フミダイ・リサイクル ~ヘンダーソン氏の福音を 二次創作~   作:舞 麻浦

78 / 141
 
時系列的には、エーリヒ君13歳の初夏あたりです。つまり原作書籍5巻の冒頭、竜騎帝から無血帝への譲位が公に知らされたあとくらいになりますね。

◆前話
研究員昇格試験に合格し、マックス・フォン・ミュンヒハウゼンは、晴れてライン三重帝国の魔導師(マギア)として認められた。
 


22/n ミュンヒハウゼン研究室へようこそ-1(小さなお祝い)

 

「ようこそ、我が研究室へ、アヌーク・フォン・クライスト君。歓迎するよー」

「お招きいただき光栄です、Mgr(マギア).ミュンヒハウゼン」

「……ぷふっ」

「おい」

「いやだってめっちゃ他人行儀だからさ」

「まったく、こっちが気を使って(かしこ)まってやったっていうのに君というやつは……」

 

 真面目くさって挨拶する同期聴講生アヌーク・フォン・クライストに、思わず私ことマックス・フォン・ミュンヒハウゼンは吹き出してしまった。

 

 口を軽く突き出して不満を表すアヌークくんちゃん(今日も性転換術式で性別を反転させてあげており、それに合わせてしっかりめかしこんでいる)に対して、私はゴメンゴメンと言いながら部屋の中へと促した。

 いやまあ、普通はアヌーク同期聴講生の畏まった態度の方が正しいからね。茶化すのは良くなかった。

 魔導院において、聴講生と研究員の間にはそれだけ明確な差があるし。うん。反省してます。

 

 例えば、魔導師の号を名乗れるのは研究員に昇格してからと決められているのが一番分かりやすいかな。

 

 研究員になれば、こうやって魔導院地下に研究スペースとして使える工房として、個室も与えられる。

 もちろん、それぞれの研究計画の審査結果に応じた魔導研究費(まけんひ)の補助も。

 すなわち魔導の研究者として一人前になったと見做され、魔導院もお墨付きをくれるというわけだ。

 

 ……一方で、魔導師とは帝国官僚でもあるため、それ相応の義務も課される。

 魔導技術担当の官僚、すなわちテクノクラートとしての政策的な助言のほか、年貢の集計などの季節的な業務に、もちろん魔導院における聴講生向け講義の補助をはじめとした学内業務や、弟子の育成等々も、研究員の負うべき多くの義務の一つとして数えられる。

 これから分かるように、研究ばかりを行えるわけでもなく、優秀な人材であるほどに引く手あまたになり、多忙を極めることになる。

 

 とはいえ、初年度からフル回転で、研究する暇もないほど忙しなく仕事をしなくてはならない……なぁんてわけではない。

 やはり研究こそが本分であり、魔導の発展に努めることが魔導師の本懐であるがゆえに。

 その辺は、国家に奉仕させたい帝国政府と、魔導研究を進めたい魔導院とで綱引きがあったりするわけだが、まあ、研究員一年目の私には関係のない話だろうさ。……多分ね。

 

 私の担当範囲としては、従前から行っていた典礼における天候操作関係に加え、落日派の研究員で持ち回りになっている基礎教養系講義の講師および応用科目の講義補助あたりが、当面の魔導師としての仕事になるだろう。

 きっとそのうち私が所属する落日派ベヒトルスハイム閥の首魁であるベヒトルスハイム卿なり、その配下であり私の師匠でもあるノヴァ教授なりから、講義の一つも持つように御下命があるだろうが、まあ今のところはお気楽に構えていて良いはずだ。

 

 ……特に私は、虚空の箱庭産の改良品種の種苗ビジネスや、討滅した海底魔宮跡地の地脈を動力源にした海水鉱山など、自前の財源の当てもあるから、懐にはかなり余裕がある。

 聴講生時代に提出したいくつもの論文に加え、その発展形として準備している応用論文のストックもまだまだあるし、稿料や特許料で真っ当に研究員として稼ぐ目処も立っていると言えよう。

 そう考えると、悠々自適に好きなことをやるには、研究員という地位は絶好のポジションだ。教授位まで昇ると、課される義務も非常に重くなることであるし。

 

 そういう意味では、あのアグリッピナ女史が、教授級の力を持ちながらも研究員に留まっているのも(むべ)なるかな。

 『本当はSランクだけど面倒だからBランク』みたいなのは皆さんお好きでしょう?

 特にアグリッピナ女史は、隣の大国であるセーヌ王国の由緒正しい大貴族かつ有数の資産家のお姫様でもあられるわけで、金に困ってもいないし、面倒な義務ばかりが増えるのを(いと)ってらっしゃるしで、出世しようなんて気持ちも全くないはず。

 そんなに栄達したければ、故地に留まっていれば良かったわけだしね。そうしてない時点で、立身出世に興味がないのは明々白々。

 

 実際、アグリッピナ女史からは、エールストライヒ公爵邸において月を幾つか跨いで魔導航空艦に関する議論を行った際にも、その片鱗を感じられたし。

 私にとってはマルティン先生とのあの魔導談義は非常に得がたい有意義な時間だったが、アグリッピナ女史にとっては面倒で不本意な時間だったらしいのは、うっすら顔に出ていたからね。

 昨年、エーリヒ君らと一緒に帝都までの道中を共にしたが、その時の経験から鑑みるに、たぶんあの人、片手間にこなせる仕事をたまにして、残りの大半の時間は思う存分 自堕落に、本に耽溺できる環境を維持したいだけだぞ。

 

 “もったいない” とは思うけどもね。

 ハチャメチャに優秀なお方だから。

 とはいえ、私が口を出すべき筋ではないのもまた事実。

 

 

 閑話休題(それはさておき)

 

 

 お客人を放っておくわけにもいかない。

 今は、招待したアヌーク同期聴講生に、是非とも我が工房の案内をせねば。

 

「まあ、まだそんなに物は置いてないがね」

「物がどうこう、という以前に、エントランスの時点でやたらと広くないか?」

「そりゃ君、うちの従者を知ってるだろう? 彼女が不自由なく過ごせるように、空間拡充術式を仕込み直しているともさ」

「ああ、あの大蟹と巨鬼のキメラの……」

 

 巨蟹鬼(クレープス・オーガ)のセバスティアンヌの体高は私の倍以上あるし、横幅も蟹の脚が文字通りのガニ股だから相応になる。

 まあ、いつもいつもこの魔導院地下の工房に詰めているわけではないし、実際 今は居ないが。彼女は鍛錬を欠かさないこともその仕事のうちだからね。

 体面上は、護衛 兼 従者としているが、セバスティアンヌ(スティー)のような巨鬼(オーガ)の雌性体は、雄性体に(かしず)かれる側だから、従者的な役割は最初から期待していないのだ。

 

巨蟹鬼(クレープス・オーガ)が飛んだり跳ねたり暴れても平気なレベルまで空間を拡充して詰め込むのは中々に骨が折れたよ」

「だろうな」

「まあね。ああそうだ。荷物はそこのホムンクルスに預けてくれたまえよ」

 

 その彼女(スティー)の代わりに、私の工房においては人造人間(ホムンクルス)あるいは入替沼人(スワンプマン)というべきタイプの魔導生命を召使いとして導入している。

 ヒトを素体としたものであるため、死霊術で制作する動死体(ゾンビ)にも近しいと言えるが、精神魔法や肉体操作魔法で弄り倒しているものの、こっちは死体じゃなくて生きているという違いはある。

 厳密に言おうとすると区分はややこしいのだが、私の作る人造人間(ホムンクルス)あるいは入替沼人(スワンプマン)というタイプの魔導生命は、素体となった者から遺伝情報や記憶を抜き取って、肉体はほぼ完全に新造してしまうレベルで改造し、そこに精神魔法でチューンした魂を入れ直して蘇生というか再起動するイメージになる。

 

 人造人間(ホムンクルス)タイプは、材料にした人類種の肉体と魂を、私の肉体と魂に似せて規格化した魔導生命に作り替えたものになる。

 一方で入替沼人(スワンプマン)タイプは、素体の人類種の外観や記憶を生かす形で、しかし基幹構造部分を私が使い魔として使役できるように改造している。

 どちらにしても不自然な生態なので、基底現実の復元作用により崩壊しないように、簡素な魔導炉を内蔵させて常に恒常性維持術式(ホメオスタシス キーパー)を走らせているのが共通点だ。

 動死体よりもメンテナンスの手間がかからない(食事させておけば概ね問題ないのと、相互にメンテナンスさせ合うことが可能な)ことと、デフォルトで自律して稼働し、自己学習で成長するのが大きな利点だろうか。いちいち細かな制御をしなくとも良いのは助かる。

 

 アヌーク同期聴講生の荷物を受け取ったのもそんな人造人間(ホムンクルス)のうちの一体だ。

 筐体は虚空の箱庭で製造され、中身はエミュレータ上で侍従として必要な技能・経験を積ませた私の情報再現体の精神を上書き転写しているため、どこに出しても恥ずかしくない使用人として振舞えるよう調律済み。

 

 ……無茶な施術の分、魂魄の強度が下がっているのが欠点か。

 『フラスコの外に出したら生きられない』とまではいかないが、生気に欠けるというかSAN値が低いというか……。

 まあそれも容態が安定するまで術式で補ってやるようにしてるから今のところ大きな問題は無い。

 

 

「……そういえばマックスのこの工房、防犯方面の術式はいじってないのか? 何か特殊なものは感じないが……このままでは不用心では?」

「ガチガチに固めてるようには見えないように隠蔽をしてるというのもあるけど、そもそも入ってくる時点の扉で認証噛ませてて、それに応じて別々のエントランスに振り分ける仕組みだからな。不埒者はそこで投棄されるという寸法だ」

「── 空間遷移術式の応用というやつか……。空間拡充以上のことをやっているのだな」

「そうそう。ちなみにこの部屋は『物流ネットワーク研究会』の専用部屋だから、好きに荷物を置いていいよ。触媒製造装置とか色々」

「簡単に言うが、大盤振る舞いだな……。まあ、ありがたく使わせてもらう」

 

 『ライン三重帝国物流ネットワーク研究会』は、アヌーク・フォン・クライスト同期聴講生、ミカ君、そして私ことマックス・フォン・ミュンヒハウゼンの3人で発足した、物流改善のための研究会だ。

 主に、巨大なミミズかヤツメウナギのような使い魔である『穿地巨蟲(ヴュラ・ダォンター)』の運用による地下鉄道計画や、コンテナの規格化による運送効率化に、写真術式と使い魔共感による航空地図作成などなどの検討を行っている。

 今までは聴講生だけの集まりだったから、適当な空き教室に随時集まっていたが、今後はこのように、私の工房の一室を部室として提供するつもりだ。

 

 そして私の工房は、近隣位相空間に異なった部屋を展開しており、同じ扉から幾つかの異なった部屋に繋げることが出来るようにしている。ひと部屋供出するくらいは問題ない。

 似たようなギミックは、確かアグリッピナ女史の巡検(フィールドワーク)用の馬車にも仕込まれていたはず。

 入り口には魔導的な波長や許可証(ピン)の有無によって入室者を峻別し、それぞれに相応しい部屋へ案内する術式も仕込んでいる。

 

 ミカ君やアヌーク同期聴講生であれば、無難に応接間か、この物流ネットワーク研究会の部室に案内されることになる。

 だが、ひとたび不届き者が侵入しようとすれば、世にも恐ろしい罠が待ち構える場所へと繋がることを保証しよう。

 これも空間遷移術式のちょっとした応用というものだ。

 

 

 

 

「アヌークも来たんだね。先にお茶させてもらってるよ」

「ミカ、遅れて済まない」

「これで全員揃ったねえ。早速だけど、『物流ネットワーク研究会』の会合を始めようか」

 

 私の工房の近隣位相空間の一部を割り当てた、物流ネットワーク研究会の部室では、先に来ていたミカ君が、ホムンクルスに給仕された黒茶を飲んで寛いでいた。

 お茶請けはこのメンツを含めて評判のいい、虚空の箱庭で育てた品種改良済みの小麦やハチミツをふんだんに使った焼き菓子だ。

 それにしても見るたびに思うが、ミカ君がカップに口を付ける姿は非常に絵になるな。

 

「あ、その前に」

「そうだった、私も」

 

 ミカ君とアヌークくんちゃんが、使用人のホムンクルスを呼び、自分の荷物を持ってこさせる。

 そしておもむろに、それぞれが包みを取り出した。しかもちょっと小洒落た感じの。

 

 ──── おやおや? これはまさか……。

 

「お察しの通り」

「昇格祝いさ」

 

 2人から包みを受け取るが、口角が上がるのを抑えきれない。

 

 昇格祝い!

 まさか私がそんなものを受け取ることができようとは!

 

「……とは言っても、随分と頭を悩ませる羽目になったけどね……」

「マックスは大抵のものを自分で揃えてしまえるからなあ」

 

 いやそんなことはないと思うよ?

 あー、でも虚空の箱庭がほぼ専用の工場群になってきてるし、私自身が『無いなら作る』タイプだしなあ。

 確かに贈り物には苦慮するかもしれんね。

 

「あと事態が急転直下過ぎるよね」

「1年足らずで足抜けとはね。もっと市井で経験積んだ熟練の魔法使いが魔導師(マギア)の号を取りに来たとかならともかく」

 

 おっと、アヌークくんちゃんは良いとこ突くね。

 実際、私の魂の1/3は落日派魔導師のものだから、その考察どおり(つよくてニューゲーム)なのは間違ってないし。

 魔法チートの権能もあるし、これで足踏みしてたら嘘ってもんだよ。

 まあ、そんな内実を話すつもりもあんまりないけど。

 

「というわけで、時間が無い中で知恵を絞って考えたのが」

「コレという訳だ」

 

 そう言ってミカ君とアヌーク同期聴講生が取り出したのは、紐を通してまとめられた冊子だった。

 それぞれが一冊ずつ、つまり合計二冊。

 

「見てくれは簡素だけど、きっと役に立つと思うよ」

「作ってるうちに私たちも自分の勉強になったしな」

 

 へえ。

 中身を見ても?

 

「どうぞ」 「そのために持ってきたんだからな」

 

 ぱらぱらと中身を(あらた)めさせてもらう。

 ほう、これは……。

 

「帝都の、魔導師御用達の店の一覧か!」

 

 いわゆる一つのタウン情報誌というやつだな!

 しかも魔導方面に特化したものだ。

 自主制作だから、同人誌と言っても良いかもしれないな。

 写真術式による筆記の簡略化があっての制作速度でもあろうが。

 

「アヌークと僕とで手分けして纏めたんだよ」

「私が貴族街方面で、ミカが魔導区画や下町中心だな」

 

 なるほどなるほど……。

 確かに盲点であった。

 自分で大抵のものを揃えられるからこそ、既存の店舗の開拓というのは疎かになっていた。

 

 だが、魔導師の号を得て多忙になることが想定されるからには、外注できることは外注した方が効率的な面も出てくるだろうし、あるいは逆にこっちが開発した素材を売りこんだり、提携して色々とやる機会も増えるだろう。

 

「素晴らしい! とても嬉しいよ!」

 

 素直に感謝の言葉を放つと、2人とも笑顔で応じてくれた。

 

「「 どういたしまして。Mgr(マギア).ミュンヒハウゼン! 」」

 

 ふはは、くるしゅうない!

 

 よし、良いアイディアも湧いてきた!

 新開発の素材屋をやろう、帝都の魔導区画か貴族街にでも何か(アトリエ)を出したいと思っていたんだ。

 その売り込み先や需要を考えるのに、この2冊はとても役立つだろう。

 

「君たちの昇格祝いは期待していてくれ給えよ! きっと万倍にして返すからな!」

「あー、いや。ほどほどでいいぞ?」

「そうだよ、ただでさえ貰いすぎだって思ってるのに……」

 

 遠慮するな! 私たちの仲じゃないか!

 その分、忙しくなることが確定してるから引け目に感じることはないぞ!

 存分に巻き込ませてもらうからさ!

 

 将来的には東方交易路に大陸横断地下鉄道も通したいし、纏めたい構想は沢山あるんだ。

 あ、そうだ、生鮮品の保管関係の知見を求めて、同じ落日派の死霊術系の学閥から誰か若いのを引き込もうと思うんだがどうだろうか?

 部室もできたし、ここらでメンバーを増やしてもいいだろう。君らも推薦したいメンバーが居たら言ってくれ給えよ。

 

 人手はいくらあっても足りなくなるだろうからね!

 

「いやほんと勘弁してくれ。……ミカ、アレを止めてくれよ」

「アヌーク。無理なのは知っているだろう?」

 

 ははは、遠慮するなよ、皆で出世しようぜ!

 

 そうだな、今日はまずは穿地巨蟲(ヴュラ・ダォンター)の進捗と、現状の体径で掘れる太さの管路の使い道、つまりは下水道や上水道への利用と、運河の拡幅や舗装道路の排水路の造成補助について検討して────

 




 
この後めちゃくちゃ討論した。

===

感想で言及があったのを言い訳に、原作ヘンダーソン・スケールの漂泊卿ルート・死霊ルートにおけるマックス何某の立ち位置について、僭越ながら触れさせていただきます。とはいえ、マックス何某は基本的にはどのルートでも魔導院教授・再生卿として活動しているのは変わりません(慈愛帝ルートでもマックス君は教授位は持ってる想定)。

◆漂泊卿ルート、死霊ルートにおけるマックス何某の立ち位置(妄想設定)
〇漂泊卿ルートの場合:再生卿(マックス何某)漂泊卿(ダールベルク卿)は相互に暗号化した転移マーカーを付け合っており、空間遷移のショートカット登録をしているらしい(概ね『サモンナイト』や『ファイナルファンタジー』の召喚獣的な運用。ただし拒否権アリ。)。漂泊卿が再生卿に付与した登録タグは『再生卿(回復POT/肉盾)』。逆に再生卿が漂泊卿に付与しているタグは『漂泊卿(剣狂い/火力(かりょく)バカ)』。よく再生卿が講義してる最中に漂泊卿の召喚に応じてしまい、受講者がキレたりする模様。聴講生・研究員時代にお互いを冒険に連れ出していたころの延長で、気の置けない仲。2人合わさると悪ノリが加速するため、とばっちりで紅裙卿(ミカくんちゃん)の胃が死ぬ。漂泊卿のお弟子ちゃんとエリザちゃんはキレる。

〇死霊ルートの場合:スタール家に婿入りしたエーリヒ君が大往生後も死霊として甦らせられるこのルートにおいては、再生卿(マックス何某)も死霊の仲間入り(不慮の事故で死亡し <魔導炉最終暴走死霊化術式(おれはマツナガダンジョーだ!)> が発動)していたり。むしろエーリヒ君復活プロジェクトに死霊化のサンプル 兼 相談役として関わっていたりして。この場合の再生卿は、死霊ルートにおいてエーリヒ君が持つ強力な社交コネクション群のうちの一つとして猛威を奮ってることかと。まあ、貴族らしく、利害がぶつかればあいさつも兼ねて呪詛付きの私信をお互いに送り合う程度には仲は良好。再生卿は高位の僧でもあるため、自滅覚悟でもろともに奇跡で昇天することで死霊エーリヒ君を滅ぼしうる存在でもある……が、それをやっても嫁リッピナ氏が再度エーリヒ君を降霊させるだけなので意味はない模様(そして祓われて昇天してもまた降霊に応えるくらい嫁を愛してるエーリヒ君であった)。

====

あと原作WEB版更新! → https://ncode.syosetu.com/n4811fg/243/:HS1.0ver0.5、宿屋のおやじルート。本気義肢装着モードがあるとのことなので、『サイバネ化されてる……。シャドウラン第六世界のサムライみがあるな?』と思うなど。一人だけシステムが違う感ありますねえ。 https://ncode.syosetu.com/n4811fg/244/:ディー君とカーヤ嬢。幼馴染は良い文明……。
そして待望のコミカライズ! → https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM19203286010000_68/コミカライズ担当の『内田テモ』先生、マンガが上手い……。すばらしい構成力ぅ……。青年エーリヒの耽美な感じも良し、ランベルト氏との対比で小兵なのが分かるのも良し、妖艶なマルギットも良し、エリザも可愛くて良し、ファラリス神な未来仏のシーン……完璧ですね? 完璧だわ。

====

蛇足。話題のお絵描きAI、Midjourney(ミッドジャーニー)に当SSのタイトルを意訳したやつを入れてコンセプトアート的なものを描いてもらったので、ついでにご覧ください。魂っぽいのが三つ浮遊してるのとか良い感じ。それか、極光の妖精に脳漿炸裂させられたシーンかもしれません。 

 

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。