ファイアーエムブレム―弱きを守る獣―   作:ユキユキさん

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第2話〜少女と共に。

―ルカ―

 

助けた少女の名前はリンダ、アカネイアを守護していた大司祭ミロアの娘とのこと。…ぶっちゃけ大司祭ミロアっていう人のことを知らないんだよね、元は田舎の村出身で今は戦い続けていたから。悪いなって言えば、

 

「いえ…そんな、お気になさらないで下さい!戦いに身を置き弱者を救済するルカ様が知らずとも良いことですので!」

 

と返された。そう?ならいいんだけれど。…にしても、名乗っていないのによく俺の名が分かるな?そう問うと、

 

「賊との戦いの中で、『うす汚い賊共よ、この白狼の糧となるがいい!さすれば来世、少しはマシに生まれよう!!ふははははは!!』って叫んでいました。白狼の二つ名を持つ方はただ一人、誇り高き傭兵ルカ様しかおりません!私…憧れていたので感激です!白狼のルカ様に助けて頂けるなんて!!」

 

キラキラとした目で熱っぽく答えられた。

 

 

 

 

 

 

こうも熱っぽい視線を向けられると何かむず痒い、してこの少女…リンダをどうすべきか。一応行くあてがあるのか聞いてみれば首を横に振る、

 

「父は亡くなりアカネイア聖王国も風前の灯火、私を受け入れる余裕はないでしょう。」

 

キラキラとした目は一瞬で悲しみの色に、…俺としたことがデリカシーのない。先ほど父を亡くしたと言っていたじゃないか、しかも戦時中であるし。見たところ彼女は魔道士、例え受け入れられたとしても前線に送られる可能性が高い。…親がいなければ頼る相手もいない、…全てを失い途方に暮れていた時の俺と同じじゃないか。

 

…これは連れて行くしかない、いずれ落ち着ける場所が見付かると思うし。それまでは守ってやろう、彼女を助けた俺の義務だ。それに連れて行けば魔法の援護が期待出来る、…更に戦いやすくなるだろう。…となれば彼女を鍛える必要がある、最低限の身を守る術を。…つーか共に来るか聞く前に予定を考えるなんて、先走りすぎだろ…俺。

 

…で共に来るか聞いてみたら、

 

「…ありがとうございます!」

 

と泣きそうな顔で礼を言われた。礼を言うってことは共に来るってことでいいんだな?…守ってやるが君にも強くなってもらう。俺と共に行動するってことは過酷な道だ、相応の力がなければ死ぬだろう。それでも…、

 

「覚悟の上です!私は父の(かたき)を、…ガーネフをこの手で倒したい。でも今の私じゃ…勝てません、…強くならなければ!!」

 

俺の問いに食い気味で答えたか、…その覚悟やよし!リンダ、…君を今よりも高みへ至らせよう!!

 

 

 

____________________

 

 

 

 

魔道士リンダを仲間にした俺は、最初にやることをリンダの強化とした。世界的に有名らしい大司祭ミロアの娘らしく、見た感じ並の魔道士よりは強いだろう。…がそれだけだ、その程度の実力では俺について来れない。途中で離脱しなければならなくなるか、俺が守るにしても死んで退場…なんてこともあり得る。よって強化は必須、彼女自身も強くなりたいようだし。

 

 

 

 

 

 

そんなわけで、賊やドルーア帝国に与する国の兵を求めて周辺を彷徨う。遭遇すれば俺を先頭に戦い、少しずつリンダに実戦経験を積ませて強化。元々彼女には才能があった、少しずつではあるけれど目に見えて強くなっている。それに付け加えて弱者を助けているという事実が自信へと繋がり、メキメキとリンダは魔道士としての実力を上げていった。

 

そんな日々の中、ある一報が耳に入る。アカネイア聖王国の王都パレスが陥落、ドルーア帝国側が勝利したという。俺からしてみればそりゃそうだって感想、アカネイア軍の練度の低さが気になっていたからね。特に中央貴族が率いるアカネイア軍本隊、そいつ等があまりにも酷過ぎた。何度か戦場を共にしたのだがあまりにも傲慢、地方貴族軍をコマのように動かしすり殺していく様は無能のクズと評せる。アカネイア軍の真の主力たる地方貴族軍は無能なる味方の手により壊滅、残った無能なるクズ集団である中央貴族軍じゃあ国は守れんよ。滅びるべくして滅んだんじゃないかな?アカネイア聖王国は。リンダも王都パレスの陥落を聞いて微妙な顔をしている、まぁ自分の父親が守護をしていたらしいからね。そりゃあ滅んだら思うこともあるだろう、…うん。

 

…にしてもアカネイア聖王国が滅んだ今、世界各地をドルーア帝国とそれに与する国が好き放題するって流れになるな。まぁ気に入らないから俺は最後まで反抗する、単身故に意味がないのかもしれないけれど戦い続ける。それが俺だ、弱者の為に戦い続けるのがこの俺ルカなのだ!

 

この先リンダがどうするのかは分からん、…分からんが何はともあれ燃えてきた。俺は俺が望むがままにやらせてもらう、待っているといい…ドルーア帝国!ふははははは!!

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