喫茶ステラ ―異邦人と蝶の残滓―   作:コクーン√

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昼食のパスタを食べ終えた所からです。




第7話:占い

 

昼食が終わり、淹れてもらったコーヒーで一息ついていると、閣下が明月栞那に話しかける。

 

「栞那、どうやら先ほどのこやつの予想は吾輩が勝ちの様だ」

 

「先ほどのと言えば……え?、ミカドさんの妄想と言っていたことですか?」

 

「ああ、それについては本人から聞いてくれ。何やら占いが得意らしくてな」

 

占い?と不思議そうな顔をしてこちらを向く。

 

「明月さんが準備をして下さっていた時にミカドさんと話していて……。私占いが割と得意でして、先の運勢を占ったり悩みを聞くのが好きなのですよ」

 

「占いですか……。それはまた何とも凄いご趣味を。それとミカドさんが仰っていた事とどの様な関係が……?……ん?あ、あれ?そう言う事なのですか?ミカドさん」

 

明月栞那は何かを察したような様子を見せたが、答えが合っているか分からず閣下を見ている。そこに閣下は何か耳打ちをする。次第に謎が解けていくように納得の表情を見せていく。

 

「……なるほど。それでご趣味という事なのですね。分かりましたこちらも事情があるという事で納得しておきますね。ただ……」

 

恐らくさっきまでの会話を掻い摘んで説明したのだろう。だが明月栞那から困った顔でこちらに何かを言おうとする。

 

「占い師で片付けようとするのはどうなんでしょうか……?なんだが此方以上に胡散臭く思えてしまいますね……」

 

占い師では胡散臭いらしい。死神の仕事より嘘とは失礼な。まだ現実にありそうな職業だが死神とか漫画ですか?と馬鹿にされるレベルだぞ。中二病並みだ。

 

「それに、ずっと気になっていたのですが……澤田さん私達に気を使って変に丁寧な話し方をされていたので……、それも相まってどちらかというと詐欺師かと」

 

困り顔から今度は少し窺わしい目をこちらに向けてくる。まぁ違和感ありますよね。所々自分でも間違っているとは分かっていましたとも。頑張って直して行かないと。

 

「なので無理して話すのではなくて、いつも通りの話し方で大丈夫ですよ?」

 

―――そう来るか。

 

予想外の発言に明月栞那の顔を見るが、笑顔でこっちを見ていた。

 

うん。超可愛いと思います。あ、いや違う。違わないけどそうじゃない。

 

どう警戒心を解いて距離を縮めようかと思っていたが、まさかそちら側から詰めてくるとは思わなかった。有難く提案を受け入れておこう。

 

「あはは……、すみません。実はあまり慣れていなくて……お言葉に甘えても大丈夫でしょうか?」

 

「私は大丈夫ですよ?ミカドさんも良いですよね?」

 

「ああ、構わん。好きにすると良い。最低限の礼儀をすれば吾輩からは特にない」

 

二人からの了承も取れたことだし。なるべく普通に。同じ目線からの会話を心がけよう。

 

「ありがとうご……ありがとう。今後はそうしていくから何か失礼があったら気にせず言って欲しい。直していくから」

 

これで多少は胡散臭く無くなった……のか?

 

「はい。これから一緒に働いていく仲ですからね。それで、話は戻しますが澤田さんのご趣味なのですが……、よく人を占ったりするのですか?」

 

こちらに気を遣った言い方で質問をしてくる。

 

「そうだなぁ……、する時としない時の落差が結構あって……、占う人に依存してしまうから何とも言えないかなぁ?ピンキリだと思う」

 

「そうなのですね。例えば私とミカドさんを占って欲しいと言われたらどうでしょうか?」

 

「そこは実際にしてみないと何とも言えないかなぁ。予想だけどミカドさんよりは明月さんの方が多く占えるかと思う」

 

「何かしら条件が合ったりしたりはするのでしょうか?占える人の最低限のライン的なのは……?」

 

「あると言えばある。人によって占える範囲が決まっている感じというのか。詳しくは企業秘密という事で……黙秘権で頼みます」

 

正確には高嶺昂晴を中心としたヒロインのと原作までの知識だが、あまり詳しく話すのは良くないかと思い、ここまでと線を引く。

 

「分かりました。ありがとうございます。……良ければなのですが、私を占ってもらえたりは可能ですか……?」

 

申し訳ないような探りを入れているような表情を向けて聞いてくる。明月栞那からしたら俺があまり詮索して欲しくない部分の見極めをしているから心情的に罪悪感を感じているのかもしれないな。内容にもよるがここは受けても大丈夫だろう。

 

「明月さんをですか?全然大丈夫ですよ?とは言っても大した事で出来ないと思うから期待しないでくれ」

 

「それで構いませんので……お願いします」

 

「それじゃあ……」

 

席を立ち、明月栞那の正面に座る。少し心配というか不安げな雰囲気が顔から見て取れる。

 

「そんなに緊張しなくて大丈夫。あくまで趣味で占うだけだから。明月さんの人生を決める相談でも何でもないから気軽にして欲しい」

 

「あはは……そうですよね。あくまでご趣味ですよね……。これは建前としては必要なのでしょうか……?

 

最後にボソッと言ったが聞こえないふりをしとこう。建前は大事。これ重要。

 

「本来は、一対一で話すためミカドさんには席を外して頂くが、今回は明月さんが良ければ一緒で大丈夫です。プライベートやデリケートな部分を話す可能性もあるから他の人なら一人だけが望ましいけど……」

 

明月栞那を見るが、大丈夫という事で頷き返してくる。閣下を見るがこちらも頷く。まぁ100年近くも共にしていれば多少は問題ないのだろう。信頼している証でもある。

 

「今回は明月さんの悩みなどを聞いてアドバイス的なのを出来れば……と考えている」

 

「いつもはどの様な進め方なのですか?」

 

「そうだなぁ……。始めに相手の紹介を聞いて、軽く趣味とか好きなことを聞いたり最近あった身近な出来事とか聞いたりして話を広げていく感じかな。会話が馴染んで来たら少しずつ本題に入っていく流れが多いと思う」

 

これは今考えた適当な手順だ。占いなんてやった事無いから本職がどうしているかとか分からないから当たり障りの無いように言う。

 

「なんだかお見合いみたいなやり取りをしていくのですね……。いえ、相手の事を知ろうとするならそうなることは当然なのですが……」

 

「言われてみればなんだかお見合いみたいに聞こえてくるな……。でも今回はそれは必要ないかと思うから省いて本題に入ろうかと思う」

 

「急に互いのキャッチボールを飛び越えて結婚の話をですか……。これはまた破談しそうな進め方ですね?」

 

一旦お見合いから頭を切り替えようか?そりゃ相手の事もよく知らずに結婚なんてまず無理な話だろう。信用もくそもないからな……って今はそれは置いておこう。

 

「まぁ、今回は結婚のお見合いじゃないから大丈夫大丈夫。では始めて行きましょうか」

 

「はい。よろしくお願いしますね」

 

こうして占いの様なのが始まるが、勿論占いなどやったことは無い……が、それっぽい事を匂わせておこう。多少ヒントを散りばめて置けば後々回収できるだろう。

 

 





初めて感想をいただきました!ありがとうございます。

なんて返してよいか分からず、普通の事しか返せていないのでなんか申し訳ないです……笑

次回は主人公の占い教室が入ります。視点を主人公と明月栞那の2つに分けてみようかと考えています。

占いとかやったことないのですが、当たるものでしょうか……。個人的には受けた本人の受け取り方次第だと思っています。

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