四季ナツメさんとの会話です。といっても自己紹介とお店の話を改めてするので億劫かもしれません。
その後に少しぶち込みたいと思います。
現在俺は、四季ナツメとお互いの自己紹介をするために向かい合っている。
俺の正面に四季ナツメ。隣には明月栞那の構図だ。
「それでは、お互いに自己紹介をしておきましょうか。先にナツメさんからお願しますね?」
どうやら進行役は隣の人がしてくれるそうだ。有難い、二人だけだと無言が続きそうだし……。
「私から?ええっと、私は四季ナツメ。このお店をオープンさせようと色々模索中で、明月さんや閣下に協力して貰っている所なのだけど……、こう言ってるけど、ちゃんと通じているで良いのよね?」
「はい。澤田さんにはある程度説明していますから問題ないですよ」
大丈夫、という意思を示すために頷いておく。
「では、次は澤田さんからお願いしますね」
「了解。とその前に明月さんは俺の事を何処まで話している?」
「名前と、お店に協力して頂ける事、死神の事ですかね?澤田さん自身の事はまだ話していないので……」
「分かったありがとう。じゃあ自己紹介するけど……俺の名前は澤田達也。明月さん達とは昨日知り合ったばかりなんだ。まぁ死神関連で関わる事になったんだが、どうやら俺に起きている事象は初めてのケースみたいで、調査するなら近くに置いていた方が良いってことになった。お店については俺自身が過去に実際喫茶店で働いていたこともあり協力できると思って申し受けた感じになる。これから宜しくお願いします」
軽く経緯を話し一礼をする。
「その……澤田さん?くん?なんて呼んだら大丈夫?」
「どっちでも大丈夫。好きな方で」
何なら蔑んだ目で犬呼ばわりでも快く受け入れよう。
「じゃあ澤田君で」
「承知。此方も四季君で良いかな?」
「そこは普通、さんとかじゃないかなぁ……?まぁそっちの方が呼びやすいなら大丈夫だけど」
冗談です。女王様とお呼びします。
「それで、澤田君は明月さん達の話を聞いて理解というか、納得は出来たの……?」
此方が脳内一人ボケをしていると、四季ナツメから疑問が飛んでくる。ああ……まぁ普通は一日でこうもすんなりと受け入れている様に見えるのが不思議に見えるのか。
「理解するのに時間が掛かった……というか、未だに整理し切れてはいないけど大丈夫かな。自分の身に起きたら嫌でも納得してしまいますから……」
「澤田君には何が起きたの?」
「その……、なんていうか不思議な体験を……」
困った顔をして明月栞那の方を見る。こういった事情は本職から話した方が良いだろう。俺が細かく話すと変に思われる可能性がある。
「それについては私からご説明しますね。澤田さんの身に起きている事なのですが、経緯を話しますと……まず昨日、私とミカドさんがお仕事で訪れた場所で彼に出会いました―――」
「―――全裸で」
真面目な顔をして説明を始めたかと思いきや、いきなり爆弾を投下して来た。揶揄う様な顔でこちらの反応を見ている。
「まてぇい!その最後の情報は必要だったのかっ!?見ろ!四季さんが唖然としているだろ!」
「いえいえ、必要ですよ?なぜ澤田さんが全裸で森の中に居たのか……。なぜ腰に葉っぱ一枚だけで私達の前に出てきたのか……。その原因の為には外せません」
相変わらず面白がって理由を並べる。四季ナツメの方を見ると、ドン引きして軽蔑した表情でこちらを見ていた。
そんな顔で見ないでくれ……、いやありがとうございます。もっと蔑んでください……いやいや誤解なんですよ。
頭の中で謎の葛藤を繰り広げていると、説明を続けていく。
「まぁこれについては調査中の部分もあるのですが、恐らくは澤田さんは生まれ変わった可能性が高いという閣下からの見解です」
「え……?それって、転生的な意味合いの?」
「そうなりますね。何故森の中で生まれ直したまでかは不明ですが、裸だったのは仕方ありません。なんせ生まれたばかりだったのですから……服などが付いてくるはずが無いです」
フォロー入れるのがもう遅いだろうが……。
四季ナツメの中での俺の印象は、全裸で葉っぱ一枚男で固定されそうだ。底辺も底辺だ……悪くないかも?
「そこで明月さん達と出会って、拾ったって事で良いのかしら?」
「ざっくり言ってしまいますとそんな感じですね。そして今に至る訳です」
いや、適当過ぎでしょ。四季さんもなんか納得しているし。あんまり勘ぐられないのは此方としても助かるけどさぁ……。
「何となく、経緯は分かった。死神関連でここで働く事になったのなら……これからよろしく」
「ああ……。よろしく頼みます」
なんだか疲れた気がするの……は気のせいでは無い。俺の奇跡の話を出さないのはこっちの要領に任せるという表しだろう。その内話しておかないといけないな。タイミングを探っておこう。
こうして想定外の出会いと自己紹介は事なきを得た。いや大事故だったが……。
あれから少し雑談をしていると、四季ナツメが帰るとなりその日は解散となった。近くのコンビニで晩飯を買い、部屋に戻る。
「いやぁ、この時期のコンビニの肉まんは犯罪的だな……」
封を開け、一口食べる……旨い。次にマスタードを掛けて食べる。
「これがまた犯罪的旨さなんだよなぁ。至高の一品」
夕食を食べ終え、今日の事を改めて振り返る。
……今日はもう終わりだと思っていたが、まさか四季ナツメと出くわすとは……。明月栞那はこれの為に再度店に呼んだのか。嵌められた気分だが……まぁいい。今後関わって行くことになるからそれ込みで考えていかないと……。
色々と考えることは多いが、疲れであまり頭が回らなくなってきた。ご飯を食べたことで睡魔も出てきたのだろう。
それにしても、改めて思うと明月栞那も四季ナツメも変わらず超絶美少女だったな……。他のヒロインも変わらずとなれば、それらと交友関係を持っていく高嶺昂晴はギルティというわけになるな。主人公だから仕方ないけど……。
くだらない事を考えている内に眠気が襲ってくる。欲望に抗えずベットに寝転がる。
四季ナツメかぁ……まさか出会う事になるなんて……。彼女の紅茶を飲んでみたい。今でもある程度は美味しいだろう。自分の目標の人としての腕を味わえる機会が訪れるとか最高過ぎる……。
自身が叔父の喫茶店で働く動機になったのは、原作の四季ナツメが推しとなり彼女の紅茶を入れるのを見て、同じように入れたいと思い行動を起こしたのだ。言わば憧れの人物という事になる。
駄目だ、眠すぎる……。風呂に入りたいが明日の朝にしよう……。もう無理。
睡魔との戦いに負け、最後の力を振り絞り……リモコンで電気を消した。
また、明日から頑張ろう。高嶺昂晴がハッピーエンドを迎えられるように……。
そう考え……遂に瞼を閉じ、寝ることにした。
目を閉じるその直前、視界の端に青い光が見えた様な気がしたが……眠気でそれを気にすることは無かった。
「ん、んん……。あれ?ここは……?」
目を覚ますと、そこに見えたのは部屋の光景では無かった。
「まてまて、また変な事に巻き込まれたのか……?」
視界に広がるのは薄暗くもうっすらと青く照らされている風景だ。よく見ると照らされているのは自分が居る場所だけで、他は暗い空間が広がっている。
えぇ……、ここ何処だよ……。今度は森じゃなくて謎の場所に来たのか?けど……なんだ此処は。
「あ、やっと起きたのね。全く……昨日から寝てないから全然会えないかと思えば、今度はぐーすかと寝て……。待たされるこっちの身を考えて欲しいものね」
背後から突如声がして咄嗟に振り返る。
「そこまで驚いて警戒しなくても……。そんな反応されると結構傷付くわね……」
だ、誰だこの女性は……?気配がしなかったというか、いきなりそこに出てきたの様な……
今までに無い経験から、つい警戒心を出しまくってしまった。
「貴方は誰でしょうか……?それに、ここは一体……」
分からない事だらけだが、目の前の彼女は自分よりこの状況を知っている様に見える。
「ここ?うーん……なんて言えば伝わるのかしら。夢の中?人の記憶の断片と言うのかしら?」
謎の彼女は青く照らされている空間の中、この場所には似ても似つかない机……学校でよく見かけるであろう教室机に腰を掛けながら、そう答えた。
四季ナツメを無事に出すことが出来ました。これから出番は増えます。やったね。(自己満)
最後の方に原作に無い設定をぶち込んできました。これを原作と反発しないように頑張って練りこませていきますので楽しみにして頂けると幸いです。
次回は夢の中でも謎の人との回です。