フミダイ・リサイクル ~ヘンダーソン氏の福音を 二次創作~   作:舞 麻浦

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◆転生者たちのスタンスについて(考察&設定)
エーリヒ君(更待 朔 氏):死んで生まれ変わっても消えない冒険への憧憬。主題(テーマ)はきっと『ヒロイック&ドラマチック』。当作は二次創作ゆえ原作と描写が被るところは省略していますが、彼の内面は原作とそう変わりない想定です(そういや描写してるのは夢の中ではっちゃけてたり、極限状況でアドレナリンドバドバなシーンばっかりなのであまり彼らしさは描けていないかも……)。なお身近にいつ発狂するかわからない魔法チート転生者がいるので、戦力強化に余念がない模様。一方で優秀なヒーラー(マックスくん)が傍に居るおかげで普段の模擬戦から英霊たち相手に欠損上等の死合いを繰り広げており、そのせいでますます常識が壊れつつあったり。他にもマックス君に転移で連れられて賞金が掛かった遠方の魔獣を討伐したりも。加えて西暦世界のネタが通じる悪友ポジ技術者(マックスくん)がいるので、その影響で装備も充実。討伐報酬のかなりの部分がそれらの装備の費用に巻き上げられているらしい。冒険者の稼ぎってのは装備に全ツッパするのが相場だからね、シカタナイネ。
マックス君(蜷シ� ゅ″繧� 氏):生存への執着。好奇心優先。リサイクル推進。主題(テーマ)は『マッド&カルト』。倫理観/zero。未来の教授様、再生卿。立ち位置的には、ロスト済み(SANゼロ)探索者パイセンというか、内政ものでよく居る何でもできる系技術者というか、悪友ポジというか、要はお助けNPCみたいなもんです。一方で、居るだけで便利なやつなので、その反動で自動的に物語の難易度を引き上げる要因でもあります。バランス調整! そしていつでもキャンペーンボスになれる系主人公(出自からしてシナリオボスのリサイクルなのでエネミー適性は極大ではある)。

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◆前話
主力戦車(メインバトルタンク)系武芸者
  VS.
技量極振り装備マシマシ魔法剣士
 ファイッ!!
※そしてコラテラルダメージで散る子蟹たち「「 かにーー!!?? 」」



今回本編はまずは『勝ったなガハハ』してたセス嬢エーリヒCP強火推しオリキャラメイド、イミツァさんじゅうろくさいの視点を挟んで、エーリヒ君視点になります。……あと、切りどころが分からなかったので、文量がちょーっと多くなってます。
 


19/n 地下水路に潜む怪-3(廃地下水路の一騎討ち)

 

「はー、さっぱりしました。因果の糸を手繰って干渉するのは集中力と魔力が必要ですからねー。休憩は大事ですよ、実際。長命種(メトシェラ)でさえも汗をかくくらいに疲れますからねー。さぁて、そろそろお嬢様たちは金髪の下宿前に到着したくらいでしょうかね?」

 

 帝都のエールストライヒ公爵家の別邸にて、長命種な侍女見習いイミツァが風呂から上がってラフな格好で髪の毛を拭きあげながら、遠見の術式で愛しのお嬢様と、未来の同僚(慈愛帝の幕僚)候補たる金髪のあん畜生(エーリヒ何某)を覗いてみると……。

 

「あっれぇ!? いつの間にかお嬢様が網に捕まってて、化け蟹と巨鬼(オーガ)の合いの子みたいなのと金髪が戦ってるぅっ!!?」

 

 なんでぇ!? どうしてぇ?! と叫んだイミツァが、慌てて魔法で因果の糸を手繰って情報を集める。

 

「ええ、と。とりあえず、お嬢様の安全は確保されてるっぽい、ですかね。あの蟹オーガの戦士さんは、お嬢様の出自(公爵家のお姫様ってこと)を知ってるポイですし。ふむふむ、メヒティルトさんのお知り合い……ですか。ああ、キツネとガチョウ(おいかけっこ)のときの航空支援の人なんですか、なるほど……」

 

 ツェツィーリア様に危険はなさそうで何よりです。とほっと胸をなでおろすイミツァ。

 まあ、吸血種(ヴァンピーレ)たるお嬢様の命を、本当の意味で脅かすことは難しいから、そこまで心配してはいなかったのだが……。

 

「問題は、これ、あの金髪がお嬢様を連れてそこから逃げられるかどうか、ですね……」

 

 逃げようにも出入り口だった箇所は、既に最初の蟹オーガのハサミから放たれた砲撃で崩落して塞がっている。

 そもそも、捕まっているお嬢様(+魔導師見習いの黒髪の美少年)を救出するには、周りを埋め尽くす子蟹の隙を突く必要があるが、あれだけの数が居るとそれも難しいだろう。

 となれば蟹オーガが望む通りの一騎討ちに賭けるしかないが、互いの技量が伯仲するにしても、体重が100倍ほど違う敵の蟹オーガに対して、金髪のあん畜生は一体どう戦うつもりなのか。

 

 無事に人質を奪還するだけでは落第点。

 蟹オーガは金髪の住処(ヤサ)を知っているのだから、撃破か魔導契約での口外禁止により、口を塞ぐ必要がある。

 

 しかし金髪の方は、一撃でもかすってしまえばそれで即死か致命傷。

 ギリギリの綱渡りを続けるしかない中で、あの金髪が、不幸な事故に遭う(ファンブルしてしまう)確率はいかばかりか?

 

「いや絶対どっかでやらかすでしょ?! 技量はともかく、そもそも運が悪すぎるんだから、あの金髪は! …………あーもう! 折角お風呂に入ったっていうのにぃ! そりゃ退屈はしませんけどね!?」

 

 地下空間、無遠慮な砲撃、何も起きないはずもなく……。とイミツァは湯上りで湿った髪ごと頭を抱えた。

 未来視の術式であの金髪の悪運のひどさはよーく見知っている。地下でドンパチやって無事に済むわけがない。

 そしてイミツァは思い通りにならない遣る瀬無さと腹立たしさを込めて、濡れた頭をガシガシと布で乱暴に拭くと、致命的な事態を避けるべく因果の糸へと介入をするために、乱れ髪もそのままに不思議な踊り(らんすうちょうせい)の魔法を再び準備し始めた。

 

 遠隔地に対して、しかも運命強度の高い相手の因果に介入するのは非常に困難だ。

 それは長命種(メトシェラ)の高い演算能力を以てしても。

 

 しかも、上位存在から直々に “汝が為したいように為すがいい” と、()()()()()()()()()すら貰っているあの金髪に対して、その因果に介入して何かを強制することは、基底現実の枠を未だに超越しない身ではほぼ不可能。

 幾つもの迂遠な介入を挟んで、か細い因果を手繰って、本人ではなく周辺にアプローチしてようやく……というところ。

 

 だがここで踏ん張れば将来あの拗らせ主従の甘重(あまおも)いやり取りを間近で見られるようになるはずなのだ。

 

「そういうの大好物なんですよね! だからここが正念場です!」と気合を入れて、イミツァは最低でも “不幸な事故(ファンブル)” を抑止しようと因果介入の術式を発動させた。

 

 

 

§

 

 

 

 完全武装した私は、蟹の下半身を持つ巨鬼の美女と、崩落しかけの廃地下水路で相対していた。

 やや上の方を見れば、それぞれ網に捕まって吊るされたミカとツェツィーリア嬢の姿がある。

 周囲の壁や天井は、中型犬から大型犬ほどの大きさの大蟹の軍勢に埋め尽くされている。

 

 逃げ道となる、他の水路への出入り口は、先ほどの砲撃で崩落させられた。

 

 敵である蟹と巨鬼のキメラが口を開く。

 

「表沙汰に出来ぬ、名誉無き戦いなれど、約定は守ろう。もう一度言う。ここで退けばご友人だけは返そう。だが……それを押してなお戦うというのであれば、我が首を落とす覚悟で向かって来るが良い! ()()()の勝負だ!」

 

 大音声が空間を震わせる。

 地下空間上部を覆う、砕けかけの煉瓦から土埃が落ちてくるほどだ。

 

 しかし、約定。

 すなわち、勝者の権利、か。

 条件を押し付けられるばかりは旨くない。

 

 私は、体重差100倍のハンデを押し付けられている腹いせと、その肉体的スペックのあまりのアンフェアさに付け込んだ打算で、さらに条件を吊り上げることにした。

 そもそもこんなもの、レイドボスに単騎特攻するような無理無茶無謀だ。

 こちらが圧倒的に不利なのだから、褒賞はそのぶん厚くしてもらわねば割に合わない。

 

「ならばそちらこそ約定していただきたい。私が勝ったあかつきには、二人を返してもらうし、誰にも私たちのことを口外しないと!」

「よかろう! そちらが勝てば二人とも返すし、我が主君やそこの彼女の家中の者にも口を(つぐ)もう!」

 

 即答。

 ということは相手もこの条件は予期していたか。

 

 

 少なくとも、相手は私の顔も住所も知っている。

 ツェツィーリア嬢と、いま相対している巨蟹鬼の彼女の主人であるマックスに、どのような繋がりがあるのか正確なところは分からないが── 大人(おとな)()な妙齢の御令嬢が家出する理由など劇作では相場が決まっている── ツェツィーリア嬢を追手から逃がすには、巨蟹鬼の彼女に対する口止めは必要だ。

 

 そして、巨鬼でもある彼女の口を噤ませる手段として確実なのは、約定を結んだ上で、一騎討ちで打倒することに他ならない。

 決闘の上での約束は、巨鬼にとっては何より神聖なものだからだ。

 

 本来はツェツィーリア嬢が網で捕まえられて連れ去られた時点で詰みだった。

 巨蟹鬼の彼女は、私が追い付く前に、網で簀巻きにしたツェツィーリア嬢を引き上げてしまえばそれでよかったはずだから。

 

 だが、何とも都合がいいことに、向こうは一騎討ちを所望してくれている。

 これはツェツィーリア嬢を取り返すまたとない千載一遇の機会にほかならない。

 何故か巨蟹鬼の彼女は、味方に私やツェツィーリア嬢のことを知らせずに、独断専行してここにいるらしいからな。

 

 なればこそ倒して勝つ。

 この失態をリカバリーするためには、単に隙を見てミカとツェツィーリア嬢を奪還して逃げ出すのみならず、勝って約定を守らせて口止めする必要がある。

 そこにしか道はない。

 

「確かに約定しましたよ! 蟹の巨鬼!」

「応とも、戦士に二言はない! だが、それも──── 貴公が勝てばの話だ!!」

「承知の上!」

 

 私は空の両手を大上段に構える。虚空で柄を握るようにして。

 そして呼ぶ、忌まわしきあの魔剣を。

 

「──── 来い!!」

『■■■■■────!!!』

 

 歓喜に狂った思念が叩きつけられ、肉鞘に納められていた魔剣…… “渇望の剣” が、頭上に構えた私の掌中に転移して現れる。

 そして私は手の中に現れたそれを握り、瞬時に、裂帛の気合とともに振り下ろす!

 

 これぞ距離を斬る我が奥義────

 

「『次元斬』!!」

 

 ────『次元斬・首狩り(ヴォーパルストライク)』。

 視線の先、敵の巨大な上半身の首筋から、パッと青い血が飛び散った。

 

 

 

 

 

「良い。良い一撃である……!!」

 

 

 

 ──── 硬い……!!?

 

 距離を超えた際に斬撃の方向を振り下ろしから横薙ぎに変換し、巨蟹鬼の彼女の頸を襲った我が斬撃奥義は、しかしその頸を切断するには至らず。

 ちなみに頸を狙ったのは、もっとも狙いやすい急所であったことと、仮に頸が飛んでも殺せるとは欠片も思わなかったからだ。

 どうせ彼女の主(マックス何某)の助力で死にはすまいと、たかをくくっていたともいう。

 

 とはいえ、まさか両断すらもできずに耐えられるとは!

 渇望の剣による『次元斬・首狩り(ヴォーパルストライク)』は、巨蟹鬼の彼女の頸の半ばまでは切り込んだが、強靭な筋肉と腱と頸骨に阻まれてしまい、致命傷にはならなかった。

 頸骨の継ぎ目を狙ったが、ずらされた……! 頸骨で止められてしまった!

 

 せめても、と、再生阻害の <とけないこおり> の魔術でその傷口を覆おうとするが、それよりも傷口が再生するほうが早かった。

 なんという再生速度! 致命傷が致命傷にならない!

 最大改造(フルチューン)の魔導生物となったためか、あるいは彼女の主である魔法チート転生者からの潤沢すぎる魔力供給ゆえか、彼女の肉体賦活の生得魔法は、過去に街道脇の廃館で戦った堕ちたる巨鬼の戦士とは比べ物にならない!!

 

 いや、それ以前に……!

 

「ふむ。貴公の業でも、強化された頸の骨を切り果たすには至らぬか……。ふっ、悪いな、我が主はいくつもの海洋鉱山を運用しているがゆえ、我が身に取り込む魔導合金には事欠かぬ。もはや我が骨すべてが神銀(ミスタリレ)製と心得よ!!」

 

 切った感触がそれにしたって硬すぎると思えば、全身の骨が神銀製だって──!?

 潤沢な資源にものを言わせて、栄養改善をした結果だとでもいうつもりなのか。

 それに強化されたのは骨だけにはとどまるまい。巨蟹鬼の彼女は、その身体の中までぎっしりと、神銀をはじめとした強靭な魔導合金交じりの組織で満たされているはずだ。

 

 となれば当然その甲殻だって同じだろう。

 きっと骨と同じく、甲殻も総神銀(ミスタリレ)製になっているに違いない。

 

 全身に神銀(ミスタリレ)製の装甲を張り付けた超重量級の巨鬼の快速戦士なんて、そんな浪漫あふれる存在は、近衛にだっていないだろうよ!

 

 とはいえ、肉を断つこと自体はできたのだ。

 まったく攻撃が通じないわけではない。

 関節の継ぎ目を狙って攻撃するよりほかに有効な手段も少ない。

 

「そんな遠くに居ていいのか? ──── こちらは射程内だが、そちらは違うのではないか?」

 

 二対四本の鉗脚(ハサミ)が、ぴたりとブレなく私を照準した。

 そのハサミの根元から切っ先に向けて紫電が走る。

 ハサミの根本に補給された弾体が紫電と共に加速した。

 

投射(プロィェクティオン)!!」

「くっ!?」

 

 衝撃波。飛来する弾体。砕ける壁、煉瓦、子蟹。

 それが連続する。私は狙いを絞らせないように、相手を中心に旋回するように駆ける。

 ここは最早、死地であった。

 

 

 

「そらそらそらそら! 離れていては(らち)が開かぬぞ!」

 

 戦車かその砲塔のように、その場で旋回しながらこちらに砲弾を放つ── レールガン? コイルガン? とにかく恐らく精霊動力の電磁投射砲だ── 巨蟹鬼の彼女は、的確にこちらの進路を限定してくる。

 逃げ道を塞ぎ、後退は許さず、前に出るしかないように。

 

 今もまた、私の後方に着弾した攻撃が、構造材の煉瓦を砕いた。

 そして現在進行形で推定6ポンドの砲弾(弾道的に恐らく椎の実型)が、音速でこちらに迫る。

 巨蟹鬼の彼女の4つのハサミの根元には、虚空から生えたチューブが伸びており、そこから砲弾が供給され、一瞬紫電が走って加速。投射。その工程が繰り返される。

 

 普通に攻城兵器なんだよなあ……! 人に向けて撃っていいものじゃないぞ!

 まともに当たればヒト種(メンシュ)程度では原型は残るまいし、かすっただけで致命傷ものだ。

 

 こちとらか弱い定命(かみそうこう)なんだから手加減してくれませんかねえ!?

 いや、砲弾を放ちながら空中機動して突っ込んでこないだけ有情なのか?

 巨鬼(オーガ)の持つ戦闘センスからすれば、行進間(こうしんかん)射撃というか飛行間射撃くらいワケないだろうし、逆説、向こうとしても()撃戦── もはや射撃戦というレベルではない── で決着をつけるつもりはないということだろう。

 

 ちなみに現在、私は何とか生き残っている。

 どうやってこの地獄のような砲弾の雨の中を生き残っているかというと、まあ、魔法剣士としての技量によって、と言っておこう。

 やっててよかった、英霊召喚の魔本を使った日々の修行。身体欠損(全部マックスに治してもらっているが)を積み重ねて熟練度を稼いだ甲斐があったというものだ。*1

 

「おっと、また鉗脚(ハサミ)ごと逸らされたか! 我が腕力に拮抗できるとは、如何(いか)な魔法か!」

「ただの手品です、よっ!」

 

 種明かしをすれば何ということはない。

 アドオンを載せまくって魔力を注ぎ込みまくった <見えざる手> の術式が、巨蟹鬼の彼女の身体の要所を掴んで動きを阻害しているのだ。

 熟練度を注ぎ込むことで、<見えざる手> の本数とそれを操る並列思考の数も、一本一本の <手> が発揮するパワーも、その掌の大きさも、飛躍的に成長させてきた。それこそ巨鬼(オーガ)相手に押さえ込めるほどに。

 もちろん今のように最大出力(フルパワー)で敵を押さえつけ続けるのは魔力効率が悪いが、それも自動回復特性が付与された鎧を着こんでいれば、適切に息継ぎをするように、フルパワーの発揮どころを見極めれば問題ない。割合回復は正義! <魔力貯蔵量> にも熟練度を注ぎ込んでその最大値を伸ばした甲斐があるというもの。

 

 今の私が操れる最大数である、12本の <見えざる手> のうち、6本を行動阻害に回し、残り6本で剣群を(けしか)ける。

 

 年の瀬には最大8本までしか <見えざる手> を練れなかったが、今は12本。しかも本数を増やすほどに次の <手> を追加するのに必要な熟練度(コスト)が上がることを考えれば、いかに私が修羅の日々を送ってきたのか想像がつくだろうか。

 “英霊召喚の魔本” に折りたたまれた魔宮の中では時間の流れが狂うことをいいことに、あの畜生先輩冒険者(アンドレアス氏)は濃密な── 濃密すぎる── 訓練という名のナニカを私に課してきやがるのだ。

 そもそも優秀なヒーラー(マックス何某)が居るからと言って、無茶をさせすぎなのだ。ヒーラーが居ない時までこの感覚で死線に近づきすぎる癖がつかないか、我ながら心配になるほどに。

 

 だがまあ、 “射程:視界選択” で行動阻害を仕掛けつつ、剣を飛ばして攻撃もできるのは便利だ。何度も死にそうな目にあった甲斐がある、というものだろう。

 遠目で視認しただけで <見えざる手> の射程に入るため、騎兵程度であれば視界に入った瞬間に、追加魔力により巨鬼(オーガ)並みの剛腕を発揮するアドオンの作用により騎馬ごと投げ飛ばすことさえも可能だろう。

 

 もっとも、<見えざる手> は初歩の術式に過ぎないため、魔導的な妨害には比較的弱いという弱点も存在するが。

 

 まあそれもこの場では問題にならないだろう。

 巨蟹鬼の彼女は魔導の使い手ではないのだから。

 その彼女みたいな規格外でなければ、魔導を使えない相手なら封殺できるはずなんだけどなあ?

 

 しかし足を止めて打ち合ってくれている間は、相手は良い的だ。

 本来彼女は、機動戦が本領のはず。

 そうやって舐めプしているうちは、この <見えざる手> による拘束から逃がすつもりはない!

 

 

 先んじて砲弾の嵐を掻い潜った遊剣の群れが、巨蟹鬼の彼女に殺到する。

 いずれも野盗どもから分捕った名剣をベースにして、マックスの手で魔法付与(エンチャント)された業物だ。

 

 数的有利は勝利への鍵。

 “囲んで棒で叩く” のは、石器の時代から変わらぬ人類の英知だ!

 

「よくぞ砲の嵐を搔い潜り、私に届かせた! だが甘い! もっと死線に踏み込まねば我が身には届かぬぞ!」

 

 私の剣群を、4つの鉗脚(ハサミ)が薙ぎ払う。

 いや、薙ぎ払うだけではない。

 4つのハサミそれぞれが遊剣をひとつずつ挟み込み、また、残り2本の剣は上下の鉗脚の甲を白刃取りのように打ち合わせて── 破砕。あー! そこそこ費用をつぎ込んだのに! でも送り狼(シュッツヴォルフ)で攻撃してなくてよかった! 危うく愛剣も砕かれるところだった。

 

 砕かれた剣の刃の部分は単分子の厚さの物理障壁で覆っていたが、腹の部分までは覆えていなかった。

 敵の神銀(ミスタリレ)の鉗脚に掛かれば、砕かれるのも止む無し、か。

 しかし、阻害用の <見えざる手> によって妨害されてなおその精度で攻撃ができるのか……。やはり基礎スペックが違いすぎる。

 

 それでも砕かれた剣たちは仕事をした。

 ギリギリで給弾機構を破壊することに成功したのだ!

 流石に後付けの機構まで神銀(ミスタリレ)製ではなかったらしい。

 

 そしてこちらには、まだ剣は沢山ある。

 それに迎撃に鉗脚(ハサミ)を使わせたから砲撃は止んでいる。

 給弾機構も破壊したから次の砲撃も来ない。

 

 近づくなら今しかない。

 あの大質量が動き出したら、今度こそ手が付けられない。敵の足が止まっている今のうちに肉薄する!

 私は走りながら、肉鞘アンドレアス氏の魔法で影からさらに魔剣を取り出して、再び <見えざる手> に持たせ、それを牽制に振るわせる。

 

 敵の鉗脚が再びこちらに向く。

 巨蟹鬼の彼女のハサミに紫電が走る。投射準備。

 だが、もう弾はないはず……。

 

 いや、加速できるものはある。苦し紛れか、それとも彼女も主人に似て、リサイクルに熱心なのか。

 弾体の代わりに、そこには砕かれた私の属性魔剣の残骸が、電磁気に捕らえられて浮かんでいた。

 

 4つのハサミの間にひとつずつ。

 そして上下の鉗脚の間に左右ひとつずつ。

 合計6つの疑似砲身。

 

 それぞれの場所で砕かれた属性魔剣の残骸を、電磁加速。

 

投射(プロィェクティオン)!」

 

 だが、瞬時に魔力を注ぎ込んで強化した私の <見えざる手> が、敵の鉗脚(ハサミ)をずらす。

 

 <雷光反射>。瞬間、出力を増強した <手> が、電磁加速の疑似砲身を弾いて向きを変えた。

 

 残骸の軌道は見えている。

 そして当然、それが当たらない軌道も。

 床を走りながら、最小限の動きで躱す。

 

「ほう……やるな、魔法剣士」

 

 至近距離に到達。

 見上げるほどの巨体。

 

 足元は死角か?

 

 否。

 

 甲羅の下まで柄が伸びる蟹の複眼と、目が合った。

 見られている。

 

 そもそも蟹の下半身は装甲が厚すぎる。

 やるならば上半身。

 

 

 相手を押さえるのに使っていた <見えざる手> を引き戻す。

 それを自分の機動の補助に使う。

 

 自らの身体を <手> で水平に投げ、脚の間を通過。背後に出る。

 さらにそこから <手> を踏んで飛び上が──

 

「見えているぞッ! ()()()()いるぞッ!」

 

 ゲッ、背後も知覚範囲か!?

 後ろ脚の、斧のような、あるいはオールのような鰭脚が横薙ぎに振るわれる。

 

 慌てて渇望の剣を振るい、鰭脚の振り回しを受ける。

 自らの足を浮かせたまま、受けた場所を軸にして、鰭脚の攻撃を飛び越えるように、身体を地面と平行に。

 そのまま鰭脚が己の下を通過するのに合わせて、風車のように一回転。

 

 威力を完全に透かすことに成功する。

 

 驚愕、あるいは驚喜する相手の雰囲気を感じるが、感情の動き、それすなわち、隙あり、ということだ。

 

 己の影から、<閃光と轟音> の術式の触媒を投射。

 相手にのみ影響するよう指向性が組み込まれたその術は、まともに決まれば硬直させられるはずだが……。

 

「対策済みだ! ……くっ……!」

 

 むぅ、やはり対閃光防御は備えていたか!

 おそらくは私が着けている魔導サークレットの完成品でも支給されていたのだろう。

 視界を奪うのは失敗した。

 

 だがそれでも、相手の動きは精彩を欠いた。轟音の方までは完全には防御できなかったと見える。*2

 

 

 狙うのは心臓、あるいはその隣の魔石。

 同時に頸。

 そして眼。

 とにかく急所を同時攻略だ。

 

 殺してしまうかもしれない、という心配は無用だろう。

 殺す気で掛からなければ、攻撃を通すことすら覚束ない。それほどの相手なのだから。

 

 相手の背、つまり甲羅の上でもあるそこへと回るように <手> で空中機動。

 

 己の手に持つ渇望の剣を肋骨の隙間を通すように平らに構える。

 多重起動した <手> に持たせる属性魔剣の類もそれぞれ相手の身体に沿うように体表を斬りつけながら走らせ、その勢いのままあわよくば急所を狙わせる。刃は通らずとも、気を散らせれば儲けもの。

 

 <手> を踏み砕かんばかりに力強く蹴り、空中で踏み込みを行う。

 渇望の剣を腰溜めにして、己そのものを弾丸にするように── わかりやすく言えば、ドスを構えたヤクザのスタイルで── 相手の背後から急襲。

 

 だが、ヌンチャクでもないのに相手の上半身に巻き付くように放たれた、大渦のような、長い鉄棍の一撃によって、それも大きく弾かれてしまった。

 <手> が振るう属性魔剣の方も、連続で嵐か渦のように振り回された鉄棍に弾き飛ばされた。しかもその属性魔剣のうちの幾つかが、途中で伸びてきた鉗脚に挟まれ、また破砕。

 

 狙った急所には届かなかったが辛うじて肌に届いた属性魔剣もあった。しかしそれも、傷の一つすらつけられていない。遊剣の中に混ざっている再生阻害系の属性魔剣もそもそも傷をつけられないことには意味がないぞ!

 まったく、どんだけ強力な賦活魔法を身体に巡らせているんだ……! それに加えて、化勁が上手い。いなされている。

 

「ッ! 硬い、通らない……!」

「フッ、刃筋をずらしてやれば何ほどのこともなし!」

 

 これまで効いたのは私が直接握った渇望の剣による斬撃だけ。それももう回復されてしまっている。

 おそらくは先ほどの <閃光と轟音> の術による相手の脚の痺れももうすぐ解けるだろう。

 何たる理不尽の権化か!

 

 対して、私は鉄棍で弾かれた反動で、後ろに大きく飛ばされていた。

 このままでは壁に叩きつけられるので、<見えざる手> をクッション代わりに展開して何段階かで減速。

 飛ばされた先の壁── というかその上に犇めく子蟹の上に着地。私のダメージは無し(子蟹の方は知らん)。弾かれたときに手が痺れたが、それは煮革鎧の自動回復特性により治癒済み。

 

 

 距離が開いたため、仕切り直しか。そう思っていたら、相手の姿がない。

 さっきまでこの空間の中央に居たはずなのだが……!?

 

 

 

 同時に、視界の端で、この戦闘中も <多重併存思考> のうちの一つで気に留めていたミカとツェツィーリア嬢の方で動きがあったのを知覚する。

 

 ツェツィーリア嬢が、網を引きちぎろうとして力を入れている。

 ……いや無理でしょ。

 婦女子の細腕どころか、普通は大の大人や魔獣でも千切れないようなものだろうに。

 と思ったら網が破れた?! まじか。

 まあ、即座に空中を泳いできた子蟹に捕まえられてたが。

 

 ミカはミカで、焦点具に魔力を通しているようだ。

 魔導師から焦点具を取り上げないなど愚策だが、やはり巨蟹鬼の彼女は本気で捕縛し続ける気は無かったのだろう。

 そんなミカが、魔力を練りつつも、私に向けて何かを伝えようと、必死に上を指差している。

 

 

 戦闘中の高速思考の中では、敵手以外の音の処理順位を下げていたせいで、友の言葉は私の脳内で瞬時に明瞭な意味を為さなかった。

 だが、ミカの必死の形相から、何かを伝えたいことは分かった。

 

 …………上?

 

 私が視線を上げれば、そこには、空中をこちらに向かって一直線に()()()くる巨体の姿があった。

 先ほどまでとは真逆。

 動きの止まった私に、躍動する巨蟹鬼の彼女が向かってくる。

 

 放物線軌道ではない。

 予測不可能な、基底現実の重力法則から逸脱した軌道と、そして加速。

 

 確実なのは、いま、ここから逃げねば、私は死ぬだろうということだけ。

 

 だが、逆説。

 相手の威力を逆用すれば……完璧なカウンターを決めれば、撃破も可能なのではないか。

 死中にこそ活あり、だ。

 

 

 斬り結ぶ 太刀の下こそ 地獄なれ。一足ふみこめ そこは極楽。

 

 

 己にそう言い聞かせ、<見えざる手> を12本全て自身の機動に注力。

 それぞれを自身を投げ飛ばすカタパルトにし、あるいは方向転換する足場にしつつ、迫り来る敵にひたすら驀進する。

 

 真正面。

 怒涛のようにハサミのラッシュが襲い掛かってくる。

 一本一本ですら私よりも重いだろう、その一つ一つを、紙一重で躱していく。

 

 躱しざまに蟹部分の関節に刃を差し込もうとするが、深く刺しすぎて剣を絡め捕られては本末転倒なので深追いはできず、超高速での戦闘であることもあり、ほとんど傷をつけられない。

 神銀製の甲殻を使って、達人の技量で受けられると、刃筋がいなされるというのもある。

 相手も、まったく怯みすらしない。

 

 

 それは、介者剣術(重装甲)素肌剣術(軽装甲)の違いでもある。

 基本的に、避けて(=間合いを変えて)攻撃する素肌剣術に比べ、避けずに(=間合いを変えずに)攻撃する介者剣術の方が、戦場では手が早い場合が多い。

 もちろん私は、躱しつつ攻撃する、というワンアクションで納められるように技量を高めてはいるが、至近距離での打ち合いでは極まった重装甲の方に、攻撃の回転数では軍配が上がる場合があるだろう。

 この巨蟹鬼の彼女のレベルの重装甲になれば、もはや敵の攻撃を意に介す必要すらなく、ひたすらに自分の攻撃を押し付けることすらも可能だ。

 

 そのうえ機動力による衝撃力もある。

 質量はパワーだ。

 ヒット&アウェイに徹されると、勝ち目が遠のく。

 

 故に肉薄するという、積極策。

 

 しかし上半身への接触は警戒されている。

 変幻自在に操られる鉄棍が行く手を阻む。

 

 リスクが大きい。隙が無い! そう簡単にカウンターは取らせてくれないか。

 仕方なしに軌道変更。まあいい、次の機会も直ぐに来るはずだ。

 ひとまずハサミを掻い潜り、腹甲側へと抜けることにする。

 

 

 ──── そこで微かに吸い込まれるような空気の動きを感じた。

 

 

 そういえば、この巨蟹鬼の身体は、どこで呼吸しているんだ?

 おそらく、上半身側に肺か何かがあっても容積が足りない。

 となれば、メインは蟹の下半身の方か!

 

 高速思考する己の知覚が、巨蟹鬼の息吹の出所を即座に見つけ出す。

 やはり甲羅の中に鰓があるのだ!

 

 

 戦車を相手にするなら、履帯か、エンジンの吸排気孔など開口部を狙うべき。

 そんなセオリーを思い出しつつ、私は瞬間的に放出できる最大の魔力で、<とけないこおり> の術式を走らせた。

 標的は当然、巨蟹鬼の鰓そのものだ。

 

 

「凍れ!!」

 

 

 この手ごたえは……! (とお)ったな!

 おそらくは、両方の鰓を丸ごと常温の氷で凍らせることができたはずだ。

 あの巨体、無酸素で動けるのはそう長い時間ではあるまい。

 

 空中ですれ違い、私は廃水路の天井側に、天地を逆さまに着地。<手> で天井のすぐ下に力場の足場を作り、半回転して正立するように立つ。

 逆に巨蟹鬼の彼女は、轟音と共に床の側に着地。

 

 見れば、その顔の色はどんどんと薄くなっている。*3

 体の中の酸素を急速に使い果たしているのだ。

 

 やはりあの巨体を支えるには、相当量の酸素が必要だったのだろう。

 そのための酸素を供給していた鰓が両方とも <とけないこおり> で塞がってしまっては……。

 

 ついに巨蟹鬼が立っていられずに崩れ落ちる。

 

「くっ、これは……。なるほど、鰓をやられたか……」

 

 声帯を振るわせるための器官は別にあるのだろう。

 酸欠にあえぎつつも、巨蟹鬼の声は明瞭だった。

 

「これは、負け、だな。だが、ここで潰える訳にもいかぬ、今後も主に仕えるのもまた、約定であるゆえ。……仕方あるまい……管制へ支援要請、だ」

 

 私が術式を解除すべきか、と逡巡する間に、ぞっとする雰囲気をした空間の裂け目が走った。

 あれは、彼女の主の本拠地へ通じる道だろうか。

 

 

 抗魔導個体緊急生産術式(マジックキャンセル・キャンサー)

 

 

 どこか()()()な術式*4が空間の裂け目から巨蟹鬼へ走ると、彼女の腹甲が開いて、その中から複雑な紋様に包まれた子蟹が這い出てきた。

 そしてその子蟹の甲羅の表面の紋様が軽く光ると、私の <とけないこおり> の術式へと激しく干渉し始めた。

 ……まさか、抗魔導に特化した個体を今この場で産み落としたのか?

 

 

 やがて間もなく <とけないこおり> の術式が、抗魔導子蟹の力で完全に解除されてしまう。

 それと同時に、巨蟹鬼の呼吸も回復した。

 

 私はそれを邪魔しなかった。

 ……すでに彼女に戦意は無いようだったからだ。

 

「── よき試合であった。一騎討ちのつもりが、コレを使わされてはルール違反か……。── 我の負けだ。約定は守ろう」

 

 そう言うと、巨蟹鬼の彼女は、そこらじゅうを埋め尽くす子蟹たちに、囚われの二人を下ろすように指示をした。

 

*1
エーリヒ君の日々の修行:冒険者の先達である肉鞘アンドレアス氏の監修のもとで、魔本から召喚される幻影体と死闘を演じること数え切れず。場合によっては魔本に封じられた迷宮(アイテム界)に潜って戦うことも。鬼コーチたるアンドレアス氏の見極めにより、ギリギリ格上あたりの相手を毎回あてがわれており、重傷程度は日常茶飯事。<再生の奇跡> の習熟度を上げたいマックス君とも需要と供給が嚙み合っており、修行はエスカレートするばかりである。そしてそれをたびたび見学していたセバスティアンヌ女史は戦闘欲求が溜まっていっていたのだ。

*2
巨蟹鬼の轟音対策:魔導サークレットで頭は守れても、脚にある弦音器官全てを防御することまでは出来なかったので一瞬足がしびれたような状態になってしまった。今後の課題。

*3
酸欠の時の巨蟹鬼の顔の色:ヘモシアニンは酸素と結びついているときは青いが、そうでないときは無色になるという。実際に巨蟹鬼でヘモシアニンが酸素運搬を担っているか不明だが、似たような性状の物質がその青い血液に含まれているのだろう。

*4
無機質な支援術式:虚空の箱庭の支援専用機構によるもの。子蟹への干渉に特化した魔導装置で、ほぼ人工無能なので、エーリヒとの約定である、“主に知らせない” には反さないという認識。抗魔導や砲撃、航空偵察などの幾つかのテンプレートが登録されている。それ以上のカスタマイズは、マックス君本体が組む必要がある。




 
セバスティアンヌ女史「(はー、まずは満足! いやー、流石はローレンが “つばつけ” した相手だ! 全然攻撃当たらないし、その一方で致命の攻撃は放り込んでくるし。この戦いもローレンに自慢したいが、誰にも話す訳にいかないのがもどかしいなぁ)」

◆抗魔導子蟹(マジックキャンセル・キャンサー)
 使い捨ての単一機能特化型の子蟹。マックス君、あるいは、虚空の箱庭の専用魔導装置が干渉することで、任意の機能を内蔵魔晶に刻んだ子蟹を生ませることが可能。今回は、魔導具に予め登録されていたテンプレートによる生産を行った。生まれる子蟹は、リソースを極振りする関係で、生命体として無理がある場合が多く、非常に短命。むしろ内蔵魔力を燃やし尽くしてオーバースペックを発揮して果てるのが本領であるため、寿命は最初から考慮されていない。子蟹、というよりは、生体部品のようなもの。蟹ビーム特化個体も生産可能。


◆没ネタ
没ネタ1: セス嬢が自力で網を破って脱出。ミカくんちゃんは魔導を使って脱出。途中から二人してエーリヒ君に助勢する。 → それに呼応してセバスティアンヌ女史側も援軍として子蟹軍団及び生体アタッチメント子蟹解禁。VS蟹レギオン勃発。没理由:マックス君不在の話が長くなりすぎるため。
没ネタ2: セバスティアンヌ女史の電磁投射砲が、確率で不発する。妖精は気まぐれなので、常にいうことを聞いてくれるとは限らない。設定としては生きてるので、多分そのうち肝心な場面で不発ないし暴発します。


◆今回、枠外で苦労してたやつら
1. 壁に張り付いて物理障壁を張りぃーの重力操作しぃーので2本上下ぶち抜き廃水路を補強しつつ、好き勝手暴れる親機からの砲撃やらなんやらの余波を身を呈して受け止め、戦場の崩落を防いでいた大勢の子蟹たち。外周からの巨大粘液体の襲来も障壁で防いでいる。殉職者多数。「「「 かにー 」」」
2. 遠隔地から乱数調整して、不意のタイミングで廃地下水路の崩落が起こらないように運命介入していたイミツァ嬢。彼女の介入がなければ、偶然崩れた瓦礫がエーリヒに命中して、攻撃を避けられない状況が生じていた(死にはしないが腕の1本は犠牲にしないと切り抜けられない程度のピンチを誘発)。落石の命中を防ぐこと、実に二十数回。「防いでも防いでも、つ、次から次へと! この金髪、運が悪すぎでは!?」


===

次回は、蟹たちが引き上げるところからになると思います。そのあとはそろそろマックス君パートに行きたいので時間が結構飛ぶかもです。
 
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