、現実空間に投影するという因果の逆転。

 想像上で認識できたのであれば、逆説的にそこには現物があるはずだという確信の押し付けによる現実改変!

 

 この魔宮の壁の目玉が情報を送っている先の何者か─── おそらくは魔宮の主である、異次元からの窃視者─── の認識上の妄想幻像が、ホログラムのように空間に投影され、さらに現実化しているのだ。

 

 

「あるいは肉質に邪視を感染させるのと同じように、空間そのものに邪視を感染させたというのか!」

 

 この一帯が既に異界の法則に侵されているがゆえだろう。

 我々の考察が正しければ、壁や床の目玉から投じられるこの邪視は、世界そのものを歪めているのだ。

 

 あるいは私たちの抵抗が頑強で、邪視の対象に取れないならばと、その周囲の空間をまるごと邪視の対象に取るように方針転換をしたのかもしれない。

 何にせよ、奥に行くにしたがってこの魔宮の主の権能はさらに強まっているようだった。

 

「………つまり、敵は無限に幻像から実体を取り出せるようになった、ということでしょうか」

 

「恐らくは。それに相手のリソース切れは期待できなさそうです、こちらは相手の(ねぐら)に向かって進んでいるのですからね」

 

「でも現実化に当たっては何かきっと条件があるはずですわ。今も必ずしも安定していないようですし」

 

 ルゥルアさん、私、ターニャで目の前の現象を分析するあいだにも、巨蟹鬼のセバスティアンヌが巨大目玉の化け物と戦っている。

 とりあえずは戦いは彼女に任せておけば間違いない。

 

「どおおおおおおおおりゃあああッ!!」

 

『〈BBBBIIIIIIIIHHHH!!!〉』

 

 触手を振り回す大目玉の尖兵に対して、セバスティアンヌは突然変異の()()()()のハサミでその触手の鞭全てをさばきながら、あるいは挟んで切断しながら、四本の歩脚を滑らかに動かして接近。

 いくら打ち合っても揺るがない彼女の安定感は、複脚の人類種ならではだ。二本脚には真似できない。

 たとえ相手がセバスティアンヌに匹敵する巨大な目玉の尖兵であっても、この突進を止めることは不可能!

 

 そして接近さえしてしまえば、あとはセバスティアンヌの独壇場だ。

 

『〈BBBIIIII!!!???〉』

 

「ふははははッ、なんだ、随分と柔らかいなあ! 図体だけの木偶の坊か!!」

 

 大目玉はその巨大な眼球をハサミで抉られ、如意鉄棍で打擲(ちょうちゃく)され、さらに背後から回りこもうとした触手もセバスティアンヌの鉞《マサカリ》のような遊泳脚で切り飛ばされと、まったく良いところなしだ。

 それもこれも、要所要所で敵の大目玉の尖兵にノイズが走り、動きが鈍るせいなのだが。

 

 

「……倒せそうだな。ノイズが走る度に動きが鈍っているし、あれも万全ではないのか……?」

 

「ノイズが混ざる条件があるのでしょうか」

 

「………あ、分かったかもしれませんわ、おかあさま」

 

「ほう。ターニャ、聞かせてくれ」

 

「おそらく、ルゥルアねえさまの柏手(かしわで)の際の波動に反応してますの。あとは、今も継続的に焼き払って潰している、構造体上の大中小の目玉のダメージにも連動しているようですわね」

 

 極光の半妖精(アウロラ・アールヴ)のターニャの言う通り、大目玉の尖兵にノイズが走るのは、ルゥルアさんが蠍の神に請願するためにハサミを鳴らすときと、壁や床や天井の目玉が潰れた時のようだ。

 

「壁などの目玉が映写機になっているのかな。だからそれが潰れれば、実体化した幻像も掻き消える、と。恐らくは複数の方向から映写することで、冗長性を確保して幾つか目玉が潰されても平気なようにしつつ、複数の視線を重ね合わせることで幻像の強固さを底上げしているんだろう」

 

「奇跡の請願に反応するのは、この場に満ちる異界の法則を多少なりとも打ち消しているからでしょうか………?」

 

 私たちがそんな風に考察を重ねるうちに、セバスティアンヌと虚像の尖兵の戦いは決着に向かっていた。

 

 

『〈BI BI BI BI ……!〉』

 

「これでっ、トドメだッ!」

 

『〈BBB………────〉』

 

 

 大目玉は潰れ、切り刻まれ、中から漿液をとめどなく溢している。

 そしてセバスティアンヌの大上段からの振り下ろしの如意鉄棍の一撃で、完全に沈黙した。

 

 

 

 邪視だけでなく、このように物理的な干渉力を持った敵が出てくるとなると多少は面倒かもしれない。

 

 だが、この程度の強度であれば問題ないな、と先に歩みを進めようとした、その瞬間。

 

 

 

 ──── ぱちり(B L I N K)、と。

 

 

 

 魔宮内の回廊に見開いた全ての目玉が、同じタイミングで、一斉に()()するように目を(つぶ)った。

 

 映写機たる回廊構造体上の目玉からの視線が遮られ。

 同時に、大目玉の尖兵の死骸が、あたかも最初からそんなもの存在しなかったかのように消滅した。

 

 それは現れた時と全く同じような唐突さだった。

 

 

 

い や な よ か(アイ・ハヴ・ア・バッド・) ん が  す る(フィーリング・アバウト・ディス)

 

「言ってる場合かー! ですわよ、おかあさま!!」

 

 

 次の瞬間、回廊の全ての目玉が、再びその眼を見開いた。

 

 その開眼とまったく同時に、それこそまさしく場面が切り替わるように、あるいは画像データが更新されたかのように────

 

「マックスさん……これは少し、ピンチなのでは………?」

 

「ですねえ。ちょっと悠長にやってる場合じゃなさそうです」

 

 ──── 周囲には、先ほどと全く同じような大目玉の尖兵が、無傷の状態で空中に浮かび、その触手をのたうたせていた。

 そしてそれは、1体だけではなかった。

 行く手の回廊を埋め尽くす、大目玉の群れ、群れ、群れ。

 

「………邪視よりも、物理的な干渉の方がまだしも有効だと学習したようですわね」

 

 最奥にいる異次元からの窃視者は、方針を変更したようだ。

 幻像を実体化できるほどに奥まで引き入れて力を行使しやすくなったことも要因と思われるが、実際に先ほどの尖兵との戦いでは、初めてこの魔宮の中で我々の足を止めるのに成功したのだから、相手としてはそれに味をしめるのも当然か。

 

「ふぅむ。我が武を以てすれば、すべて鏖殺して進むことも出来なくはないが、如何するかね、主殿」

 

 巨蟹鬼セバスティアンヌの言葉は頼もしいが……。

 

「いやいや、やってられないよ流石に。向こうは瞬き一つをコストにするだけで、おそらく無限に尖兵を呼び出せるみたいだし」

 

「しかも死骸も残らぬ夢幻(ゆめまぼろし)のモノともなれば、食いでもないしな」

 

「相手をしたって疲れるだけですね。私の奇跡の請願だって、無限に使えるものではありませんし、体力だってそうです」

 

 向こうの()()一つで仕切り直しになる、大目玉の軍勢との戦闘など、やってられない。

 回復してくるのはやはりクソボス………!

 

 そもそも、この邪視の魔宮に来たのは、セバスティアンヌの食道楽を満たしつつ、ついでに魔宮を攻略しておこうか、という程度がきっかけだったのだ。

 こんな、神代でなければお目にかかれないような異次元からの化け物を相手にするとは思っていなかった。

 ま、まあ? 非常に興味深い相手ではあるからもう少し観察して研究したいし? 帝国貴族としてもこんな厄い魔宮を今更そのまま放置して帰るなんてのは以ての外だが? とはいえ実際問題として、長期戦を見越して突入してきたわけではないのも事実。

 

「何にしてもこんなところで足止め喰らってる場合じゃないんだよね。さっさと最奥まで突っ切って、異次元の裂け目だかからこっちの世界を覗き込んでいるスケベ野郎の眼球に一発ぶちかましてお帰り願うとしよう」

 

 そう意気込むと、私は内蔵魔導炉の出力を上げ、魔導の権能を全開にした。

 異界の法則を押し返すほどの濃密な魔力の奔流が、空間を軋ませる。

 

 極光の半妖精たるターニャも、そのオーロラのような蝶翅を展開して、広域殲滅態勢をとった。

 伏蠍人/蠍背人(ギルタブルル)のルゥルアさんは、殿(しんがり)を務める巨蟹鬼セバスティアンヌの甲羅によじ登り、蠍形態で伏せて神弓(バリスタ)触肢(ハサミ)で支えて尾で引き絞って全周警戒。

 

「それじゃあ最大出力で突っ込もうか。特に次の()()のタイミングが狙い目だ。一瞬とはいえ、邪視だのなんだのの悪影響が全て途切れるし、向こうさんの視界にもこちらの動きは映らなくなる。その隙を突いて進むとしよう」

 

 その()()を誘発するためにも、まずは目の前の尖兵どもを派手に蹴散らすとしようか!

 

 




 
◆そのころの聖者フィデリオ一党
マックス何某たちの戦闘の裏では、聖者フィデリオ一党も同様の事態に遭遇しています。それに対して、例えば鼠人である凄腕斥候の風読みのロタル氏が、邪視の魔宮の肉壁の秘孔を探り当てて突き刺して、周辺の魔宮の壁に一時的に盲目ステータスを与えたりして、幻像が実体化した群れを消して切り抜けたりしているかもしれません。また、強まる邪視への対策には、流石に聖者フィデリオ氏も全体への抵抗上昇の奇跡などを請願してると思います(こちらも柏手ひとつでやってのけるかも)。なお梵鐘砕きのヘンゼル氏は、強まっていく邪視にも素の頑強ステータスで対抗可能と思われ(ほんとに人類か??)。寄食のザイナブ女史は、たぶんフィデリオ氏の指示で触媒などを温存しつつ、邪視から受ける呪いのエナジーを形代にチャージしてるんじゃないでしょうかね。邪視には呪い返しが有効と相場が決まっているので、ここぞというときに札を切るのでしょう。


◆まだミドルにも到達してないぞ
そしてつぎは魔宮最奥の『異次元からの(ゲイザー・フロム・ビヨンド・)窃視者(アナザー・ディメンジョン)』戦ですね。いよいよ聖者フィデリオ一党とも合流し、協力して撃破することになると思います。なお迷宮主との戦いでようやくミドル戦闘な模様。


◆ポイント制??
マックス何某は聖者フィデリオ氏の目の前で無辜の民を虐殺したりとかでやらかさない限りは、フィデリオ氏のライン越えはせず、敵対まではされないと想定しています(※マックス何某は基本的にはカタギには手を出さず、貧民街への支援などを行っているので)。おそらくフィデリオ氏の身上は、手の届く範囲での正義と公正の成就だと思われるためです。まあ、邪悪感知でも使われるとダメっぽい気はしますし、密偵ロタールとしての工作も見咎められるとアウトですが。とはいえ今のところ、聖者フィデリオポインツ、プラマイ ゼロ点。
──── だがフィデリオ氏は許しても、陽導神が許すかな???(マックス何某は電界二十五次元にて『一兆度の火球を閉じ込めた魔導的ダイソン球』(イコール、『にせもののたいよう』)を運用中のため。これは陽導神に限らず、他のどの神話体系であっても太陽神に対する決定的で重篤な挑戦であると捉えられます。つまり、陽導神ポインツ:マイナス百億万点。)


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原作WEB版更新! → https://ncode.syosetu.com/n4811fg/288/
いよいよ弄月の迷宮へのダンジョンアタックですよ! 対人の集団戦も良いけれど、やっぱりダンジョンアタックも良いですね。そしてジークフリート(ディーくん)はホントに命綱やでえ……、精神分析(物理)は頼んだぞ! また、神学に関する作中の知見(世界創造の舞台である虚無の荒野は誰が作った? に対する神学的回答)は大変興味深くまた納得です。これで胸を張って当作の終焉と再始の神(もったいないおばけ)は異教にして異端(しかも論破済みのオワコン)として扱っていけるようになったんだぜ……! まあ、創造神より前に仮定される神、というのは、陽導神・夜陰神の神話体系に限らず、それこそありとあらゆる地域の神話に外挿可能なよくある異端である(それがゆえに仮定すること自体に意味のない詭弁の神である)のと、そもそもの失名神祭祀韋編それ自体も、帝国発祥のものではない(帝国語版は孫翻訳くらい)ので、終焉と再始の神(もったいないおばけ)の出自はふわふわしてるんですよね。それに “失名神” と “終焉と再始の神” と “もったいないおばけ” が同一かどうかも、結局はマックス何某のただの妄想なのかもしれないし……。ああ、いったい何者なんだ、もったいないおばけ……!!

 
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