ありふれない邪仙は世界最悪 作:路傍
…もうそろそろ
中国奥地。その峻険な山々の間に一つの家が存在していた。
勿論常人であれば辿り着くことすら困難であり、ましてや住むとなると食料や水の問題から本格的に死が見えてしまう場所に住むようなモノは人間ではない。
…で、あれば倭の方へ渡らなくては。
彼女は道教の道をある種の意味で極めた存在。
…しかし、今は時期尚早か?
ただ、その道を違え魔のものへと堕したモノ。
…あぁ!待ちきれない!少し早いが倭へ渡らなくては!
錬丹の調合を行いながらそんなことを考えていた邪仙を人は、霍青娥。そう呼んだ。
日本。とある高校にて
「転校生だって!どんな人が来るのかな?」
「外国人って聞いたけど…」
「男子かな?女子かな?どっちだろ」
その高校では、今日転校生が来るということが話題になっていた。
大多数の生徒たちは、転校生が外国人であるということもあって噂が噂を呼び、やれ金髪の美女がくるだの、やれ黒人のムキムキがくるだの。そんなくだらないことに時間を費やしていた。
…しかし、少数派の南雲ハジメにはそんなことは気にすることはなく。否、気にすることすらできなかった。
彼は睡魔に対して抵抗することの方がより重要なことだったのだ。
なぜならば
「南雲くん、起きて!朝礼始まっちゃうよ?」
クラスの二大女神とも呼ばれている美少女、白崎香織が起しに来てしまう。
(はぁまた来てしまった…)
そしていつものごとく、周りからの嫌悪感をむき出しにした視線に晒される。男子からは嫉妬の、女子からは軽蔑の混じった視線に。
しかし、その次の瞬間影の薄い担任が教室に入ってきたことでいつものようなスクールカーストの頂点とも言える天之河光輝からの論点のズレた説法は回避された。
しかもその日は、珍しく朝礼の後に絡んでくることもなかったのだ。
「おい。入っていいぞ〜」
「失礼します…今日からこの学校に通うことになりました。霍青娥と申します。日本の文化については疎いところがあるかも知れませんので、よろしくお願いしますわ」
大きなスーツケースを引いて笑った彼女はまさしく天女と呼ぶにふさわしい美貌を持っていた。
そんな南雲ハジメを意図せずに救った転校生はその日から、3人目の女神と言われるようになった。
…が、内実は女神などではなく正しく人外である。しかし、朝礼ののちに校内の案内を行おうとしている天之河光輝や檜山大介らクラスメイトがそれを知る機会が訪れるのは大分先の話である。
ーーー
倭に渡ってから見た目の若々しさを活かして学生となることを決めた青娥は大きなスーツケースに入った
「おい。入っていいぞ〜」
「失礼します…今日からこの学校に通うことになりました。霍青娥と申します。日本の文化については疎いところがあるかも知れませんので、よろしくお願いしますわ」
つかみは上々。クラスメイトとなる者たちの反応を観察した青娥はそれを確認する。
日本語を話すのが久しぶりだったので、少し古臭い話し方だったかもしれないが問題はないようである。それを確認した青娥は約一年後に迫った
存外に学生生活というのも良いかもしれない。クラスメイトとなったものを適当にあしらいながら曲がりなりにも仙人である自らと同じくらいの美貌を持つ白崎香織に八重樫雫、校内の案内をしようと言っている
一ヶ月後。
とある高校にて一クラスが丸ごと集団行方不明になり、日本中で神隠しではないか?といった論説が流れ出した。神隠しの主犯は従者に問われてこれを否定した…のだが、外の世界へは伝えられなかったのでいわゆる『神隠し』と言われるままではあったが。
続かないかもしれない