自分でも書きたくなりました。
ジリリリリリリ!!!
部屋に響き渡る目覚ましの音が朝を告げる。膨らんだ布団の中から一人の少女がのそりと起き上がり、目覚ましを止めながら立ち上がった。
少女の肌は雪のように白く、髪の毛は綺麗な金色に輝いている。誰が見ても美少女と呼べる少女だが、この少女を初めて見た者が最初に注目するところはそこではないだろう。
少女の頭には肌と同じ真っ白な大きな兎の耳、お尻にはまるでタンポポの綿毛のような尻尾が付いている
「んー!よく寝たー!」
体を大きく伸ばして完全に覚醒した彼女は手慣れた手つきで、顔を洗い、朝食を食べ、出かける準備を進める。
「筆記用具良し!体操服良し!受験票も良し!!完璧!!行ってきまーす!!」
忘れ物がないか確認して、少女は元気よく走り出す。そんな彼女に返事を返す存在はこの部屋にはいなかった。
とあるマンションの前、玄関口を掃除している高齢の女性がいた。この女性はこのマンションの管理人を務めており、毎朝、マンションの住人と朝の挨拶をかわすのが習慣となっていた。
いつも通り掃除をしているとマンションの入り口からドタドタと慌ただしい音が聞こえてきてその正体を知っている女性は「今日も元気ね」と微笑ましく思いながら、入り口に視線を向ける。
「あ!管理人さん!おはようございます!!」
「おはよう、海兎ちゃん。今日も元気いっぱいね〜」
「もちろん!元気が私の取り柄だからね。」
海兎の言葉に管理人も笑みを浮かべる。
「今日は受験本番よね。応援してるわ、頑張ってらっしゃい。」
「うん!頑張るね。行ってきまーす!!」
「はい、行ってらっしゃい。」
手を振りながら走っていく海兎の背を見ながら管理人は過去を思い返すように目を細める。
――本当に良かった・・・・・・。
心の底からそう思う。あの子がこのマンションにたった一人で引っ越してきてもう7年になるだろう。当時、まだ8歳の女の子が一人で暮らすと聞いて、何度も己の耳を疑った。
生活費などはしっかり振り込まれているようだし、自分で自炊を始めるまではお手伝いさんが食事などの面倒を見ていたようだが、結局この7年であの子の両親が直接会いに来ることはなかった。
まだ幼い女の子にとって両親と会えないのは何よりも辛いだろう。あの子はいつも泣いていた。そんな子供を放っておくことなど私にはできなかった。
何かにつけてあの子に話しかけては、お節介を焼いた。もちろん最初は何の反応もなかったし、拒絶されることもあった。それでも少しずつ心を開いてくれて、今ではあんな笑顔を見せてくれるようになった。
全てが解決した訳ではないが、それでもこれからのあの子の人生が笑って過ごせるものであると私は願っている。
「管理人さんも応援してくれてるし、頑張るぞー!」
頭のうさ耳をピンッと伸ばしながら海兎は叫ぶ。
「やるぞー!えい!えい!おー!!」
全力疾走する海兎の鞄からはこれから受けるであろう高校のパンフレットがはみ出ていた。
そこには大きくこう書かれていた【雄英高校】と。
これは辛い過去を持ちながらもヒーローを目指す少――
「こら!こんな住宅街で朝から大声を出すんじゃない。」
「ご、ご、ご、ごめんなさい!!」
――少女のヒーローアカデミア。
お読み頂きありがとうございます。
仕事の合間や休みの日に少しずつ書いていく予定なので亀更新ですがよろしくお願いします。
ちなみに主人公の名前は月下海兎(つきしたみと)です