喫茶ステラ ―異邦人と蝶の残滓―   作:コクーン√

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遂にカフェステラオープンの日です……!ようやく始まりを迎えれました。




第50話:いざ、開店!……と、目が回るような忙しさ

 

「えっと……行列は、まだ出来てませんね」

 

開店間近になり明月さんが入口を確認してくる。

 

「いくら何でもそれは期待し過ぎだって」

 

「そうですか?涼音さんのマドレーヌなら、そういったこともあるかとおもったんですけどね」

 

「そう言ってくれるのは嬉しいけど、わざわざ開店前から並ぶ人はいないでしょ。数量限定商品があるわけでもないし……そういうのは、お店が慣れてからがいいかも」

 

涼音さんが、少し困った表情をしながら四季さんを見る。

 

「それで、ほんとによかったの?冷蔵庫の中身……当初の予定よりかなり多く作っちゃったけどさ……」

 

「はい、大丈夫です。急にお願いしてすみません……」

 

「いや、私は良いんだけどさ、だけど、余っちゃうことを考えると勿体ないなって思っちゃうわけ」

 

「多分ですが、心配する必要はないと思います……恐らくですが」

 

「ん?どういうこと?」

 

「涼音さんのケーキなら、予想以上に売れると考えているので大丈夫ってことですよ」

 

言い辛そうな四季さんに助け舟を出す。

 

「そう言ってくれるのは悪い気はしないけど、初日だよ?どんだけお客さんが来るかも分からないのに……」

 

「ふふふ、結果を期待しててください。首が回らないくらいに来ますよ。きっと……」

 

「はいはい。まぁ、もう作っているし今更言っても仕方ないけどね」

 

「ですね」

 

涼音さんと話し終え、四季さんを見ると、『本当に大丈夫?』と不安そうな顔でこちらを見ていた。

 

「大丈夫だって。もし売れ残ったら全部買い取っても良いからさ」

 

「そうは言っても……ううん、わかった。信じてみるって言っちゃったしね」

 

「その信用を裏切らない様にするよ」

 

「うん、期待してる」

 

以前、ミカドさんの撮影会をした日、四季さんに相談をしていた。

 

 

 

 

「初日に出すケーキの量を、増やす……?」

 

俺からの提案に不思議そうな表情を浮かべる。

 

「ああ、今想定している数より増やしたいんだ」

 

「えっと、それはどうして?」

 

「俺の見立てでは、初日に店に来るお客は俺たちが想定しているよりかなり多く来店することになるからだ」

 

「どうしてそう思うの?」

 

「……俺のサイドエフェクトが、そう言ってる」

 

顔に手を当てて、決め顔で言う。

 

「……はぁ?」

 

「あ、嘘です。ごめんなさい、真面目に話します」

 

きつめの視線を頂けたが、今は真面目に話さなければ……。

 

「はぁ……それで?その根拠はなに」

 

「実はだな、涼音さんが以前働いていたお店があるんだが知っているか?」

 

「うん、前に聞いたことあったけど」

 

「実はそこのお店の偉い人、涼音さんと喧嘩……ではないな。まぁ、辞めるキッカケみたいになった人が居るんだが、その人のおかげで俺たちが想像している以上に店のことが広まることになる」

 

「涼音さんの……?確か結構人気のお店じゃなかったっけ?」

 

「だな。雑誌とかにも載った事あるし、結構有名のはずだ」

 

「そんな人がどうしてお店を?」

 

「ほんとかは知らないけど、『ウチで育ったヤツが人気無いとこっちまで侮られる』……だったか?そんな感じのことを言ってたはず。その話が広がって気になった人が押し寄せて来る、みたいな流れだな」

 

「でも、いくら人気店の人が言ったとしても、本当に来るかどうかなんてわからないし……リスク高くない?」

 

「いいや、来るぞ。このままだとケーキが売れ切れて、買えなくてガッカリして帰ってく人が出てくるし、厨房の高嶺と涼音さんがてんやわんやになるぞ?」

 

「自信満々過ぎでしょ……って、もしかして澤田君……」

 

何かにハッと気づいた様にこちらを見る。

 

「前に言ってた未来が見れるって話……?」

 

「そうそう、それだ」

 

「と、いう事は……当日は今よりもっと沢山人が来るってことなの?」

 

「ああ、俺が分かる範囲ではケーキが売り切れで提供できなくなってたってぐらいだが」

 

「だから数を増やそうと……因みにだけど、澤田君の予想だとどんくらい来そうなの?」

 

「あー……すまん、正確な数とかは分からないけど、ミカドさんの手が借りたくなるくらいには切羽詰まった感じだったな。パンクする一歩手前?」

 

「そんなにかぁ……確かにそれくらい来るとなれば足りなくなるかも」

 

「だろ?涼音さんには申し訳ないけど、調整し直したい」

 

「なんて説明する気?」

 

「調べた感じもっと客が来そうだから数を増やしたいって話せば納得してくれないかな?」

 

「どうだろ……私より涼音さんの方が歴は長いし」

 

「それなら俺からも……ついでにミカドさんにもお願いしておくよ。それなら涼音さんとしては聞くしかないし」

 

「それは……そうかも。一応閣下がマスターってことだし……でも、ほんとに大丈夫なの?」

 

「大丈夫。って俺が言っても、あまり信用はないと思うけどな」

 

「ああいや、別にそう言うわけじゃ……これまでにも何回か実際に当ててたわけだし、嘘じゃないってのは理解してる」

 

「それじゃあ、信頼度を上げる為に更に追加で。最初の来店者は……高嶺の父親だ」

 

「お店を開いた一人目が高嶺君のお父さん?」

 

「そうだな。内容は、オムライスと食後にチーズケーキを注文するはずだ」

 

「そこまで言い切るんだ……」

 

「これが正解だったら多少は安心できるかと思ってさ」

 

「……うん、分かった。今回は澤田君の提案を聞くことにする」

 

「お、マジか。安全をとって無しにされてもおかしくないかなって思ってたけど」

 

「最初はそうしようかと思ったんだけどね……でも、今まで色々して来てくれてたわけだし、賭けても……いいかなって」

 

若干困った様な表情で苦笑いをしている。

 

「けどやっぱり、不安要素が高いと……?」

 

「そりゃね。本当かどうか私には分からないから心配になる。それでも……」

 

「澤田君を、信じて……良いのよね?」

 

それでも真っ直ぐと、こちらを見て聞いてくる。

 

「……任せてくれ。四季さんの期待を裏切らないとだけ言っておくよ」

 

「期待してる。それじゃあ、練り直そっか。意見貰っても良い?」

 

「参考になるか分からんが、喜んで」

 

「早速雲行きが怪しくなるなぁ……」

 

 

 

と、まぁそんな感じで上手いこと涼音さんを説得し、初日から量を増やして今に至るって感じだな。こき使われたが……それは言いだしっぺだしご愛敬ってやつだ。

 

「そろそろ、10時ではないか?」

 

「それでは、外の看板をオープンにしてきますね」

 

「あ、待って、ワタシが行く。今日はワタシがしたいから」

 

「りょうかいです。ではお願いしますね」

 

最初の大事な日ということで、四季さんが名乗り出て入口へ向かった。

 

「お客様、いらっしゃいました」

 

看板を反した四季さんが店の中へ戻ると、それに続くように最初の一人目が来店する。

 

「いらっしゃいませ」

 

それを店内にいる全員で迎える。

 

「なるほど。随分と明るくなったな。店も人も……。よう、来たぞ」

 

嬉しそうに高嶺に手を上げる高嶺父。

 

「いらっしゃいませ。こちらの席へどうぞ」

 

「ああ」

 

席まで案内し、高嶺と涼音さんは厨房へと戻っていく。

 

「ご注文をお伺いします」

 

それに代わって、明月さんが注文を聞く。

 

「そうだな……。この半熟卵のオムライスを1つとコーヒーを。それと、食後にこっちのチーズケーキを1ついいかな」

 

「半熟卵のオムライスとコーヒーをおひとつ、それから食後にチーズケーキをおひとつですね。他にご注文はよろしいでしょうか?」

 

「ええ、大丈夫です」

 

「畏まりました。それでは、少々お待ちください」

 

明月さんとの会話を聞きながら、準備を進める。コーヒーか……厨房には二つしか言って無かったが、そりゃそうか。ドリンクはこっちに言うから内容に無くて当然か。

 

「何か手伝う?」

 

「いいや、コーヒー1つだし問題ない……が、カップの用意をお願いしても?」

 

「わかった、それと、澤田君が言ってた注文内容と同じみたいね」

 

「コーヒーは見逃してたけどなぁ……普通に考えれば飲み物があるってくらい思いつくべきだった」

 

「あ、たしかに……けど、オムライスとチーズケーキは正解でしょ?」

 

「まぁな、完璧じゃなかったけど」

 

「それだけでも充分に凄いと思うのだけど……?」

 

「四季さんが納得してくれるなら……ま、いっか。ほい、コーヒー」

 

コーヒーを淹れて、四季さんへ渡す。

 

「ん、了解」

 

さてと、一応厨房の中も覗いておこうかな。

 

厨房に入ると、高嶺が真剣な表情を浮かべてオムライスを作っていた。

 

「かなり気合入っていますね」

 

「大事な最初のお客さん、しかも自分の父親となれば気合も入るもんでしょ」

 

「それもそうですね」

 

その様子を涼音さんと一緒に見ながら、念のためピーク時に向けて準備を進めて行く。

 

完成したオムライスを涼音さんの確認を得て運ばれていく。

 

「手ごたえはおありで?」

 

「問題は無いと思います。これまで沢山練習してきましたから」

 

「でもやっぱり本番は緊張したと」

 

「ですね。ですがちゃんとしたのを作れてたって自信はありますよ」

 

「それなら大丈夫か」

 

見た感じ、肩に余計な力が入っている様子も見えないし、問題は無さそうだ。

 

「そろそろケーキの方も出せるくらいかな?」

 

オムライスが運ばれてから10分くらいが過ぎた。

 

「少し様子を見てきますよ」

 

「ちょっとお願い」

 

厨房から出て、作業をするついでにテーブルの様子を窺う……うむ、まだ食べている途中だな。

 

厨房に戻り涼音さんへ報告をする。

 

「まだですね。あと5分くらいはかかりそうですよ」

 

「了解、それくらいに用意しておこうかな」

 

その後、チーズケーキも運ばれ、全部を美味しそうに食べて終えた高嶺父は無事帰って行ったのでそれを見送る。

 

「次のお客さんは……来ていないみたい」

 

「最初はな。昼前になればそれなりに来るぞ」

 

「ほんと?」

 

「ああ、そして昼が過ぎると更に客が増える。そりゃ忙しいくらいにはな」

 

「問題は昼過ぎてからかぁ……」

 

「昼を過ぎれば墨染さんと火打谷さんも来るし、フロアは問題無いと思うから俺は厨房に入るよ」

 

「了解、お願いね」

 

「一応他のみんなにもそう伝えておく」

 

他のみんなに伝えた後、少しの間暇な時間が出来たが、昼前になった辺りに新たな客が来たので着替えて厨房の方へ入る。

 

「今からこちらに入ります。どんどんこき使って下さい」

 

「お、来たね。それじゃあ、オムライスの方お願いしても良い?」

 

「分かりました」

 

注文の伝票を確認しながら作業を進めて行く。

 

「オーダー入ります、パンケーキとカルボナーラひとつです」

 

「了解。昂晴はそれが終わったらカルボナーラの方お願い。達也はそのままオムライスを作って行って。パンケーキは私の方で進めるから」

 

「了解です」

 

「4番テーブルのオムライス2つ上がったっ!」

 

「ありがとうございます。運びますね」

 

「ほい、こっちは食後のタルトね。これは6番テーブルの人のやつ」

 

「了解です」

 

伝票を見ながら注文の品を作っていく。

 

「こっちのカルボナーラは出来上がりますが、そっちはどうですか?」

 

「もうちょいかかりそう。先にそっちだけ運んじゃって」

 

「分かりました」

 

「あとは、食後のケーキだけだな」

 

昼時という事もあり、ご飯系を頼む人が多い。食後にデザートもセットでの注文だ。

 

「涼音さん、デザート系はまだまだ余裕ありますよね?」

 

「え?そりゃあんだけ作ればね。この調子だとかなりあまりそうだけど……」

 

「それは大丈夫です。午後からご飯より甘い物を求めて来る人が増えますから」

 

「どうだろうねぇ、そうだと良いんだけど……」

 

暇は無いけど、そこまで忙しくはない。そんな感じで昼が過ぎて、墨染さんと火打谷さんもシフトで入ってきた。

 

 

 

 

 

「すみませんっ、いちごのタルトって、まだありますか?あとショートケーキも!」

 

「どっちも冷蔵庫の中!もう出していい頃合い」

 

「はい!3番と4番テーブルのパンケーキ」

 

「おっけ!俺の方で渡して来る!墨染さんはケーキ系をお願い!」

 

高嶺が作ったパンケーキをフロアの火打谷さんに渡す。

 

「これ、3番と4番のパンケーキ。不安なら一応伝票もあるから見てくれ」

 

「はい、ありがとうございます」

 

厨房に戻る前に店内を見渡すが、ほとんどが女性客である。カウンター席にコーヒーを飲んでいる男性客も居るが……。

 

厨房に戻ると、注文の伝票が1つ増えていた。

 

「これもパンケーキだな。高嶺、そっちはどうだ?」

 

「今パスタで時間がかかります!」

 

「わかった!パンケーキはこっちで全部作るから、タイミングあったら食後のデザートの用意も頼む!」

 

「オーダー入ります、パンケーキ2皿。あとセットのブラウニーってまだありますか?」

 

「まだある!けどあと少しで無くなりそうっ」

 

「分かりました!」

 

「追加のパンケーキも俺の方で作りますんで、涼音さんはデザート系を引き続きお願いします!」

 

「了解っ、ミスしない様に!」

 

「任せてください!」

 

プライパンへ材料を流して焼いていく。一つを作って、追加の2つをコンロ2つ使って同時に仕上げる。

 

「はいっ!こっちパンケーキの2つ!」

 

「澤田さん!片方もらいますよっ?」

 

「ああ、ありがとう!プライパンは適当に置いていてくれ」

 

「ごめんだけど、どっちか皿洗いお願いできるっ!?」

 

「俺が入ります!丁度パンケーキ終わったので!」

 

「デザートとかの皿から優先でお願い!」

 

「了解です!」

 

忙しいとは思っていたけど……これは予想以上だな!

 

 

 

 

「だはーーっ、づーがーれーたー……」

 

ようやく全ての客を捌き切り、本日の営業が終わったとなった瞬間、涼音さんから盛大なため息が出る。

 

「お疲れ様です」

 

取りあえず俺と高嶺で涼音さんを労う。

 

「2人もおつかれ。なんとか持ちこたえたね」

 

「ケーキのほうはどうでしたか?」

 

「ん?ああ、大体売り切れているよ。ただショートケーキのほうはまだ残ってるけどね」

 

「そうですか……それは良かったです」

 

「いやー、そっちの話を聞いてて正解だったよ。まさかあんなにお客さんが来るなんて……」

 

「ショートケーキは残っちゃいましたけどね」

 

「これに関しては仕方ないよ。追加で作り続けていたし」

 

「俺と澤田さんはパンケーキとか他にもしていましたけど、そっちはほとんどひたすらケーキ作りでしたもんね」

 

「2人が頑張ったおかげでこっちに集中出来たってのもデカいね。助かったよ」

 

「あとは明日に向けての片付けですね」

 

「お疲れ様でした」

 

3人で話していると、四季さんが厨房へ入ってくる。それに続くようにフロア組の皆も来た。どうやらそっちも終わった様だ。

 

「ほんとお疲れ様。なんとか乗り切れたね」

 

「そうですね、なんとか乗り切る事が出来ましたねー」

 

「本当になんとか、って感じでした。もうちょっとでパンクしちゃいそうでした……」

 

「アタシもです……疲れましたけど、楽しかったです」

 

「澤田君、因みにだけどケーキのほうは……?」

 

「ありがたいことに殆ど売り切れているよ。ショートケーキが少し残ったくらいだ」

 

「そう……良かった」

 

それを聞いて安心するように胸をなでおろす。

 

「そういえばミカドさんは?」

 

「閣下?今日の集計をするって言って奥に行ったけど?」

 

「了解」

 

「閣下に何か用?」

 

「用というか、少しお願いをしに行こうかなって」

 

厨房を離れ、奥の部屋に入る。

 

「む、どうかしたのか?」

 

パソコンに向かいながら今日の売り上げの帳簿していた。

 

「お疲れさま、無事今日を乗り切れたよ」

 

「そうだな。貴様が言っていた通りの忙しさだったな。我輩まで呼び出されるとは」

 

「それについては物凄く助かった。ありがとう」

 

「なに、気にするな。それで、何か用か?」

 

「お願いがあってさ、今日作ったデザートのケーキがまだ少し余っていて、可能なら皆に食べさせたいんだけど……どうかな?」

 

「なるほどな……正直、あまりこういったことは良くないのだが……まぁ、今日くらいは良いだろ。最初の日くらいは許可しよう」

 

「ありがとう。もし問題があるなら俺の給料からでも引いておいてほしい」

 

「この程度何も問題はないから安心しろ」

 

「それじゃあ、ありがたく頂く」

 

厨房に戻ると、皆で今日1日の忙しさの話でワイワイと盛り上がっていた。

 

「涼音さん、ケーキってあとどのくらい残ってますか?」

 

「ん?ちょっと待ってね……あと4つだね」

 

「さっきミカドさんにお願いして、残りのケーキは皆で食べて良いって許可貰ったので皆で分けてください」

 

「本当ですかっ!?」

 

俺の言葉を聞いて、火打谷さんが目を輝かせながら聞いてくる。

 

「ああ、しっかりと了承済みだ」

 

「やったっーー!!」

 

「私はパスで。他の皆で食べて」

 

自分のだからか、涼音さんが真っ先に辞退をする。

 

「俺も大丈夫かな。5人で話し合ってくれ」

 

それに続くように俺も譲る。

 

「えっと、ケーキは残り4つなんですよね?……ジャンケンで決めますか……?」

 

「それでしたら、私はいいので皆さんで食べて下さい」

 

残り一人の決め方を考えていると明月さんが自ら辞退する。

 

「いや、それなら俺が今回は遠慮しておくよ」

 

それを止めようと、今度は高嶺が自ら辞退を言い出す。

 

「いえ、高嶺さんは食べて下さい」

 

「いや、この場で俺だけ男一人って言うのは……」

 

「澤田君は食べないの?」

 

二人の譲り合いを眺めていると、四季さんが話しかけてくる。

 

「ん?ああいいよ、今回は」

 

「甘い物好きって言っていたのに意外……、遠慮せずにジャンケンしたら?」

 

「うーん、涼音さんのならいつでも食べようと思えば食べれるし、若いもんに譲るよ」

 

「若いもんて……」

 

「今日は皆頑張ったし、少しでも労っておきたいんだよ。明日からまだ忙しい日々だしさ。それに、涼音さんが折角作ってくれたものを廃棄するのはどうしても気が引ける」

 

「それはそうかもしれないけど……」

 

「分かってる。やってく以上そう言ったことは必ず起きるし、ある程度受け入れないといけない。が……今日くらいは良いだろ」

 

「……そうね、それについては賛成する」

 

「んじゃ、ケーキを食べ終わったら片付けして帰るか」

 

因みにだが、高嶺昂晴VS明月栞那の勝負は、明月さんの勝利で高嶺が食べることになった。

 

 

 





次は……バーに行くところまで進めようかと思います。

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