喫茶ステラ ―異邦人と蝶の残滓―   作:コクーン√

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セブンイレブンの銀鮭の塩焼にレモン掛けて食べたが最高でした。

今回はミカドさんと話したり、食堂で昼食取ったりする回です。

多分次辺りで原作に追いつきます。その後に少しおまけ話(ネタ回)を書いてみようかと思います。


第28話:枝分かれる可能性の数

 

「それじゃあ、そろそろ俺は大学の方に行くとするよ。」

 

時間も昼前になり、雑談も切り上げ席を立つ。その際に閣下に視線を流す。話したい事があるという意味を込めて。閣下を目が合い意図が伝わったか頷く。

 

「また行かれるのですか?」

 

「ああ。大学で昼食を取ろうと思っていてな。他にも何かと済ませてこようかと。」

 

「大学ですか…、私行った事無いのでどの様な所か気になります。外部の人が行っても大丈夫なのですか?」

 

「俺も気になったのだけど、意外と平気らしい。だから焼き魚定食でも食べに行くことにした。」

 

「これまた美味しそうな食事を…。私も行ってみたいものです。これまで行く機会が無かったので。」

 

「明月さんも?……あー、是非。と言いたい所だけど今回は遠慮願いたい。すまないが。」

 

「何か不都合があるのですか?」

 

「そうなるな…。今回、人を探す目的で行くのとなるべく目立ちたくない。後、目的の人が明月さんの事を知らないから一緒に行くと……という感じで、すまんが今回は見送って欲しい。」

 

急な誘いではあるが今回はお断りしておく。付いて来られると色々と不都合が出てくるし、大学になら高嶺昂晴と行く機会があるだろうしその時で頼む。

 

「そうなのですか。分かりました。今回は大人しくしています。」

 

「折角言ってくれたのに申し訳ない。」

 

「いえ、私が急に言い出した事なので気にしないで下さい。それでは行ってらっしゃいませ。」

 

「吾輩も近くまで用事があるから途中まで付いて行こう。」

 

「そうなのか?じゃあ途中まで行くか。」

 

そう言うと閣下は人の姿になる。

 

「じゃ、またな明月さん。相談とかあったらまた来るよ。そっちも話したい事とかあったら俺の部屋にでも来てくれ。」

 

「分かりました。その時はお願いしますね。」

 

閣下と二人で店を出る。少し歩くと閣下から声を掛けて来た。

 

「それで?何か話しておきたい事があるようだが…。」

 

「突然すまない。明月さんには言わない方が良いかと思ってさ。」

 

「なるほど、その類の話か。どの様な内容なのだ。」

 

「ミカドさん。力で催眠術とか使えたりしないか?」

 

「は…?催眠術?」

 

当然の質問に変な顔をしていた。

 

「そう。もしくは思考誘導的なの。人の考えとかを誘導するようなおまじないとかさ。」

 

「貴様はいきなり何を言っておるのだ…。そんな馬鹿な話をするために……もしかして、先ほどの高嶺昂晴の事か?」

 

「ご名答。高嶺が少しでも店で働く可能性を上げたくてさ。何かいい手は持って無いかなぁって。」

 

「残念だが無いな。それになぜそこまで拘るのだ。」

 

「働かないを高嶺が選ぶと、彼が死ぬからな。」

 

「死ぬ…?断るのと奴が死ぬのにどんな関係があると言うんだ。」

 

「まぁざっくり話すと、彼がステラに働く理由が自身の魂の事が関連している。ステラで働く事でその問題が解消されて行くのだけど、働かないとそうは行かない。」

 

「あやつの魂が大きくなっている事が問題なのか?」

 

「そんな所かな。そこでミカドさんの上の方々が放っておくわけにも行かないからあっけなく…って感じかな?恐らくだけど。真相は分からないからここは俺の推測になる。」

 

「確かに初めての事だが、そこまで大きな問題では無いとは思うのだが…、何か理由があったのかもしれんという事か…。」

 

「そこは考えても仕方ない。結局神のみぞ知るだしな。問題は、高嶺が死なない様に立ち回りたいって事。明月さんに死ぬから頑張って説得してくれ!とか言えないだろ?」

 

「それは確かにそうだな。変な気を背負う事になるだろう。」

 

「そうそう。だからさっきは避けた。一応こっちでも策はあるけど他にも手は作っておきたくて念のために聞いた感じ。」

 

「すまんな。吾輩では力になれん。」

 

「いやいや、それが分かっただけでも良しとしておく。今後も何かあったら宜しく頼む。」

 

「ああ、遠慮なく言うがいい。……所で気になったのだが、一つ良いか?」

 

「ん?どうかした?」

 

閣下から質問が出る。今の会話で気になった事でもあるのだろうか。

 

「店の時にお前は高嶺昂晴が働くかどうか二択あると言っていたな。」

 

「ああ、簡単に言うと死ぬか死なないか的な選択肢になってはいる奴だけど。」

 

「もし、奴が働くを選んだ場合、今後どのような事が待っているのだ?今回みたいな事がまだあったりするのか?」

 

閣下の質問は最もだな。何度も死ぬようなことがあっては堪らないしな。

 

「大丈夫。命の危機は今回だけ…、ああいや、死なないけど危険なのはあると言えばある。そうなるかどうかは高嶺の選択次第だけど…。」

 

幼馴染ルートだけ結構命の危機に面していた気が…。まぁ死なないからセーフかもしれない。

 

「全ては高嶺昂晴の行動次第という事か…。どの位違う人生を進んでしまうのだ?」

 

「なんていうか、一本の道からどんどん枝別れしていくイメージ?俺が知っているだけなら6本。いや、さっきのを入れて7本の別れ道があるのは知っている。」

 

「7つもあるのか…。因みにどの程度先まで正確に知れるのだ…?」

 

「それは道によってバラバラだな。確実に知っているのは多分今年の12月頃頭か中頃までそれ以降は場合による。」

 

「意外と短いのだな。いや、知っている時点で凄い事に違いは無いのだが。」

 

「世の中万能な力って無いよな。正直期待はしないでくれると助かる。未来とか簡単に変わるしさ。」

 

「そうだな。高嶺昂晴でもこれ程大きく差が出るのだから。」

 

いや、それは高嶺昂晴だからだな。主人公だし。選択肢で好感度変わるし。良い奴だし。羨ましいし。

 

「そんな感じかな。聞きたかったのはそのことだけ?」

 

「ああ、他は今の所大丈夫だ。助かる。」

 

「それはお互い様って事で。」

 

本当に聞きたかったのもあるだろうが、俺がちゃんと話すかどうかの確認もあったのだろう。

 

「では話も済んだ事だし、吾輩は戻る事にしよう。」

 

「了解、また進捗があったら連絡しに行く。」

 

閣下と別れ、一人で大学に向かう。時間的にはもうすぐ昼頃だ。汐山宏人から聞いた時間に丁度着くだろう。恐らく今日食堂を利用するだろうし運よく会えることを祈ろう。可能なら高嶺昂晴も一緒の場面に遭遇しておきたい。お礼を口実として席を共に出来れば文句なし。後は適当に会話の中にヒントを散らばせておけば店であった時にそれが繋がると思う。

 

「よく友人と食べているとは言っていたし、今日も利用しそうな話し方だった。問題はその友人が高嶺かどうかだが…、可能性は高いと信じたい。」

 

失敗しても大丈夫だが、成功はさせておきたいと考えつつ、大学に向かった。

 

 

 

大学に着き、食堂に向かう。道中何度かすれ違う学生にあったが、特に不審な目は向けられなかった。出口に向かっている様に見えることから、これから帰る所なのだろうか。

 

「さてと、取り合えず入口に着きはしたが…。」

 

中を見るが目的の人物は見当たらない。見た所女性の利用が多いような気がする。

 

「ん?気のせいか…?」

 

見渡している途中、知っている人が何人か見えた気がした。

 

「あれは…、」

 

最初に目に付いたのは席に座り向かい合って雑談している女性二人組だった。紫色の髪と、ピンク色の髪をしている。何か楽しそうに雑談に花を咲かしている様子だ。他には窓際で何か本を読んでいる人と、紫の手さげを肩に掛けて歩いている人。どちらも藍色の髪だ。

 

「いや、今はそれはどうでも良いか。目的が先だしな。」

 

気にする事では無いと意識を切り替える。再度居ないか見渡すが、見つからない。来るまでここで待つか、それとも一度出直し少し時間を空けてくるか。

 

「此処でじっとするのは変だし、一度出直すか。」

 

一度出直すことに決め、食堂を出る為に背を向ける。出て行こうとすると、向こう側から知っている顔が来ているのが見えた。

 

「あれ?もしかして澤田さんじゃないですか。どうしてここに?」

 

向こうもこちらに気づき、声を掛けてくる。探していた人物汐山宏人だ。その横には高嶺昂晴も同行している。一緒に昼食を取るつもりなのだろう。

 

「あ、汐山さん。今朝ぶりですね。実は朝話していた食堂を早速行ってみようかと思いまして。」

 

お互い近くまで来て、隣の高嶺昂晴と目が合ったので小さく礼をしておく。

 

「早速ですか。でも引き返している様見えましたが…。」

 

「恥ずかしながら、来たのは良いのですがよくわからず…、どうしようかと悩み一旦出直そうかとしていました。」

 

恥ずかしそうにして頬を掻き、目を逸らす。

 

「あー、確かに初めては抵抗ありますよね。」

 

「そうなんですよね…、こういった場所初めてだったので少し。」

 

困った様子を醸し出す。出来ればそちらから誘って欲しい所だが…、無さそうならこっちから誘うしか無さそう。

 

「それじゃあ、一緒にどうですか?澤田さんが良ければですが。」

 

--来た。早速誘いに乗る事にしよう。

 

「え、良いんですか?私としては助かりますが、その、お連れの人は…。」

 

「大丈夫だよな昂晴?俺澤田さんにまだ聞きたい事とかあるからさ。」

 

「大丈夫だが…、何なら俺が席を外そうか?」

 

「いえっ!それは無しでお願いします。可能ならご一緒にお願いします。」

 

気を遣って外れてくれようとするが、寧ろそっちが本来の目的なのだから席を共にしない選択肢はありえない。

 

「それに良ければ、昼食を私からご馳走させてください。汐山さんは今朝のお礼として。そちらの方は今回のお詫びとして。」

 

 

 

食堂の中で三人でトレイを持ち、空いている席に座る。二人はお互い隣に座り俺が対面に座る形になった。

 

「いい匂いですね…。これだけで満足してしまいそう。」

 

「席が空いててラッキーでしたね。…それにしても、ほんとに良いんですか?俺たちの分までお金を出して貰いましたが。」

 

「いえいえ、気にしないで下さい。これはお礼ですし、私の罪悪感を少しでも減らす為にした好意みたいなものですので、二人が変な気を遣わないで大丈夫です。」

 

隣に座っている高嶺昂晴も若干遠慮が見える。まぁ彼は何もしていないのにご飯奢って貰った感じに思えるのだろう。

 

「それより早く食べましょう。折角の定食ですし、温かい内に味わいたいです。」

 

箸を取り、始めに手を付ける。これで二人も食べ始めやすくなるだろう。

 

暫く、三人とも昼食を食べ、少し進んだ所で、話を切り出す。

 

「そういえば、汐山さんから何か聞きたい事があるとか何とか?」

 

「そうでした。実は今朝、澤田さんが四季さんに荷物を渡した事が少し話題になっていて、道案内した自分が何か知って居ないかと根ほり葉ほり聞かれたんですよ。」

 

「朝のあれは宏人が案内していたのか。」

 

「おう。そういえば昂晴も同じ講義取ってたか。」

 

「そうそう。確かにあれは少し気にはなっていたけど、プライベートな事をズカズカと聞くのは良くないだろ。」

 

朝のあれは高嶺昂晴も気になっていたらしい。わざわざ赴いた甲斐があった。

 

「いえいえ、そんな個人的な事では無いので大丈夫です。と言っても本人が居ないところでプライベートの事は流石に避けますが。」

 

「だってさ。澤田さんはこう言っているのだし少し位聞きたいと思うのだけど…?」

 

「まあ、本人がそういうなら…。」

 

「ていうか、昂晴は気にならないのか?あの孤高の撃墜王の名を持つ四季ナツメだぞ?男なら気になるだろっ。」

 

「無いと言えば嘘になるけど…、こう。なんていうか失礼というか、申し訳ない気持ちがあるからな…。」

 

「人が出来ていることで…。それで。澤田さん。一体何があったら四季さんと知り合いになれたのですか?どういった経緯で?」

 

「そうですね…。詳細は省きますが、私がお世話になっている恩人たちが居て、その人が四季さんのお手伝いをされていまして私も是非とお願いしたんですよね。そこで四季さんとは知り合いました。」

 

「澤田さんの恩人の方が四季さんと知り合いだったって事ですか?」

 

「はい。喫茶店を開こうとして今その準備段階をしている所になります。と言っても人も物もまだまだ足りていませんが。」

 

「へぇー、四季さんが喫茶店を…なんか意外。」

 

「喫茶店の話はオフレコでお願いします。開いてすらいないので…、それに変に話題になると迷惑掛かってしまいますので。」

 

「あ、分かりました。ここだけの話にしておきます。それにしてもあの四季さんが喫茶店をかー…。優雅に飲んでいる所なら想像出来るけど。」

 

「そうですか?彼女がウェイトレス姿で紅茶を淹れた姿は結構様になりますよ?」

 

「確かにそれは似合いそうですね…。というか澤田さん、まるで見た様な言い方だったんですが…、まさか既に?」

 

「……これもオフレコでお願いしますね?」

 

「マジですか!?あの四季ナツメのウェイトレス姿を…!」

 

「宏人っ、声が大きくなってきてる。落ち着けって。」

 

四季ナツメのウェイトレス姿でテンションが上がって来た汐山宏人を注意しよとすると隣から先に喝が入った。

 

「ああ、そうだ。すみません。ヒートアップし過ぎました。」

 

「気持ちは分かるので大丈夫ですよ。男なら昂ります。まぁ本人の耳に入らない様には気を付けてください。」

 

「澤田さんもそう言う事思うんですね。落ち着いているので言う人じゃないと思ってたんですが。」

 

「自分だって男ですから。そういった思考や感情を持つのは当然じゃないですか。なるべく表には出さない様にしていますが。」

 

なんだかどんどん目的から離れて話になってきている。いや、割とこう言った会話も好きだが。

 

「まぁそんなんで今は設備とか人が足りていない状況なのですよ。」

 

「バイトの求人しているんですか?昂晴、お前確かバイト探してなかったか?」

 

「ああ。一応まだ探しているけど。募集されているのですか?」

 

「募集していますよ?正式に出しては無いですが、内容としてはお店を開く準備段階からの採用で上手くいけばそのままオープニングスタッフ的な流れになるとはおもいます。」

 

一応募集に関しては四季ナツメから許可は得ている。見つけたら一旦話を持ち帰って相談する流れになっているが。

 

「昂晴っ!是非ともそこで働いてくれ。そして店を開けるようにしてくれ!俺は……、四季さんのウェイトレス姿を拝みたいっっ!。」

 

握りこぶしを作り、全力で高嶺昂晴に想いを託している。

 

「いやまて、まだ働くは分からないし…。理由が不純すぎるだろ。」

 

「そうですね。応募されるのなら一度今の話を持ち帰って相談してみますよ?通ったら面談とか少しされるかもしれませんが。どうされます?」

 

「あー、そうですね。お願いしても良いですか?丁度無いか探していたので。」

 

「了解です。結果が分かったらすぐに連絡しますね。あ、その為にLIMEとか交換しておきませんか?便利ですし。」

 

「そうですね。結果がすぐ分かるのはありがたいです。」

 

スマホを出し、お互いIDを交換し合う。

 

「汐山さんもどうですか?ついでに交換しておきましょう。」

 

「いいっすよ。交換しましょう。分かったら俺にも教えて下さい。」

 

高嶺昂晴に続き、汐山宏人ともIDを交換していく。

 

「ありがとうございました。高嶺さんには決まり次第連絡しますが、決定では無いので念のためバイト探しは止めないで下さいね。」

 

決まった様なもんだが、一応ありきたりな言葉を投げかける。高嶺昂晴から、分かったと頷きが返ってくる。

 

「それでは、箸も止まってますし食事の続きしましょうか。冷めてしまいますし。」

 

適当に話を切り上げ、三人とも食事を再開した。

 

 

 

その後昼食を終え、帰る旨を伝え二人とは別れる。

 

「やれることもないし、帰るか。」

 

出来ることはやったとは思っているが、本当にこれで良くなるのか分からない以上どうしようもない。寧ろ予定していたより上の結果が得られた方なので満足しておくべきだろう。

 

「後は9/28を待つだけか…。」

 

考えていたことが無意識に口から零れる。物語が始まるためには仕方ないとは分かっているが、二人を一度見捨てるような事をしている気がしている。割り切った方が早いのだが。

 

家へ戻る。のではなく通り過ぎ駅前まで足が向かっていた。特に意味はないのだが何となく最後に来ておきたかった。

 

目的の場所に着き、横断歩道を見る。今は赤信号だ。少しすると信号が青に変わる。それと同時に止まっていた人達が歩き出し交差していく。その中を進まずにただ見ていた。

 

「最近これをよく考えてしまっているなぁ…。」

 

高嶺昂晴が死ななくても物語として進行は可能では無いのか。奇跡など起こさずとも死神という不可思議な存在と関係を持つことが出来るのではないかと。世界をやり直さなくても幸せを掴み取れるんじゃないのかと。

 

考えていたが思いつくことは無かった。もしかすると変な考えが固定してしまっているのかもしれないが、彼が一度世界をやり直すのは最低条件と結論付けた。

 

「澤田くん?」

 

不意に後ろから声をかけられて振り返る。

 

「四季さんか。偶然だなこんな所で。」

 

出来れば今会いたくない人ナンバーワンと出くわす。運が悪すぎる。

 

「信号も渡らず立っている人が居るかと思って見てみれば…まさか知り合いとは思わなかった。どうかしたの?」

 

「いや、特にどうもしていない。四季さんこそ何か用事が?」

 

彼女の右手には大きめの紙袋の様なのを持っていた。見た感じ服か何かが入っているのだろう。

 

「ああ、これ?お店のウェイトレス服。ちゃんとサイズ合わせないといけないから。お店を開こうとしているやる気を少しでも大家さんに見せておこうかなって気持ちも多少あるけどね。」

 

困った様な顔で苦笑いをしている。

 

「なるほど。それでここまで出向いてきたわけか。」

 

「そゆこと。効果無いとは思うのだけど…。」

 

どうしたら許可が出るのか分からず、若干迷走気味になってきている気がしている様だ。

 

「あの人も自分なりの合格ラインがあって言っているだけだからな。四季さんに嫌がらせをしたくて許可をだしていないわけじゃない。」

 

「そこはちゃんと分かってる。だからこそ何をしたら良いのか最近困っているの。」

 

信号が変わり、前を向き横断歩道を渡ろうとする。その後ろ姿を見て横に並ぶように歩き出す。

 

「それについては俺もそろそろ真面目に取り組んで行くとするよ。」

 

「今日の事もそれの一環?」

 

「そうそう。それの一環。前に話していた新しく人を雇おうか言ってた件、一応1人候補見つけたぞ?男性で以前に色々な場所でアルバイト経験があるから即戦力にもなるはず。何なら俺より使えるかもしれない。」

 

「自分で言うのはどうなの?それ。」

 

呆れ顔でこちらを見てくる。

 

「役に立つ事間違い無しだ。向こうも希望していたから一旦四季さんに相談するって事で止めているが。」

 

「へー。よくそんなに早く見つけれたね。知り合いとか?」

 

「いや、一応四季さんと同じ大学の人だな。どちらかというと四季さんの方が知り合ってる可能性が高いが……、四季さんは無さそうだな。」

 

「それって…、どういう意味?」

 

「待て待て、友達が居ないとかそういった意味ではない。四季さん異性とか特定の誰かと行動を一緒にしている場を想像出来なくてさ。基本ソロで居るイメージ?」

 

「別に、いつも一人で居る訳じゃ…、いや、そうかも…。」

 

なるほど。自覚はあるらしい。心のどこかで一人で居ることを望んでいるのだろう。

 

「確か、朝の講義で一緒の人だぞ?部屋を見渡した時に見た記憶がある。」

 

「そうなの?と言っても同じ講義の人とか覚えてないから意味ないかな。」

 

「どうする?見て決めたいなら面談とか段取りしておくけど。話した感じでは特に問題は無さそう。無害で真面目な人だと思うし。」

 

「でも同じ大学の人かぁ。でも贅沢は言えないしね。ちょっと考えておく。」

 

「了解。保留で一旦止めておく。向こうには別のバイト探しを止めない様に言っておいたから多少は問題無いと思う。」

 

「そうなの?それなら急がなくても大丈夫かな。」

 

予想していた返事だった。開店出来るか分からない店に他人。それに同じ大学の人を採用するのは躊躇いがあるのだろう。巻き込みたくない気持ちも勿論あるはず。まぁ残念だがその人は強制的に参加させる事になるがな。

 

「焦って決めても意味無いしな。じっくり考えていてくれ。」

 

「ありがとう。そうする。」

 

「それじゃあ話したい事も終えたし、俺は戻る事にするよ。何かあったらまた連絡を飛ばすから。」

 

「了解。それじゃまた。」

 

手を振り、四季ナツメを見送る。長い事話していると変な罪悪感が湧きそうだ。早めに切り上げておいた方が正解だろう。

 

姿が見えなくなったのを確認し、来た道を戻る。やはり話していた感じだと大した心変わりは無さそうだ。そんなに簡単には人は変われないって事なのだろう。彼女の場合はそれが根深いだけかもしれないが。何かしらアクションを起こす必要があるのかもしれない。

 

動くとしても高嶺昂晴がCAFEステラに参加してからにしておくと考え、家に帰る事にした。




食堂に居たのは、

・E×Eより野宮悠
・のーぶる☆わーくすより長光麻夜
・RIDDLE JOKERより三司 あやせ・伊勢琴里

が居たかと思われます。

次回は9/28から始まります。やっとここまで来れました。ようやく始まります。
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