ー太平洋上のとある島沖ー
そこには赤い船体の巡洋艦『タカオ』が島に向けて航行していた。
「見えてきたわね。あれが艦長の本拠地、どう驚かそうかしら…ウフフフフフ…♡」
その時だった。
チカッ………バチィ!!
「キャッ!!」
なんと島の方から大量のミサイルやビーム砲が飛んでくる。
「この攻撃パターン…まさか…!」
その直後、タカオは意識を失った。
ー横須賀要塞港地下ドックー
そこにはイ401と羅號が収容されていた。
イ401は装備の40%を喪失、ナノマテリアル不足により応急処置が精一杯と厳しい状態だった。
今現在、新兵器『振動弾頭』の積み込み作業が行われていた。
一方、羅號の艦内では………
「……暇だ〜」
花島がそう愚痴をこぼす。
「仕方ないでしょ。艦内に留まる事を条件にドック入りを許可されているから…」
「まぁ、そんな悪い事だけではないけどね。」
有坂はコンソールを動かし、『あるもの』をモニターに写した。
「モンタナの残骸から他のラ級戦艦のデータが手に入ったし…」
「これは大きいですね。」
そう、有坂達はドック入りを許可されるまでの間モンタナの残骸を調べ、諸元データを手に入れる事ができた。
そこで今後の対策がてらそのデータを見ることにした。
イタリア海軍ラ級戦艦 インペロ
ヴィットリオ・ヴェネト級三番艦として建造
全長:380m
全幅:93m
基準排水量:19万2千t
主砲:50口径38cm砲(三連装)4基 12門
装甲:対38cm砲防御装甲
特性:電磁・水流複合推進器
「インペロ…
「主砲は従来のヴィットリオ・ヴェネト級と変わらないが砲門数は多いな。」
「電磁・水流複合推進器…おそらく水上・水中速力が尋常じゃないくらい速いんですね。」
イギリス海軍ラ級戦艦 インヴィンシブル
G3級巡洋戦艦一番艦として建造
全長:320m
全幅:45m
基準排水量:13万5千t
主砲:55口径36cm砲(四連装)3基 12門
装甲:対36cm砲防御装甲
特性:シールドドリル
「主砲は36cm砲か…羅號と同じ四連装砲だが小口径砲だな…」
「シールドドリル…?シールドマシンの事か?」
「おそらくそうだろう。正面装甲はかなり堅牢だ。」
フランス海軍ラ級戦艦 ガスコーニュ
リシュリュー級戦艦四番艦として建造
全長:340m
全幅:52m
基準排水量:17万7千t
主砲:50口径40cm砲(五連装)2基 10門
装甲:対40cm砲防御装甲
特性:新型照準器、艦尾ドリル
「五連装砲に艦尾ドリル…!随分とユニークな戦艦だな。」
「五連装砲…相当な重量になるからバランスを取る為に艦尾にドリルを付けたのね。」
「なるほど、なら他のラ級戦艦と比べて格闘戦能力は低いな。」
ソビエト海軍ラ級戦艦 ソビエツキー・ソユーズ
ソビエツキー・ソユーズ級戦艦一番艦として建造
全長:360m
全幅:62m
基準排水量:20万7千t
主砲:50口径40cm砲(連装・三連装) 4基 10門
装甲:対46cm砲防御装甲
特性:艦尾ロケットブースター
艦首ジェットスラスター
「46cm砲防御か…大和並みだな。」
「艦尾にロケットブースター…か。」
「おそらくナチス・ドイツから持ち帰ったV号ロケットの技術をそのまま転用している。」
ドイツ海軍ラ級戦艦フリードリヒ・デア・グロッセ
H級戦艦一番艦として建造
全長:370m
全幅:62m
基準排水量:22万6千t
主砲:47口径40cm砲(連装)4基 8門
装甲:対51cm砲防御装甲
特性:V1改、V2改発射機
「厚い装甲に小さめの主砲…ドイツ艦らしいセオリーね。」
「さらにV号ロケットを搭載しているから攻撃力は高いな。」
有坂達が議論していると、アネットから通信が入る。
「有坂君、コンゴウとマヤが目覚めたわ。」
「分かった、すぐ行く。」
そう言うと有坂はアネットのいるメディカルルームへ向かった。
有坂が入るとそこにはアネットとコンゴウとマヤがいた。
「えっと…気分はどう?」
「……最悪だ。」
コンゴウは不満そうに答える。
「それより何故助けた?」
「何故って…溺れている人を助けるのに理由なんている?」
「……そうか。」
コンゴウは諦めた様子だった。
「少しくらい抵抗すると思ったんだが…」
「この女から聞かされたが、こんだけ性能差が開きすぎていると抵抗する気すら起きん。めんどくさい……」
コンゴウはアネットから羅號の性能を聞かされ、彼女は抵抗を諦めていた。
その時、コンゴウとマヤが何かを感じ取った。
「どうした?」
「横須賀周辺をスキャンしたら、ハルナとキリシマを発見した。ハルナはメンタルモデルだけ、キリシマに至ってはコアのみだ。」
「…ちなみに様子を見る事はできる?」
「できるが…何故?」
「いや、ただ単に気になるから。」
コンゴウがハルナ達がいる屋敷のカメラ等をハッキングして映像を見せる。
そこにはハルナと少女がいた。
その少女はハルナに色々な服を着せていた。
『う〜ん…これかなぁ?それともこっちかなぁ?いや、こっちも捨てがたい…』
『もう、堪忍してつかぁさい……』
ハルナはでかいコートを取ろうとするも、少女に足を取られる。
『ま〜だ!これからが本番なんだからね!』
「……えっと、これがハルナなのか…?」
「…そうなるな。」
「完全にオモチャにされているわね…」
しばらくすると部屋の扉からメイドが現れる。
『蒔絵お嬢様、検査のお時間です。』
『はーい。ハルハル、好きなだけ服選んでていいからね!』
そう言って少女は部屋を後にした。
蒔絵が部屋を出た後、ハルナはすぐにコートを着る。
『シャキーン!』
『プークスクス…ハルハル〜、気に入られたなハルハル〜、フフフフフ…そんなことよりもハルナ、私にナノマテリアルを少し分けてくれ。流石に身動きが取れないのはな…』
『承知した。』
「ハルナはあのコートがないと萎えた植物みたいにヘナヘナになるみたいだね〜♪」
「萎えた植物って…」
再び画面に目をやると、熊のぬいぐるみが動き出した。
「…あれ、なんでぬいぐるみが動いて…?」
「反応から見るにキリシマだ。中にコアを入れてメンタルモデル代わりにしているな。」
「ていうか、あれじゃあキリシマじゃなくて“キリクマ”だね〜♪」
「プッ…キリクマって、ちょっと笑えるな。」
そんなことしていると、イ401から通信が入る。
「群像、これからどうする?イ401の損害から見てこのままアメリカに向かうのは無謀だ。」
「分かっている。まず向かうのはアメリカじゃない。俺達の拠点『硫黄島』だ。」
アメリカに振動弾頭を届ける群像達は、まずイ401を修理する為硫黄島に向かうことを決め、出航準備を進めた。
ー刑部邸周辺ー
数時間後日本陸軍の部隊が刑部邸に突入した時、そこには一台の六輪装甲車がいた。
日本軍の装甲車………では無かった。
車内には白い作業着を着た兵士7人と赤色のベレー帽に黒色のコートを着た指揮官が搭乗していた。
この装甲車はレムリア帝国陸軍前線指揮車『FCB-43 ドグマ』だ。
レムリア帝国陸軍は
この部隊を敵の目から背ける為モンタナに横須賀を襲わせ、そのゴタゴタに乗じて横須賀から離れたところから上陸し、そして刑部邸周辺に上陸部隊を配置した。
「バリアント3台、ホバーバイクに搭乗したPG兵30名それぞれ配置に着きました。」
「日本陸軍の様子は?」
「歩兵部隊は刑部邸に突入、メンタルモデルと交戦を開始。さらに無人兵器『岩蟹』も投入する模様。」
「ターゲットを殺すのに岩蟹まで投入するか。まぁ、メンタルモデル諸共始末するから当然か…」
「各部隊準備良し。いつでも強襲出来ます。」
「よし、作戦開始。刑部蒔絵を確保しろ!」
その瞬間、部隊が動き出す。
「フン、まあいい。
次回で第一章完結です。
乞うご期待ください。