新海底軍艦〜アルス•ノヴァ〜   作:あーくこさいん

4 / 12
第3話 復活

羅號の艦長になる事を決めてから二週間、有坂は二つの課題が課せられていた。

一つは潜水艦『ブルーノア』を用いた特訓。

帝国に発見されない為に羅號本体は日本海大和堆におり、ブルーノアを用いて特訓を行った。

水上戦、水中戦、空中戦のシミュレーション、霧の艦艇はもちろんレムリア帝国の潜水艦、空中艦との戦闘シミュレーション、そして今現在判明しているラ級戦艦の対策及びシミュレーションを行った。

もう一つは羅號の乗組員の確保。

艦長の他にも副長、火器管制担当、操舵・航海担当、ソナー・レーダー担当、機関・メカニック担当と6人必要だった。

その為、有坂が通っている学院の学生からスカウトしなければならなかった。

有坂は残りの5人を決めていた。

 

 

 

ある日、食堂で昼食を食べていると、天羽がこう切り出した。

 

「有坂くん、何かあったの?」

 

「何かって何?」

 

「いや、最近ボーッとしなくなったのと帰るのが早い気がするの。」

 

「そういえばそうですね。」

 

「えっ、何々気になる!」

 

「お前まさか彼女出来たりして・・・」

 

「ううん、そんな事じゃないけど・・・」

 

有坂は少し間を置いて、

 

「あの、みんなちょっといいかな?」

 

「ん?どうしたの?」

 

「放課後、僕がいつも訪れている丘に来てくれないかな?そこで大事な話があるんだ。」

 

突然のことに5人は困惑するが、

 

「・・・ええ、分かったわ。みんなもいいでしょ。」

 

「えっ、ああ、いいけど・・・」

 

「じゃあ、また放課後で。」

 

有坂達は一旦解散した。

 

 

 

 

放課後、有坂達はいつもの丘に行き、そこでアネットに会った。

 

(ちょ、ちょっと!あの人誰!?)

 

(まさか彼女!?)

 

(綺麗・・・)

 

(美人ですね。)

 

5人が困惑したり見惚れている中、

 

「有坂君、羅號の乗組員集めたのね。」

 

「ちょっと有坂くん、その人誰なの!?」

 

「おいおい、まさか彼女か!?」

 

「ああ、紹介するよ。この人はアネットさんだよ。」

 

次の瞬間、アネットは本来の姿に戻り。

 

「皆さん初めまして。旧レムリア王国第一王女アネット=イコン=エピファネス。以後お見知りおきを。」

 

アネットが自己紹介すると、

 

「えっと、レムリア王国・・・?」

 

「聞いたことない国ですね。」

 

有坂は話した。

超古代文明レムリアのこと、アネットが昔起きたクーデターで国を追われたこと、そして『レムリア帝国』に対抗する海底軍艦『羅號』のことも・・・

 

「・・・なるほど、だからみんなを集めたのね。」

 

「うん、改めて言うよ。みんな、羅號に乗ってくれないか?もちろん強制はしない。僕達が戦うのは霧よりも遥かに強大な軍事国家だ。はっきり言って命の保証はない。行くかどうかはみんなで決めてくれ。」

 

しばらく経って、天羽が口を開いた。

 

「分かったわ。私達も乗せて。」

 

「えっ、いいの?」

 

「だって、群像達が奮闘しているのに自分達は何もできないだなんて耐えられないわ。それに私も群像達に会いたいと思っていたから。」

 

「俺達も風穴を開けたいと思っていたところだ。」

 

「そうですよ!抜け駆けなんてずるいです!」

 

「わ、私もできる限り頑張ります!」

 

「私もレムリア文明の技術に興味ありますので。」

 

「みんな・・・」

 

「ええ、だから私達を羅號に乗せてくれる?」

 

「うん、それじゃあみんな力を貸してくれ!」

 

「「「「「おう!」」」」」

 

 

 

それから二週間、メンバーで特訓を行った。

短い期間だったが、学院のチームを組んでの戦術シミュレーションの経験を活かしたおかげか、短期間で物になった。

そして遂に、羅號に乗り込む時がやってきた。

必要な物資はブルーノアに積み込み、レムリア文明の超技術『量子化空間跳躍(クワンタム・ワープ)』によって羅號がいる日本海大和堆にワープするとのことだ。

 

「必要な物資はすべて積み込んだわ。」

 

「それじゃあ、ワープ開始!」

 

そう言うとブルーノアの前に緑色のリングが現れた。

ブルーノアがそのリングの中に入ると、緑色のトンネルを通っているような感覚になり、数秒後出ることができた。

 

「ワープ完了。目標海域に着いたわ。」

 

「ここが・・・」

 

「見たところ、羅號らしき軍艦が見当たらないのですが・・・」

 

「待ってね。今ジャマーを解除するから・・・」

 

次の瞬間、海を映していたところがぼやけて、巨大な軍艦が姿を現した。

 

「これが・・・」

 

「海底軍艦『羅號』・・・」

 

そこには大和型の艦橋部に四連装砲、艦首に巨大なドリルを搭載した軍艦がいた。

あまりの巨大さに有坂達は言葉を失う。

その後、羅號と通路をドッキングし物資を搬入して有坂達は羅號に乗り込む。

そして、各々が持ち場に着くと、

 

「火器管制装置及び各種兵装異常無し!」

 

「ソナー・センサー類も問題無し!」

 

「各種操艦システム異常ありません!」

 

「田ヶ谷さん、準備はいいですか?」

 

「動力炉の駆動システム異常無し!準備完了、重力炉(グラビティ・エンジン)点火!!」

 

そう言うと動力炉が大きな駆動音を立てて動き出した。

 

「動力炉点火成功!」

 

「有坂くん、羅號発進準備完了!いつでもいけるよ!」

 

有坂は頷くと、

 

「よし!海底軍艦『羅號』発進!!」

 

その瞬間、羅號は復活した。

今度は戦争に勝つためでは無く、全人類を守る為ーーー

 




【メカニック解説】
海底軍艦『羅號』
全長:390m
全幅:67m
基準排水量:24万8千t
主砲:45口径51cm砲 12門
装甲:対51cm砲防御
※他 兵器多数

大日本帝国海軍が秘密裏に建造した万能戦艦であり、大和型四番艦として建造された。
唯一レムリア帝国の手に落ちなかったラ級戦艦。
超大和型戦艦に搭載する予定で開発された『45口径51cm砲』と、大和型戦艦の防御上の弱点がおおむね克服されている為、今までの戦艦とは一線を越す攻撃力と防御力を備える。
1945年8月6日に小笠原諸島沖でモンタナと遭遇、相打ちの形で沈んだが、アネットの手により修理・改修が施され有坂達乗組員の搭乗を完了し、レムリア帝国の魔の手から人類を守る為復活する。



【登場人物紹介】
有坂 鋼(ありさか ごう)
羅號二代目艦長
本作の主人公であり、千早群像の親友。
幼い頃母親を亡くし、唯一の肉親である父親も霧との戦争で亡くす。
霧については父親を殺した仇だが、根がやさしいため霧を恨むに恨めず霧の行動についても疑問に思っていた。
アネットの話を聞いて羅號に乗る事を決意する。

アネット=イコン=エピファネス
旧レムリア王国第一王女
超古代文明国家レムリア王国の王女であり、上位種である。
心優しい王女だが、クーデターにより祖国を追われる。
初代羅號艦長日向 真鉄(ひゅうが まがね)に接触し、真実を伝えた。
レムリア帝国の地上制圧に備えて羅號を改修し、乗組員として有坂達をスカウトした。

天羽琴乃(あまは ことの)
羅號の副長
千早群像と織部僧の幼馴染。
群像にとって越えられなかった存在。
成績は常に一位で容姿端麗、明朗快活、頭脳明晰とゲームならチートのようなキャラ。
群像や有坂を気にかけているが、基本的に前向き。

花島 大介(はなじま だいすけ)
羅號の火器管制担当
成績はあまり良くないが、砲撃・雷撃管制についてはトップクラス。
普段は皮肉屋だが、砲雷撃をする時に気合いを入れる為に鉢巻をつける。
鉢巻をつけると、一気にハイテンションになる。

響 真瑠璃(ひびき まるり)
羅號のソナー・レーダー担当
羅號クルーのムードメーカー的存在。
成績は上位であり、特にソナー、レーダー、通信関連の扱いは優秀。

月野 凛(つきの りん)
羅號の操舵・航海担当
気の弱い性格で逃げ腰気味。
そんな自分を変える為に学院に入った。(理由:艦の中では逃げたくても逃げれないから)
成績は中の上だが、操舵・航海においてはトップクラスの技量を持つ。

田ヶ谷 昴(たがや すばる)
羅號の機関・メカニック担当
おおらかで大人しい性格。
成績は平均的だが、機関・メカニック関連は豊富な知識・技量を持つ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。