今更ながら主人公裸足で森を歩いていた事に気づきました。シャワー浴びたら物凄く沁みそう……。
夜に走り回った経験があるのですが、足の裏は切るわ、木の根っこや石とかにぶつけてで爪割れるわで暫く靴下履けませんでした。小指の爪消えてましたね。
まぁ、彼とは違い服は着ていたのでセーフ?だったのですが……。
「今のこの体は生まれ変わっていて、蝶の魂によって作られた肉体……?」
閣下から説明を受け、想定外の出来事に聞き返してしまう。
「そうだ。貴様の今の肉体は人間に近いが、それは蝶の集まりによって形成されている。そこに居る栞那と似たような存在と思われる。死神では無いがな」
閣下の言葉に更に疑問が生まれる。
……今の俺が生まれ変わっているのなら、昨日寝た俺の体はどうなったんだ……?流れで言うなら死んだから生まれ変わったって事になるが、家で寝ていたのに死にましたっ!……とか何があったらそうなるんだよ……。過労死とかガス栓の閉め忘れとかでぽっくり?んんんん!わからんっ!?
「やっぱり、今の話を聞いて信じられませんか?」
頭を抱えていると、明月栞那が心配そうな目を俺に向けて聞いてくる。
「ああ、いえ。嘘を言っているとは思いません。ミカドさんや明月さんの顔を見れば真剣そうに話しているので、本当の事を仰っているとは理解できます。ただ、どのようにして死んだのか……とか、何を未練に思い死んだのか……、とか考え込んでしまっていただけです」
「そこは吾輩達にもわからん。何か覚えていないのか?生前にやり遂げたい事とか将来の計画があったりなど、寝る前に考えていたことは」
「やり遂げたい事ですか……。うーん、これと言って思い当たらないですね。正直将来とかもあまり考えてはなかったので……。今の友人と楽しく遊べれば良いかなくらいとしか……」
「寝る前に考えていた事は……確か、直前まで会社の書類を触っていたので、多分ですが……『家でまで仕事をしなきゃならないとかマジ有り得ない。あ~あ、会社が明日には火事とか隕石落ちて潰れてくれないかなぁ……』とかそんな感じだと思います。あまり楽しくはなかったので……」
「取り敢えず、働いてる場所への憎しみとお疲れのご様子……という事は伝わりましたが……」
「……そうだな。恐らく、その様な状態であったから魂が零れ落ちて彷徨ったのかもしれんな。周囲の蝶は貴様のその未練に引き寄せられたのだろう」
「未練ですか……。すみません、直ぐには思いつかないので、少し考えてみます」
未練など言われ考えてみるが……やはりパッとは出てくることは無く、思い当たることも無い。
「そうだな。暫くは頭の整理が必要だろう。時間も遅い事だし、疲れているであろう?今日は寝てしっかり体を休めておくと良い」
「そうですねぇ。そろそろ寝ないとお肌に影響が出てしまいますし、そうしましょうか?」
「肌を気にするなど、貴様には関係ない事であろう……」
「ミカドさん……こういうのは気持ちが大事なんですよ?気持ちが」
二人が楽しそうに話してるのを見て、猫にケアの共感を求めるはどうなんだ……?と感じつつも言葉に従って寝る準備を始めていった。
………。……寝れんっ!
目を開け、ベットから体を起こす。
あんな事があって寝れるわけがないだろっ!今日の事とか閣下からの話とか、頭の中で巡り巡りまくりで眠りを妨げてるわ!
眠ろうとしても睡魔は来ず、どうしても今日の事を考えるため目はずっと冴えていた。
……はぁ、喉乾いたな。冷蔵庫に水でもあったかな……?
ベットからのそのそと出て、ガチャリと冷蔵庫を開ける。中にはペットボトルのミネラルウォーターが二本あり、その内の一本の蓋を開けて飲む。
今の身体は……蝶で作られているとは言っていたが、普通に水は飲めるし、人間の体にしか思えないんだよな……。
手を開いたり閉じたりをして感覚を確かめるが、特に違和感は無かった。
冷蔵庫を閉め、テーブルにペットボトルを置いて自分も椅子に座る。
これからどうしようか……?生まれ変わっているなら知り合いや家族に会うのはアウトになるのか?でも、どうなっているのか気になるし……。やっぱり、まずは同じ世界かどうかを確認する必要があるな……。住んでた部屋とか職場に行けば分かるか?……あっ、そういえば今日の日付聞くの忘れてたな。明日朝にでも聞いておこう。
もし……仮に別世界であって、部屋とか何も無かったらどうしよう……。財布や携帯無いし身分証明とかも出来ない……。あれ?これ割とやばい状況では……?
「まじかぁ……、どうやって生きていこう……」
衝撃の事実に直面し、小声で絶望していると―――。
「どうかしましたか……?」
後ろからごそごそと音が聞こえたのでそちらを見ると、眠そうに眼を擦りながらも体を起こしている明月栞那が居た。
「ああ、すみません。起こしてしまいましたか?」
「いえ……。勝手に起きただけですので……」
彼女はそう言い、ベットからのそのそと出る。
「すみません、冷蔵庫に何か飲み物はありましたか?喉が渇いてしまって……」
「水がもう一本ありますので、ちょっと待ってて下さい」
彼女にそう伝え、冷蔵庫から残りの一本を取り出して渡す。
「ありがとうございます」
蓋を開けて水を飲むと、心配したような目でこちらを見た。
「やはり、眠れませんでしたか……?」
「……まぁ、そうですね。今日の事とかこれからの事を考えるとどうしても目が冴えてしまいます」
「それは仕方ないですよね……。今日だけで色んな事を聞かされていますし」
「そちらは何となく整理して、受け入れる事は出来そうなのですが……」
「問題は、これからですか……?澤田さんは明日からの今後、どうされるおつもりですか?」
「そうですね……っとすみません、その前に一つ確認しておきたいのですが……今日って何月何日ですか?」
「今日ですが?今日は9月1日……いえ、日付は変わっているので9月2日になりますね」
「9月の頭ですか……ありがとうございます」
ってことは、原作の月の頭になるってことなのか?いや西暦まで同じとは限らないし、前後の可能性を考えないと……。同じなら……今は喫茶オープンに向けて四季ナツメと協力しているタイミングの……はず。多分。
「……澤田さん?」
「ああ、すみません。少し考え事をしていました。今後の事でしたね?現状考えているのは……自分の立ち位置を確認したくて、友人や家族、職場を確認しておきたいと考えているのですが……」
「おられるのですが?」
「分かりません。ですが……、連絡を取ろうにも携帯はありませんし、動こうにもお金が無いので、何もできない状況になっているな……と、先ほど気づいてしまって……はは」
せめてスマホだけでもあれば別だったのにな。転生したならこう……、初心者セットみたいにお金と服はあっても良かっただろ……。
「あ、服などの事ならご心配なく。ミカドさんにお願いしていますから。流石に男性の服なので私にはわかりませんが……、朝にはミカドさんに用意してもらえますよ?お金に関しては……、こちらもミカドさんがなんとかしてくれます。相談してみましょう」
「なんか……何から何まで申し訳ないです」
「いえいえ、流石に右も左も分からない無一文の人をそのままにしては置けませんから」
ベットに腰を掛けている彼女は、そう言って優しく微笑んだ。
……今の笑顔の状態でベットに腰を掛けているこのシーン、ゲームだったら一枚絵のCGになっててもおかしくないな……。てかありそう。
話とは関係の無い事を考えていると、手に持っていたペットボトルの水を一口飲み、真面目な顔をした。
「……澤田さんに一つ、ご提案があるのですが……聞いてもらえませんか?」
「提案……ですか?」
「はい。……私達の死神の仕事を、手伝う……という内容になるのですが」
「死神の手伝いを……手伝う?」
「はい」
「蝶を捕まえたり、鎌で回収を出来る気がしないのですが……?」
「いえ、それは私のお仕事なのでお気になさらず。正確には、とあるお店をオープンさせようとしているのですが、そこで一緒に働いて欲しいのです」
「まだ、オープンをしていないお店……」
「喫茶店なのですが、今は私とミカドさんあと一人女性の方がいて……その女性の夢が喫茶店を開く事でして、私達はその夢のお手伝いをしている最中なのですが、ちょっと躓いていまして……」
「……そのお店をオープンする為に、協力する……人手が欲しいと言うわけですか?」
「そうですね。あと、今の澤田さんの生まれ変わった経緯や、お体の謎がはっきりと分かっていないこともありますし、なるべく目の届く範囲に居た方が対処も出来ますから」
喫茶店をまだオープンしていないのか……。今の話を聞く限り、後一人は四季ナツメで間違い無さそうだ。となると?原作の月頭ってことになるのか。
……今の俺は頼れる人も居ないし、近くに居た方が無難なんだろうなぁ……。それに必要とされているなら少しでも今の恩を返して行きたいという気持ちもある。オープンするためには高嶺昂晴が居れば大丈夫だから役に立てるかは分からないけど……原作知識があるから多少なりに助けになれる可能性はある。
「如何でしょうか……?直ぐに決められないのでしたら、返事は後日とかでも大丈夫ですので。実際にお店に行った後とかでも……」
「いえ。その話、受けさせてほしいです。お役に立てるか分かりませんが……協力させて下さい」
「本当ですか?無理させたりしていませんか?」
「ご心配なく。確かに現状、行動を一緒にする以外の選択肢はありませんが、働き口を紹介して頂いているのは純粋に助かります。後は協力する事で少しでも恩を返せたらと……」
「気にしなくても大丈夫なのですが……。でも、ありがとうございます」
「ですが、働くにあたっての身分や戸籍はどうなっているのかさっぱりです……。なにせ生まれ変わっているので……」
「それもそうですね。此方もまとめてミカドさんに相談しましょうか」
「ミカドさんに負担を掛けている気がしますが……、あれ?本人は居ないのですか?」
本人を探して部屋を見渡すが、閣下の姿は見当たらなかった。
「ミカドさんなら今は情報を集めるとか言って出ていかれました。猫の集会にでも参加されているのかもしれません」
猫の集会って……、そんなファンシーな場に出ているのかあの公爵……。
「明日からの方針も決まった事ですし、朝に備えて今日はもう寝ましょうか」
「そうですね。すみません、起こした挙句話に付き合わせてしまってしまいした」
「いえいえ、私が勝手に起きただけですからお気になさらず」
「それでは、おやすみなさい」
「はい。おやすみなさいです」
そう言って、お互いにベットの中に入りなおす。気持ちが落ち着いたことでなんとか寝ることが出来そうだと思い、目を閉じる。
……あれ?冷静に考えてみれば……今の状況って、明月栞那と同じ部屋で寝ているってことになるのか……?
精神的に落ち着いたことで、今まで考えて無かった事を考える余裕が出てきてしまった。
ゲームの画面越しでは何度も見たが、こう……リアルで見ると変な感じがあるな……。いや、超絶美人なんだがな?……というか顔面偏差値高すぎではないだろうか……?ステラのヒロイン全員可愛いのは違いないし……。こんな美人と同じ部屋で寝てるとか……。あ、なんかテンション上がってきたかも……。
今度は別の事で目が冴え始め、結局朝まで起きる羽目になってしまった。
部屋の構成ベットを二つに変更しました。
考えれば初対面の人と一緒のベットで寝るとかありえないというか、寝ることを考えていなかったせいですね。
こここ、こういうのはもっとお互いに親交を深めてか(ry
次は喫茶ステラに行く回になります。オープン前の……ですが。